科研費の申請書に研究計画を書くわけですが、分野が違う審査委員が初めてその研究テーマに関する話を読んで、スッと理解できるかというとそれは難しいはずです。どうすればスムーズに理解してもらえるのか?一番良いのは、その研究計画で検証しようとしている作業仮説の図(いわゆるポンチ絵)を示すことです。
自分のは探索型研究なので仮説がない?いやいや、むやみに探索しても結果がでるはずがありません。探索型と言いつつ、必ず何かしらの仮説が頭にあって、探索研究をやろうとしているはずです。データ駆動型研究でも同様です。ビッグデータの解析をやみくもにできるはずがありません。解析する以上なにかしらの仮説があってのことのはずです。科研費の申請書は仮説駆動型で書きましょう。論文を書くときだって、仮説駆動型で論文をつくったほうがトップジャーナルに掲載されやすくなるのは自明のことです。
作業仮説が描けない人は、多くの場合、そもそも作業仮説が頭の中でまだ固まっていないからです。白い紙を用意して、自由に描いていきましょう。何回も描きなおすのは当然のことです。そうしているうちに、自分がやりたいことや、どのステップにエビデンスがあって、どのステップがまだ未知なのか、どういう可能性があり得るのか、いろいろと頭の中が整理されてきます。この作業をやったかやらないかで、科研費の採否が決まるといっても過言ではありません。頭を使い、知恵を絞り、文献を確かめる作業なのでしんどくて当たり前です。文章を書く前に、作業仮説の図を描きましょう。いったん図が出来上がれば、あとはその図を説明するようにして本文を書いていけばいいので、本文はさくさく書けます。