月別アーカイブ: 2022年6月

Physician–Scientist(研究医)への道 臨床医のための臨床研究入門ウェブ記事・書籍・セミナーその他

Physician–Scientistへの道

臨床医のための臨床研究入門ウェブ記事

  1. Developing Physician-Scientists Carpe Diem Nancy J. Brown Originally published30 Aug 2018 https://doi.org/10.1161/CIRCRESAHA.118.313473 Circulation Research. 2018;123:645–647
  2. 座談会 臨床研究の本質を知るのは 床研究の本質を知るのは けっこう楽しい 週刊 医学界新聞 2018年7月2日 医学書院
  3. Being a physician-scientist today JULY 12, 2017  Beth Kozel is a 2015 Lasker/NIH Clinical Research Scholar.
  4. Becoming a Physician–Scientist A View Looking Up From Base Camp Ganetzky, Rebecca D. MD Academic Medicine: October 2017 – Volume 92 – Issue 10 – p 1373–1374 PDF
  5. A Med Student’s Guide to Becoming a Physician-Scientist Brian Wu Mar 21, 2017 at 9:16 AM
  6. Physician-Scientist(研究医)のすすめ ~日本の臨床研究の信頼回復のために~ 順天堂大学大学院医学研究科免疫病・がん先端治療学講座准教授 大沼 圭 日医ニュース 第1283号(平成27年(2015年)2月20日)
  7. Finding Nirvana: Paths to Becoming a Physician-Scientist By Aimee S. Payne, Skip BrassOct. 16, 2013 , 4:30 PM
  8. Is the physician-scientist an endangered species? by Colleen Shaddox Yale Medicine, 2011 – Autumn
  9. 理想のphysicianscientistを目指して 臨床教室の利点を最大限に生かす基礎研究を実践 山梨大学医学部血液内科教授 小松則夫 最新・血液内科シリーズ Vol.24 私と仲間たち VISION 2007年12月20日

 

臨床医のための臨床研究入門書籍

超入門! スラスラわかるリアルワールドデータで臨床研究 康永 秀生, 田上 隆他  2019/8/19

外科系医師のための臨床研究 手術を評価するアウトカム 本多 通孝 2019/7/16

生涯論文! 忙しい臨床医でもできる英語論文アクセプトまでの道のり 谷本 哲也 2019/4/26

もしあなたが臨床研究を学んだら医療現場はもっとときめく 福間 真悟, 渡部 一宏 他 2019/3/4

臨床研究立ち上げから英語論文発表まで最速最短で行うための極意 (すべての臨床医に捧ぐ超現場重視型の臨床研究指南書) 原 正彦 2017/12/4

外科系医師のための手術に役立つ臨床研究 本多 通孝 2017/11/16

ゼロから始めて一冊でわかる!みんなのEBMと臨床研究 神田 善伸 2016/10/17

臨床研究の教科書: 研究デザインとデータ処理のポイント 川村 孝 2016/3/22

医学的研究のデザイン 研究の質を高める疫学的アプローチ 第4版 2014/9/1 木原雅子 (翻訳), 木原正博 (翻訳)

臨床研究の道標(みちしるべ)―7つのステップで学ぶ研究デザイン 福原 俊一 2013/3/15

 

臨床医のための臨床研究入門セミナー

  1. 臨床研究てらこ屋 臨床研究てらこ屋では、「漠然とした疑問」から「研究の基本設計図」までの7つのステップのコア・ステップを中心に、講義やグループ実習を行います。

 

参考

  1. 全国の医学部における研究医養成の取り組み(国立大学医学部長会議)

レジストリ-研究(registry study)とは

臨床研究とは

患者さんを対象にした研究のこと https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/49/4/49_4_177/_pdf

介入研究とは

実験的要素を伴う臨床研究であり,ときに臨床試験とも呼ばれる https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/49/4/49_4_177/_pdf

観察研究とは

文字通り観察のみ行う臨床研究であり,ときに疫学研究とも呼ばれる. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/49/4/49_4_177/_pdf

レジストリ-研究

患者を対象にした観察研究のことを登録研究(レジストリー研究)と呼ぶことがある https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/49/4/49_4_177/_pdf

承認申請におけるレジストリ-データの利用

  1. 患者レジストリーデータ活用のための研究デザイン・解析方法、及びデータの信頼性担保方法に関する検討状況 国立がん研究センター研究支援センター生物統計部柴田大朗 AMEDクリニカル・イノベーション・ネットワーク推進支援事業公開シンポジウム(2018/7/12)

