特153 審判 請求の趣旨 理由 申立ての有無

特許法

第百五十三条

審判においては、当事者又は参加人が申し立てない理由についても、審理することができる

2 審判長は、前項の規定により当事者又は参加人が申し立てない理由について審理したときは、その審理の結果を当事者及び参加人に通知し、相当の期間を指定して、意見を申し立てる機会を与えなければならない。

3 審判においては、請求人が申し立てない請求の趣旨については、審理することができない

プロンプト:第1項と第3項の違い?

Gemini 3:

特許法第153条の「理由」と「請求の趣旨」、たしかに言葉が似ていて混乱しやすいですよね。

一言でいうと、**「何を審理するか(ターゲット)」「なぜ審理するか(根拠)」**の違いです。

結論からお伝えすると、以下のようになります。

  • 第1項(理由): ストーリーや証拠(根拠)は、審判官が自分で見つけて追加してもOK!

  • 第3項(請求の趣旨): 審査する対象(ターゲット)は、請求人が決めた範囲を超えちゃダメ!

詳しく紐解いていきましょう。


1. 「請求の趣旨」と「理由」の違い

まずは言葉の定義を整理しましょう。ここがクリアになると、条文の理解がぐっと楽になります。

用語 意味 具体例(無効審判の場合)

請求の趣旨

 

(第3項)

審判によってどのような結論を求めるかという「範囲」 「特許第〇〇号の請求項1を無効にする」という申し立て

理由

 

(第1項)

その結論を導き出すための具体的な根拠 「〇〇という文献に載っているから新規性がない」という主張

2. なぜ第1項(理由)は「申し立てなくても」いいの?

第1項は**「職権審理」**と呼ばれます。

特許は「独占権」という強い権利を国が与えるものなので、もし請求人がうっかり重要な無効理由を見逃していたとしても、審判官が「あ、この特許は実は別の理由で無効だよね」と気づいたなら、それを指摘して無効にするべきだと考えられています(公益性のため)。

ただし、不意打ちにならないように、第2項で「事前に相手に教えてあげてね」とセットで規定されています。


3. なぜ第3項(請求の趣旨)は「申し立てた範囲内」だけなの?

第3項は、審判官が勝手に暴走するのを防ぐルールです。

例えば、請求人が「請求項1だけ無効にしたい」と言っているのに、審判官が勝手に「請求項2もダメそうだから無効にしちゃおう」と判断することはできません。

これは、審判が**「当事者の争い」**を解決する場だからです。請求人が「ここだけでいい」と言っているターゲットを、審判官が勝手に広げることは許されません。


4. わかりやすいイメージ例

レストランの注文に例えるとわかりやすいです。

  • 請求の趣旨(第3項):注文した料理そのもの

    • あなたが「ラーメン(請求項1)」を注文したのに、店員(審判官)が勝手に「チャーハン(請求項2)」を持ってきて代金を請求することはできません。

  • 理由(第1項):料理を返品する理由

    • あなたが「スープがぬるいから返品したい」と言ったとします。でも店員がチェックして「あ、スープがぬるいだけじゃなくて、麺に髪の毛が入っていました(別の理由)。これはどのみちお出しできません」と判断して下げることは可能です。


まとめ

  • 第1項(理由):審判官が「新しい証拠(理由)」を見つけてくるのは、正しい判断(公益)のためにアリ

  • 第3項(請求の趣旨):審判官が「審査の対象(ターゲット)」を勝手に増やすのは、やりすぎなのでナシ

この「公益性のための職権(1項)」と「当事者の意思の尊重(3項)」のバランスが、第153条のポイントです!

民事訴訟法との比較

民事訴訟法

(判決事項)
第二百四十六条 裁判所は、当事者が申し立てていない事項について、判決をすることができない。