「私法=市民同士のケンカ」というイメージがつかめれば、特許権侵害訴訟は**「ケンカの王様」**として理解できます。
特許権侵害訴訟の仕組み(私法のバトル)
これは、権利者(原告)が「私のシマ(特許権)を荒らすな!」とライバル(被告)を訴える、純粋な民事訴訟です。
1. 攻撃側(特許権者)の武器
原告は、主に以下の2つを請求します。
-
① 差止請求(さしとめせいきゅう) – 特許法100条
-
「工場を止めろ」「在庫を廃棄しろ」という請求。
-
これが最強の武器です。ライバルのビジネスを物理的に止めさせます。
-
-
② 損害賠償請求(そんがいばいしょうせいきゅう) – 民法709条 + 特許法102条
-
「俺が被った損害を金で払え」という請求。
-
重要ロジック: 請求の根拠は**「民法709条(不法行為)」**です。しかし、民法709条は「損害額はお前が証明しろ」と厳しいので、特許法102条という助っ人が「損害額はこう計算していいよ(推定規定)」と助けてくれます。
-
2. 防御側(ライバル)の盾
訴えられた被告は、ただ黙っているわけではありません。以下の反撃に出ます。
-
① 否認(ひにん)
-
「いや、私の製品はあなたの特許の技術範囲に入っていません(構成要件が違います)」という反論。
-
-
② 特許無効の抗弁(104条の3) – 【超頻出】
-
「そもそも、あなたの特許は進歩性がないから無効にされるべきものだ。そんなボロ特許で権利行使するのは権利濫用だ!」という反撃。
-
裁判所が「確かに無効理由があるね」と認めたら、原告の請求は棄却(負け)されます。
-
-
③ 先使用権(せんしようけん) – 特許法79条
-
「あなたが特許出す前から、私はこの技術を使ってましたけど?」という反論。
-