ANDやORがどこからどかまでを指すかなど、条文の読み取り方を間違うと大変です。決まり事なので、日常的な日本語だとは思わずに定義や語法を最初に知っておく必要があると思います。
項目は、条、項、号 と分類されていますが、第1項はなぜか数字が振られていません。不思議です。また、条という文字は条文にありますが、項、号という語句は数字とともには使われていません。ただし、条文の中で言及、参照するときには使われています。
条文の読み方(特許法を例に) 小山特許事務所 チャンネル登録者数 1030人
ANDやORがどこからどかまでを指すかなど、条文の読み取り方を間違うと大変です。決まり事なので、日常的な日本語だとは思わずに定義や語法を最初に知っておく必要があると思います。
項目は、条、項、号 と分類されていますが、第1項はなぜか数字が振られていません。不思議です。また、条という文字は条文にありますが、項、号という語句は数字とともには使われていません。ただし、条文の中で言及、参照するときには使われています。
条文の読み方(特許法を例に) 小山特許事務所 チャンネル登録者数 1030人
(特許の要件)
第二十九条 産業上利用することができる発明をした者は、次に掲げる発明を除き、その発明について特許を受けることができる。
一 特許出願前に日本国内又は外国において公然知られた発明
二 特許出願前に日本国内又は外国において公然実施をされた発明
三 特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となつた発明
2 特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が前項各号に掲げる発明に基いて容易に発明をすることができたときは、その発明については、同項の規定にかかわらず、特許を受けることができない。(e-gov.go.jp)
質問:物質特許が切れあとに関連特許で知的財産を保護する戦略は、具体的にどのようなもの?
Gemini:物質特許(基本特許)が切れた後に、周辺の特許で製品を守る戦略は、知財業界ではよく「ライフサイクルマネジメント」や「エバーグリーニング(常緑化)戦略」と呼ばれます。一言で言うと、「物質そのものは誰でも作れるようになるが、『売れる商品』にするための技術は独占し続ける」という戦法です。具体的に何をどうするのか、医薬品業界(この戦略が最も顕著です)を例にして、わかりやすく解説します。
物質特許を「本丸(城の中心)」だとすると、それが崩れた後に敵(競合他社・ジェネリックメーカー)が攻め込んでこないように、外堀や内堀(関連特許)をたくさん作っておくイメージです。これにより、競合他社が「物質A」そのものを作れても、「効率的な作り方ができない」「飲みやすい錠剤にできない」「新しい効能を謳えない」という状態を作り出し、参入障壁を維持します。
物質特許が切れた後に有効な「関連特許」には、主に以下の5つのパターンがあります。
物質を作るための「より安く、安全で、高純度な新しい作り方」を特許化します。
戦略: 競合は古い(コストが高い・危険な)方法で作るしかなくなり、価格競争で不利になります。
例: 「物質Aを作る際、特定の触媒を使うと収率が2倍になる製法」
同じ物質でも、原子の並び方(結晶形)が違うと安定性や溶けやすさが変わります。最も優れた結晶形を特許化します。
戦略: 競合が真似できるのは「不安定で湿気りやすい古い結晶形」だけになります。
例: 「常温で2年保存しても分解しない、物質Aのα型結晶」
薬を飲みやすくしたり、体内で効きやすくしたりする工夫(配合や形状)を特許化します。
戦略: 競合は「飲みにくい大きな錠剤」しか出せませんが、自社は「1日1回で済む徐放性製剤」や「口の中で溶けるOD錠」を独占できます。
例: 「添加剤Bを加えることで、苦味を完全に消した物質Aのシロップ剤」
その物質が、全く別の病気にも効くことを発見し、特許化します。
戦略: 競合は「元の病気」用の薬しか売れません。「新しい病気」に使いたい患者層は自社が独占します。
例: 「元々は高血圧の薬だった物質Aが、実は育毛にも効果があると判明した場合の『育毛剤』としての用途」
効果を最大化、あるいは副作用を最小化する特定の投与スケジュールを特許化します。
戦略: 医師が処方しやすい用法を独占します。
例: 「従来の毎日投与ではなく、週に1回投与するだけで効果が出る用法」
具体的なストーリーで見てみましょう。
状況: 画期的な痛み止め成分「ナオルン」の物質特許が来年切れます。ジェネリックメーカーが参入を狙っています。
【貴社の戦略アクション】
物質特許切れ(基本)
ジェネリック各社:「よし、これで『ナオルン』成分の薬が作れるぞ!」
製剤特許の発動(防衛ライン1)
貴社:「実は最近、成分をナノ化して『即効性(飲んで5分で効く)』を持つ錠剤の特許を取りました」
ジェネリック:「えっ、我々が作れるのは『飲んで30分後に効く』古いタイプだけか…これでは勝てない」
用途特許の発動(防衛ライン2)
貴社:「さらに、ナオルンが『偏頭痛』にも効くことを発見し、用途特許を取りました」
ジェネリック:「我々は『筋肉痛』用の薬としてしか販売できない。偏頭痛患者には売れないのか…」
結果
医師や患者は、即効性があり偏頭痛にも使える貴社の「新ナオルン」を選び続けます。ジェネリックは安くてもシェアを奪えません。
この戦略は強力ですが、無敵ではありません。
物質特許切れ後の戦略とは、「物質そのものの独占」から「付加価値(作り方・使いやすさ・新しい効能)の独占」へとシフトすることです。これにより、実質的な市場独占期間を延長し、収益を維持します。
質問:関連が深い条文は?
