特許法
(拒絶査定不服審判における特則)
第百五十八条 審査においてした手続は、拒絶査定不服審判においても、その効力を有する。https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121#Mp-Ch_6-At_131_2-Pr_2
Gemini 3:
第158条は、まさに「続審主義(ぞくしんしゅぎ)」という考え方を条文にしたものです。「続審主義」という言葉、法律用語っぽくて難しく感じますが、中身はとても合理的です。
1. 続審主義(ぞくしんしゅぎ)とは?
一言でいうと、**「審査(1回戦)の続きを、審判(2回戦)でやりましょう」**というルールです。
拒絶査定不服審判は、審査官が下した「拒絶査定」に対して不服を申し立てるものですが、そこで**「今までのやり取りを全部リセットしてゼロからやり直す」ことはしません。**
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審査で出した書類
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審査官が指摘した拒絶理由
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出願人が提出した意見書や証拠
これらをすべて「そのまま引き継いで」、審判官が「審査官の判断が正しかったかどうか」を引き続きチェックします。これを「続(きを)審(理する)」という意味で「続審主義」と呼びます。
2. 158条との関係
第158条にはこう書かれています。
「審査においてした手続は、拒絶査定不服審判においても、その効力を有する。」
これは、**「審査のバトンをそのまま審判に渡しますよ」**という宣言です。
もしこの条文がないと、審判になった途端に「また最初から証拠を出し直してください」「もう一度同じ説明をしてください」となってしまい、時間も手間もかかって非効率ですよね。
3. 反対の言葉:「覆審主義(ふくしんしゅぎ)」
比較するともっと分かりやすくなります。
| 種類 | 内容 | メリット・デメリット |
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続審主義 (特許法の採用) |
審査の続きを行う。 これまでの資料を引き継ぐ。 |
効率的。 審査官と出願人のこれまでの議論をベースにできる。 |
| 覆審主義 |
最初からやり直す。 過去の資料は一旦無視してゼロから判断。 |
新鮮な視点。 ただし、時間がかかりすぎる(二度手間)。 |
4. 具体的にどんな「手続」が引き継がれるの?
例えば、以下のようなものが審判でもそのまま有効です。
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提出済みの証拠: 審査段階で出した比較実験データなどは、審判でもそのまま証拠として使えます。
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補正: 審査段階で行った内容で審判が進みます(審判請求時の補正も加味されます)。
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手数料の納付など: 審査での事務的な手続きも、審判に影響を与えます。
まとめ
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158条は、「審査でのやり取りを審判でも有効にする」というルール。
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それが意味するのは、審判はゼロからのスタートではなく、**審査の続き(続審主義)**であるということ。
これにより、迅速で一貫性のある判断ができるようになっています。