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メリヤス編機 最高裁判例 (昭和51年3月10日大法廷判決)

AIによる概要(グーグル検索結果):

メリヤス編機事件とは、特許無効審判で主張されなかった公知事実(すでに知られていた事実)を、審決取消訴訟(裁判)の段階で主張することが許されるかどうかが争われた、知的財産分野の重要な判例(最高裁昭和51年3月10日判決)です。結論として、特許審判で十分に審理されなかった事実は、取消訴訟で新たに主張・立証することが制限されるという「制限説」が示されました。

事件のポイント

「King of the知財判例」: 知財分野で非常に重要視される判例で、「メリヤス編機事件」として知られています。

審判と訴訟の役割: 特許庁での審判(一次判断)と、裁判所での審決取消訴訟(二次判断・高等裁判所の専属管轄)の役割分担を明確にしました。

審理の範囲の制限: 審判で争われなかった無効理由や証拠は、審決取消訴訟では原則として持ち込めない(審決の理由に示された事実に限られる)という考え方です。

なぜ重要か

手続きの効率化: 審判と訴訟で同じ議論が繰り返されるのを防ぎ、手続きを効率化する目的があります。

専門機関の尊重: 専門機関である特許庁の判断を尊重し、裁判所での審理範囲を明確にする役割があります。

 

要するに、特許の無効を争う際、「審判で言わなかったことは裁判で言えない(原則)」という、知財訴訟の基本ルールを確立した判例と言えます。

 

Claude Opuse 4.5:

メリヤス編み機事件(最大判昭和51年3月10日)

事件の概要

この判決は、特許無効審判における訂正請求の機会審決取消訴訟の審理範囲に関する最高裁大法廷判決です。

特許権者が無効審判で敗訴し、審決取消訴訟を提起した際に、審判で主張しなかった新たな公知技術(引用例)を訴訟段階で追加主張できるかが争われました。

判旨の核心

最高裁は以下の重要な判断を示しました。

審決取消訴訟の審理範囲について、審判で審理判断された特定の無効原因に関する認定判断の当否のみが審理対象となり、審判で主張されなかった新たな公知技術を訴訟で追加することは許されないとしました。いわゆる「審決取消訴訟の審理範囲の限定」の法理です。

その理由として、特許無効審判は準司法的手続であり、当事者に攻撃防御の機会が保障されていること、また特許権者には訂正請求の機会が与えられるべきであり、訴訟で新たな引用例を持ち出されると訂正の機会を失うことを挙げています。

現行法との関係

平成23年改正前の状況

この判決は長らく実務を規律してきましたが、いくつかの問題がありました。無効審判と侵害訴訟で別々の無効理由が主張され、紛争が長期化する傾向があったこと、また審決取消訴訟で新主張が制限されるため、再度の無効審判が必要になる場合があったことです。

平成23年改正による変更

特許法134条の2が改正され、審決取消訴訟係属中の訂正審判請求が可能になりました。これにより、訴訟で新たな無効理由が主張された場合でも、特許権者は訂正の機会を確保できるようになりました。

さらにキルビー判決(最判平成12年4月11日)以降の無効の抗弁制度(特許法104条の3)の導入により、侵害訴訟でも無効主張が可能となり、紛争の一回的解決が図られるようになっています。

現代における判例の意義

メリヤス編み機判決の「訂正の機会保障」という基本思想は現在も維持されています。ただし、制度設計としては、審決取消訴訟の審理範囲を厳格に制限するのではなく、訂正の機会を別途確保する方向へ転換しました。現行法では審取訴訟中でも訂正審判請求ができるため、この判決の射程は相対的に縮小しています。

実務上のポイント

無効審判の請求人側としては、審判段階で主張すべき無効理由を網羅的に提出することが依然として重要です。特許権者側としては、訂正による対応可能性を常に検討し、審判・訴訟の各段階で適切に訂正請求・訂正審判を活用することが求められます。

 

 