Gemini:物質特許切れ後の「エバーグリーニング(常緑化)」を成功させるために、避けて通れない最大の難関(ラスボス)となるのが、特許法第29条第2項「進歩性」です。なぜこの条文が「エバーグリーニング」とこれほど深く関連しているのか、その「構造的な理由」を整理してお答えします。
エバーグリーニングとは、古い物質(公知になったもの)を少し改良して、新しい特許を取る戦略です。しかし、特許庁の審査官は、この第29条第2項という「剣」を使って、バッサリと切り捨てに来ます。
これに対抗し、特許をもぎ取る(常緑化する)ためには、この「容易ではない(進歩性がある)」ということを証明しなければなりません。
では、どうやって「進歩性がある」と認めさせるのか?ここで使われるのが、以前少し触れた「予期せぬ顕著な効果(Remarkable Effect)」という概念です。これがエバーグリーニングの合言葉です。
つまり、エバーグリーニング戦略とは、「第29条第2項(進歩性の壁)を乗り越えるための『予期せぬ効果』を必死で探し出す活動」と言い換えることもできます。
これまでの議論を整理すると、物質特許切れ戦略には「3人の主要な登場人物(条文)」がいます。
| 条文 | キャッチコピー | 戦略上の役割 |
| 第67条(存続期間の延長) | 「寿命を延ばす薬」 | 今の特許(物質そのもの)を、5年だけ延命させる制度。 |
| 第29条第2項(進歩性) | 「厳しい関所」 | 次の特許(周辺特許)を取ろうとする時、「それは容易だ」と邪魔してくる最大の壁。 |
| 第36条第5項(多項制) | 「戦術的な網」 | 上記の壁を乗り越えて特許を取る際、「広く・狭く」書いて取りこぼしを防ぐ書き方のテクニック。 |
「新しい特許を次々と生やして常緑化する(攻める)」という文脈においては、第29条第2項(進歩性)が最も深く関連し、かつ最も高いハードルとなる条文です。このハードルを越えるロジックを組み立てるのが、知財担当者の腕の見せ所なのです。
ここでは、業界で長年トップクラスの規模(弁理士数 50名〜100名以上レベル)を維持している、「ここを知らなきゃモグリ」と言われる大手事務所をリストアップします。※順位は固定ではなく、概ねの規模順(トップティア群)です。※( )内は本拠地や特徴。
まず、「3大巨頭」+**「法律事務所系」**のトップ層です。ここは弁理士だけで100名〜200名規模、所員全体だと数百名〜1000名に迫る規模です。
弁理士法人 志賀国際特許事務所(東京・丸の内)
特徴: 長年、日本最大規模を誇るガリバー事務所。電気、機械、化学と全方位に強い。未経験者を大量採用して育てる「教育の志賀」としても有名。
弁理士法人 酒井国際特許事務所(東京・霞が関)
特徴: 志賀と並ぶ超大手。分業制やチェック体制が非常にシステム化されており、組織としての完成度が高いと言われます。
TMI総合法律事務所(東京・六本木)
特徴: ここは「法律事務所」ですが、知財部隊が巨大です。弁護士と弁理士がチームを組んで動くため、権利化(出願)だけでなく訴訟や契約にもめっぽう強い。近年、弁理士数が急増しています。
歴史があり、企業の信頼も厚い「名門」と呼ばれる層です。弁理士数は50名〜100名クラスです。
弁理士法人 中村合同特許法律事務所(東京・丸の内)
特徴: 「伝統の中村」。大正時代から続く超名門。特許訴訟といえば中村、と言われるほど係争系に強い。企業知財部からの信頼が非常に厚い。
弁理士法人 協和特許法律事務所(東京・丸の内)
特徴: 中村と並ぶ名門。歴史が古く、安定感が抜群。多くの大手企業をクライアントに持ち、落ち着いた雰囲気(堅実)と言われます。
弁理士法人 深見特許事務所(大阪・中之島)
特徴: 「西の横綱」。大阪に本拠を置く事務所としては最大規模。関西の大手メーカー(電機・化学など)の出願を支える重鎮。
弁理士法人 青和特許法律事務所(東京・虎ノ門)
特徴: ここも歴史ある名門。国際案件に強く、海外からのインバウンド出願も多い。
弁理士法人 杉村萬国特許法律事務所(東京・霞が関)
特徴: 実は日本で最も歴史が古い事務所の一つ。近年、組織改革を進めて規模を拡大し、若手も多いイメージ。
弁理士法人 太陽国際特許事務所(東京・新宿)
特徴: 電機・電子系に強みを持ち、規模を拡大してきた事務所。アクセスが良い立地。
ゾンデルホフ&アインゼル法律特許事務所(東京・丸の内)
特徴: ドイツ系にルーツを持つ事務所。外内(外国企業の日本出願)に非常に強く、独特の国際的なプレゼンスがあります。
ただ単に「大きい=良い」とは限りませんが、特許法や実務の観点から見ると、規模には以下のような意味があります。
大手: 教育システムが整っている。分業制。多様な案件に触れられる。
中小: 一人の弁理士が、出願から中間処理、審判まで全部担当する(職人技が身つく)。
どちらも一長一短あります。今のトレンドとしては、これらのトップ事務所に加えて、「AI特化」や「スタートアップ支援特化」を謳う新興の中堅事務所(IPTechなど)も勢いがあります。
