「胸骨正中切開(きょうこつせいちゅうせっかい)」は、心臓に到達するために胸骨を縦に切って、「観音開き」のように左右に開く手技のことです。
手術の流れ
- 切開(切る):
胸の真ん中にある平らな骨(胸骨)を、電動ノコギリ(スターナムソー)で縦一直線に切ります。
- 開胸(開く):
切った骨の間に器具を入れ、左右に押し広げます。これで心臓が見える状態になり、手術を行います。
- 閉胸(閉じる):
心臓の手術が終わったら、開いていた胸骨を元の位置に戻します。
- 固定(くっつける):
ステンレス製のワイヤー(針金のようなもの)で、骨をしっかりと縛って固定します。
術後の状態について
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骨はどうなる?: 固定された骨は、骨折が治るのと同じように、数ヶ月かけて自然にくっつきます(癒合します)。
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ワイヤーはどうなる?: 基本的には一生体内に入れたままです。体に害のない素材ですが、もし術後に痩せてワイヤーが当たって痛い場合や、感染を起こした場合などは、骨がくっついた後に抜く手術をすることもあります。
まとめ
胸骨正中切開は、骨を取り除く(欠損させる)手術ではなく、一時的に開いて、また元に戻す手術です。
(Gemini)