- 運営費交付金配分を用いた政策誘導がまねく国立大学の危機 永山泰秀 日本の科学者 Vol.54 No.12 December 2019 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsci/54/12/54_11/_pdf/-char/ja
参考
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大学の事務の人と話をすると、特に何かを提案した場合のことですが、「前例がないので、できません。」とう言葉がしばしば返ってきます。「昨年と同様にやりましょう。」というのも良く耳にするフレーズです。前例がない新しいことをやらない限り、大学は改善していかないのではないかと、いつも素朴な疑問が生じてしまうのですが、実際のところどうなのでしょうか。
大学事務職員の仕事とはどのようなものであり、それが大学にどう評価されて昇進につながるのか、大学職員はどのようなモチベーションで日々仕事に励んでいるのか、そんなことが疑問として湧いてきました。
何もしないので失敗もしなかった人が昇進する組織なのでしょうか。それとも何かをやろうとして失敗しても、許される組織でしょうか。いまどき、正規雇用の常勤職員は少なくて、ほとんどの人は、非常勤の派遣やアルバイトです。ところが不思議なことに、派遣やアルバイトの人の方が仕事に対する情熱を感じさせることがしばしばあります。正規職員のほうが、淡々としています。この熱量の差も自分にとって謎の一つです。
年代や職階が上がるほど、規則や前例、理事会・教授会の決定に従って忠実に事務処理を行うことを重視する傾向が強ければ、組織に変化は起きにくい。
大学を強くする「大学経営改革」[90] 職員の貢献度を高めるための課題と方策 〜真の「協働」の実現に向けて〜 吉武博通 2020/11/09 リクルート進学総研 https://souken.shingakunet.com/higher/2020/11/90-ceb1.html
言われたことだけをやっていたら先がないという感覚で長いこと生きてきたので、言われたことしかやらない、言われていないことはやらない(勝手にやったら怒られるので)という価値観、仕事観を初めてしったときは、かなり新鮮でした。しかし、教員組織の下に事務組織が置かれているため、教員の指示なしで事務職員が勝手に動くということはあり得ません。
これから期待される理想的な大学職員像とはどのようなものなのでしょうか。
高度化・複雑化する課題に対応していく職員として一般的に求められる資質・能力には、例えば、コミュニケーション能力、戦略的な企画能力やマネジメント能力、複数の業務領域での知見(総務、財務、人事、企画、教務、研究、社会連携、生涯学習など)、大学問題に関する基礎的な知識・理解などが挙げられる。
事例1 学長からは、「生き残りがかかっているのに、戦略的な運営がしにくい。外部資金をどんどん集めるように。」と号令をかけられている。
職員の対応:①②③自分の大学がどのような財務構造になっているのか、調べてみる。④文部科学省等の説明会に行き、詳しい情報を得る。⑤心当たりの教員に外部資金への応募を勧める。支援する。⑥職員から提案して申請や学内改革までつなげる。
4.大学職員の役割~ただの「事務」から一歩踏み出す~ https://www.ynu.ac.jp/about/project/manabi/images/28/pdf/01_1_PPT_Satomi.pdf
上の事例を見ると、これはまさに今はやりのリサーチ・アドミニストレータ-(URA)に求められている役割と重なります。職務が完全にオーバーラップしているんですね。
日本の科学研究に対する助成事業(研究費の分配)はどのような考えのもとに企画、実施されているのかなどを俯瞰できるように、主要な出来事をまとめておきます。
1949年 日本学術会議 発足
1959年 科学技術会議(1959 ~ 2001年) が内閣総理大臣の諮問機関として旧総理府に設置
1973 “Management: Tasks, Responsibilities, Practice” Peter F. Drucker stated: “Concentration is the key to economic results. No other principle of effectiveness is violated as constantly today as the basic principle of concentration.” In 1967, The Effective Executive Peter Drucker wrote that effective executives must concentrate on a few major areas where they can achieve significant results, warning against dispersing effort too widely. *日本の科学技術予算でよく言われる「選択と集中」はドラッカーの言葉そのものではない。