レジストリ-研究の事例

  1. COVIREGI-JP 日本全国の医療機関に入院されたCOVID-19患者さんの情報を収集し、病気の特徴や経過などの様々な点について明らかにすることを目的とするCOVID-19レジストリの研究 沿革と進捗状況 2020年3月17日 REDCapでの症例登録開始 2022年2月21日 60000症例を突破

 

「承認申請等におけるレジストリの活用に関する基本的考え方」に ついて 令 和 3 年 3 月 23 日

「承認申請等におけるレジストリの活用に関する基本的考え方」に ついて(令 和 3 年 3 月 23 日)を読んだメモ

  1. 医薬品、医療機器及び再生医療等製品の開発において、実際の医療環境下で取得されたリアルワールドデータの利活用を試みる国内外の取組が活発化
  2. リアルワールドデータの一つであるレジストリデータを承認申請等に活用する場合の基本的考え方を示す
  3. 臨床試験は、医薬品、医療機器及び再生医療等製品の有効性及び安全性に関する科学的エビデンスを構築するための強力な手段であり、製造販売承認を取得するにあたり有効性及び安全性を評価するためには、一般的に必要
  4. 製造販売承認においては、有効性及び安全性の主要な根拠として提出された臨床成績を中心に、提出された資料(評価資料及び参考資料)に基づき、有効性及び安全性が総合的に評価
  5. RWDのデータソースには、診療記録のデータ、レセプトデータ、疾患レジストリのデータ、医薬品、医療機器又は再生医療等製品の製品レジストリのデータ、その他の健康状態に関連するデータソースからのデータ(家庭内機器やモバイルデバイス等からのデータを含む)が挙げられる。
  6. RWDを製造販売承認のために用いるためには、幾つかの課題
  7. RWDの多くは医薬品、医療機器及び再生医療等製品の有効性及び/又は安全性の評価に使う目的に最適化されたものではない
  8. 診療記録のデータ及びレセプトデータは、必ずしも研究目的のために収集や整理がなされたものではない

参考

  1. 承認審査業務(申請・審査等) PMDA

科研費が採択されない理由:申請書作成でやりがちな8つの失敗

科研費に申請してもなかなか採択されない、あるいは、科研費に申請するのは今回が初めてという人が書いた研究計画調書を読ませていただくと、いろいろと「落とし穴」にはまっていることが多いようです。

自分では気付きにくい、申請書作成で失敗するポイントを挙げてみます。書き上げたあとのチェックリストとしてご活用ください。

研究テーマが科研費向きではない

個人の趣味だったり、製品の性能比較だったり、手技の比較だったり、手技の開発のための練習だったり、学術的な要素が無いもしくは少ないと採択されません。

解決方法:学術的な要素を入れる。プラスアルファの分析ができないか。ダメならテーマを変える。研究助成が必要ならば、科研費以外の研究助成を考える。テーマが科研費の趣旨にそぐわない場合は、いくら業績があっても、いくら申請書が良くかけていても採択されません。

研究目的が大きすぎる・小さすぎる

若手研究や基盤研究(C)の計画調書に、研究目的は「発がんのメカニズムを解明する」ことなどと書くと、大きすぎます。研究テーマは、論文というアウトプットを考えて、論文のタイトルになる程度の具体性、適度な大きさが必要です。実験内容がシンプル過ぎてテーマとして小さすぎるということはありがちなのですが、逆に、やりたいことが多すぎて実験課題を詰め込み過ぎという人もいます。研究内容が多すぎても、何を本当にやりたいのかがぼやけてしまったり、高々3年程度でそれ全部やって結果出すのは無理だよねという判断になります。

解決方法:アウトプットである論文の形をイメージして、論文タイトルと同等の大きさの研究課題名、研究目的とする。

研究目的と研究計画の不一致

研究目的が実験結果にサポートされないのに、書いた本人が気づけていないということがしばしば起こります。これは論文の査読ポイントと同じです。論文著者の主張は実験データによりサポートされているかどうかを査読者は見ます。同様に、研究計画が実施されて得られるであろう実験結果から、研究目的に書いた主張が言えるのかどうか。そこに乖離があると、即不採択です。どんなに業績のあるベテラン研究者だろうと、矛盾した計画書を書いていれば不採択にされるでしょう。

