大分大学研究紹介:医学部医学科 解剖学講座 教授 濱田 文彦 大分大学研究マネジメント機構 産学官連携推進センター チャンネル登録者数 194人
研究マネジメントとは
最近、大学における研究マネジメントの重要性が謳われるようになってきていますが、そもそも研究マネジメントとは何でしょうか?研究マネジメント人材に求められる仕事内容はどのようなものなのでしょうか。
民間企業における研究開発マネジメントは商品化が最終目標だと思いますが、大学における研究マネジメントはゴールが多少異なると思います。最終目標(問われる成果)は、論文数、企業との共同研究実施実績などのようです。
本事業は、大学等が、研究経営システムを強化するため、リサーチ・アドミニストレーター(以下、「URA」という。)及び産学官連携コーディネーター(以下、「CD」という。)等に対して、研究経営能力等の育成に向けた研修の実施により、産学官連携活動の持続可能な体制整備及びURA、CD等を含む研究支援業務を担当する人材の資質向上を図るとともに、研究マネジメント人材育成のための体制整備及び強化を行うために必要となる要素及び課題を抽出し、調査・分析を行ったものである。その結果を以下の通り取りまとめた。(研究マネジメント人材の育成に向けた調査分析事業 文部科学省)
研究開発マネジメント人材とは、JSTのファンディング事業に特化し、研究成果最大化に向け、事業における研究領域等の推進業務を行う人材です。採用された方にはイノベーションの触媒、目利きとして、研究開発プログラムの公募選考・管理・成果展開等に携わっていただきます。本制度のもと、将来的には、研究者のパートナーとなって様々な関係者をつなぎ、研究活動全体をマネジメントするプロデューサー的人材(研究開発マネージャー)へと育っていくことを目指します。事例1「青色LED」JST職員が早期に企業連携を説得 日本での実用化に成功1985年、研究の意義をいち早く見出す「研究に集中し他に時間を取られたくない」赤﨑教授を訪問 産学官連携によるGaN青色発行ダイオード開発の必要性を粘り強く説く これをきっかけに、豊田合成との産学連携プロジェクトが立ち上がり、後にノーベル賞を受賞する青色LEDの実用化にむけた取り組みが開始。事例2「iPS細胞」 京都大学教授 山中伸弥 JST職員がALL JAPAN研究体制構築に動く 山中教授は研究に専念、国際社会をリード ヒトiPS細胞樹立後、多忙を極めた山中教授 機を逃さずJSTが研究をマネジメントできる職員を長期派遣 右腕としてセンター立ち上げに貢献、滞っていた研究支援を担当。 (研究費獲得、ルール策定・学外連携、論文相談等) iPS細胞研究所(CiRA)として世界に先駆け臨床応用へ発展。(研究開発マネジメント人材の趣旨 JST)
本報告書において、「研究開発マネジメント」とは、大学や研究機関において、科学技 術イノベーションの創出に向けて行われる、スキル標準に示された研究戦略推進支援業務 6、プレアワード業務、ポストアワード業務、教育プロジェクト支援等の関連業務を中心 として、近年求められる、研究セキュリティ/インテグリティ、倫理的・法制度的・社会 的課題 ELSI(ethical, legal and social implications/issues)、スタートアップ支援、ファ ンドレイズ、オープンアクセス/オープンサイエンスへの対応等も含む概念とする。 研究開発マネジメントが充実することにより、研究はもちろんのこと、産学官連携、教 育、組織運営等の機能を最大限、効果的に果たすことに寄与することが期待される。
科学技術イノベーションの創出に向けた研究開発マネジメント業務・人材に係る課題の整理と今後の在り方 資料2-2 科学技術・学術審議会 人材委員会(第 102回) 令和6年6月24日(39ページPDF)
大学における研究マネジメントの事例集
- 研究マネジメントの現状と課題(PDF) 2023年 東工大、筑波大、立命館大、中央大の事例紹介
自分なりにですが簡単にまとめてしまえば、研究マネジメントとは、大学としてのビジョン(大学の社会的使命)にのっとって制度(支援組織の整備)を整えて目標を設定し、お金(外部・内部の研究費)と人(研究者およびそのほかの支援者など)をやりくりして、モノ(既にある研究設備など)と情報(誰がどんな研究成果を上げているのか、どこにビジネスチャンスがあるのか、どんな企業が何をやりたがっているのか)も活用して結果を出す(論文、資金獲得、科学研究の成果の社会実装)ということのようです。
研究評価 IR
研究者個人の評価指標の確立:科研費獲得件数、共同研究の実施件数、トップ10%論文数、ハイインパクトジャーナル掲載数
研究支援制度の充実
科研費不採択者に対して審査結果に応じて助成
産学連携の推進
研究シーズ集の作成、公開、キーワード検索システムの実装
研究マネジメントの成果の指標
論文数
トップ10%論文数
国際共著論文