1980年 米国バイドール法成立8政府資金による研究開発で得た特許を大学や企業に帰属できるようになった)
1990年 バブル崩壊(1989年が株価最高額)
1995年(平成7年)11月15日 科学技術基本法 が施行(尾身幸次氏が制定に尽力)
1996年 第1次科学技術基本計画(1996~2000)
2001年度 第2期科学技術 基本計画(2001 ~ 05年度)*「選択と集中」路線の始まり、特定4 分野への重点投資 注)科学技術予算全体を底上げされたわけではないため、選択されなかった分野や基盤的経費の予算削減をもたらした(国立大学運営費交付金の削減など)。https://www.jstage.jst.go.jp/article/tits/26/5/26_5_63/_pdf/-char/ja *・競争的資金の倍増と間接経費(30%)の導入(間接経費の制度は、米国がお手本)(科学技術庁に対して間接費の導入と引き換えに大蔵省は国立大学の基盤経費の全廃を要求したそう。(参考:『誰が科学を殺すのか』毎日新聞)
2001年 総合科学技術会議議(2001 ~ 2014年)(前身は科学技術会議)中央省庁再編に伴い新設された内閣府に設置
2001年 経産省「大学発ベンチャー1000社計画」(大学などの研究成果を事業化する目的)
2002年 知的財産戦略大綱(知的財産戦略会議)で日本版バイドール法が整備(「国・特殊法人等の委託による研究開発の成果たる知的財産権を受託者に帰属させることができる産業活力再生特別措置法第30条(いわゆる日本版バイ・ドール制度)を、特別な事情のあるものを除き、全ての委託研究開発予算について、2002年度中に適用する。」旨決定)*アメリカに遅れること約20年!
2003年(平成15年)7月 知的財産の創造、保護及び活用に関する推進計画(知的財産戦略本部決定)
2004年(平成16年)5月 知的財産推進計画2004(知的財産戦略本部決定)「日本版バイ・ドール制度の利用を徹底させる」旨決定
2004年 国立大学の法人化、以降、国立大学法人運営費交付金が年1%ずつ削減
2006年(平成18年)9月26日 ~ 第1次安倍内閣~ 2007年(平成19年)9月26日
2008年 リーマン・ショック(9月にアメリカの有力投資銀行リーマンブラザーズが破綻し世界的に株価下落、金融不安(危機)、同時不況)
2009年4月 内閣府 最先端研究開発支援プログラム(FIRST)の制度を創設 Funding Program for World-Leading Innovative R&D on Science and Technology https://www8.cao.go.jp/cstp/sentan/about.html
2009年8月~民主党政権時代~2012年12月
2009年9月4日 第84回総合科学技術会議 30課題を「最先端研究開発支援プログラム」(FIRST)の中心研究者及び研究課題を決定 1000億円を30課題に配分することに
2009年11月13日 事業仕分け「2位じゃだめなんですか」(蓮舫)
2010年(平成22年)3月9日 「最先端研究開発支援プログラム」(FIRST) 1000億円を配分する30課題の中心研究者30名決定
2010年3月 三菱化学生命科学研究所 解散(記事:相模原町田経済新聞2008.04.18)
2011年 第4期科学技術基本計画(2011~2015)
2012年12月26日 安倍内閣(第2次)~ 2020年(令和2年)9月16日
2013年 内閣府設置法の一部を改正する法律(平成26年法律第31号)*「科学技術基本計画の策定及び推進に関する事務」、「科学技術に関する関係行政機関の経費の見積りの方針の調整に関する事務」を文部科学省から内閣府に移管 *内閣府に「研究開発の成果の実用化によるイノベーションの創出の促進を図るための環境の総合的な整備に関する施策の推進に関する事務」を追加、内閣府において「戦略的イノベーション創造プログラム」を執行
2013年(平成26年)5月23日 総理大臣官邸において第1回 総合科学技術・イノベーション会議(旧称は総合科学技術会議)CSTI(Council for Science, Technology and Innovation) 戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)について、10課題への予算配分などを決定 (*内閣府設置法改正に伴い、それまで予算の配分権は持っていなかったのが一転、内閣府は独自予算を獲得し、CSTIが自ら運営するトップダウン型の5カ年の研究開発プロジェクト「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP、11課題、総額1580億円)」と「革新的研究開発推進プログラム(ImPACT、16課題、総額550億円)」を開始。CSTIは、客観的な立場で予算の査定をするそれまでの立場から、自ら予算を配分し、大型プロジェクトを運営する存在に転換した。https://www.jstage.jst.go.jp/article/tits/26/5/26_5_63/_pdf/-char/ja
