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TFG-βスーパーファミリーの細胞内情報伝達機構

TFG-βスーパーファミリーは、いくつかのサブファミリーに分かれます。TFG-βファミリー、BMPファミリー、Nodal・アクチビンファミリーといったサブファミリーがあります。TFG-βスーパーファミリーに共通する細胞内情報伝達機構はSmadタンパク質の利用です。Smadには大きくわけて2種類あり、Smad4が全てに共通してはたらき、他のSmadとともに二量体を形成して転写因子として働きます。Smad4でないSmadはスーパーファミリーごとに使われるSmadの番号がことなりますが、リガンドが受容体に結合することでリン酸化されてSmad4と協調して転写因子として働くことになる点が共通します。あとは、Smad7, Smad6など抑制性の制御因子として働くSmadも見つかっています。

Figure 3:

Neural induction and early patterning in vertebrates Mohammad Zeeshan Ozair 1, Chris Kintner 2, Ali H Brivanlou 1,* Wiley Interdiscip Rev Dev Biol. 2012 Oct 15;2(4):479–498. doi: 10.1002/wdev.90  https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6945772/

TFG-βスーパーファミリーの細胞内情報伝達機構を英語で説明

ややこしい細胞内情報伝達機構をいかにわかりやすくかつ簡潔に英語で説明するかは、論文を執筆する際に非常に重要になります。自分がわかりやすいと思った表現をまとめておきます。

Dimeric TGFβ ligands bind type II receptors that phosphorylate and activate type I receptors in a hetero-tetrameric complex. Receptor activation, in turn, leads to the propagation of signaling by at least two pathways involving Smad (in the canonical pathway) or Traf/TGFβ-Activated-Kinase-1 (TAK1, in the non-canonical pathway).

Neural induction and early patterning in vertebrates Mohammad Zeeshan Ozair, Chris Kintner, Ali H Brivanlou Wiley Interdiscip Rev Dev Biol. 2012 Oct 15;2(4):479–498. doi: 10.1002/wdev.90  https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6945772/

ミニマル発生学

『ミニマル発生学』は、医科大学に所属する理学系の先生によって執筆された医学部学生向けの発生学の教科書で、理学的な視点を踏まえて書かれていること、文字通りミニマルな知識がまとめられている点に特徴があると思います。

本書を読んだメモ(順不同)

  • 発生学は再生医療の基礎となる
  • ツールキット遺伝子:Shh, Wnt, Hox, Pax6など発生の時期や部位が違っていても、何回も付か言わされている。家を建てるときの工具のように、使っていることから。
  • 発生で使わた遺伝子は、成体でも使われていることがある。
  • Wntは、増殖シグナル。がんとの関連がある。
  • 個体発生は系統発生を繰り返す という見方から、「砂時計モデル」へ
  • 海中での生活から陸上への生活へと進化するための発生学上の変化:鰭(ひれ)が肢に。鰓(エラ)が呼吸には必要なくなったので、浮袋になるべきところを肺に作り替えた。不要になった鰓(エラ)は耳の一部や、頭蓋、顔の骨や筋肉に。口蓋扁桃、胸腺など。
  • 陸に上がったが、発生は依然として水の中で生じる(羊水の中で)
  • 原始線条は尾方へ退行して短くなっていき完全に消失する。
  • 神経溝が神経管として閉鎖する過程は、まんなかあたり(警部第5体節あたり)で始まり、頭側と尾側の両方向に向かって閉鎖が進行する。図4-5
  • 神経提細胞になる部分(神経板)は「神経ヒダ」
  • 神経堤細胞が鰓弓に入り込んで鰓弓のふくらみができる。顔の大部分の形成に関与する。
  • 鰓弓I:上顎骨、下顎骨、咀嚼筋など
  • 鰓弓II:アブミ骨、表情筋など
  • 神経堤細胞の運命:色素細胞、神経叢(消化管の表面)、心臓の中隔の一部、後根神経節(感覚神経)、交感神経、シュワン細胞など
  • 神経堤細胞の分化する運命は、移動経路や部位で決まると考えられている。
  • 外胚葉を中胚葉に誘導する作用を持つ因子として、アクチビン、FGF,ノーダルなどが同定されたが、発生で実際に一番重要な働きをしているのはノーダル。
  • ノーダル濃度が高いと中胚葉のなかでも特に背側中胚葉、オーガナイザーや脊索が誘導される。ノーダルの濃度が中程度だと筋肉が誘導される。ノーダルの濃度が低いと血液など。
  • ノーダルはモルフォゲンとして作用する。
  • オーガナイザーや脊索はnoggin, chordin follistatinなどのBMP阻害因子を分泌して神経誘導を行う。
  • シグナル伝達機構のまとめ
    • shh は非存在のときはGliRが遺伝子抑制の働きをし、存在下ではGliAによる遺伝子活性化の働きをする。Smo(Smoothened)は通常はShhの受容体であるptch(Patched)によって抑制がかけられている。その状態ではGliは微小管に結合しておりPKAにより分解されて核内に移行し、抑制的に働らく。shhが受容体Ptchに結合するとSmoに対する抑制が解かれて、結果的にGliが核内に移行して活性化の働きをする。
    • Wntは造語で、winglessとintegrated-1とを併せて作られた。winglessはショウジョウバエの遺伝子で、integrated-1は哺乳類の遺伝子で、両者が同一であることがわかったため。ウイントと読む。
      • Wnt経路には、βカテニンが関与するカノニカル経路とPlannar Cell Porlarity (PCP)経路、IP3/Ca経路が存在する。
    • FGF経路
    • TGF-βスーパーファミリー
      • TGF-β
      • Nodal, Activin
      • BMP
    • FGF
    • HGF
    • NTF (Neurotrophic factor)
    • 神経管の区域化:Prosencephalon(前脳)、Mesencephalon((中脳)、rhombencephalon(後脳)のうち、前脳と中脳の区域化ひは、Otx, Emxなどのホメオボックス遺伝子が関与する。後脳と脊髄の区域化にはHOX遺伝子群が関与する。
    • 前脳は、telencephalon, Diencephalonに分かれる。後脳はMetencephalon, Myelencephalonにわかれる。
    • Prechordal plate 脊索前板:脊索よりも先に原始線条から陥入し、口咽頭膜に向かって正中部を前進する細胞集団。Shhを分泌し、この分泌されたshhがPax6の発現を抑制することで、eye fieldが左右に分割される。
    • 眼の形成:水晶体を覆う表皮は角膜corneaになる。
    • 眼胞は表皮につくと、BMP4、FGF8, Deltaなどのシグナルを出す。一方、誘導された水晶体は複数の種類のFGFを分泌する。このように誘導が繰り返されて眼が形成される。

