エアコンをつけっぱなしで寝て、やや寒いくらいのときだと、部屋の中を真っ暗にして外の光が入ってこない状態で自然に目が覚めたときに睡眠時間が7時間半~8時間くらいでした。ぐっすり眠れた感があり日中も頭が冴えてよい状態でした。それに対して、エアコンを消して気候に寝た日は、やや暖かめで(26度~27度)、6時間くらいで目が覚めてしまいました。実際には目が覚めてからまた寝てというのを途中2回くらいしていますのでもっと短い睡眠だったと思います。日中、眠くならなければいいのですが。
室温が寒いか暑いかで、必要な睡眠時間は変化するのでしょうか?Perplexityに訊いてみました。
睡眠時間と室温との関係
睡眠と室温の関係についての研究は、室温が睡眠の質や量にどのように影響するかを探るものです。以下に、複数の研究から得られた主要な知見をまとめます。
主要な知見
- 低温環境での睡眠時間の延長:
- 低温(16°C)での睡眠は、より長い総睡眠時間と高い睡眠効率をもたらし、朝の覚醒感も向上するが、睡眠時無呼吸の重症度が増すことがある。
- Valham, F., Sahlin, C., Stenlund, H., & Franklin, K. (2012). Ambient temperature and obstructive sleep apnea: effects on sleep, sleep apnea, and morning alertness.. Sleep, 35 4, 513-7 . https://doi.org/10.5665/sleep.1736. 室温が 16°C の場合、24°C の場合と比較して総睡眠時間が平均 30 分長くなり、患者の朝の覚醒状態も向上しました。
- 室温が低いほど、睡眠効率が高く、総睡眠時間が長くなる傾向がある。
- Raj, A., Ruder, M., Rus, H., Gahan, L., O’Mullane, B., Danoff-Burg, S., & Raymann, R. (2020). 1214 Higher Bedroom Temperature Associated With Poorer Sleep: Data From Over 3.75 Million Nights. Sleep, 43. https://doi.org/10.1093/sleep/zsaa056.1208. 寝室の温度が高いと、睡眠の質が低下し、覚醒時間が長くなります。
- 低温(16°C)での睡眠は、より長い総睡眠時間と高い睡眠効率をもたらし、朝の覚醒感も向上するが、睡眠時無呼吸の重症度が増すことがある。
- 高温環境での睡眠の質の低下:
- 室温が高いと、睡眠効率が低下し、総睡眠時間が短くなる。また、入眠潜時が長くなり、夜間の覚醒時間が増加する。
- Raj, A., Ruder, M., Rus, H., Gahan, L., O’Mullane, B., Danoff-Burg, S., & Raymann, R. (2020). 1214 Higher Bedroom Temperature Associated With Poorer Sleep: Data From Over 3.75 Million Nights. Sleep, 43. https://doi.org/10.1093/sleep/zsaa056.1208. 寝室の温度が高いと、睡眠の質が低下し、覚醒時間が長くなります。
- 高温環境では、深い睡眠時間が短くなり、睡眠の質が低下する。
- Bischof, W., Madsen, T., Clausen, J., Madsen, P., & Wildschi∅dtz, G. (1991). Sleep and the temperature field of the bed. Journal of Thermal Biology, 18, 393-398. https://doi.org/10.1016/0306-4565(93)90064-Z. ベッド内の温度の変動が大きいほど、深い眠りの時間が短くなります。
- 室温が高いと、睡眠効率が低下し、総睡眠時間が短くなる。また、入眠潜時が長くなり、夜間の覚醒時間が増加する。
- 温度変動の影響:
- 夜間の温度が変動する環境(例えば、27°Cから25.5°Cに下がり、その後再び27°Cに上がる)では、コア体温がより深く低下し、主観的な睡眠感が向上する。
- Teramoto, Y., Tokura, H., Ioki, I., Suho, S., Inoshiri, R., & Masuda, M. (1998). THE EFFECT OF ROOM TEMPERATURE ON RECTAL TEMPERATURE DURING NIGHT SLEEP. Journal of Thermal Biology, 23, 15-21. https://doi.org/10.1016/S0306-4565(97)00041-7. Fall-Rise 室温設定では、深部体温がより深く下がり、主観的な睡眠感覚も向上しました。
- 夕方から朝にかけての温度変動がある環境では、睡眠の質が向上し、朝の覚醒感が良くなる。