2014年 内閣府設置法改正 総合科学技術・イノベーション会議CSTI(2014~現在)(総合科学技術会議を改組)
2014年 内閣府 戦略的イノベーション創造プログラム(SIP) CSTIが選定した研究テーマ11課題に対して5か年で総額1580億円を助成
2015年3月 大阪バイオサイエンス研究所 解散(記事:大阪府医師会 昭和62年の設立当時、大島靖・大阪市長、佐治敬三・サントリー社長、山村雄一・大阪大学総長、早石修・初代所長が諮問委員として関与した。経済活況期という時代背景の下、資金的余裕が大きな推進力となった)
2016年 第5期科学技術基本計画 『政府研究開発投資について、対GDP比の1%にすることを目指す』
2017年12月10日 筑波大学で構内の建物の連絡通路の屋根が崩落(NEWSつくば 42年前に建設、老朽化が原因か)
2018年(平成30年)「統合イノベーション戦略」 6月15日閣議決定 イノベーションに関連が深い司令塔会議である総合科学技術・イノベーション会議、デジタル社会推進会議、知的財産戦略本部、健康・医療戦略推進本部、宇宙開発戦略本部及び総合海洋政策本部並びに地理空間情報活用推進会議について、横断的かつ実質的な調整を図るとともに、同戦略を推進するため、内閣に統合イノベーション戦略推進会議(以下「会議」という。)を設置 https://www8.cao.go.jp/cstp/tougosenryaku/kaigi.html
2018年度 内閣府 第2期戦略的イノベーション創造プログラム(SIP) 12人のプログラムディレクターPDを2018年3月公募開始(公募期間2週間)、4月12日PD決定(応募者15名)*補正予算で急遽継続が決まったため事前に内定候補を決めていたことが毎日新聞にやらせ公募としてスクープされた。番狂わせ:中村祐輔氏「AIホスピタル」 戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期推進委員会
2020年度 日本の科学技術予算(当初予算)は4.4兆円、対GDP比率0.70%。(https://www.nistep.go.jp/sti_indicator/2020/RM295_12.html)(?これは文教費も込みの総額か)
2020年度(令和2年度)~高等教育無償化「高等教育の修学支援新制度」(文科省)、「私立高等学校授業料の実質無償化」(文科省)(低所得世帯に対して経済的負担を軽減するため)
2023年度(令和5年度)「こども未来戦略」(閣議決定)令和7年度から、多子世帯の学生等について、大学等の授業料・入学金を無償とする
2024年度(令和6年度)一般会計の令和6年度の文教及び科学振興費は、5兆4,716億円(令和5年度当初予算比+558億円、+1.0%)を計上している。このうち、文教関係費は4兆624億円、科学技術振興費は1兆4,092億円である。また、一般会計の文部科学省所管予算は、5兆3,384億円(令和5年度当初予算比+443億円、+0.8%)を計上している。このうち、文教関係費は4兆563億円、科学技術振興費は8,947億円、その他が3,875億円である ・ 私学助成について、経営改革や連携・統合に取り組む大学への支援を強化することで、予算を重点化するとともに、令和8年度からは、定員充足率や経営状況等が基準に満たない大学に「経営改革計画」の策定を求め、私学助成を適正化(財務省 https://www.mof.go.jp/public_relations/finance/202403/202403f.html)
2025年度 予算案 科学技術関係(科学技術振興費)1 兆4221億円(前年度当初に比べ0.9%増)
Society 5.0という言葉が登場したのがこの時期でした。
Society 5.0, “a human-centered society that balances economic advancement with the resolution of social problems by a system that highly integrates cyberspace4 and physical space” set forth in the Fifth Science and Technology Basic Plan https://www8.cao.go.jp/cstp/english/sti_basic_plan.pdf
