細胞接着は自分には馴染みがないテーマでした。しかし、受精卵が卵割して最初に2つの細胞タイプに分化するときに、細胞接着が重要らしいということを知り俄然興味がわきました。
アドへレンスジャンクションは細胞間接合部位において形成される、タンパク質複合体からなる機能構造体である。アドへレンスジャンクションは主として物理的に強固な細胞間接着をにない、発生期の器官形成や生体の恒常性に重要な役割を果たす。上皮組織においては、細胞周囲を取り囲むベルト状の構造ゾニューラアドヘレンスおよびスポット状のアドヒージョンプラークがアドへレンスジャンクションとしてくくられる。また線維芽細胞や心筋などでは、より非連続的なスポット状のアドへレンスジャンクション構造が存在する。
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/アドへレンスジャンクション
線維芽細胞にもAJが存在するというのは驚きです。ゆるく接着するときにスポット上のAJが使わわれるのでしょうか。
単層上皮細胞には必ず極性があり,上皮の内腔側を頂端側,細胞外マトリックスに接着する側を基底側と呼ぶ.頂端側には特殊な細胞間結合構造が発達しており,閉鎖帯[zonula occludens;密着結合(tight junction)ともいう]と接着帯(zonula adherens)が順に並んでいる(図3A).これらは,“zonula(小帯)”というように,細胞の頂端部をぐるりと取り巻いている.接着帯の直下には,接着斑(macula adherens;デスモソームともいう)があるが,接着帯とは異なり点刻状の構造である.閉鎖帯・接着帯・接着斑をまとめて「細胞結合複合体(junctional complex)」と呼び,カドヘリンが分布するのは接着帯である.閉鎖帯と接着帯の細胞質側にはアクチン束が集まっていて細胞膜と並行に走行しており,円周状アクチン帯(circumferential actin belt)を形成する(図3B).一方,線維芽細胞は極性があいまいで不定形だ.細胞間結合は帯状とはならずカドヘリンは点刻状に集まる25).このカドヘリン結合に対しアクチン束が細胞膜に直交するかたちでつながる(図3C).このように,上皮と線維芽細胞ではカドヘリンとアクチン束の空間的関係がまったく異なるが,カドヘリンによる接着構造を総称して“接着結合(adherens junction:AJ)”と呼ぶことが多い.
総説 細胞間接着装置の仕組みを探る 竹市 雅俊 生化学 発行日:2019年8月25日 https://seikagaku.jbsoc.or.jp/10.14952/SEIKAGAKU.2019.910500/data/index.html
AJの構造
- A principal intercellular structure that links cells together is the adherens junction (AJ).
- The AJ consists of cadherin adhesion receptors and cytoplasmic proteins that associate with them, including actin filaments.
Takeichi, M. Dynamic contacts: rearranging adherens junctions to drive epithelial remodelling. Nat Rev Mol Cell Biol 15, 397–410 (2014). https://doi.org/10.1038/nrm3802
Cadherin Adhesion and Mechanotransduction D.E. Leckband1 and J. de Rooij2
https://www.annualreviews.org/deliver/fulltext/cellbio/30/1/annurev-cellbio-100913-013212.pdf?itemId=/content/journals/10.1146/annurev-cellbio-100913-013212&mimeType=application/pdf
https://www.frontiersin.org/journals/cell-and-developmental-biology/articles/10.3389/fcell.2022.998373/full
細胞接着の動的制御
細胞接着がどのように動的に制御されているのかは、胚発生を理解するうえでも非常に大事なポイントです。
https://www.cellsignal.jp/pathways/adherens-junction-dynamics-pathway
- 竹市 科研費研究報告書 平成25年 https://kaken.nii.ac.jp/ja/file/KAKENHI-PROJECT-20002009/20002009seika.pdf
カドヘリンの発生における役割
Adherence junction Animated biology With arpan チャンネル登録者数 27.1万人
参考文献
- 総説 細胞間接着装置の仕組みを探る 竹市 雅俊 生化学 発2019年8月25日