水晶体(すいしょうたい)と硝子体(しょうしたい)の違い

人体の勉強をしていて頭が混乱したので、水晶体と硝子体の区別をメモしておきます。

水晶体は、眼の「レンズ」の部分そのものです。それに対して、硝子体は、眼球の内部の大部分を占める液体の部分を指します。

硝子体手術|いけだ眼科クリニック 硝子体手術|いけだ眼科クリニック

FGFシグナリングが分化そのものでなく分化状態の維持に必要な例

分化と分化の維持を分けて考える考え方

  1. Synergism between temporally distinct growth factors: bFGF, insulin and lens cell differentiation Author links open overlay panel W.P.J. Leenders , S.T. van Genesen , J.G.G. Schoenmakers 1 , E.J.J. van Zoelen , N.H. Lubsen Mechanisms of Development Volume 67, Issue 2, October 1997, Pages 193-201 Mechanisms of Development  https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0925477397001214

神経誘導

  1. Involvement of BMP-4/msx-1 and FGF pathways in neural induction in the Xenopus embryo DGD 25 December 2001 https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1046/j.1440-169x.2000.00514.x

能力の高いのに自己肯定感が低い人

ダンニング・クルーガー効果

能力の低い人ほど自信を持っており、能力が高い人ほど自信がないという不思議な現象のことを、ダンニング・クルーガー効果と呼ぶそうです。

インポスター症候群

インポスター(imposter)とは、詐欺師や偽者という意味の言葉です。成功しているのに自分に自信ない人のことをインポスター症候群と呼びます。心理学者のポーリン・ローズ・クランスとスザンヌ・アイムスが1978年に提唱した概念で、医学的な意味での病気というわけではありません。インポスター症候群の人は、自分の成功の要因を偶然や運に帰するため、自身の能力に自信を持つことができません。そのため、周りの人をだましているような後ろめたを感じ、偽者であることがばれるのではないかと不安を感じています。

  1. 「自己肯定感高い人と低い人」幼少期の決定的な差 誕生後2年間でそれぞれに起きていること シュテファニー・シュタール : 心理学者、心理療法士 2021/12/31 6:00 東洋経済ONLINE https://toyokeizai.net/articles/-/478161
  2. 客観的に見て人より優れていそうなのに、本人の自己肯定感が低いのはなぜでしょう? https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14270888194

ニューラルネットによる人の顔の認識

 

 

  1. Face detection in untrained deep neural networks Seungdae Baek, Min Song, Jaeson Jang, Gwangsu Kim & Se-Bum Paik Nature Communications volume 12, Article number: 7328 (2021) https://www.nature.com/articles/s41467-021-27606-9 Fig. 2 We showed that a biologically inspired DNN develops face-selective units without training, solely from statistical variations of the feedforward projections.