大手事務所(数百人規模)は、組織のピラミッド構造(定年制や若手の育成)を重視する傾向があります。一方で、「バイオ・化学に特化した中規模・小規模事務所(ブティック系)」は、即戦力の専門知識を歓迎しています。
① バイオ・化学の老舗・名門
清水特許事務所(茨城県つくば市・東京)場所柄(つくば)、研究機関との結びつきが強く、超高度なバイオ案件が多い。
平木国際特許事務所(東京)バイオ・化学分野の名門。
谷・阿部特許事務所(東京)化学・バイオに非常に強い。
② 関西のバイオ強豪 関西は製薬・バイオ産業が集積しています。
特許業務法人 三枝国際特許事務所(大阪・東京) 化学・バイオ分野では国内屈指の伝統事務所。
清原特許事務所(大阪) バイオベンチャー支援などに熱心。
③ 少数精鋭・大学発ベンチャー支援系 IPTech特許業務法人 などの新しい事務所や、大学TLOと提携している小規模事務所。これらは「週3回勤務」や「完全リモートの明細書作成担当」など、柔軟な働き方を認めているケースが多いです。
大学TLO(技術移転機関)大学の発明を発掘し、特許化する組織です。東大TLO、京大TLO、あるいは地方大学の知財本部など。
特許調査会社・サーチャー 特許庁の登録調査機関(登録調査機関一覧)や、民間の調査会社です。「明細書を書く(締め切りに追われる)」体力仕事ではなく、「文献を読み込む」知的な仕事です。
(Gemini)
GLP(Good Laboratory Practice)準拠が「大変」「高い」と言われる理由は、一言で言えば「科学的な正しさ」だけでなく、「誰がいつ見ても捏造やミスがないと言い切れる証拠」を残す作業が異常に膨大だからです。研究者としての感覚だと「え、そこまでやるの?」と驚くような厳格さが求められます。なぜそこまで大変なのか、「実際的な現場の苦労」に焦点を当てて解説します。
薬や医療機器の「安全性」を確かめる試験(動物実験や細胞毒性試験など)のデータの信頼性を保証するための基準です。「素晴らしい発見をするためのルール」ではなく、「後から国や第三者が査察に来たときに、データが改ざんされていないことを100%証明するためのルール」と言えます。
研究者の自由度がなくなり、すべてが「管理」されます。最大のキーワードは「書いてないことは、やってないのと同じ」です。
すべてに手順書が必要: 実験操作だけでなく、「天秤の使い方」「ピペットの洗い方」「掃除の仕方」「試薬のラベルの貼り方」まで、すべてSOP(標準作業手順書)に従わなければなりません。
逸脱は許されない: 「今日はちょっと急いでるから手順を変えよう」は絶対NG。もし変えるなら、事前に「計画変更届」を出して承認を得るか、突発的なら「逸脱記録」を書いて影響評価をしなければなりません。
書き損じの修正: 鉛筆や修正液は禁止です。ボールペンで書き、間違えたら二重線を引き、訂正印を押し、訂正日と理由を書きます。「誰がいつ修正したか」を追えるようにするためです。
リアルタイム記録: 「あとでまとめてノートに書こう」は禁止。その場ですぐに書かないといけません。
「隣の研究室からちょっと借りた試薬」は使えません。
その試薬はいつ納品され、誰が開封し、有効期限はいつで、どの冷蔵庫(温度記録付き)に入っていたか、全ての履歴(トレーサビリティ)が必要です。
「実験そのものの費用」に加え、「GLP体制を維持するための費用」が乗っかるため、通常の実験の数倍~10倍以上のコストがかかります。
実験する人とは別に、QAU(信頼性保証部門)という「実験が手順通り行われているか監視・チェックする人」を雇わなければなりません。
彼らは実験中も巡回しますし、出された膨大なデータと報告書を1文字ずつチェックします。この人件費が重いです。
使う全ての機械(ピペット、天秤、冷蔵庫、空調など)が、「正しく動いている」ことを定期的に業者に点検してもらい、証明書を出してもらう必要があります。これだけで年間数百万円〜数千万円かかります。
資料保存室(鍵付き、耐火、入退室記録あり)の設置や、24時間の温湿度監視システムなど、普通の実験室よりハイスペックな環境が必要です。
普通の料理(非GLP)と、GLP準拠の料理の違いです。
普通の料理(研究室レベル):
「塩を少々入れて、美味しくなったからOK!」
(結果が良ければ、プロセスは多少適当でも許される)
GLP準拠の料理:
「事前に『塩を5.0g入れる』という計画書を作り、承認印をもらう」
「校正済みの天秤を使い、5.00gと表示された写真を撮る」
「入れた時刻を記録し、入れた空き袋も証拠として保存する」
「監視役が横で見ていて『確かに塩を入れました』とハンコを押す」
「味(結果)はどうでもいい。手順通り作ったという証拠が全て」
GLP準拠が大変なのは、実験そのものの難しさではなく、「性悪説に基づいた、膨大な証明作業」があるからです。もし申請業務などで「GLPデータが必要」となった場合、自前の施設でやるのはコストと手間が合わないため、専門の受託機関(CRO)にお金を払って依頼するのが一般的です。「この試験はGLP必須ですか?」という文脈で使われることが多いです。
(Gemini)