1.基本方針
(1)「科学技術イノベーション政策」の一体的展開
(2)「人材とそれを支える組織の役割」の一層重視
(3)「社会とともに創り進める政策」の実現
2.分野別の重点化から課題達成型の
重点化へ (1)「科学技術イノベーション政策」の一体的展開
(2)「人材とそれを支える組織の役割」の一層重視
(3)「社会とともに創り進める政策」の実現
政府研究開発投資 新成長戦略の2020年度までに官民合わせた研究開発投資を
GDP比4%以上にするとの拡充目標、政府負担研究費の割合が諸外
国に比して低水準であること、諸外国が拡充を図っていること等を総合的
に勘案し、官民合わせた研究開発投資を対GDP比4%以上にするとの
目標に加え、政府研究開発投資を対GDP比の1%にすることを目指す
その場合、計画期間中の総額規模を
25兆円 とすることが必要(GDP名目成長率等を前提に試算)
3.基礎研究と人材育成の強化
4. PDCAサイクルの確立やアクションプラン
等の改革の徹底https://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/kihon5/1kai/siryo6-2-18.pdf
研究支援者を充実させるという計画が盛り込まれたのが目新しいと思います。
我が国の研究開発力の抜本的強化のための基本方針(平成 25 年 4 月 22 日 科学 技術・学術審議会決定)抜粋 2.研究の質及び生産性の向上、新規性の高い研究の推進 (4)研究に打ち込める環境の整備(研究支援者等の育成、確保) 1. 研究者が本来の活動に集中して、優れた研究成果を上げ、またそれを最大限 活用するためには、国際水準を目指した研究環境の改善、特に研究者ととも に車の両輪として研究を推進する高度な専門性を有したリサーチ・アドミニスト レーターの存在が不可欠である。研究活動の活性化や、研究開発マネジメント (企画立案、研究者間や分野間のネットワーキング等)の強化による研究推進 体制の充実強化を図るため、専門性の高い人材の育成、確保、かつ、安定的 な職種としての定着の促進 2. 研究者が高度な研究を実施する上で不可欠な環境整備、研究機器の維持や 整備等のため、研究基盤を支える人材の育成、獲得、確保のための取組の促 進や、外部連携も含めたこれらの人材のキャリアパスの確立 https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu16/005/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2013/11/15/1339959_5_1.pdf
1.基本理念
2つの基本姿勢((1)社会・国民の支持と成果還元、(2)人材育成と競争的
環境:モノから人へ)と6つの大目標の設定 (1飛躍知の発見・発明、2
科学技術の限界突破、3.環境と経済の両立、4イノベーター日本、5生涯はつらつ
生活、6安全が誇りとなる国)
2.科学技術の戦略的重点化
・基礎研究の推進
・政策課題対応型研究開発における重点化
⇒「重点推進4分野」に優先的に資源配分
ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料
「推進4分野」に適切に資源配分、
エネルギー、ものづくり技術、社会基盤 、フロンティア
8分野で「分野別推進戦略」を策定、
重要な研究開発課題を選定、戦略目標の明確化、
「戦略重点科学技術」の選択・集中
(「国家基幹技術」を精選、厳正な評価を実施)
政府研究開発投資
GDP比率で欧米主要国の水準を確保するとし
計画期間内における科学技術関係経費の総額の
規模25兆円(実績21.7兆円)
3.科学技術システム改革https://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/kihon5/1kai/siryo6-2-18.pdf
選択と集中がどんどん進められていく状況です。
1. 基本理念
・新しい知の創造
・知による活力の創出
・知による豊かな社会の創生
2. 政策の柱
・戦略的重点化
– 基礎研究の推進
– 重点分野の設定
ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料
エネルギー、製造技術分野、社会基盤分野 、フロンティア
・科学技術システム改革
– 競争的資金倍増
– 産学間連携の強化 等
欧米主要国の動向を意識し、かつ第1期基本計画
の下での科学技術振興の努力を継続していくとの観
点から、計画期間内における科学技術関係経費の
総額の規模24兆円
(実績21.1兆円)https://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/kihon5/1kai/siryo6-2-18.pdf