神経管で発現しているカドヘリンの種類は?

神経堤細胞が、閉じたあとの神経管から上皮‐間葉転換(EMT)によって生じるのか、それとも、神経管が閉じる前もしくは閉じるタイミングで神経外胚葉から上皮‐間葉転換によって生じるのか、はいろいろ総説論文などを見ていると、どうも動物種によって異なるようです。ニワトリでは、神経管が閉じたあとで、あらためて、神経堤細胞が神経管の上部から出てくるようです。それは、神経管上部において、上皮‐間葉転換を促進する遺伝子が発現するのがまず最初のステップであることなどからも明らかです。それに対して、他の動物種では、外胚葉から直接、上皮‐間葉転換が起きて神経堤細胞ができてくるとする図も描かれています。

とすると、EMTでE-カドヘリンの発現が抑制されることが重要なのだとしたら神経管ではそもそもどの種類のカドヘリンが発現しているのだろうという疑問が湧きました。N-カドヘリンのN-は「神経系の(に特有の)」という意味かと思っていたため、それだと話が合わないなと気づいたからです。

下の論文の図などを見ると、E-カドヘリンが外胚葉で、N-カドヘリンが神経系というはっきりした違いがあるわけではまったくないようです。名前と実体がずれているとうことでしょうか

  1. A catenin-dependent balance between N-cadherin and E-cadherin controls neuroectodermal cell fate choices Mechanisms of Development Volume 152, August 2018, Pages 44-56 Mechanisms of Development https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0925477318300819 Unlabelled Image
  2. N- and E-cadherins in Xenopus are specifically required in the neural and non-neural ectoderm, respectively, for F-actin assembly and morphogenetic movements Development (2009) 136 (8): 1327–1338. https://doi.org/10.1242/dev.031203 15 April 2009 Fig. 3. N-cadherin is required to assemble F-actin in the apical cytoplasm of neural plate cells. (A-D) Injection of a 16-cell embryo (A; the arrow indicates the injected cell) gives rise to labeled clones in the neural plate at st. 14 (B; the dashed line indicates boundaries of the neural plate). Neural plates (C) were stained for F-actin (D). (E) The boundary between N-cadherin-depleted (*) and uninjected (#) cells in a neural plate stained with N-cadherin antibody to show the reduction in N-cadherin protein in the injected cells. (F) Transverse section of a neural plate showing that C-cadherin continues to be expressed in N-cadherin-depleted embryos. (G) The dramatic reduction in F-actin in N-cadherin-depleted cells (red) as compared with untreated neighboring cells of a neural plate. (H) Quantitation of staining intensity for F-actin and of mean apical surface area of injected as compared with untreated cells.(I) Transverse section through the neural plate in G, to show that only the apical regions of the neural plate cells are affected by N-cadherin depletion. White arrows indicate circumferential cortical actin belt. Yellow arrows indicate F-actin assembly is retained in the basal cytoplasm of N-cadherin-depleted neural plate cells. (J) Injection of Xenopus tropicalis N-cadherin mRNA, which does not include sequence complementary to the MO, rescues the F-actin expression in N-cadherin-depleted cells. The left-hand panel shows the RLDX lineage tracer (red); the center panel shows only the F-actin staining in the same specimen. Asterisk indicates the treated cells; #, the untreated region. The right-hand panel shows quantitation of the cortical actin staining from the pixel intensity. ***Statistically significant difference in phalloidin staining between control and N-cadherin-depleted neural plate cells (P<0.001). Scale bars: 50μm, except 100 μm in J and 200 μm in D.

神経堤を誘導する分子シグナル

神経板の表皮になる部分との境目あたりは、神経堤細胞になります。神経堤細胞は末梢神経などになる重要な細胞系譜のため、その分化過程は詳細に調べられています。

Molecular signaling directing neural plate border formation  Published: 9 July 2024 Int. J. Dev. Biol. 68: 65 – 78 (2024) https://doi.org/10.1387/ijdb.230231me Vol 68, Issue 2https://ijdb.ehu.eus/article/230231me

Fig. 4. Shh- and Noggin-expressing cells prevent or down-regulate Slug expression in the dorsal neural tube and influence the expression of other dorsal neural tube genes.

Figure 2 Induction of Floor Plate Cells in Response to Shh and Chordin In Vivo (N and O) Coexpression of (N) Shh and (O) chordin in the HH st-10 caudal notochord. 

