特036条の2 外国語書面出願 あとで翻訳文を提出、出願日はどっち?

外国語書面出願は その後 1年4月以内に日本語の翻訳を出す必要がありますけれども 出願の日というのはどっちになりますか?

出願日は**「外国語書面を提出した日」**になります。後から提出する「日本語の翻訳文」を提出した日ではありません。


1. 出願日の確定(特許法第36条の2)
外国語書面出願において、特許庁に願書と外国語書面(明細書、請求の範囲、図面)が到達した日が「特許出願の日」として認定されます。
* 外国語書面の提出日 = 出願日(確保される日)
* 翻訳文の提出日 = 手続き上の提出期限(この日が出願日になるわけではない)


2. なぜ翻訳文の日ではないのか?
特許制度は「早く発明を公開・申請したもの勝ち(先願主義)」です。
もし翻訳文を出した日が出願日になってしまうと、翻訳を作成している間に他の誰かに出願されてしまうリスクがあり、外国語で緊急避難的に出願できるこの制度の意味がなくなってしまうからです。


3. 時系列のイメージ
イメージしやすいように流れを整理します。
* 【202X年 1月1日】 外国語(英語など)で明細書を提出
   * 👉 この 1月1日 が「出願日」として確定します。
* 【1年4月以内】 日本語への翻訳文を作成・提出
   * あくまで「審査を受けるための書類を整える期間」です。
   * ここで翻訳を出しても、出願日が後ろにズレることはありません。


4. 注意点:翻訳文を出さないとどうなる?
出願日はあくまで「外国語書面を出した日」ですが、もし1年4月以内に翻訳文を提出しなかった場合は、「その特許出願は取り下げられたものとみなされる」(特許法第36条の2第3項)という扱いになります。
つまり、出願日自体は確保できていたものの、手続き不備でその出願自体がなかったことになってしまいます。

(Gemini)