- Kondo, M., Tokura, H., Wakamura, T., Hyun, K., Tamotsu, S., Morita, T., & Oishi, T. (2007). Physiological significance of cyclic changes in room temperature around dusk and dawn for circadian rhythms of core and skin temperature, urinary 6-hydroxymelatonin sulfate, and waking sensation just after rising.. Journal of physiological anthropology, 26 4, 429-36 . https://doi.org/10.2114/JPA2.26.429.夕暮れと夜明けの室温の周期的な変化は、より深い睡眠と起床直後のより良い目覚めを促進します。
- 夜間の温度が変動する環境(例えば、27°Cから25.5°Cに下がり、その後再び27°Cに上がる)では、コア体温がより深く低下し、主観的な睡眠感が向上する。
- 温度と睡眠段階の関係:
- 室温が高いと、睡眠効率とREM睡眠の割合が低下する。
- Xiong, J., Lan, L., Lian, Z., & Dear, R. (2020). Associations of bedroom temperature and ventilation with sleep quality. Science and Technology for the Built Environment, 26, 1274 – 1284. https://doi.org/10.1080/23744731.2020.1756664.寝室の動作温度が上昇すると、睡眠効率とレム睡眠の割合が減少します。
- 温度が適切でないと、深い睡眠時間が短くなる。
- Bischof, W., Madsen, T., Clausen, J., Madsen, P., & Wildschi∅dtz, G. (1991). Sleep and the temperature field of the bed. Journal of Thermal Biology, 18, 393-398. https://doi.org/10.1016/0306-4565(93)90064-Z.ベッド内の温度の変動が大きいほど、深い眠りの時間が短くなります。
- 室温が高いと、睡眠効率とREM睡眠の割合が低下する。
結論
研究結果から、低温環境(特に16°C前後)での睡眠は、総睡眠時間の延長や睡眠効率の向上に寄与することが示されています。一方で、高温環境では睡眠の質が低下し、深い睡眠時間が短くなる傾向があります。温度変動がある環境も、睡眠の質向上に寄与する可能性があります。したがって、適切な室温管理が良質な睡眠を得るために重要であると言えます。
- Obradovich, N., Migliorini, R., Mednick, S., & Fowler, J. (2017). Nighttime temperature and human sleep loss in a changing climate. Science Advances, 3. https://doi.org/10.1126/sciadv.1601555.夜間の気温の上昇により、睡眠不足の夜の自己申告が増加し、その影響は夏季に最も大きく、低所得層および高齢者層で顕著に表れています。
- Fan, Y., Wang, Y., Gu, P., Han, J., & Tian, Y. (2022). How Temperature Influences Sleep. International Journal of Molecular Sciences, 23. https://doi.org/10.3390/ijms232012191.温度は睡眠の調節に重要な役割を果たしており、その影響を理解することで睡眠障害を管理するための戦略を立てることができます。
- Zhang, X., Luo, G., Xie, J., & Liu, J. (2021). Associations of bedroom air temperature and CO2 concentration with subjective perceptions and sleep quality during transition seasons.. Indoor air. https://doi.org/10.1111/ina.12809.睡眠前の環境を少し暖かくし、換気を良くしておくこと(室内の CO2 濃度を低く保つこと)は、季節の変わり目の睡眠の質に良い影響を与える可能性があります。
- Nicol, F. (2019). Temperature and sleep. Energy and Buildings. https://doi.org/10.1016/j.enbuild.2019.109516.人々は、寝具を使ってベッド内の自分の空間の温度を 29 ~ 31 °C に保ち、その温度に達すると快適に眠ります。
16度というのは結構寒い室温ですね。日本だと冬の室温です。それで十分温かい布団を着て寝るのが良いということでしょうか。夏にエアコンをつけて寝る場合に、何度に設定してどれくらいの布団を着ればいいのかに関する研究結果を知りたいところです。部屋の温度が30度くらいのときにどうすればいい?みたいな。