Effects of Shh and Noggin on neural crest formation demonstrate that BMP is required in the neural tube but not ectoderm Development (1998) 125 (24): 4919–4930.

https://journals.biologists.com/dev/article/125/24/4919/40053/Effects-of-Shh-and-Noggin-on-neural-crest

神経堤の分化

神経板と表皮の間の部分は神経堤に分化します。神経管が閉じたあと(ニワトリの場合。他の動物種によっては閉じる直前もしくは同時みたい)、神経堤細胞は上皮間葉転換により運動性を獲得して移動します。神経堤細胞は、感覚神経、自律神経、顔面の頭蓋などに分化することから非常に重要な役割を担う細胞であり、何がこの神経堤細胞を規定するのかは非常に重要なテーマで膨大な研究の蓄積があります。

下の論文は非常に興味深いです。神経板にはFGFが発現していて神経板の分化に必要(誘導でなく、誘導された状態の維持に必須)ですが、神経堤においては、「中程度」にまでFGFシグナリングの強さが弱まっている必要があります。どうやって弱めているかというと、FGFシグナリングの細胞内情報伝達機構のいくつかのシグナル分子をマイクロRNAによって抑制しているというものです。2024年ノーベル生理学医学賞はマイクロRNAの発見者2人に贈られました。もともとは線虫のある遺伝子の発現を抑制するしくみとしてマイクロRNAが発見されましたが、マイクロRNAは線虫に特有の現象などではなく、実は動物全体に普遍的に存在する遺伝子発現制御機構でした。その例として、下の論文が挙げられると思います。

Post-transcriptional tuning of FGF signaling mediates neural crest induction PNAS December 21, 2020 117 (52) 33305-33316

https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.2009997117

神経管の背腹軸方向の細胞分化シグナル

個人的には、外胚葉がBMPを出していて、神経管の上部でもBMPがシグナリングセンターになり、下側に目をやると、脊索が最初シグナリングセンターになってshhシグナルによって神経管の下部をFLOOR PLATEに誘導し(実際の誘導の時期は、神経管になってからではなく、神経板の段階)、今度はFLOOR PLATE自身がshhを分泌するようになるというところが面白いと思います。ゾンビによって自分もゾンビ化されてしまうみたいな。

https://bastiani.biology.utah.edu/courses/3230/db%20lecture/lectures/b15NeuroHH.html

Roof plate天板ではBMPが、Floor plate底板ではshhがシグナルとなって、神経管の上下の端がシグナリングセンターとなり、神経管の内外に対して働きかけます。神経管の内部ではこれらのシグナルによって背腹軸方向の神経細胞のアイデンティティが決定されます。

Bone morphogenetic protein signalling and vertebrate nervous system development | Nature Reviews Neuroscience

https://media.springernature.com/lw685/springer-static/image/art%3A10.1038%2Fnrn1805/MediaObjects/41583_2005_Article_BFnrn1805_Fig3_HTML.jpg

https://media.springernature.com/lw685/springer-static/image/art%3A10.1038%2Fnrn1805/MediaObjects/41583_2005_Article_BFnrn1805_Fig3_HTML.jpg

下のrの文の図は、Roof plateで確かにBMPが発現していることを示す実験データ。BMPシグナリングの下流で転写因子として働くリン酸化SmadもRoof plateに局在しています。

The roof plate (RP) loses responsiveness to BMP signaling. a, c In situ hybridization for Bmp4 at the neural crest (NC) and RP stages. b, d Antibody staining for pSMAD1,5,8. Note positive signaling in the dorsal neural tube (NT) at the NC stage (delimited by dotted yellow lines, see "Methods" for definition). In contrast, the definitive RP (dorsal to the dotted yellow lines, see "Methods" for definition) lacks a pSMAD signal yet the domain ventral to the yellow lines containing dorsal interneurons is positive. e, f Dorsal views of whole mounted embryo fragments following dorsally directed electroporations (EP) of BMP-responsive element (BRE)-GFP along with control RFP to monitor electroporation efficiency. Note positive and negative BMP reporter signaling at NC and RP stages, respectively. Embryos were electroporated at either E2 (e-e") or E3 (f-f") and analyzed 16 h later. White dashed lines delineate the NT in b and d. C caudal, DI dorsal interneurons, R rostral. Bar in a = 40 μM; b, d = 80 μM; c = 50 μM 

https://www.researchgate.net/figure/The-roof-plate-RP-loses-responsiveness-to-BMP-signaling-a-c-In-situ-hybridization-for_fig1_299420557

神経板の形成:神経誘導

神経板の形成

神経発生の最初の形態的な変化は、神経板の形成です。これはまず神経板になる部分の細胞の形が縦長に伸びるところから始まります。

https://www.sciencedirect.com/topics/biochemistry-genetics-and-molecular-biology/neural-plate

神経誘導におけるBMP阻害とFGFシグナリングの役割

BMP inhibition initiates neural induction via FGF signaling and Zic genes Leslie Marchal, Guillaume Luxardi, Virginie Thomé, and Laurent Kodjabachian kodja@ibdml.univ-mrs.frAuthors Info & Affiliations Edited by Igor B. Dawid, National Institute of Child Health and Human Development, Bethesda, MD, and approved August 19, 2009 October 13, 2009 106 (41) 17437-17442 https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.0906352106  neural induction is controlled by BMP inhibition, which activates directly, and, via FGF instructive activity, early neural regulators such as Zic genes.