特174 職権審理の準用するしない

特許法 (審判の規定等の準用)
第百七十四条 第百十四条、第百十六条から第百二十条の二まで、第百二十条の五から第百二十条の八まで、第百三十一条第一項、第百三十一条の二第一項本文、第百三十二条第三項、第百五十四条、第百五十五条第一項及び第三項並びに第百五十六条第一項、第三項及び第四項の規定は、確定した取消決定に対する再審に準用する。

注)第1項(特許異議申立てで確定した取り消し決定に対する再審)では、第120条の2が準用さている

2 第百三十一条第一項、第百三十一条の二第一項本文、第百三十二条第三項及び第四項、第百三十三条、第百三十三条の二、第百三十四条第四項、第百三十五条から第百四十七条まで、第百五十条から第百五十二条まで、第百五十五条第一項、第百五十六条第一項、第三項及び第四項、第百五十七条から第百六十条まで、第百六十七条の二本文、第百六十八条、第百六十九条第三項から第六項まで並びに第百七十条の規定は、拒絶査定不服審判の確定審決に対する再審に準用する。

注)第2項(拒絶査定不服審判の確定審決に対する再審)では、第153条が準用されていない

3 第百三十一条第一項、第百三十一条の二第一項本文、第百三十二条第一項、第二項及び第四項、第百三十三条、第百三十三条の二、第百三十四条第一項、第三項及び第四項、第百三十五条から第百五十二条まで、第百五十四条、第百五十五条第一項から第三項まで、第百五十六条第一項、第三項及び第四項、第百五十七条、第百六十七条から第百六十八条まで、第百六十九条第一項、第二項、第五項及び第六項並びに第百七十条の規定は、特許無効審判又は延長登録無効審判の確定審決に対する再審に準用する。

注)第3項(特許無効審判又は延長登録無効審判)では、第153条が準用されていない

4 第百三十一条第一項及び第四項、第百三十一条の二第一項本文、第百三十二条第三項及び第四項、第百三十三条、第百三十三条の二、第百三十四条第四項、第百三十五条から第百四十七条まで、第百五十条から第百五十二条まで、第百五十五条第一項及び第四項、第百五十六条第一項、第三項及び第四項、第百五十七条、第百六十五条、第百六十七条の二、第百六十八条、第百六十九条第三項から第六項まで並びに第百七十条の規定は、訂正審判の確定審決に対する再審に準用する。

注)第4項(訂正審判の確定審決に対する再審)では、第153条が準用されていない

5 民事訴訟法第三百四十八条第一項(審理の範囲)の規定は、再審に準用する。  

多分、上の理解でいいのだろうと思います。少なくとも第1項~第3項までは、枝別過去問の答えがそうなので。生成AI(Gemini, Claude,ChatGPT)に訊いたら、三者三様でバラバラの回答で、どれも間違っていました。日本の法律の条文の解釈は、AIは全然だめですね。といっても自分は勉強に使ってしまっているのですが、ウソを教えてもらっている可能性はあります。独学なので、間違いに気づいたときに直せばいいというスタンスで学習を進めていくしかありません。これが解答では?と言って解答してもらっても、AIごとにやはりバラバラの答えになりました。特にGeminiは絶対に自分の間違いを直そうとしないみたいです。解答を変更する柔軟性に関して、三者でかなりの違いがあって驚かされます。

 

Claude Opus 4.5:えっ、そうなんですか?3項をもう一度よく見ます。


3項の条文

第百三十一条第一項、第百三十一条の二第一項本文、第百三十二条第一項、第二項及び第四項、第百三十三条、第百三十三条の二、第百三十四条第一項、第三項及び第四項、第百三十五条から第百五十二条まで、第百五十四条、第百五十五条…

「第百三十五条から第百五十二条まで」

→ 135, 136, 137, … , 151, 152

153条は含まれていない!

私が「135条から152条まで」に153条が入っていると勘違いしていました。「まで」は152条で終わりですね。


結論(最終確定版)

対象となる再審 職権審理 根拠
1項 特許異議申立ての取消決定 120条の2あり
2項 拒絶査定不服審判 153条なし
3項 特許無効審判・延長登録無効審判 153条なし
4項 訂正審判 153条なし

ご指摘のとおり、「あり」は1項だけですね。

基本的な数え間違いで申し訳ありませんでした!