解決方法:計画欄に書いた実験結果から、最大限言える主張は何か?その主張が研究目的として書かれているかを自分でチェックする。研究目的を変えたくないのであれば、その目的が実現できるだけの実験を追加する。実験できることに限りがありそれ以上の実験をするつもりがないのであれば、研究目的に書いた主張を弱めるなりする。そのどちらかで対処するしかありません。

背景がダラダラ書かれている

ある疾患に関する科研費研究だった場合に、背景説明で、疾患の一般的な説明をしてしまうということはよくあります。しかし科研費の申請書は医学の教科書ではありませんし、その疾患のレビュー論文でもありません。漠然と背景を書いてはいけません。読んでいてどこに向かっているのかわからないような文章はNGです。

解決法:背景はそもそも何のためにあるのかという、原点に立ち返って考えてみましょう。論文の背景は、その論文で示す研究成果の「作業仮説」を導くために書かれます。同様に、科研費申請書においても、作業仮説や研究目的、学術的な問いを導くために書きます。科研費の様式では、背景と学術的な問いとを書けという指示がありますので、学術的な問いを導くように書くのが一番自然な流れになるでしょう。自分の書いた文章に方向性があるか?と自問しながら読み返してチェックしてみましょう。

先まで読まないと理解できない文章になっている

申請書は予備知識ゼロの審査委員が頭から読んだときに、既に読んだところと今読んでいるところに書いてある情報だけで意味を成さなければなりません。説明抜きで新しいことを書くと読んでも理解されません。先のほうまで読んで初めてさっき出てきた語句の説明が与えられるというのではいけません。

解決方法:応募者の頭の中には研究計画に関するあらゆる知識が詰まっているので、情報がどんな順番で紙に書いていても理解に困りません。しかし、その文章を初めて読む分野外の読者にしてみれば、書かれていることと書かれていたことだけしか手掛かりがありません。先のほうに書かれていることはまだ読んでいないので、理解の手助けにならないのです。当たり前すぎることですが、申請書を書いている本人にはなかなか気づけないものです。なので、その矛盾に気付くためには誰か専門外の人に読んでもらうしかありません。専門分野が離れた友達や家族に読んでもらって指摘してもらいましょう。

ページの下に余白がある

余白がある=書くことがない=熱意がない、よく練られた計画ではない という印象を与えてしまいます。業績欄のページの下に余白があると、業績が足りない人だと思われます。研究計画欄のページの下に余白があると、実験が少ないと思われます。

解決方法:余白を埋めるために、言葉遣いを冗長にするのはいけません。あくまで内容をしっかり書き込みましょう。ページの最下行まで書き切ることが大事です。最初に申請書のページに収まりきれなくらいの量を書いておいて、無駄な表現を削りに削ってページギリギリに収めると、応募者の熱意ややる気、研究の凄みが伝わります。

業績リストが分かりにくい

審査委員が業績を見るときに気にするのは、その応募者が最近、ファーストオーサーで論文をどれくらい出しているのか、応募者の論文がどの雑誌に掲載されているのかということです。それが一瞬で伝わるようなフォーマットで業績リストを見せるのが効果的です。

解決方法:論文タイトルの後に論文著者を書くのではなく、行の始めに論文著者を書くようにします。そうすれば、ファーストオーサーの論文がいくつもあれば、応募者の名前が一番左にきれいに揃うので、パッと見た瞬間に筆頭著者論文がどれか、いくつあるかがわかります。雑誌名も重要なので、太字にして斜体にするなど、周囲の文字から浮き立って見えるようにしましょう。

また、症例報告と総説と原著論文をごちゃまぜにする人がいますが、審査委員が一番知りたいのは原著論文の数とオーサー順、雑誌名、年です。審査委員が知りたいことが一瞬でわかるように書いていない申請書は、審査委員をイラっとさせます。イラっとした審査委員があなたの申請書に良い評価を与えてくれるでしょうか?結果は自明ですよね。

教授に指導していただく 

応募者(研究代表者)が助教や講師、准教授で、研究分担者に教授を入れている場合に、教授の役割として、研究の指導、論文作成の指導などと書いてしまう人がいます。しかし、審査委員の立場からすると、独立した研究者になっていない人にあげるお金なんてありません。実際にはラボで指導を受けているとしても、申請書の上では研究リーダーは応募者その人なのです。研究代表者が研究分担者を従えて研究体制を構築しているというスタンスを崩してはいけません。

解決方法:人に指導して頂くという書き方は削除し、役割分担は敬語表現を使わずにニュートラルな記述にする。**は、***を行う、 **は***を担当する。などと書く。

科研費申請書の書き方

 

科研費の教科書