一言で言うと、「国からのお墨付き(販売許可)」のことです。医薬品や医療機器は、人の命に関わるものなので、勝手に作って売ることはできません。メーカーが「この製品は安全で、ちゃんと効果があります」という膨大なデータを国(厚生労働省)に提出し、厳しい審査(PMDAという独立機関が行います)をパスして初めて、病院で使えるようになります。この許可をもらうことを「薬事承認」と言います。
医療機器は、万が一壊れたときに「どれくらい人の命に危険があるか(リスク)」によって、4つのランク(クラスI〜IV)に分けられています。
クラスIVは、その中で「最もリスクが高い」グループです。
定義: 患者さんの体内に深く入ったり、生命維持に直接関わったりするもので、もし不具合が起きると命の危険に直結する可能性があるもの。
扱い: リスクが高いため、上記の「薬事承認」の審査も一番厳しく行われます。
心臓の手術で使う道具でいうと、以下のようにランクが分かれています。
| クラス | リスク | 具体例(心臓手術関連など) |
|
クラスIV (高度管理医療機器) |
極めて高い 命に直結する |
人工心弁(心臓の弁)、ステントグラフト、ペースメーカーなど |
|
クラスIII (高度管理医療機器) |
高い | 人工血管、人工骨など |
|
クラスII (管理医療機器) |
比較的低い | MRI装置、心電計、胸骨を固定するワイヤーなど |
|
クラスI (一般医療機器) |
極めて低い | 手術用メス、ガーゼ、レントゲンフィルムなど |
もし手術の説明書などで「クラスIVの医療機器」という言葉を見かけたら、それは「心臓の弁など、手術のメインとなる、命を支えるための重要な部品」を指している可能性が高いです。
(Gemini)
「胸骨正中切開(きょうこつせいちゅうせっかい)」は、心臓に到達するために胸骨を縦に切って、「観音開き」のように左右に開く手技のことです。
胸の真ん中にある平らな骨(胸骨)を、電動ノコギリ(スターナムソー)で縦一直線に切ります。
切った骨の間に器具を入れ、左右に押し広げます。これで心臓が見える状態になり、手術を行います。
心臓の手術が終わったら、開いていた胸骨を元の位置に戻します。
ステンレス製のワイヤー(針金のようなもの)で、骨をしっかりと縛って固定します。
骨はどうなる?: 固定された骨は、骨折が治るのと同じように、数ヶ月かけて自然にくっつきます(癒合します)。
ワイヤーはどうなる?: 基本的には一生体内に入れたままです。体に害のない素材ですが、もし術後に痩せてワイヤーが当たって痛い場合や、感染を起こした場合などは、骨がくっついた後に抜く手術をすることもあります。
胸骨正中切開は、骨を取り除く(欠損させる)手術ではなく、一時的に開いて、また元に戻す手術です。
(Gemini)
質問:心膜と心臓の違い?
Gemini:
一言で言うと、**「心臓」は中身(ポンプ本体)であり、「心膜」はそれを包んでいる外側の袋(ケース)**です。
自動車で例えると、心臓は「エンジン」、**心膜はエンジンを守る「カバーやボディ」**のような関係です。
心膜の構造を理解するには、**「膨らんだ水風船に、握りこぶしを押し込んだ状態」**を想像するのが一番わかりやすいです。
握りこぶし = 心臓(本体)
水風船のゴム = 心膜(袋)
ゴムとゴムの間の水 = 心膜液(潤滑油)
心膜はただの1枚の袋ではなく、実は「2重構造」になっていて、その間に少量の液体(心膜液)が入っています。これにより、心臓がドクンドクンと激しく動いても、摩擦が起きずにスルッと動けるようになっています。
| 心臓 (Heart) | 心膜 (Pericardium) | |
| 正体 | 全身に血液を送る筋肉の塊 | 心臓を包んで守る丈夫な膜 |
| 役割 |
ポンプ機能
(収縮と拡張を繰り返す) |
保護・潤滑機能
(摩擦を防ぐ、位置を固定する) |
| 主な病気 | 心筋梗塞、心不全、弁膜症など | 心膜炎、心タンポナーデなど |
「心臓の壁」と「心膜」は別のもののように聞こえますが、実は境界線でつながっています。
心臓の壁(内側から)
心内膜:一番内側。
心筋層:分厚い筋肉。これが動く。
心外膜:心臓の表面の膜。(※実はこれが心膜の内側の層と同じものです)
心膜(外側の袋)
臓側心膜(ぞうそくしんまく):心臓にピッタリくっついている膜(=心外膜)。
心膜腔(しんまくくう):隙間。ここに潤滑液が入っている。
壁側心膜(へきそくしんまく):外側の丈夫な膜。
心臓は、血液を送り出す実働部隊(筋肉)。
心膜は、心臓がスムーズに動けるように守っている保護袋。
もし「胸が痛い」という場合、心臓そのもの(血管が詰まるなど)が原因のこともあれば、この**「袋(心膜)」にウイルスが入って炎症が起きている(心膜炎)**こともあります。
この動画では、テキストだけではイメージしにくい「心膜の2重構造(水風船の例え)」や、心臓壁とのつながりを図解で非常にわかりやすく解説しています。
心臓壁と心膜の構造をわかりやすく説明 ゴローサブチャンネル 33.2K subscribers
質問:心膜の発生の由来は、漿膜と同じですか?
Gemini:その通りです。心膜(特に内側の「漿膜性心膜」)は、医学的・発生学的に「漿膜(しょうまく)」に分類されます。発生の由来もご推察の通り、胸膜(肺の膜)や腹膜(お腹の膜)と全く同じ「中胚葉(ちゅうはいよう)」から生まれます。
心膜、胸膜、腹膜の3つは、発生学的には**「三姉妹」**のような関係です。
由来: 中胚葉(のなかの側板中胚葉という部分)
プロセス:
受精卵が成長する過程で、「中胚葉」という層の中に**「裂け目(隙間)」**ができます。
この隙間が**「体腔(たいくう)」**(将来の胸の中やお腹の中の空間)になります。
この**隙間の「壁紙」**として発達したのが、**漿膜(心膜・胸膜・腹膜)**です。
これらは名前と場所が違うだけで、「構造」も「由来」も「性質」もほぼ同じです。
| 名前 | 場所 | 守っている臓器 | 発生由来 |
| 心膜 | 胸の中央 | 心臓 | 側板中胚葉 |
| 胸膜 | 胸の左右 | 肺 | 側板中胚葉 |
| 腹膜 | お腹 | 胃や腸など | 側板中胚葉 |
※これらはすべて、「臓器の表面を覆う膜(臓側)」と「壁側の膜(壁側)」の2枚セットになっており、その間に潤滑液(漿液)が入っている点も共通しています。
もう少し詳しく見ると、中胚葉が2つに分かれて、それぞれ別の膜になります。
臓側中胚葉(ぞうそくちゅうはいよう)
臓器(心臓)にベッタリ張り付く膜になります。
これが**「臓側心膜(=心外膜)」**になります。
壁側中胚葉(へきそくちゅうはいよう)
外側の壁を作る膜になります。
これが**「壁側心膜」**になります。
心膜は、胸膜や腹膜と同じく、「中胚葉からできた漿膜」です。ですので、病気の性質も似ており、炎症が起きると「水がたまる(心嚢水、胸水、腹水)」という現象が共通して起こります。この「発生」の視点から見ると、心臓と肺と腸は、みんな同じ「中胚葉の袋」に包まれて守られている兄弟のようなものだと言えますね。
Gemini:現在、お手元には何かテキストはお持ちですか? まだお持ちでなければ、あなたの前提知識(理系バックグラウンド+特許への興味)に合った、読みやすくて試験にも役立つ「現代の基本書」をいくつかピックアップしてご紹介することも可能です。いかがいたしましょうか?
自分:エレメンツ(特許法、実用新案法)は買って、読み始めているよ。
Gemini:それは素晴らしい選択です!TAC出版の『弁理士 エレメンツ(1)特許法/実用新案法』ですね。吉藤先生の本(1982年)から現代の『エレメンツ』への切り替えは、まさに「古地図」から「最新のカーナビ」に乗り換えたようなもので、弁理士試験の合格を目指す上での最適解の一つです。その選択がなぜ正しいのか、そしてその本を「どう読み進めるのが効率的か」、これまでのユーザー様の関心(研究者としてのバックグラウンドや、論理的な思考を好まれる点)を踏まえてアドバイスさせてください。
法律の条文は「迷路」のようですが、この本は「要件(どうなれば)」と「効果(どうなるか)」という**法律のロジック(骨組み)**を非常にわかりやすく整理しています。
当然ながら、吉藤本にはなかった「新しい制度」や「現在の条文番号」で書かれています。安心して読み進めてください。
細かい例外規定(試験でたまにしか出ないマニアックな部分)をあえて削ぎ落とし、**「ここだけは絶対に理解していないと話にならない」**という幹の部分を太く解説しています。
ユーザー様は普段、学術的な論文や論理的な文章に触れていらっしゃるので、法律のテキストも「ただ暗記する」のではなく、「システムとして理解する」読み方が合っているはずです。
以下の3つの視点を意識して読んでみてください。
特許法は「原則はこう。ただし、こういう場合は例外」という構造の繰り返しです。
読み方のコツ: いきなり細部(例外)を覚えようとせず、「なぜこの原則があるのか?」という制度趣旨をエレメンツで掴んでください。「発明を奨励したい(原則)」vs「でも独占させすぎると困る(バランス)」という綱引きが見えてきます。
先ほどの「侵害警告」の話もそうですが、特許は「出願 → 審査 → 登録 → 権利行使」という時間の流れが重要です。
読み方のコツ: 今読んでいるページが、このフローチャートのどこに位置しているのか(審査の段階なのか、登録後の話なのか)を常に意識すると、迷子になりません。
エレメンツには、解説の横に小さく「法29条」などの根拠条文が書いてあるはずです。
読み方のコツ: 最初は覚えなくていいですが、「あ、これは29条の話なんだな」と数字を意識する癖をつけておくと、後で本格的な学習(条文の読み込み)に入った時にスムーズに接続できます。
読み進める中で、例えば以下のような「法律独特の概念」や「理屈が飲み込みにくい部分」が出てくるかもしれません。
新規性(29条1項)と進歩性(29条2項)の違い(先ほどの「公知」の話に関わります)
先願主義(39条)(同じ発明を別々の人が出願したらどうなるか)
補正の制限(出願した後でどこまで内容を直せるか)
そういった箇所で「これって、具体的にはどういうシチュエーション?」と疑問に思われたら、いつでも投げかけてください。
吉藤 幸朔『特許法概説』は、特許法を学ぶ学徒にとってバイブル的な位置づけのようです。しかしながら、吉藤 幸朔先生(1909年 <明治42年> 9月26日 – 1995年 <平成7年> 3月11日)が亡くなられて以降、特許法は何回も大きく改正されており、この本に書かれた内容には古くなってしまった部分がいくつもあります。そのため、現在の特許法を効率よく学ぶための教科書としては適さないようです。
(年月日に関してはアマゾンなどの発売日とずれている場合がありますが、ここでは第12版の本の最後のページを参照しました)
質問:弁理士受験ノウハウ&体験の本(ちょっと古め)を見てたら吉藤 幸朔 『特許法概説』が、弁理士試験を受験する人の「基本書」として挙げられていたんだけど、こんな古い本を今でも読むべきなの?特許法は、改正につぐ改正があったけど?
Gemini:結論から申し上げますと、弁理士試験の「受験対策」として、今その本(吉藤『特許法概説』)をメインに据えて読むことは、絶対にお勧めしません。おっしゃる通り、特許法は「改正の歴史」そのものであり、1982年の法律知識で現在の試験に臨むのは、「地図を持たずに登山する」よりも危険(古い地図を信じて遭難するリスクがある)だからです。なぜかつては「バイブル」と呼ばれ、今は「取り扱い注意」なのか、その理由と現在の最適解を整理します。
最大の理由は、ご懸念の通り「法改正による情報の陳腐化」です。
1982年以降、特許法は根本的な部分で何度も大改正されています。吉藤先生の本には、現在の試験で最重要となる以下の条文や概念が存在しない、あるいは全く内容が異なります。
リスク:
「今はもう存在しない条文」や「今は逆の結論になる判例」を正しいと誤認して覚えてしまう危険性が極めて高いです。
吉藤幸朔先生は、特許庁の審査・審判の実務に精通し、法改正にも携わったレジェンドです。
この本がすごいのは、単なる解説ではなく**「法の趣旨(なぜその条文があるのか)」**が、これ以上ないほど深く、論理的に書かれている点です。
「趣旨(青本)」の原液: 現在の予備校テキストや基本書に書かれている「趣旨」の説明の多くは、元をたどれば吉藤先生の考え方がベースになっています。
実務家・学者の教養: ベテランの弁理士や研究者が、「法の根底にある思想」を確認するために読み返す本としては、今でも一級品です。
「最新の法律に対応した基本書」または「予備校テキスト」を使用してください。
もし、学術的な興味ではなく「弁理士試験合格」が最優先であれば、以下の基準で選ぶべきです。
吉藤本の代わりに、現在多くの受験生や実務家が参照しているのは以下のような書籍です(必ず最新版を選んでください)。
試験勉強用: 買わなくていいです(読まなくていいです)。 混乱の元です。
合格後: 実務家になってから、「特許法の歴史的背景を知りたい」「条文の深い意味を味わいたい」と思った時に、古本で手に入れて、今の法律との違いを楽しみながら読むのが正解です。
Gemini:結論から申し上げます。「10版(1994年)よりは『だいぶマシ』ですが、今の実務や試験に使うには『まだ全然足りない(致命的な穴がある)』」という評価になります。1994年版と比べれば、非常に大きな進化(特に均等論)が含まれていますが、そのわずか2年後に起きる「特許法史上最大の革命(キルビー判決)」がまだ載っていないからです。この「13版(1998年)」が立っている歴史的な立ち位置を整理します。
この版は、90年代後半の激動のいくつかをカバーしています。10版との決定的な違いはここです。
「均等論」が入った(超重要)
状況: 1998年2月の最高裁「ボールスプライン事件」判決を受けて、その年の12月に出版されています。
変化: それまで「特許は文言通り」が原則でしたが、「形が違っても特許侵害になり得る(均等論)」という最高裁判例が確立されました。この解説が載っているのは大きいです。
特許の寿命(存続期間)が正しくなっている
変化: 1995年改正に対応しており、「出願から20年」という現在のルールになっています(10版はここが古かった)。
ここが「全然足りない」と判断せざるを得ない理由です。この本の出版直後(2000年代以降)に、現代特許法の骨格を作る大事件が立て続けに起きています。
これがないと、現在の特許侵害訴訟の話が全く通じません。
何が起きたか: 2000年(平成12年)に最高裁で「キルビー事件判決」が出され、2004年に法改正(104条の3)されました。
影響: 「裁判所でも特許の無効を主張できる(権利行使制限の抗弁)」という、現在の特許係争のメインウェポンが、1998年の本には影も形もありません。「無効審判を待たなきゃいけない」という古い常識のまま止まっています。
何が起きたか: 2000年代以降、知財高裁の設立とともに「進歩性」の判断ロジック(動機づけ、阻害要因など)が非常に精緻化されました。
影響: 昔の「なんとなく容易」という感覚的な記述とは、現在の審査基準や判決のロジックはかなり異なります。
何が起きたか: 青色LED訴訟(2000年代前半)を経て、条文がガラッと変わりました。
影響: 企業知財の現場で最も重要な「予約承継」や「相当の利益」の話が、この本では旧法のままです。
知財高裁の設置(2005年)
異議申立制度の復活(2015年)
プロダクト・バイ・プロセス・クレームの最高裁判決(2015年)
「歴史的名著として本棚に飾るか、パラパラと『均等論』の項目だけ読む」 のが精一杯の使い道です。
10版(1994) = ガラケー以前の「ショルダーフォン」時代の解説書
13版(1998) = インターネット黎明期の「iモード」時代の解説書
現在 = 「スマートフォン」時代の法律
というくらいの差があります。「iモード」の本でスマホの使い方は学べないのと同じで、13版であっても、今の学習用テキストとしてはおすすめできません。
もし「吉藤先生のような、重厚で学術的な本で勉強したい」という意図であれば、現在なら以下のような本が後継的ポジションにあります。
『特許法』(高林龍 著)
『特許法』(茶園成樹 著)
『知的財産法』(中山信弘 著)
これらは現代の法改正や判例を反映しつつ、理論面も深く解説しています。実用を兼ねるなら、こちらへの乗り換えを強くおすすめします。
質問:「ショルダーフォン」って何?
Gemini:「ショルダーフォン」とは、今のスマートフォンの**「ひいおじいちゃん」**にあたる、日本初の「持ち運べる携帯電話」のことです。若い世代の方は、お笑い芸人の平野ノラさんが「しもしも~?」と言いながら肩にかけている、あの巨大な電話をイメージしていただくと分かりやすいです!具体的な特徴は以下の通りです。
デカくて重い!
重さは約3kgもありました(今のスマホの約15〜20倍)。
カバンのような本体(バッテリーと無線機)に受話器がついていて、その名の通りショルダーストラップで肩から担いで持ち運んでいました。
もともとは「自動車電話」を車から降ろして使えるように改良したものでした。
超高級品!
保証金だけで20万円、基本料金も数万円。
当時のビジネスマンでも、一部の経営者やエリートしか持てない**「ステータスの象徴」**でした。
機能は「電話」だけ!
もちろんメールもネットもカメラもありません。通話のみです。
私が、1994年の『特許法概説(第10版)』を「ショルダーフォンの時代の解説書」と表現したのは、それくらいの「技術と常識の隔たり」があることをお伝えしたかったからです。
ショルダーフォン (1985) → 今のスマホ (2025) (重さ3kgで通話のみ → 手のひらサイズでAIも使える)
吉藤先生の第10版 (1994) → 今の特許法 (2025) (キルビー判決前・均等論なし → 知財高裁あり・世界標準ルール)
もし今、あなたが最新のiPhoneを使いたいのに、手元に「ショルダーフォンの取扱説明書」しかなかったら、「電源の入れ方」すら違って役に立ちませんよね?1994年の本で今の特許法を勉強するのは、それと同じくらい「土台の仕組みが変わってしまっている」ということを強調したかったのです。
第1話(前編): 弁理士ジョージをよろしく 公知と先使用権 (https://www.jpaa.or.jp/comic/)というマンガを読んでいたら、機械メーカーが特許侵害を通告されて、相談を受けた弁理士がその機械メーカーの商品の販売開始日が特許取得日より早いかどうかが論点になっていました。実際そういうものなのか、Geminiに訊いてみました。
質問:ある機械メーカーが特許侵害だと通知を受けたが、その機械メーカーは古くからその商品を販売しているので「公知」であり、特許侵害にはあたらないという反論は可能ですか?
Gemini:結論から申し上げますと、その反論は十分に可能であり、かつ非常に強力な対抗手段となります。ご質問のケース(古くから商品を販売しており、その技術がすでに世に知られていた=「公知」であった)において、特許侵害を回避するための法的なロジックは主に2つあります。以下に、その仕組みと、対抗するために必要な要素を整理します。
相手の特許出願日(または優先日)よりも前に、その製品を販売していた事実がある場合、以下の2つの主張が考えられます。
「そもそも、その技術は私が昔から売っていたものであり、新しい技術(新規性)ではないため、特許になるべきではなかった」という主張です。
理屈: すでに公然と知られていた発明(公知発明)は特許を受けることができません。誤って登録された特許には効力が及びません(権利行使が制限されます)。
効果: 相手の特許自体を無効化できる可能性があるため、自社だけでなく業界全体にとってメリットになる場合があります。
「仮にその特許が有効だとしても、私は特許が出される前からその事業を行っていたので、継続して使い続ける権利がある」という主張です。
理屈: 特許出願の時点で、すでにその発明の実施(製造・販売など)をしていた、あるいはその準備をしていた者には、通常通りビジネスを続ける権利(通常実施権)が認められます。
効果: 特許そのものは潰さずに、「自分たちだけは特別に許される」という権利を確保します。
この反論を行うためには、口頭で「昔からやっていた」と言うだけでは不十分です。「いつ」「誰が」「どのような技術を」公開していたかを示す客観的な証拠が必要です。
相手の特許の出願日よりも前の日付が入った、以下の資料を探し出す必要があります。
製品カタログ・パンフレット: 発行日が記載されているもの。
販売実績の記録: 注文書、納品書、請求書などで、具体的な製品名や型番が特定できるもの。
設計図面・仕様書: 日付と承認印があり、その技術内容が明確にわかるもの。
Webサイトのアーカイブ: 「Wayback Machine」などで過去の掲載情報が確認できる場合など。
第三者の証言: 取引先などの客観的な証言(補助的な証拠として)。
「古くから販売している」と思っていても、以下の点には注意が必要です。
「構成」の微妙な違い: 昔から売っていた製品と、相手の特許請求の範囲(クレーム)が完全に一致しているかを確認する必要があります。「似ているが、相手の特許には新しい工夫(進歩性)が加えられている」場合、反論が難しくなることがあります。
改良品の問題: 「昔の製品」はセーフでも、最近販売している「改良版」が相手の特許に抵触している可能性もゼロではありません。
通知書への回答は慎重に行う必要があります。まずは以下の手順をお勧めします。
日付の確認: 相手の特許公報を確認し、「出願日(または優先日)」を特定する。
証拠の収集: その日付よりも前の自社製品のカタログ、図面、販売伝票を確保する。
対比: 「過去の自社製品」と「相手の特許の構成要件」を突き合わせる。
相手も調査不足のまま通知を送ってきている可能性(いわゆる「言ってみたもん勝ち」)もありますが、油断は禁物です。
質問:機械の場合、内部構造が特許の対象だとしたら、その商品が販売されていたとしても、内部の技術情報は公知になっていたとはいえないという議論はあり得ない?
Gemini:
結論として、その議論(内部構造だから公知ではないという主張)は、通常の一般販売が行われていた機械であれば、通用しない(特許権者側の反論としては弱い)可能性が高いです。
つまり、あなたの会社にとって有利な状況です。
なぜ「外から見えない内部構造」でも「公知(公然実施)」として扱われるのか、法的な判断基準を解説します。
特許法における「公然知られた(公知)」や「公然実施された」という状態は、「実際に誰かが見た」ことまでは要求されません。
「その気になれば、誰でもその内容を知ることができる状態にあったか(知り得る状態)」
これが判断の基準になります。
原則: 商品が不特定多数の者に販売(市販)されていた場合、購入者がその機械を**分解(リバースエンジニアリング)**して内部構造を調べることは自由です。
結論: 「市場に出回っていた」=「誰でも分解して内部を知ることができた」=**「内部構造も含めて公知である」**とみなされます。
逆に言えば、以下のような特殊な状況でない限り、あなたの会社は「昔から売っていた」という事実だけで勝てる可能性が高いです。
特許権者(相手)が「あれは公知ではなかった」と反論できるのは、以下のようなケースに限られます。
| ケース | 理由 |
| 秘密保持契約 (NDA) 下での販売 | 特定の顧客だけに、「内部構造を解析しない」「第三者に開示しない」という契約を結んで販売・リースしていた場合。これは「秘密」が守られているため、公知にはなりません。 |
| 分解が物理的に不可能な場合 | 分解しようとすると製品が破壊され、構造がわからなくなるような特殊な加工(ブラックボックス化)がされていた場合。(機械装置では稀です) |
| 外部から観測できない内部プロセス | 機械の構造ではなく、内部で起きている「化学反応」や「プログラムの処理手順」など、分解しても目に見えないものである場合。(※ただし、機械的な構造であれば通常は該当しません) |
相手が「内部構造は見えなかったはずだ」と言ってきても、以下の点を主張・立証できれば、その特許を無効化(または権利行使を阻止)できる可能性が高いです。
もし、過去の製品の**「サービスマニュアル」「パーツリスト」「分解図」**などが残っていれば、それを探してください。
これらは通常、修理業者の手に渡るものです。
「社外の人の手に、内部構造がわかる図面が渡っていた」という証拠があれば、たとえ実機が分解されていなくても、その情報は**「公知の刊行物」または「公知の情報」**として扱われ、決定的な証拠になります。