 

 

特許法

(職権による審理)
第百二十条の二 特許異議の申立てについての審理においては、特許権者、特許異議申立人又は参加人が申し立てない理由についても、審理することができる。
2 特許異議の申立てについての審理においては、特許異議の申立てがされていない請求項については、審理することができない。

特許法

(職権による審理)
第百五十二条 審判長は、当事者又は参加人が法定若しくは指定の期間内に手続をせず、又は第百四十五条第三項の規定により定めるところに従つて出頭しないときであつても、審判手続を進行することができる。

第百五十三条 審判においては、当事者又は参加人が申し立てない理由についても、審理することができる。
2 審判長は、前項の規定により当事者又は参加人が申し立てない理由について審理したときは、その審理の結果を当事者及び参加人に通知し、相当の期間を指定して、意見を申し立てる機会を与えなければならない。
3 審判においては、請求人が申し立てない請求の趣旨については、審理することができない。

 

特173 再審は、請求人が取消決定又は審決が確定した後再審の理由を知つた日から三十日以内に請求しなければならない。

特許法

(再審の請求期間)
第百七十三条 再審は、請求人が取消決定又は審決が確定した後再審の理由を知つた日から三十日以内に請求しなければならない。

2 再審を請求する者がその責めに帰することができない理由により前項に規定する期間内にその請求をすることができないときは、同項の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内にその請求をすることができる。

3 請求人が法律の規定に従つて代理されなかつたことを理由として再審を請求するときは、第一項に規定する期間は、請求人又はその法定代理人が送達により取消決定又は審決があつたことを知つた日の翌日から起算する。

4 取消決定又は審決が確定した日から三年を経過した後は、再審を請求することができない。

5 再審の理由が取消決定又は審決が確定した後に生じたときは、前項に規定する期間は、その理由が発生した日の翌日から起算する。

6 第一項及び第四項の規定は、当該審決が前にされた確定審決と抵触することを理由とする再審の請求には、適用しない。

 

プロンプト:第5項が言っていることは、あとから「理由」がわかった場合はその日の翌日から起算して3年間は再審請求ができるってこと?

 

ChatGPT5.2:その理解は半分だけ合っていて、半分違います。第5項は「3年間フルに再審請求できるようになる」という趣旨ではありません。


全体構造を一度「地図」で整理します

この条文は、再審請求の期間制限が三層構造になっています。

① 原則(第1項)

  • 知った日から30日以内

② 救済(第2項・第3項)

  • 不可抗力や代理不備がある場合の例外的延長

③ 最終的な外枠(第4項)

  • 原則として「確定日から3年」で完全アウト(除斥期間)

ここまでが基本。


問題の第5項は「例外の例外」

第5項の条文(要点)

再審の理由が
取消決定又は審決が確定した後に生じたときは
前項(=3年制限)は、
その理由が発生した日の翌日から起算する


重要ポイント①

第5項は「第1項(30日)」を変えていない

👉 30日ルールはそのまま生きています。

つまり

  • 理由が発生
  • それを知った
  • そこから30日以内に請求しないとダメ

これは変わりません。


重要ポイント②

第5項がズラしているのは「3年の外枠」だけ

あなたの質問はここですね:

あとから「理由」がわかった場合は
その日の翌日から起算して
3年間は再審請求ができる?

👉 いいえ。

正確にはこうです:

「3年で完全アウトになる起算点」が、
確定日 → 理由発生日 にスライドする

だけです。


図でイメージすると

通常ケース(第4項)

審決確定日 ─────────── 3年 ──×(絶対アウト)

第5項が適用されるケース

審決確定日 ───(何も起きない)─── 理由発生日 ─────────── 3年 ──×

👉 「理由が生じる前に3年経ったからダメ」という不合理を防ぐ条文


でも誤解しやすい点(超重要)

第5項は
❌「理由が生じたら、そこから3年間いつでもOK」
ではありません。

実際は:

  • 理由を知った日から30日以内(第1項)
  • かつ
  • 理由発生日から3年以内(第5項+第4項)

この 両方を満たす必要があります。


まとめ(試験用1行)

第5項は、再審理由が確定後に発生した場合に、
3年の除斥期間の起算点を「確定日」から「理由発生日」に変更する規定であり、
30日以内請求の原則を緩和するものではない。

 

Gemini 3:第5項は**「再審の理由となる事象が、審決が確定した『後』に発生した場合」の救済措置**です。ご質問の「あとから理由がわかった場合」というのが、「発生していた理由をあとから知った」のか「理由そのものが後から発生した」のかで意味が変わってきます。


1. 第4項と第5項の関係(3年ルールの基準日)

まず、再審には「これ以上経ったらもう文句は言えない」という**客観的な除斥期間(3年)**があります。

  • 第4項(原則):審決が確定した日から3年を経過すると、原則として再審請求はできません。
  • 第5項(例外):再審の理由が、審決が確定した**「後」に発生した場合に限って、その理由が発生した日から3年**をカウントし直します。

具体的なケース

例えば、ある審決の基礎となった「別の裁判の判決」が、審決の確定後にひっくり返った(再審等で取り消された)ようなケースです。この場合、審決が確定した時点ではまだ「理由」自体が存在していないため、第4項の「確定から3年」を適用すると請求人が不利になってしまいます。そのため、第5項でカウントを遅らせてあげているのです。


2. 「知った日」と「発生した日」の違いに注意

ユーザーさんが仰った「あとから理由がわかった場合」が、単に**「昔からあった不正(再審理由)を後で知った」**というパターンであれば、この第5項は適用されません。

再審には以下の2つのハードルを両方クリアする必要があります。

期間の種類 期間 起算点 根拠条文
主観的期間 30日以内 再審の理由を知った日 第1項
客観的期間 3年以内 審決確定日(または理由発生日 第4項・第5項

つまり、もし審決確定から4年後に「実は当時、相手が証拠を偽造していたこと」を知ったとしても、理由(偽造)自体は確定前に発生しているため、第4項の「3年」の壁に阻まれて再審請求はできません。

まとめ:第5項が言っていること

「再審の理由そのものが、審決が確定した後に生まれたのであれば、その生まれた日の翌日から3年間はチャンスを認めましょう」という意味です。

Claude Opus 4.5:第5項の読み方は少し注意が必要です。

第5項が言っていること

第5項は第4項の「3年」の起算点を修正しているだけです。

つまり:

  • 原則(第4項):審決確定日から3年経過後は再審請求不可
  • 例外(第5項):再審理由が審決確定後に発生した場合は、その理由が発生した日の翌日から3年

注意点

第5項は「理由を知った日」ではなく「理由が発生した日」と言っています。

たとえば、確定審決と抵触する別の審決が後から確定した場合(173条の2第1号)、その抵触審決が確定した日が「理由が発生した日」になります。

第1項との関係

再審請求には両方の期限を守る必要があります:

  1. 第1項:理由を知った日から30日以内
  2. 第4項・第5項:理由発生日の翌日から3年以内

だから、「後から理由がわかった」だけでは足りなくて、そもそも理由の発生自体が審決確定後でないと第5項は適用されません。

特172 詐害審決に対する再審

特許法 第百七十二条 審判の請求人及び被請求人が共謀して第三者の権利又は利益を害する目的をもつて審決をさせたときは、その第三者は、その確定審決に対し再審を請求することができる。

2 前項の再審は、その請求人及び被請求人を共同被請求人として請求しなければならない。 

プロンプト:なぜ、こんなにこの条文は、具体的で生々しいの?ちょっと各論すぎない?こんなこと、しょっちゅう起きるの?

Gemini 3:確かに、この172条だけ急に**「サスペンスドラマの悪巧み」**のような生々しい書き方ですよね。「共謀して」「害する目的で」なんて、他の淡々とした条文とは空気が違います。なぜこんなに具体的で生々しいのか、その理由を解き明かしましょう。


1. なぜこんな「各論」的な条文があるの?