第2期科学技術基本計画では、選択と集中が強化され、競争的資金の割合が増やされた結果、富める者がますます富み、そうでないものが研究力を失い、資金獲得競争にも敗れて、研究が空洞化したように思います。そもそもいくら業績を挙げた研究者といえども一人で数億円~数十億円もの巨額な予算を有効に活用できるものではなく、研究に投資した金額に見合った研究成果は出ていないと思います。薄く広く研究費を分配して革新的な研究の芽がどこかで出ることを期待したほうがいいのです。SNSなどを見ると研究者の間ではそのような意見が多いと思いますが、国は選択と集中を続けており、多くの研究者が研究費不足にあえいでいます。
1.政府研究開発投資を拡充 政府研究開発投資について、21世紀初頭に対GDP比率で欧米主要国並みに引き上げるとの考え方の下、計画期間内における科学技術関係経費の総額の規模17兆円(実績17.6兆円)
2.新たな研究開発システムの構築のため制度改革等を推進
・競争的研究資金の拡充
・ポストドクター1万人計画
・産学官の人的交流の促進
・評価の実施等https://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/kihon5/1kai/siryo6-2-18.pdf
悪名高い「ポスドク1万人計画」は、第1期科学技術基本計画に盛り込まれて、実行されたものでした。企業によるポスドクの雇用は進まず、かといってアカデミアには職が全くなく、多くのポスドクが行き場を失って高齢になるまでポスドクを繰り返し、ますます定職に就くことがかなわなくなるという惨憺たる状況を生み出してしまったものです。
参考
科学行政や科学研究の予算は、日本経済の影響を受けます。科学技術政策の動向を把握するためには、日本経済全体を見ておく必要もあります。そこで、自分が今まで考えたことがあまりなかった、経済成長について少し調べておきたいと思います。
日本だけこの30年間、経済成長していないということをよく聞きます。自分がそれを一番実感するのは、自分の収入が自分の父親が自分と同じ年齢だった時と比べてずっと少ないという事実です。物価は上がっているのに、そして自分のほうが父親よりもはるかに高学歴なのにです。
このグラフはわかりやすいですね。かなりショッキングなグラフだと思います。
https://www.elibrary.imf.org/view/journals/002/2023/128/article-A003-en.xml Real Average Annual Wages for Full-Time Workers (In index [1995 = 100], 2021 prices) Citation: IMF Staff Country Reports 2023, 128; 10.5089/9798400237409.002.A003 Sources: OECD and IMF staff calculations
安く使い倒す、それしか考えない連中ですよね。
この体質が先進国で日本だけ平均年収が30年上がらない原因なんです。
そりゃ経済成長率も唯一マイナスで
日本に投資する価値を感じない人も多いわけですね。 pic.twitter.com/MaiNZvkoKy— sano (@saekisakichi) January 31, 2025
大学内だと科研費の採択を倍増しよう!という掛け声が聞こえてきますが、国レベルだと賃金を引き上げよう!という声をトップがあげているようです。
石破総理「5年以内に1,500円に引き上げる」
今1,000円そこそこの賃金を5年で50%上げるって、年率10%の賃金アップ、つまり日本経済の年率10%成長を意味します。30年もゼロ成長だった日本経済をどーやって年10%も成長させるんですか⁉️🙄
ただ「企業は人件費を50%上げろ!」と言ってるならアホすぎます😂 pic.twitter.com/M7JV4rc2w7— ami (@AmiHeartGlitter) January 8, 2025
企業が利益を賃金ではなく、株の配当に回す…これこそが日本が30年も賃金が上がらなかった原因だし、結果、国民が貧しくなる需要不足で日本の経済成長も止まったのだ。先ずはそれを後押しした派遣法改悪や法人税減税。これを元通りにするしかないだろうが。 https://t.co/yi4HuB5hkv
— 日本国黄帝 (@nihon_koutei) January 24, 2025
日本だけ過去30年間、経済成長が無かったというグラフをSNSでよく見かけますが、IMFのウェブサイトで簡単にグラフが作れて、数値データもダウンロードできます。
グラフ出典:国際通貨基金IMF https://www.imf.org/external/datamapper/NGDPDPC@WEO/JPN/FRA/DEU/USA/GBR/CHN/KOR/ITA/CAN/SGP/TWN
失われた30年が過ぎてきた。自民党政権がやってきたことを簡単に総括すると、景気が落ち込んだときには財政出動によって意図的に景気を引き上げてリスクを回避し、その反面で膨らむ一方の財政赤字を埋めるために消費税率を引き上げ、再び景気を悪化させる……。そんな政治の繰り返しだったと言っていい。
2012年からスタートしたアベノミクスでは、財政出動の代わりに中央銀行である日本銀行を使って、異次元の量的緩和という名目で、実際は「財政ファイナンス(中央銀行が政府発行の国債を直接買い上げる政策)」と同じような政策を展開してきた。政府に逆らえない中央銀行総裁が登場したのも、日本経済の「失われた20年、30年」と無縁ではないだろう。
日本人は「失われた30年」の本質をわかってない 原因と責任を突き止め変えねば低迷はまだ続く 岩崎 博充 : 経済ジャーナリスト 2020/01/26 8:00 東洋経済ONLINE https://toyokeizai.net/articles/-/325346
日本では1989(平成元)年に最初3%で消費税が導入されてから、1997(平成9)年に5%、2014(平成26)年に8%、そして2019(令和元)年10月から10%と税率が引き上げられてきました。https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/150790_13.html
消費税導入の社会的影響はどのくらいなのか、議員さんが語っていました。リーマンショックに置き換えて考えるとわかりやすいですね。よく、広さを示すのに甲子園の何倍の広さみたいな言い方をしますが、それと同じやり方。
#高井たかし:特に消費税は、5%,8%,10%と増税する度、1回の増税で、百年に一度と言われたリーマンショックを遥かに上回る消費減少が起きてるんです
つまり日本だけ百年に一度クラスの経済恐慌が30年に4回も起きている
これで経済成長する訳ありません#日曜討論#れいわ新選組 pic.twitter.com/msq2jk3hKM— 高橋宗弘 (@korai_kann) December 22, 2024
日本の経済成長を妨げている最大の要因は財務省だという批判があります。
“経済成長”して税収が増えても財務省キャリア官僚のポイントにならない…
なので日本のGDPは30年も増えない…
どうか”#森永卓郎“さんの魂の声に耳をかたむけてください。
— 五月雨(れいわ新選組応援) (@bochibochiyo) January 29, 2025
人口減少が原因なら欧州先進国や韓国が今なお経済成長してる理由を説明できないし、日本も2010年までは人口増加していたので失われた30年の説明としても的外れ。
いつまでくだらない言い訳を繰り返しながら経済衰退する気なのかって話。#財務省解体こそ最高最上級の経済対策#れいわ新選組 https://t.co/3InBbiTYGa pic.twitter.com/MAaX8xGLcF— kz092 (@kz09210) January 2, 2025
最初の政策ミスが起きた1997年は、結果的にわが国経済の繁栄から停滞への分水嶺となりました。消費増税や社会保障カットで9兆円の国民負担増となった、いわゆる橋本増税があり、山一證券の廃業、北海道拓殖銀行の破綻などの金融危機も生じました。同時に公共事業も当初予算で同年度の9.8兆円がピークで、その後もこの年の予算以下となっています。この年から日本経済が本格的に金融引締めと財政緊縮=歳出カットで成長路線から外れてしまったのでした。各国が、ITをはじめとする新分野での成長にアクセルを踏んでいる中で、わが国政府だけがブレーキを踏み続けている。これではいくら企業や個人が工夫を凝らしてもまともに経済が成長するわけがありません。https://synodos.jp/opinion/economy/22378/
ChatGPTに訊いてみました。
五神真 大学の未来図 「知識集約型社会」を創る 2019年2月 を読んだメモ。
日本には全国47都道府県850超の大学・研究機関を超高速な通信速度でつないだ「学術情報ネットワーク SINET」が存在しており、これは世界的にみてもユニーク。(12ページ)
東大の予算は年間2500億円。うち、基盤的な運営費交付金は800億円。(15ぺージ)
日本の問題点は、巷には資金があるのに、それが動かないこと。リスク投資への流れを作りたい。(17ページ)
人口の年代別グラフ(横方向、男女別)は、上が高年齢とすると「壺」の形。すなわち若年齢、子供のほうですぼまっている。ピークが2つある。一つが団塊の世代(第1次ベビーブーム)。もう一つは段階ジュニアの世代(第2次ベビーブーム、200万人)。残念なことに第3次ベビーブーム(団塊ジュニアの子供)はこなかった。それは団塊ジュニアが大卒で就職するじきにバブルが崩壊して、非正規雇用になる人が急増したためかもしれない。(23ページ)