  1. The response of early neural genes to FGF signaling or inhibition of BMP indicate the absence of a conserved neural induction module Crystal D Rogers 1, George S Ferzli 1, Elena S Casey BMC Dev Biol. 2011 Dec 15;11:74. doi: 10.1186/1471-213X-11-74
  2. Combinatorial Fgf and Bmp signalling patterns the gastrula ectoderm into prospective neural and epidermal domains Development. 2004 Aug;131(15):3581–3592. doi: 10.1242/dev.01227 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2789263/

神経板、神経管の形成にかかわるシグナルのまとめ

BMPが外胚葉で発現しており、それが外胚葉の細胞が表皮になるシグナルの役割を果たしています。脊索からはBMPの阻害因子であるchordin, nogginなどが分泌されてその部分の運命を神経系にシフトさせます。もともとあるBMPシグナリングを阻害することで神経誘導が生じるというカラクリは予想外のことで驚きでした。脊索はソニックヘッジホッグ(SHH)も分泌しており、それが神経板に働きかけて将来、神経管のFloor Plate(底板)になる部分を分化させます。底板はそれ自身もshhを発現するようになり、周囲の組織の分化にかかわることになります。BMPは、表皮になる部分に発現していて、神経板になる部分は抑制をうけますが、その中間の部分では、「中程度」の強さのシグナルとして働きます。また、神経管の背側の部分「roof plate」がBMPを発現してシグナルとして、神経管の背腹軸方向の細胞のアイデンティティを決定するのに役割を担います。

Developmental Biology 3230

https://bastiani.biology.utah.edu/courses/3230/db%20lecture/lectures/b15NeuroHH.html

横からくるBMPシグナルおよびその阻害がメインのシグナルだと思います。

https://www.google.com/url?sa=i&url=https%3A%2F%2Fwww.nature.com%2Farticles%2Fnrn1805&psig=AOvVaw1efNk1Wo6aPwMkESSqJcz_&ust=1730606329991000&source=images&cd=vfe&opi=89978449&ved=0CBQQjRxqFwoTCKDrsKL4vIkDFQAAAAAdAAAAABAE

Bone morphogenetic protein signalling and vertebrate nervous system development 01 December 2005  Aimin Liu & Lee A. Niswander Nature Reviews Neuroscience volume 6, pages945–954 (2005) https://www.nature.com/articles/nrn1805

https://media.springernature.com/lw685/springer-static/image/art%3A10.1038%2Fnrn1805/MediaObjects/41583_2005_Article_BFnrn1805_Fig2_HTML.jpg

FGFやWNTも同様の働きがあるようです。何を図示かは動物種によるかもしれません。レビュー論文ごとに異なる部分があります。

Neural Plate Patterning by Secreted Signals Oliver Wessely ∙ E.M De Robertis NEURON Volume 33, Issue 4p489-491February 14, 2002 derobert@hhmi.ucla.edu https://www.cell.com/fulltext/S0896-6273%2802%2900596-2

media/module22/v2e_schemInducNeural.gif

22.2 Early embryonic development of the nervous system: Formation of the neural tube and neural crest https://embryology.ch/en/organogenesis/nervous-system/early-embryonic-development-of-the-nervous-system/molecular-mechanisms-in-the-early-development-of-cns/dorso-ventral-polarity-of-neural-tube.html?p=2.2

脊索からBMPの阻害因子が分泌されているのかが気になって、それを示した実験データを探してみました。案外見つからないものです。下の論文の図のMとOはそれみたい。

Current Biology Volume 12, Issue 1p47-52January 08, 2002 Opponent Activities of Shh and BMP Signaling during Floor Plate Induction In Vivo https://www.cell.com/current-biology/fulltext/S0960-9822(01)00631-5

  1. Noggin-mediated antagonism of BMP signaling is required for growth and patterning of the neural tube and somite Jill A. McMahon1, Shinji Takada1,4, Lyle B. Zimmerman3,5, Chen-Ming Fan2, Richard M. Harland3, and Andrew P. McMahon1,6 doi: 10.1101/gad.12.10.1438 Genes & Dev. 1998. 12: 1438-1452

神経板

  1. https://www.sciencedirect.com/topics/biochemistry-genetics-and-molecular-biology/neural-plate

神経板の初期分子マーカー

神経板がどのようにして誘導されるかを知るためには、神経板で早い段階で特異的に発現してくる遺伝子が何かを把握するのが重要です。それがわかれば、その遺伝子発現が何によって誘導されたかを考えることができます。

Sox2

Sox2は、神経板の最も早期の決定的なマーカーであり、神経板のアイデンティティを確立する過程で重要な役割を果たします。

  1. A Mechanism Regulating the Onset of Sox2 Expression in the Embryonic Neural Plate 神経板の最も初期の決定的なマーカーは転写因子 Sox2 であり、これは ERNI、ジェミニン、BERT、HP1α、HP1β、およびクロマチンリモデリング酵素 Brm 間の相互作用によって制御されます。 PLoS Biology C. Papanayotou et al. 171 Citations 2008
  2. Figure 2 Nature. 2011 Feb 17;470(7334):394–398. doi: 10.1038/nature09729 Tbx6-dependent Sox2 regulation determines neural vs mesodermal fate in axial stem cells

下の論文でSox2の神経板における発現が示されています(in situ ハイブリダイゼーションで転写産物を検出)。パネルAを見ると、通常、Sox2は神経板の前方部分(前脳になる領域)で発現していることがわかります。

FIGURE 2:

Epigenetic activation of Sox2 gene in the developing vertebrate neural plate Mol Biol Cell. 2016 Jun 15;27(12):1921–1927. doi: 10.1091/mbc.E16-01-0042 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4907725/

SOX1

SOX1は、神経運命にコミットした外胚葉細胞で最も早期に発現する転写因子の一つであり、神経板の誘導と一致して発現が開始されます。

  1. A role for SOX1 in neural determination. SRY に関連する HMG ボックス タンパク質である SOX1 は、神経運命が決定された外胚葉細胞で発現される最も初期の転写因子の 1 つであり、胚の中枢神経系 (CNS) の分裂中の神経前駆細胞を定義します。 Development L. Pevny et al. 496 Citations 1998 https://journals.biologists.com/dev/article/125/10/1967/39814/A-role-for-SOX1-in-neural-determination 図1 Immunohistochemical analysis of SOX1 during mouse and rat embryogenesis. (A) Transverse section through the anterior region of a 7.5 dpc mouse embryo. SOX1 labeling is restricted to the neural plate. (B) Transverse section through the anterior region of a 2 somite mouse embryo. SOX1 labeling is restricted to the neural folds. (C) Transverse section through the posterior region of a 10-12 somite mouse embryo. SOX1 labeling is restricted to the neural tube. (D) Transverse section through the thoracic region of a 20 somite mouse embryo. SOX1 labeling is detected in the early neural tube but is excluded from the ventral midline region of the floor plate (FP, arrow). (E) Transverse section through the thoracic region of a 30-35 somite mouse embryo. SOX1 labeling is not detected in the ventral motor horns (MH). (F) Transverse section through the anterior spinal cord region of a 30-35 somite mouse embryo. Expression of SOX1 is maintained in ‘region X’, bilateral streams of cells between the floor plate (FP) and motor horns (MH). (G) Expression of SOX1 (green) and FP3 (red) in a transverse section through the thoracic region of an E10 rat embryo. Expression of SOX1 and FP3 are mutually exclusive. (H) Expression of SOX1 (green) and Islet1 (red) in a transverse section through the thoracic region of an E11 rat embryo. Expression of SOX1 and Islet1 are almost mutually exclusive although there appears to be some overlap in the most medial differentiating Islet1-positive cells. (I) Expression of SOX1 (green) and Neurofilament (red) in a transverse section through the thoracic region of an E11 rat embryo. Expression of SOX1 and Neurofilament are mutually exclusive. Immunohistochemical analysis of SOX1 during mouse and rat embryogenesis. (A) Transverse section through the anterior region of a 7.5 dpc mouse embryo. SOX1 labeling is restricted to the neural plate. (B) Transverse section through the anterior region of a 2 somite mouse embryo. SOX1 labeling is restricted to the neural folds. (C) Transverse section through the posterior region of a 10-12 somite mouse embryo. SOX1 labeling is restricted to the neural tube. (D) Transverse section through the thoracic region of a 20 somite mouse embryo. SOX1 labeling is detected in the early neural tube but is excluded from the ventral midline region of the floor plate (FP, arrow).Sox2 図1aをみるとSOX1が神経板に局在している様子がハッキリとわかります。神経管が形成された時期の図1cでは神経管に特異的に発現しています。

SOX1遺伝子発現にBMPやFGFが関与するのかconsensus.aiに訊いてみました。BMPで誘導され、FGFで維持されるという回答です。

Inhibition of BMP signaling is sufficient to induce neural markers, including SOX1, in ectodermal explants, suggesting that neural fate is the default state in the ectoderm when BMP signaling is blocked . The use of BMP inhibitors like Noggin and DMH1 can effectively induce SOX1 expression in human-induced pluripotent stem cells (hiPSCs), highlighting the role of BMP antagonists in neural induction .