この条文は、法律用語で**「詐害審判(さがいしんぱん)」**を防ぐためのものです。

通常、審判は「Aさん vs Bさん」の戦いです。しかし、もしこの2人が裏で手を組んで(共謀)、わざと「Cさん(第三者)」が困るような結論を審判官に出させたとしたらどうでしょう?

具体的な悪巧みの例:

  • 登場人物: 特許権者A、ライバル企業B、そして邪魔なC社。

  • 悪巧み: 1. AとBがわざと「特許を有効とする」という審決を勝ち取るために、手ぬるい証拠だけで審判を形だけ行う。2. 審判官は「Bの反論が弱いな」と思い、Aの特許を強力に認める審決を出す。

    3. その審決を使って、AとBが結託してC社に「ほら、国が認めた特許だぞ。お前の商売はやめろ!」と圧力をかける。

C社からすれば、**「自分たちが知らないところで、勝手に自分たちを攻撃するための武器を作られた」**ことになります。これをひっくり返すための専用ルートが172条なのです。


2. こんなこと、しょっちゅう起きるの?

結論から言うと、滅多に起きません。 宝くじに当たるより珍しいレベルです。

では、なぜわざわざ条文があるのかというと、以下の理由があります。

  • 「民事訴訟法」のルールを真似した: もともと裁判の世界には「詐害判決」という似たようなルールがあります。特許の審判は「行政処分」ですが、裁判に近い性質を持つため、同じような不正が起きないよう「念のため」設置されています。

  • 「一度決まったら絶対」の破壊力: 審決が確定すると、その効果は非常に強力です。だからこそ、たった1%でも「悪用される可能性」があるなら、それを防ぐ逃げ道を作っておかないと、法律としての正義が保てないのです。


3. 第2項の「共同被請求人」ってなに?

第2項には「2人をセットで訴えなさい」と書いてあります。

「前項の再審は、その請求人及び被請求人を共同被請求人として請求しなければならない。」

これは、**「悪巧みをした2人を、まとめて被告席に座らせなさい」**という意味です。

C社が再審を請求するときに、Aだけ、あるいはBだけを相手にするのではなく、セットで責任を取らせて審決をやり直させます。片方だけだと、また裏で何をするか分かりませんからね。


まとめ

  • なぜ具体的?: 第三者をハメるための「形だけの審判」という、特定の悪質なパターンを封じ込めるため。

  • しょっちゅう起きる?: 全く起きません。でも、起きた時にC社が「詰んで」しまわないための最強の防御策として存在しています。

  • 172条の正体: 悪党2人がタッグを組んで一般人を陥れた時に発動する、**「正義のヒーローの割り込みボタン」**のような条文です。


特許法は、このように「普通にやっていれば起きないようなズル」に対しても、先回りしてルールを決めているところが面白い(そして少しマニアックな)点です。

172条の「悪巧み(詐害審判)」による再審。この期限の数え方には、被害者である第三者を守るための**「優しい配慮」と、一方でビジネスを停滞させないための「シビアな線引き」**が混ざっています。

普通の再審と何が違うのか、ポイントを絞って説明しますね。


1. 「いつから」カウントを始めるか?(30日のルール)

普通の再審(例えば、書類の偽造が見つかったなど)の場合、その事実を**「知った日」**から30日以内に請求しなければなりません。

172条の悪巧みの場合、ここが少し特殊です。

  • 普通の理由: その理由(偽造など)を知った日から30日。

  • 172条(悪巧み): **「その審決が共謀によって出されたものであることを知った日」**から30日。

なぜこれが特殊なの?

第三者(Cさん)は、そもそも「AとBが審判をしていること」すら知らない場合があります。後から「えっ、AとBがこんな変な決定を勝ち取ってる!」と気づき、さらに調査して**「あいつらグルだったのか!」と確信した瞬間**に、初めてストップウォッチが回る仕組みになっています。


2. 「いつまで」受け付けるか?(3年のルール)

ここが一番シビアなところです。

  • 原則: 審決が確定した日から**「3年」**を過ぎると、たとえ後から悪巧みを知っても、もう再審を請求することはできません(特許法173条4項)。

「悪巧みをされたのに3年で終わりなの?短くない?」と感じるかもしれませんが、これには特許ならではの理由があります。

3年で打ち切る理由:

特許権は、世の中の多くの人が「この特許は有効だ」と信じてビジネスをするための基盤です。10年も20年も経ってから「実はあの時の審判は悪巧みでした」と言って特許が消えたり変わったりすると、それを信じて投資した他の会社が大混乱してしまいます。そのため、**「正義」よりも「社会の安定(キリをつけること)」**を優先して、3年という期限が設けられています。


3. 普通の再審との比較まとめ

項目 普通の再審(171条1項) 悪巧みの再審(172条)
誰が請求する? 審判の当事者(AかB) 仲間外れにされた第三者(C)
30日の起算点 理由を知った日 「共謀(悪巧み)」を知った日
絶対的な期限 確定から3年(※一部例外あり) 確定から3年

4. 【重要】たった1つだけ「期限がない」ケース

実は、再審には172条よりもさらに強力な、**「期限(3年)の壁をぶち破る」**ケースが1つだけあります。

それは、**「前の確定審決と、後の確定審決が矛盾している場合」**です。

(例:同じ特許なのに、ある審判では「有効」、別の審判では「無効」と確定してしまった場合など)

この場合は、社会が混乱したまま放置できないので、3年を過ぎても再審が認められます。でも、172条の「悪巧み」については、残念ながら3年の壁が存在します。


まとめ

172条の再審期限は、

  • スタート: 「二人がグルだ!」と知った日から30日(第三者に配慮)。

  • ゴール: 審決から3年経ったら、もう何があっても文句は言えない(社会の安定を優先)。

「正義」と「ビジネスの安定」のバランスをギリギリで取っているのが、この期限の数え方なんです。

特171 再審

プロンプト:特許法の再審請求ってなに?キリがなくない?

Gemini 3:「キリがなくない?」という感覚、法学を学び始めた人が必ず抱く正しい疑問です。結論から言うと、再審(さいしん)は「絶対にひっくり返せないはずの決定を、奇跡的にやり直せるラストチャンス」です。でも安心してください。「何でもかんでもやり直せるわけではない」という強力なブレーキがついているので、キリがなくなることはありません。


1. 「再審」ってそもそもなに?

通常、特許庁の審判官が出した「審決(判決のようなもの)」は、一定期間が過ぎると「確定」します。確定した審決は、鉄筋コンクリートのようにガチガチに固まって、もう誰も文句を言えないのが原則です。しかし、もしその審決が「とんでもない不正」の上に成り立っていたらどうでしょう?

  • 審査官が賄賂をもらっていた。

  • 証拠書類が偽造されたものだった。

  • 相手と審査官がグルだった。

これを見過ごして「一度決まったから絶対です!」と言い張るのは、正義に反しますよね。そこで、「あまりにひどい事態がある時にだけ、固まったコンクリートを壊してやり直す」。これが再審請求です。


2. なぜ「キリがなくならない」のか?(2つのブレーキ)

法律(特許法171条〜173条)は、無限ループを防ぐために2つの巨大な壁を作っています。

① 理由の壁(再審の理由)

「内容が気に入らない」という理由では100%無理です。民事訴訟法338条という法律に書かれた、極めて重大な「反則」があった時にしか認められません。

  • 例: 代理権がない人が勝手に進めていた、証人が嘘をついた(偽証)、判決に関わった人が罪を犯した、など。

② 期間の壁(タイムリミット)

これが「キリがない」を止める最大のルールです。

  • 知ってから30日以内:不正があった!」と知った日から30日以内にアクションを起こさないといけません(特許法173条1項)。

  • 確定から3年以内: 知らなくても、審決が確定してから3年経つと、もう二度と文句は言えません(同4項)。


3. 通常の「審判」との違い

初心者が混乱しやすいポイントなので、表にまとめました。

項目 審判(しんぱん) 再審(さいしん)
タイミング 査定に不満がある「最初」 全てが終わって「確定した後」
ハードル 普通(意見の相違でOK) 超絶高い(手続きの崩壊が必要)
回数 基本1回(三審制の範囲内) 理論上は可能だが、ほぼ認められない
イメージ 試合の結果への異議あり 八百長が発覚した後の再試合

まとめ

「再審請求」は、いわば「法の正義を守るための非常階段」です。普段は鍵が閉まっていて(理由の壁)、しかも火事(不正)を見つけてからすぐに駆け込まないと使えない(期間の壁)ようになっています。だから、ほとんどの特許は「確定」した瞬間に、再審を心配することなく安心してビジネスに使えるようになるわけです。いかがでしょうか?「再審」という言葉の響きほど、実際には簡単には行われないものだと分かると、少しスッキリしませんか。

特164 前置審査した審査官が取るべき行動

特許法 第百六十四条 審査官は、第百六十二条の規定による審査において特許をすべき旨の査定をするときは、審判の請求に係る拒絶をすべき旨の査定を取り消さなければならない。

2 審査官は、前項に規定する場合を除き、前条第一項において準用する第五十三条第一項の規定による却下の決定をしてはならない。

3 審査官は、第一項に規定する場合を除き、当該審判の請求について査定をすることなくその審査の結果を特許庁長官に報告しなければならない。

プロンプト:説明して。

Gemini 3:この条文を理解する最大のポイントは、「前置審査(ぜんちしんさ)」という特殊なシチュエーションの話だという点です。まずは状況を整理して、各項の違いを噛み砕いて解説しますね。


前提:どんなシチュエーション?

  1. あなたが特許を出したけれど、審査官に「ダメ(拒絶査定)」と言われた。

  2. 納得がいかないので、あなたは「審判(不服申し立て)」を請求した。

  3. その際、「内容を少し修正(補正)」した。

  4. すると、「修正したなら、もう一度元の審査官がチェックし直しましょう」というルールが発動します。これが前置審査です。


第164条:3つのルールの違い

審査官が「修正された後の内容」をもう一度見た結果、どう動くべきかを決めているのがこの164条です。

審査官の心の声 結論(何をするか)
第1項 「修正のおかげでバッチリ!特許OKだね」 特許にする。 以前出した「ダメ(拒絶査定)」は自分で取り消す。
第2項 「修正の仕方がルール違反だけど…」 「修正却下」を勝手にしてはいけない。(※1項で特許にする時以外はダメ)
第3項 「修正しても、やっぱり特許は無理だな」 特許庁長官に「報告」する。 自分で「再度ダメ」とは言わず、審判官(上司チーム)にバトンタッチする。

各項の詳しい解説

① 第1項:ハッピーエンド(特許査定)

修正によって「これなら文句なしに特許だ!」となった場合です。この時、審査官は「あ、さっきの『拒絶』はナシね!」と自分で前言撤回して、特許を認めます。これで一件落着です。

② 第2項:勝手に終わらせないルール

ちょっとマニアックですが、特許法には「修正(補正)の仕方がルール違反なら、その修正を無視する」という却下という制度があります。しかし、このステージでは、「特許にする時以外は、審査官が勝手に修正を却下してはいけない」と定めています。なぜなら、次に控えている「審判官(ベテランチーム)」の判断を邪魔しないためです。

③ 第3項:バトンタッチ(報告)

「修正を見たけど、やっぱり特許にはできないな」と思った場合です。ここで審査官がまた「拒絶!」と言ってしまうと、あなたはまた「不服だ!」と言い、無限ループになってしまいます。

そのため、審査官は自分で判断を下さず、「私はチェックしましたが、ダメでした。あとは審判官の皆さん、お願いします」と長官に報告して、審判(本番の裁判のような手続き)へケースを送ります。


まとめると

  • 1項: 審査官が「OK」と言えるなら、その場で特許にして終了!

  • 2項: 審査官が勝手に「修正の仕方が悪いからダメ」と手続きを止めちