博士号取得者の場合、専門試験を免除してもらうために必要な書類は以下のようになっています。
https://www.jpo.go.jp/news/benrishi/ronbun-menjo-gakui.html
| 提出書類 | 学位 | ||
|---|---|---|---|
| 博士 | 修士 | 専門職 | |
| 1. 選択科目免除資格認定申請書 (見本(PDF:651KB)・様式(ワード:35KB)) |
要 | 要 | 要 |
| 2. 学位取得証明書 又は大学院修了(見込)証明書 |
要 | 要 | 要 |
| 3.大学院成績証明書 | 不要 | 要 | 要 |
| 4. 指導教授又はこれに準ずる者の証明のある学位論文概要証明書(※) (見本(PDF:79KB)・様式(ワード:29KB)) |
要 | 要 | 要 |
| 5. 修了要件証明書 (見本(PDF:101KB)・様式(ワード:17KB)) |
不要 | 不要 | 要 |
ここでギョッとするのが、「指導教授又はこれに準ずる者の証明のある学位論文概要証明書」という書類です。卒業して何十年も経っているのに、今さらそれは無理でしょ!?と思ってしまいました。概要の長さに関しては、「研究の概要は 1,000 字程度でどのような研究・分析等をして、どの
ような結果が得られたのか分かるようにまとめてください。」(https://www.jpo.go.jp/news/benrishi/document/ronbun-menjo-gakui/04_sample.pdf)とあります。
※印の説明をみると、
※ 学位論文概要証明書は、学位論文全文とその論文が学位論文であることを確認できる情報の提示で省略することができます。
と書いていました。学位論文全文に代えられるようです。こんな記載も見つけました。
要望(縦割110番) 令和3年9月3日 内閣府 規制改革・行政改革担当大臣直轄チーム 弁理士試験の負担軽減について 修士・博士の学位を有する者は、弁理士試験の論文選択科目の免除申請の際「学位論文概要証明書」の提出が必要だが、同時に提出が必要となる「学位取得証明書」の下位互換のような書類で あるにも関わらず、取得に労力を要し提出意義が極めて低い。よって、撤廃してほしい。 特許庁の対応 令和3年10月以降、個々の免除申請者が便利な手段を選択できるよう、概要証明書又は学位論文全文の写しのいずれか1つ提出すればよいように運用変更。令和3年9月8日に特許庁ウェブサイトで公表。
弁理士試験の負担軽減について https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/publication/direct/210903direct67_01.pdf
しかし博士論文は自分は手元にありませんしウェブ上でも公開されていません。全文複写もまだ敷居が高いです。さらにグーグル検索したりしてウェブをいろいろ見ていたら、こんな記述も見つかりました。
弁理士試験の免除関係に関するQ&A https://www.jpo.go.jp/news/benrishi/shiken-qanda-menjo.html 3-16 学位論文概要証明書の提出を省略することはできますか。 学位論文データベース等大学のウェブサイトにより、学位論文の全文、学位論文の要旨、論文が学位論文である旨が確認できる場合は、選択科目免除資格認定申請書に当該URL(アクセス可能で内容が確認できるものに限る。)を記載することにより学位論文概要証明書の提出を省略することができます。 なお、ウェブサイトで論文の全文の確認ができない場合であっても、学位論文の要旨、論文が学位論文である旨が確認できる場合は、同様に学位論文概要証明書の提出を省略することができますが、審査において論文全文の確認が必要となる場合は、別途ご提出をお願いすることがあります。
え、省略できるの?FAQへのリンクが直接は貼っていなかったようで、グーグル検索で見つけましたが。これなら、誰にも迷惑をかけずに書類が揃えられそうです。
さて、この免除申請は、弁理士試験の受験の「前」に済ませておく必要があります。これも知らなかったらアウトの落とし穴でしょう。なんと、免除申請は通年で受け付けているようです。
受付期間 通年受け付けています。ただし、弁理士試験を受験する年の免除認定の申請期限は、同年の試験公告で指定する日(例年2月末日)までです。これを過ぎると、免除認定の審査が受験願書提出の期間に間に合わず、翌年の試験から免除となる場合がありますのでご注意ください。
万が一、博士論文を全文提出してと言われても困るので、早めに申請しておくのが無難でしょう。
参考
- 修士・博士等の学位に基づく論文式筆記試験(選択科目)の免除について https://www.jpo.go.jp/news/benrishi/ronbun-menjo-gakui.html 修士、博士又は専門職の学位を有する方で、選択科目の免除を希望する方は、受験願書提出時に、工業所有権審議会が発行する免除資格認定通知書を併せてご提出いただく必要があります。免除資格の認定を受けるためには、事前に、免除認定申請書などの必要書類を工業所有権審議会にご提出いただきます。