FGF signaling is necessary for maintaining the early domain of sox gene expression, including SOX1, in neural tissue. Without FGF signaling, this domain can revert to non-neural fates. The combined inhibition of BMP and TGF-β pathways, using small molecule inhibitors, allows for precise regulation of SOX1 expression, which is crucial for proper neural induction and lineage specification.

XASH-3

XASH-3は、神経誘導の非常に早い段階で発現し、神経板の位置を示すマーカーとして機能します。

  1. XASH-3, a novel Xenopus achaete-scute homolog, provides an early marker of planar neural induction and position along the mediolateral axis of the neural plate.  Development K. Zimmerman et al. 134 Citations 1993 https://journals.biologists.com/dev/article/119/1/221/37847/XASH-3-a-novel-Xenopus-achaete-scute-homolog XASH-3 は、アフリカツメガエルの神経板の内外軸に沿った神経誘導と位置の初期マーカーです。Comparison of XASH3 and N-CAM expression in late-gastrula stage embryos. XASH3 (A,B,C) and N-CAM (D,E) expression in stage 14 embryos was determined by whole-mount in situ hybridization (A,D). Cross-sections of similarly staged embryos are also shown (B,C and E). Open arrow in A indicates XASH3 expression lateral to the neural plate; closed arrow indicates the mediolaterally restricted stripe revealed by crosssection in B, and the arrowhead indicates the transverse ‘eyebrow’ stripe revealed by cross-section in C. In A, anterior is towards 11 o’clock and, in D, it is towards 1 o’clock. Note the restricted expression of XASH3 along the mediolateral axis of the neural plate (B) in comparison to that of N-CAM (E). Comparison of XASH3 and N-CAM expression in late-gastrula stage embryos. XASH3 (A,B,C) and N-CAM (D,E) expression in stage 14 embryos was determined by whole-mount in situ hybridization (A,D). Cross-sections of similarly staged embryos are also shown (B,C and E). Open arrow in A indicates XASH3 expression lateral to the neural plate; closed arrow indicates the mediolaterally restricted stripe revealed by crosssection in B, and the arrowhead indicates the transverse ‘eyebrow’ stripe revealed by cross-section in C. In A, anterior is towards 11 o’clock and, in D, it is towards 1 o’clock. Note the restricted expression of XASH3 along the mediolateral axis of the neural plate (B) in comparison to that of N-CAM (E).

Gbx2

Gbx2は、神経板の後方化に関与し、神経板のパターン形成において重要な役割を果たします。

  1. The posteriorizing gene Gbx2 is a direct target of Wnt signalling and the earliest factor in neural crest induction Gbx2 は神経堤誘導における最も初期の因子であり、神経板の後部化に役割を果たします。 Development Bo Li et al. 146 Citations 2009 Info In Vitro Trial Info Highly Cited https://journals.biologists.com/dev/article/136/19/3267/65330/The-posteriorizing-gene-Gbx2-is-a-direct-target-of Fig. 1. Gbx2 is expressed in posterior ectoderm that includes the prospective neural crest. (A-C) Hypothesis of neural crest (NC)induction by the posteriorizing activity of Gbx2. (D-S) In situ hybridization at the indicated stages for the indicated genes. (D-G)Dorsal view, anterior to the top. (H-K) Transverse sections. (L-O) Lateral view, anterior to the left. (P-R) Dorsal view, anterior to the top. Arrowhead,NC; arrow, gap in Gbx2 expression. (S) Detail of the neural fold region in a lateral view, anterior to the top, midline to the right.(T) Summary of Gbx2 and Snail2 expression at stage 16. Anterior to the top, midline to the right. Different tones of purple denote different levels of Gbx2 expression. Blue, NC.  Gbx2 is expressed in posterior ectoderm that includes the prospective neural crest. (A-C) Hypothesis of neural crest (NC)induction by the posteriorizing activity of Gbx2. (D-S) In situ hybridization at the indicated stages for the indicated genes. (D-G)Dorsal view, anterior to the top. (H-K) Transverse sections. (L-O) Lateral view, anterior to the left. (P-R) Dorsal view, anterior to the top. Arrowhead,NC; arrow, gap in Gbx2 expression. (S) Detail of the neural fold region in a lateral view, anterior to the top, midline to the right.(T) Summary of Gbx2 and Snail2 expression at stage 16. Anterior to the top, midline to the right. Different tones of purple denote different levels of Gbx2 expression. Blue, NC.

 N-CAM

N-CAM RNAの発現は、神経誘導の初期応答として、神経板に局在します

  1. Expression of Xenopus N-CAM RNA in ectoderm is an early response to neural induction. N-CAM RNA の発現は、胚葉形成中に神経板に局在し、外胚葉における神経の関与のマーカーとなります。 Development C. Kintner et al. 468 Citations 1987 https://journals.biologists.com/dev/article/99/3/311/51817/Expression-of-Xenopus-N-CAM-RNA-in-ectoderm-is-an

pou5f3/pou2

  1. Involvement of an Oct4-related PouV gene, pou5f3/pou2, in neurogenesis in the early neural plate of zebrafish embryos. Pou5f3 は、ゼブラフィッシュの胚において、前神経クラスターにおける初期の神経発生を促進し、後期の神経発生を負に制御します。 Developmental biology Chihiro Inomata et al. 6 Citations 2019

Xsnail

  1. Relationship between gene expression domains of Xsnail, Xslug, and Xtwist and cell movement in the prospective neural crest of Xenopus. Xsnail は、神経誘導における神経板の決定のための最も初期のマーカーです。 Developmental biology C. Linker et al. 103 Citations 2000

neurogenin

  1. The activity of neurogenin1 is controlled by local cues in the zebrafish embryo. ゼブラフィッシュ胚の初期神経板におけるニューロジェニン1の発現はDelta/Notchシグナル伝達によって調節され、異所性ニューロンの発達につながる可能性があります。 Development P. Blader et al. 259 Citations 1997
  2. Multiple regulatory elements with spatially and temporally distinct activities control neurogenin1 expression in primary neurons of the zebrafish embryo ゼブラフィッシュの胚におけるニューロジェニン1の発現は複数の調節要素によって制御され、特定のニューロン前駆細胞における発現を促進し、神経板におけるその発現を調節します。 Mechanisms of Development P. Blader et al. 164 Citations 2003
  3. A novel zebrafish bHLH gene, neurogenin3, is expressed in the hypothalamus. ニューロジェニンは​​決定因子として作用し、脊椎動物の神経発生における分化遺伝子の発現を開始します。 Gene Xukun Wang et al. 43 Citations 2001

その他

  1. A gene regulatory network for neural induction 神経誘導のための遺伝子制御ネットワークは、175 個の転写制御因子とそれらの間の 5,614 個の予測される相互作用で構成され、信号への最初の露出から成熟した神経板マーカーの発現までの細かい時間的ダイナミクスを備えています。 eLife K. Trevers et al. 5 Citations 2021
  2. The Netrin receptor Neogenin is required for neural tube formation and somitogenesis in zebrafish. ネオジェニンは​​、ゼブラフィッシュの胚における神経管形成と体節形成において重要な役割を果たし、神経外胚葉細胞と中胚葉細胞の両方の細胞極性または移動方向性を決定します。 Developmental biology D. Mawdsley et al. 65 Citations 2004

神経誘導の分子的実態:BMPアンタゴニスト

BMPシグナルは表皮への分化を規定するのに対して、BMPシグナルのアンタゴニストが表皮への分化の経路を、神経系への分化へと変更させる働きがある、つまり、神経誘導の分子的な実態はBMPアンタゴニストであるということが明らかになっています。

神経誘導に関しては外胚葉のデフォルトが神経組織への分化で、BMPシグナルが働いたときに外胚葉は表皮外胚葉として分化することが明らかとなった。オーガナイザーの近辺ではBMPと結合するNogginやChordinが発現しており、これらがBMPと結合するために、その近辺ではBMPシグナルが遮断され、神経として分化する。すなわち、神経誘導に関しては当初の発生学者たちが考えたように、ある特別な誘導物質が外胚葉に働いてそれを神経外胚葉として分化させるのではなく、むしろシグナルが入らないデフォルトの状態が神経外胚葉であるということである。

BMPシグナルのアンタゴニストが存在せず、そもそもBMPシグナルすら存在しない状態であれば、デフォルトとしては表皮は神経系に分化する運命にあるというわけです。神経系への分化は非常に特別なことのように感じられるので、それがデフォルトだという発見はかなり意外性が高いことだと思います。

Three secreted factors, Noggin, Chordin, and Follistatin, have been found to possess neural-inducing activity in Xenopus. These secreted factors are expressed in the organizer of gastrula embryos and induce neural tissues in the ectoderm (Sasai et al., 1994Smith and Harland, 1992Lamb et al., 1979Hemmati-Brivanlou et al., 1994). As these factors bind to and antagonize BMP, neural induction is caused by blocking the activation of the BMP pathway, which induces epidermal fates (Piccolo et al., 1996Sasai et al., 1995Zimmerman et al., 1996Fainsod et al., 1997).

Spemann-Mangold organizer and mesoderm induction Makoto Asashima, Yumeko Satou-Kobayashi Cells & Development Available online 1 February 2024, 203903

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2667290124000044

  1. Neural Induction (review) Development Growth and Differentiation 1998;40:363-376 (PDF)