ChemSketch(ケムスケッチ)でリン酸基の中の水酸基をイオンにする方法

ChemSketch(ケムスケッチ)では、どうすればリン酸基の中の水酸基をイオン化できるんだろうとしばらく悩んで、やっと方法を見つけました。

  1. メニューで Structure と Drawのうち、Structureを選ぶ。
  2. 変更したい水酸基-OHにカーソルをもっていくと、OHが四角い枠で囲われた状態になるので、(左)クリック。すると、点々で囲われたように表示が変わるので、この状態で右クリックし、現れるメニューからObject Propertiesを選択。
  3. C H n q V I N Aとならんでいるメニューのなかの、q (Charge)をクリック。
  4. すると今の場合 Value は0になっている(電荷はゼロ)ので、数値を-1に変更すして、applyをボタンを押す。

これで、 OH が  O- となり、めでたくイオン化されました。

 

ケムスケッチで水酸基をイオン化する方法がわかったところで、なぜカルボキシ基やこのリン酸の中の水酸基ーOHはHが電離するのに、アルコールの水酸基は電離しないんだろうという素朴な疑問が生じました。ネットであれこれしらべたら、要は、どっちがエネルギー的に安定か?という話です。アルコールの水酸基の水素が電離しないのは、電離してしまうとエネルギー的に安定しないから。一方、カルボキシ基やリン酸基の場合は、電離したほうが安定化するから。なぜ安定化するのかというと、「共鳴」するから。共鳴というのは、複数の同等の電子の配置が存在していて、電子がそれらの状態を全部とれるからということみたいです。カルボン酸だと、-C(=O)OHよりも -C(=O)O- のほうが、C(-O-)(=O)の配置もとれて共鳴できるというわけです。リン酸基も同様です。