Society 1.0が狩猟社会、Society 2.0が農耕社会、Society 3.0が工業社会、Society 4.0が情報社会、そしてこれからがSociety 5.0。(46ページ)
これまでは大学のラボと企業の研究部門との提携が主で、金額も数百万円程度が多かった。これからは、組織同士、すなわち大学と企業の「産学協創」を目指す。2016年6月日立製作所と日立東大ラボを解説。7月には日本電気(NEC)とパートナーシップ協定を締結。(90ページ)
大学ベンチャーの育成。2004年東京大学エッジキャピタル(UTEC)というベンチャーキャピタル(VC)を設立。目的は、大学関連の将来性あるベンチャー企業に投資を行って事業展開を支え、その企業の上場やM&Aを通じてキャピタルゲインを得ること。(92ページ)
2016年東京大学協創プラットフォーム株式会社UTokyo IPC設立。ベンチャー企業に投資するたけでなく、ベンチャーキャピタルにも投資することでベンチャー企業を間接的に支える。Funds of Fundsという仕組み。(93ページ)
東大生に企業マインドを教えるアントレプレナー道場も開設。(95ページ)
企業に眠る優秀な技術や技術者を掘り起こす仕組みづくり。人材と事業を「カーブアウト」する。切り出し。大手企業の会社員からベンチャー企業の経営者へという転身を支える仕組みづくり。(99ページ)
1980年当時にすでに日本の財政状況は悪化し、国立大学の研究環境は悪くなっていた。施設の老朽化、安全な設備の不足など。ある国立大学で、半導体プロセスの実験中に爆発で学生2人が亡くなった事件があった。(133ページ)
東大では2001年から2013年にかけて段階的に定年を延長。60歳から65歳に。増加した人件費を抑えるために新たな雇用が抑制された。(136ページ)
期限付きプロジェクトの活動資金は得られたが、それに従事する教職員も期限付きになってしまう。40歳以下の研究者の雇用のほとんどが、任期付きの雇用になってしまった。(136ページ)
”任期付で雇用された研究者は、業績を残したからといって、必ず任期なしの雇用になれるわけではありません。これでは、多くの若手研究者が将来への不安を抱えながら研究に従事することになります。”(137ページ)
2017年指定国立大学法人制度 より自由度の高い運営を可能にする 東大、京大、東北大の3大学。その後、東工大、名大、阪大をあわせて6大学に。(138ページ)
”いま東大は、年間2600億円規模の事業体です。”(140ページ)
2018年12月東京大学エクステンション株式会社設立。社会人向けのデータサイエンス人材養成講座を2019年4月開設予定。(163ぺージ)
さまざまな工夫によって財源を確保し、全体で数百億円の財源を創出、これを未来にむけて投資するための財源とする。その”一丁目一番地”となるのは”言うまでもなく、若手研究者の雇用の安定化”。(165~166ページ)
運営費交付金以外の財源からでも、任期無し雇用の人件費を払えるように仕組みを変えた。(167ページ)
2017年の規制緩和により、国立大学も株式を寄付として受け入れて長期間保有することが可能になった。LIXLILグループ(潮田洋一郎CEO)が株式寄付をまっさきにしてくれた。(169ページ)
「異見交論」で京大総長と対談。山極「国立大学法人化は失敗」、五神「法人化は必然」 (174ページ)
研究時間の減少、職務時間の46.5%(2002年)から36.5%(2008年)に。文科省調査(185ページ)
研究は1から10まで自分でやることはありません。外部に委託することがどんどん増えてきました。自分が学生だった大昔は、ラボの中にオリゴDNA合成機があって自分でPCRプライマーやシーケンシングのためのプライマーを合成していたと思います。しかし今ではオリゴDNAは塩基配列を伝えればサービス業者が合成して何日も待たずに配送してくれます。シーケンシングは、そもそもテクノロジーが大きく進展して、昔の自分のように大きなゲル板を立てて放射性ラベルを用いてシーケンシングしていたのが遠い夢のように感じます。
抗体作成も学生時代に自分は抗原生成からウサギへの免疫、抗血清の調整まで全部自分でやっていました。今では抗体は多くの場合市販品がありますし、特別な抗原に対する抗体が欲しい場合も外注するのが普通でしょう。
遺伝子導入動物も同様で、自分で作らなくても買える時代です。論文はどうでしょうか?論文を代筆してくれる業者があるかどうか知りませんが、論文作成をサポートすると謳っている会社はあります。ほとんど丸投げに近いかもしれません。これって公的研究費で支出できるのか、ちょっと疑問です。もし科研費の申請書で原著論文作成支援費用として数十万円も計上したら、研究能力がない応募者だと思われて不採択になりそう。別の財源を使えばいいのでしょうかね。