外部資金獲得:公的研究費(科研費ほか)
大型予算 特別推進研究、基盤研究(A)
さきがけ
申請件数、採択件数、採択順位
企業との共同研究
組織対組織(大学と企業)の共同研究の件数
産学連携研究による研究費収入 受託研究費、共同研究費
受賞
参考
- Research Development at MIT https://research.mit.edu/research-development
- Research management is a broad field involving the coordination of numerous processes to move research efforts forward, from setting goals and obtaining approval to monitoring progress and ensuring compliance. For research administrators, it is vital to understand what this entails so they can manage projects effectively and make better decisions. https://cayuse.com/blog/5-key-areas-of-research-management/
排便の仕組みと科学
肛門の解剖学
肛門の周りには内肛門括約筋がありさらにそのまわりには外肛門括約筋が存在しています。直腸の圧がたかまると伸展刺激が副交感神経系の骨盤内臓神経に伝わって、それが脊髄の神経細胞を経由して内肛門括約筋を弛緩させます。一方、外肛門括約筋は運動神経である陰部神経の支配を受けており陰部神経が外肛門括約筋の弛緩や収縮を制御します。陰部神経の細胞体は脊髄にありますが、その細胞に対して脳から排便命令を伝える神経終末がシナプスを作って、情報を送ります。
便意が発生するしくみ
直腸内圧が増加するとその刺激が骨盤神経により仙髄の排便中枢につたえられ、脊髄反射による遠心性線維を介して直腸の蠕動運動が高められます。そして、内肛門括約筋を抑制して弛緩させることで、糞便の排出をうながします。直腸内圧の増大による刺激は、また大脳にも送られて便意をもよおします。
排便を我慢する仕組みと排便の仕組み
便意が生じたからといっていつでもどこでも排便していいわけではないので、ここで人間は意思の力をもって、排便をコントロールするわけです。意図的にもしくは反射的に、外肛門筋を収縮させることにより、排便をこらえます。トイレに言って便座に腰かけて(あるいは和式トイレなら便器にまたいで)、排便してOKな状況になれば、「いきみ」(Pushing)などによってあるいは陰部神経を介して外肛門括約筋を弛緩させて排便に至ります。陰部神経ー外肛門括約筋は、随意運動が可能な骨格筋と同様に「運動神経ー横紋筋」のシステムであり意思によるコントロールができるというわけです。
正しい排便の方法
For a perfect poo
排便時の姿勢 To help open your anorectal passage
- knees higher than your hips
- Lean forward
- Bulge out your tummy while keeping a straight back
排便時の動作
- relax your back passage(おしりの出口をリラックスさせ) and let go
- Don’t hold your breath or strain(りきむ).
https://www.abc.net.au/news/2019-07-18/reasons-we-strain-to-poo-and-what-to-do-about-it/11316776
トイレットペーパー不要の完全無欠な排便に関する議論
After I defecate and attempt to wipe, there’s never anything on the toilet paper.
It’s called ghost poop. Your poop is so well made and compacted into the most anal-friendly poop rocket, that it has no time to bother your little bum hole.
https://www.quora.com/After-I-defecate-and-attempt-to-wipe-theres-never-anything-on-the-toilet-paper-This-has-been-going-on-for-weeks-now-Is-this-normal
A "successful" bowel movement = no toilet paper needed?
byu/shamrockmerino inIBD
参考
- しくみが見える体の図鑑 2012年 株式会社エクスナレッジ 代表取締役社長:三輪浩之 https://www.xknowledge.co.jp/book/9784767814421 この本は日本語の名称だけでなく英語の名称が付記されていて、英語圏の情報にアクセスする際に役立ちます。また日本語の解剖学用語は読み方が難しいものが多いのですが、この本ではふりがなが振られており、それもまた非常に役立ちます。この図鑑は臓器ひとつひとつの「見せ方」が上手くて、理解しやすいなあと感心して出版社を見てみたら、エクスナレッジという自分が知らない会社でした。ネットであれこれ見てみたら、「わかりやすさ」へのこだわりがあればこそなのかと納得。
- 雑誌『建築知識』は1959(昭和34)年に発刊。今年で創刊から60周年を迎える「読者の9割近くは1級建築士等の建築専門家」という、コテコテの建築専門誌であります。発行元のエクスナレッジは、建築だけにとどまらず、デザイン・生物・コンピューター・ビジネス関連など、多岐にわたるジャンルで書籍を刊行し、生物ジャンルでは、猫以外にもサルトリイヌペンギンクモイカタコウサギの書籍も数多く手がけています。特に、猫書籍のクオリティは高く、書店営業の折には「猫の出版社でしょ?」と言われることもあるほど。https://home.kingsoft.jp/news/amusing/nekojournal/11029.html
- 『日本の最も美しい教会』 https://www.christiantoday.co.jp/articles/23298/20170223/the-most-beautiful-church-in-japan.htm
- 2021.08.08 12:00 『建築知識』編集長に訊く、バズる専門誌の作り方 大きな転換点となった“猫のための家づくり” 休日に30キロくらい歩いています。その時間って、何も考えてないようでいていろいろ考えますし、自然や町並みを見て何かしらヒントを得ていたりもします。そうした意味で、「無駄な時間」って編集者にとってはすごく大事なものだと思うのです。https://realsound.jp/book/2021/08/post-829818_2.html
- 建築雑誌『建築知識』、建築基準法を「萌えキャラ」に擬人化 インタビュー エトセトラ 長井 雄一朗 公開日:2017.12.18 堅い雑誌というイメージが強い同誌だが、今年の12月号では、建築基準法などの建築法規を「萌え絵キャラクター」で表現し、物議をかもしている。 https://sekokan-navi.jp/magazine/12023
- 2017年8月号 広報会議 専門メディアの現場から 記事シェア 「猫」特集で売り切れ店続出 建築家100人以上に取材する実務誌 エクスナレッジ『建築知識』 『建築知識』は建築業関連従事者に専門知識を伝える実務誌だ。しかし本年1月号では盛り上がる猫ブームを捉え、「猫のための家づくり」を特集したところ売り切れ店が続出。ネットでプレミアがつくほどの人気を呼んだ。「対象はあくまで建築家でしたが予想を超える反響。猫を飼う一般女性も多く購入されたようです」と編集長の三輪浩之氏は振り返る。https://mag.sendenkaigi.com/kouhou/201708/scene-of-media/011205.php
- 2021.08.08 12:00 『建築知識』編集長に訊く、バズる専門誌の作り方 大きな転換点となった“猫のための家づくり” 文・写真・取材=木下恵修、画像提供=エクスナレッジ 『解剖図鑑』シリーズはこれまでに40冊以上出版していますが、その多くを担当しました。『日本の神様 解剖図鑑』や『日本の戦争 解剖図鑑』『百人一首 解剖図鑑』など、建築とは関わりのないタイトルがいくつもありますが、実はいずれも『建築知識』と同じつくり方をしています。https://realsound.jp/book/2021/08/post-829818.html
- 『建築知識』ヒット企画は出版業界仰天の「働き方改革」が源⁉編集部2021年07月15日 編集の根底に流れるのは、「実務に必ず役立つテーマを扱う」というスタンスである。その際に表現方法を工夫すれば、一般読者も取り込めるのでは……と編集しているそうだ。https://kensetsu-hr.resocia.jp/article/interview_kenchikuchisiki
- 足が速くなる解剖図鑑 2024/10/3 高林 孝光 (著) エクスナレッジ (2024/10/3)
カテゴリカㇽデータ解析のための統計学の教科書
Alan Agresti
Alan Agresti Distinguished Professor Emeritus Department of Statistics University of Florida I was employed by the University of Florida from 1972-2010.
An Introduction to Categorical Data Analysis 邦訳 カテゴリカㇽデータ解析入門 2003年 サイエンティスト社 公立図書館で借りて邦訳の中身を見てみると非常にオーソドックスで読みやすい教科書でした。題材も社会学や医学からとられていて、とっつきやすいと思います。数学的な理論の話にはほとんど全く言及していないので、「使う人向け」の教科書だと思います。第10章に簡潔にですが、カテゴリカㇽデータ解析(CDA)の歴史的な流れが書かれていましたが、それぞれの解析手法の開発が決してあたりまえのことではなく、統計学者同士で批判しあって確立されてきたことが大変興味深いと思いました。新しい手法を誰かが提案すると、スンナリとそれが学界で受け入れられるわけではないんですね。
定価4800円+税のところ、絶版になっていて古書の価格が高騰しており9000円~10000円程度でアマゾンやメルカリで売られています。
目次 第1章 序論 第2章 二元分割表 第3章 三元分割表 第4章 一般化線形モデル 第5章 ロジスティック回帰 第6章 分割表における対数線形モデル 第7章 ロジットモデルと対数線形モデルの構築とその適用 第8章 マルチカテゴリーロジットモデル 第9章 マッチドペアに対するモデル 第10章 20世紀におけるカテゴリカルデータ解析の歩み 付録 カテゴリカルデータ解析に対するSASとSPSS
原書は現在、第3版まで版を重ねています。が非常に高価です。
An Introduction to Categorical Data Analysis (Wiley Series in Probability and Statistics) ハードカバー 400ページ 第3版 2018/11/20 英語版 Alan Agresti (著) ¥18,425 税込 Kindle版 (電子書籍) ¥25,714 (257pt)
- 2007年第2版 https://mregresion.wordpress.com/wp-content/uploads/2012/08/agresti-introduction-to-categorical-data.pdf
An Introduction to Categorical Data Analysisは「入門」と銘打っている通り、入門者向けで、その上位としてもっと詳細なものも執筆されています。
Categorical Data Analysis (Wiley Series in Probability and Statistics) ハードカバー – 2012/12/3 英語版 Alan Agresti (著) ¥15,364 税込 Kindle版 (電子書籍) ¥18,912 (アマゾン)
著者はこんな人(下のインタビュー動画参照)。
Intervista al prof. Alan Agresti Video Istat チャンネル登録者数 4440人
ビタミンB3(ナイアシン)(ニコチン酸、ニコチンアミド)
ビタミンB3はナイアシンとも呼ばれ、ニコチン酸とニコチンアミドを合わせた総称です。
ニコチン酸アミド https://ja.wikipedia.org/wiki/ニコチン酸アミド
ニコチン酸 https://ja.wikipedia.org/wiki/ニコチン酸
ビタミンB3は、補酵素NADや補酵素NADPの材料となります。
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド https://ja.wikipedia.org/wiki/ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド
NADやNADPは、酸化還元反応において電子の運搬に関わる最重要分子です。電子供与体と呼ばれます。
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド https://ja.wikipedia.org/wiki/ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド
ビタミンB3摂取の効能
NAD+は、免疫機能や炎症などの加齢に関連した複数の経路に関与する中心的な分子として注目されており、ヒトや動物では加齢とともに減少することも知られている。https://medical-tribune.co.jp/news/articles/?blogid=7&entryid=565542
- ビタミンB3はCOPD患者の肺の炎症を軽減する? 2024年12月5日 13:52 MedicalTribune https://medical-tribune.co.jp/news/articles/?blogid=7&entryid=565542
ニコチン
ニコチンはニコチン酸と名前が似ていますが、構造は多少違います。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ニコチン
ニコチンはタバコに多く含まれており、ニコチン性アセチルコリン受容体のリガンドとして作用します。脳の、腹側被蓋野(Ventral Tegmental Area: VTA)と呼ばれるところにあるニコチン性アセチルコリン受容体に結合することにより、ドーパミンやβ-エンドルフィンを放出させる働きがあり、これらの脳内物質は「多幸感」をもたらします。そのためニコチン摂取は依存性があります。
膀胱鏡(ぼうこうきょう)検査の実際
泌尿器科の検査「膀胱鏡」を分かりやすく説明します! えしぃっく チャンネル登録者数 438人 チャンネル登録
「外尿道口」から「尿道」に内視鏡が入る、、と聞くと想像するだけで痛そうですが、必ず局所麻酔をして行う検査ですので、思ったよりは痛くないはずです。
https://ishimura.clinic/%E8%86%80%E8%83%B1%E9%8F%A1%EF%BC%88%E8%BB%9F%E6%80%A7%E8%86%80%E8%83%B1%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%BC%EF%BC%89
セレンディピティとアブダクション
科学研究の進展のためには、観察結果から導き出されるわけではない理論、そんな観察結果を導きだせるような理論を思い付く必要があります。どうして思いつけるの?という意外性のある発想に辿り着くの過程がabductionです。また、その過程で必要になるのがセレンディピティ selendipityです。セレンディピティと言う言葉は人によって意味の広さが異なるかもしれませんが自分の理解としては、予想外の事実を見て(実験結果など)その重要性に気付いたり、その予想外の結果を生みだした原因(仮説)のアイデアを得ることです。
Serendipity, in science, is the ability to discover, invent, create, or imagine a finding — a hypothesis, an explanation, a rule, a theory, a law — without deliberately having looked for it. https://link.springer.com/chapter/10.1007/978-3-7908-1792-8_14
セレンディピティによる発見は、理論を思いつくことである場合もあれば、予期せぬ観察である場合もあります。
- セレンディピティと科学の発見 英文タイトル:Serendipity and Scientific Discovery. Especially from Nobel Lecture by Koichi Tanaka
A man cannot inquire either about what he knows or about what he does not know. For he cannot inquire about what he knows, because he knows it, and in that case is in no need of inquiry; nor again can he inquire about what he does not know, since he does not know about what he is to inquire.
(PLATO, Meno, in 2 PLATO 300-01 (W.R.M. Lamb trans., Harvard Univ. Press 1990) https://link.springer.com/chapter/10.1007/978-3-7908-1792-8_14)
人ってさ、自分が知ってることとか知らないことについて「問い求める」ことってできないんだよね🤔。だって、知ってることならもう知ってるから、わざわざ問い求める必要ないじゃん?で、知らないことについては、それが何なのか分かんないから、問い求めること自体できないって話!(訳:ChatGPT 4o)
To find something truly new or unknown, an unpredictable element is also needed: most often a surprising observation followed by a correct abduction (from the Latin, ab-ducere). The observation surprises because it shows something new, which is then explained by a good abduction. For the art of making such an unsought finding, there exists in English even one single word: “serendipity.”
何か本当に新しいものや未知のものを見つけるには、予測不可能な要素も必要です。それは多くの場合、驚くべき観察とそれに続く適切なアブダクション(ラテン語の ab-ducere に由来)によって成り立ちます。 その観察が驚きを与えるのは、新しい事実を示しているからであり、その後、それが適切な仮説によって説明されます。このような意図せずして発見を得る技術には、英語ではたった1つの言葉が存在します――「セレンディピティ」です。(訳:ChatGPT 4o)
A mass of facts is before us. We go through them. We examine them. We find them a confused snarl, an impenetrable jungle. We are unable to hold them in our minds. We endeavor to set them down upon paper; but they seem so multiplex intricate that we can neither satisfy ourselves that what we have set down represents the facts, nor can we get any clear idea of what it is that we have set down. But suddenly, while we are poring over our digest of the facts and are endeavoring to set them into order, it occurs to us that if we were to assume something to be true that we do not know to be true, these facts would arrange themselves luminously. That is abduction. […] (Peirce 1958a, footnote 12, pp. 531–532).
Discoveries through serendipity are thus associated with the type of reasoning that Peirce (1839–1914) called abduction, which complements deduction and induction. Abduction involves a more intuitive and exploratory way of reasoning, which allows one to provide the best explanation possible of a surprising and unexpected fact (Peirce 1958b).
https://link.springer.com/article/10.1007/s11245-018-9571-3
所属する文化のパラダイムに疑問を持たぬように親や周囲の人々から指導を受ける時点で、「社会を理解する」というかたちで、多くの人はこの関心度を低下させてしまう。これは疑問に対する「真の理解」ではなく、文化的で円滑な生活を送るためにこれらの疑問を不問に付すというパラダイムを理解したに過ぎず http://www.japancreativity.jp/images/monograph/2016vol.20+SIG_merged-42-45.pdf
- Ronald S. Lenox: “Educating for the Serendipitous Discovery, Journal of Chemical Education,” Vol.62, No.4, pp282-285,(1985)
- Abduction in the Everyday Practice of Science: The Logic of Unintended Experiments Frederick Grinnell https://muse.jhu.edu/pub/3/article/745412
- On serendipity in science: discovery at the intersection of chance and wisdom June 2019Synthese 196(April) DOI:10.1007/s11229-017-1544-3 Authors: Samantha Copeland https://www.researchgate.net/publication/319863582_On_serendipity_in_science_discovery_at_the_intersection_of_chance_and_wisdom https://link.springer.com/article/10.1007/s11229-017-1544-3
過活動膀胱 overactive bladder OABとは
切迫性尿失禁は、トイレに行きたいって思った瞬間に我慢できなくて、尿が漏れちゃう状態。「トイレ行かなきゃ!」って感じるけど間に合わないことが多いのが特徴。膀胱が勝手に縮んじゃうのが原因で起こることが多くて、「過活動膀胱(かかつどうぼうこう)」って呼ばれる症状の一部。
切迫性尿失禁と、過活動膀胱の違い
切迫性尿失禁は急に「トイレに行きたい!」って感じて、我慢できなくて尿が漏れちゃう状態のことで、トイレに行く前に漏れてしまうのが問題。それに対して、過活動膀胱の特徴は、急にトイレに行きたくなる(切迫感)、頻尿(昼も夜もトイレの回数が増える)、尿失禁(特に切迫性尿失禁を伴う場合がある)などであり、切迫性尿失禁は、過活動膀胱の症状のひとつ。過活動膀胱には「漏れないけど急にトイレ行きたくなるだけ」の人もいる。
- ChatGPT 4o
Overactive Bladder – UCLAMDChat | UCLA Urology UCLA Health チャンネル登録者数 55.1万人
Urinary Incontinence | Clinical Medicine Ninja Nerd チャンネル登録者数 337万人 メンバーになる
切迫性尿失禁
〈尿失禁〉
✅腹圧性尿失禁→腹圧がかかることにより流出
✅反射性尿失禁→尿が溜まると反射的に流出
✅切迫性尿失禁→排尿の抑制が出来ない
✅溢流性尿失禁→残尿が漏れ出す
✅完全尿失禁→常に尿が漏れ続ける
尿失禁はよく出るから覚えて!👏
— みらい|1ヶ月で30点上げる看護師 (@mirai5526) February 6, 2024
ポルフィリンの生合成反応経路
ヘモグロビンはヘムとグロビンが結合しており、ヘムは鉄とポルフィリン環が結合したものです。ポルフィリン環はスクシニルCoAから合成されます。
Biosynthesis of Heme porphyrin ring | Heme YouTube Biotech Review 3.7万 回の視聴 2014年3月14日
アブダクション abductionとは 仮説形成により科学的な研究を進める方法論
科学は如何にして進展するのか、科学研究はどのように行われているのかについて調べていったときに必ず遭遇するキーワードが、アブダクション abductionです。自分は英単語として「誘拐」という意味ではabductionを知っていましたが、科学的な推論の文脈におけるabductionは全く知らなかったのでとても新鮮でした。
deduction(演繹)、induction(帰納)、abduction(アブダクション)
deduction(演繹)、induction(帰納)、abduction(アブダクション)の3つは、科学研究の方法論を語るうえで欠かせない重要な概念です。
演繹は、ある事柄から論理的に別の事柄(結論)を導き出すことです。例えば「ユークリッドの公理」から「三平方の定理(ピタゴラスの定理)」を導く過程は、「演繹」という過程です。数学では、「公理」を受け入れて、公理から論理的な様々な「定理」を導きますので、数学は演繹を使って研究を進めている学問だと言えます。
演繹の例:すべての人間はいつか死ぬ(一般的な法則)。私は人間である(具体的な事実)。私はいつか死ぬ(演繹により得られる具体的な結論)。
上の例はあまりパワフルに感じません。それは一般的な法則がすでに十分わかりやすいからでしょう。しかし数学のように、一見単純にみえる公理を認めただけで、非常に豊かな数学が作られるのを目の当たりにすると、演繹の凄さを感じます。つまりシンプルにみえる公理の中に、豊かな数学が詰まっているのです。
帰納は、いくつかの観察結果に基づいて、それを一般化するものです。例えば、ハクチョウを観察したところどのハクチョウの個体も羽の色が白いということが認められたので、「ハクチョウの羽は白い」と結論づけるのが、帰納という推論の過程です。重要なこととして、「演繹」は論理的に正しいのですが、「帰納」は必ずしも論理的に正しいわけではありません。実際今の例だと、オーストラリアに旅行してみたら、黒いハクチョウがいたので、ハクチョウの羽は白いという主張は必ずしも正しくないということになります。このように、反例が一つ見つかることで、帰納によって推論されて得られた結論は反証されてしまいます。だからといって「帰納」を使ってはいけないというわけではありません。むしろ逆で、科学研究において「帰納」は、演繹と並んで、非常に重要な方法論です。
さてアブダクションとは何でしょうか。科学史的に有名な発見を例に説明しましょう。ニュートンの万有引力の法則のおかげで、惑星の運動をニュートン力学で説明がつきます。ところが、天王星の動きを精密に観察したところ、ニュートン力学で予測される軌道からズレて動いていることがわかりました。このとき、天王星のさらに外側にまだ見つかっていない「未知の惑星が存在する」と仮定すれば、天王星の動きがニュートン力学で説明できます。なので、「未知の惑星が存在する」と考えてしまおうというのが、アブダクションです。
「未知の惑星が存在する」ならば、「天王星の動きの説明がつく」。
なので「未知の惑星が存在する」と結論される。
というわけです。これは、
AならばB. 今、Bなので、A と言っているようなものです。
A「未知の惑星が存在」、B「天王星の動きがニュートン力学で説明可能される」
記号で書けば、
A⇒B B⇒A
となります。A⇒Bだからといって、B⇒Aが成り立つといは言えません。これは高校の数学で論理学を習った人なら常識でしょう。別に高校の数学を覚えていない人でも「逆は真ならず」といういいまわしは聞いたことがあるはずです。逆は成り立たないのです。ところが「逆が成り立っている」として、それを仮説として採用するというのが、科学研究におけるアブダクションの考え方です。
今の説明を聞いてスンナリ納得できた人はかなりススンデいます。なぜなら、アブダクションという考え方は、科学研究の進展のロジックを高名な科学者(ベーコン 1561-1626、デカルト 1596-1650、ミル 1806 -1873)たちが、あーでもない、こーでもないと考えてきて、比較的最近になって提案されて(パース 1839-1914)、受け入れられた考え方だからです。それまでは、科学研究の方法と言えば、演繹か帰納だったのです。
- What’s the difference between deductive reasoning and inductive reasoning? References By Alina Bradford, Mindy Weisberger, Nicoletta Lanese last updated March 7, 2024 説明動画 https://cdn.jwplayer.com/previews/7sN0CWgE (3:01) 演繹、帰納、アブダクションの説明と例示
袋と豆の例
演繹と帰納とアブダクションの違いを、袋から豆を取り出す状況で説明します。
演繹:白い豆がたくさん入った袋があります。袋に手を突っ込んで、豆を取り出して、何色の豆か調べます。白い豆の袋から取り出すので、取り出した豆の色は白いです。
事実:袋の中の豆は白い
検証:これらの豆を袋から取り出した
結果:取り出した豆は白い(論理的な帰結)
真実⇒結果 が言えます。
帰納:何色の豆が入っているのかは知らないですが豆が入った袋があります。袋に手を突っ込んで、豆を取り出してみたら白色でした。また、同様に取り出したらまた白でした。再度同じことをしたらまた白でした。3回白かったので、実験結果を一般化して、袋の中身は全部白いのだと結論します。
仮説:袋の中の豆は白い(仮説)
検証:これらの豆を袋から取り出した(仮説の検証方法:袋から豆を取り出して色を調べる)
結果:取り出した豆は白い(検証)
仮説⇒結果(反証されなかったので、この仮説はもっともらしい)
アブダクション:白い豆が床にいくつかこぼれています。床に豆の入った袋が置いてあります。床にこぼれた豆は、その袋からこぼれ落ちた豆なのでしょう。
事実:袋の中の豆は白い
仮説:これらの豆はその袋から取り出された
観察された事実:ころがっている豆は白い
観察された事実⇒仮説
考えてみると、この場合は、袋の中の豆が白いという仮説だけでなく、これらの豆はその袋から取り出されたということも仮説として立てることができます。袋の中の豆が白いことを仮説にすると、帰納法と同じになってしまうので、ここでは「その袋から取り出された」ことを仮説としました。こうすれば、 帰納法の例とは異なる状況になります。
Suppose we know that a bag is full of white beans. We see white beans in the corridor, and we say, “These beans probably come from that bag.” The argumentation can be schemed as follows: – We see White beans (𝐴); – We know that if the beans come from that bag then they are white (𝐶 → 𝐴); – Then we say that probably those beans come from that bag (𝐶). In other words: we observe a fact 𝐴, we know that if a fact 𝐶 would be true, certainly 𝐴 would be true so it is reasonable to assume that 𝐶 is true https://iris.unito.it/retrieve/3504748d-e94e-4e18-8976-bc53c6b9d43f/Thesis%20Final%20-%20PhD%20-%20BarberoM.pdf
別の例で考えると、5大陸がもともとは一つの大きな大陸だったという大陸移動説があります。
仮説:一つの大きな大陸が5個の分かれて移動してそれぞれの現存する大陸になった
観察事実:それぞれの大陸の縁の形がジグソーパズルのようにピッタリ合う。
仮説⇒観察事実
という関係があります。今、観察事実が正しいので、仮説がもっともらしいと考えられます。もちろん、別の仮説でも説明がつくかもしれないので、あくまで仮説にすぎません。しかしもっともっともらしい仮説がほかになければ、とりあえずこの仮説を暫定的にでも受け入れておくしかないでしょう。
アブダクションに関する書籍
- 米盛裕二 アブダクション Abuduction 仮説と発見の論理 2007年 勁草書房 :学術書です。重要人物の業績を適宜引用、紹介しながら科学的な研究における推論や仮説形成の方法論が解説されています。アブダクションという書籍タイトルですが、アブダクションと帰納との違いが何かを論じているので当然のことながら「帰納」の話も多いです。
- 羽田康祐 k_bird 問題解決力を高める「推論」の技術 2020/1/8 フォレスト出版
参考論文
- Anatomy of the Unsought Finding. Serendipity: Origin, History, Domains, Traditions, Appearances, Patterns and Programmability PEK VAN ANDEL Brit. J. Phil. Sci. 45 (1994), 631-648 https://www.wur.nl/upload_mm/5/a/b/28cef998-bcc4-43de-9b2e-250b3169729e_Pek%20van%20Andel.pdf パースの著書の文章などもたくさん引用されており、米盛裕二氏の著作と併せて読むと良い。
- On serendipity: The happy discovery of unsought knowledge Robert M. Davison 24 October 2018 https://doi.org/10.1111/isj.12229
- The Antinomies of Serendipity How to Cognitively Frame Serendipity for Scientific Discoveries Published: 02 June 2018 Volume 39, pages 939–948, (2020)
アブダクションとベイズとの関係
アブダクションのことを学ぶと、それってベイズの定理もしくは事後確率そのものじゃないかと思いました。実際、そのものだと思います。パースのアブダクションを、定量的に扱っているのがベイジアンだと言っていいでしょう。パースは仮説を得ることに主眼(主目的)を置いているのに対して、ベイジアンは得られた仮説のもっともらしさを定量している(複数の仮説があれば、どの仮説が一番ありそうか)というところに違いがありますが、いわんとしていることは同一だと思います。
1. Abduction (Peirce’s Concept)
Definition: Abduction, according to Peirce, is a form of reasoning that starts with an observation and seeks the simplest or most likely explanation. It’s often referred to as “inference to the best explanation.”
Process:
- Observation: Something surprising or unexplained occurs.
- Hypothesis: Formulate a plausible explanation that could make the observation intelligible.
Example:
- Observation: The grass is wet.
- Abduction: It might have rained last night.
- Core Feature: It focuses on the generation of hypotheses rather than their validation.
2. Bayesian Abduction
Definition: Bayesian abduction extends Peirce’s concept by incorporating probabilistic reasoning, often using Bayes’ theorem to update the likelihood of hypotheses given new evidence.
Process:
Prior Probability ( 𝑃 ( 𝐻 ) P(H)): The initial probability of a hypothesis 𝐻 H.
Evidence Likelihood ( 𝑃 ( 𝐸 ∣ 𝐻 ) P(E∣H)): The probability of the evidence 𝐸 E if the hypothesis 𝐻 H is true.
Posterior Probability ( 𝑃 ( 𝐻 ∣ 𝐸 ) P(H∣E)): The updated probability of 𝐻 H after considering 𝐸 E, calculated as: 𝑃 ( 𝐻 ∣ 𝐸 ) = 𝑃 ( 𝐸 ∣ 𝐻 ) 𝑃 ( 𝐻 ) 𝑃 ( 𝐸 ) P(H∣E)= P(E) P(E∣H)P(H)
Key Feature: Bayesian abduction formalizes the evaluation of hypotheses based on their probability, making the abductive reasoning process quantitative. Key Differences Aspect Abduction (Peirce) Bayesian Abduction Nature Qualitative reasoning to generate plausible hypotheses. Quantitative reasoning to evaluate and rank hypotheses. Focus Plausibility of hypotheses. Probability of hypotheses given evidence. Evaluation Informal and intuitive. Formal and mathematical (Bayes’ theorem). Purpose Hypothesis generation. Hypothesis evaluation and ranking.
Example: Diagnosing Disease
Peirce’s Abduction
- Observation: A patient has a fever and cough.
- Hypothesis: The patient might have the flu.
- Reasoning: The flu is a plausible explanation for these symptoms.
Bayesian Abduction
- Observation: A patient has a fever and cough.
- Hypotheses: 𝐻 1 H 1 : The flu ( 𝑃 ( 𝐻 1 ) = 0.3 P(H 1 )=0.3). 𝐻 2 H 2 : COVID-19 ( 𝑃 ( 𝐻 2 ) = 0.1 P(H 2 )=0.1).
- Update: Using Bayes’ theorem, update 𝑃 ( 𝐻 1 ∣ 𝐸 ) P(H 1 ∣E) and 𝑃 ( 𝐻 2 ∣ 𝐸 ) P(H 2 ∣E) given the observed evidence (fever and cough) to decide which hypothesis is more likely.
Summary
- Peirce’s Abduction: A creative, qualitative process for generating explanations.
- Bayesian Abduction: A probabilistic, quantitative approach that evaluates and ranks explanations using formal Bayesian methods.
- While Bayesian abduction can be seen as a modern extension of Peirce’s idea, it focuses on hypothesis evaluation rather than generation, emphasizing the formal and probabilistic assessment of competing explanations.
At their core, both Peircean abduction and Bayesian abduction aim to explain observed phenomena by identifying plausible hypotheses. The key distinction lies in how they approach the reasoning process: Peircean abduction is qualitative and intuitive: It’s about hypothesis generation—the creative leap to a potential explanation. It doesn’t require numbers or probabilities; instead, it relies on plausibility and coherence.
Bayesian abduction is quantitative and formal: It focuses on hypothesis evaluation—assessing and ranking explanations based on evidence. It uses probabilistic frameworks like Bayes’ theorem to guide this evaluation.
Why They’re Linked but Not Identical
Peircean abduction provides the foundation: it gives us a way to think about forming hypotheses in the first place. Bayesian abduction takes it further by formalizing how to evaluate and refine those hypotheses once they’re proposed.
Analogy: A Detective Solving a Mystery
- Peircean abduction: The detective observes a clue (e.g., a broken window) and hypothesizes that it might be a burglary.
- Bayesian abduction: The detective then gathers more evidence (e.g., fingerprints, a missing TV) and uses probabilities to evaluate if burglary is the most likely explanation compared to, say, an accident or prank.
In essence, they are two sides of the same coin: both aim to infer the best explanation, but they operate on different levels—one is the spark of insight, and the other is the logical testing of that insight.
(ChatGPT 4o)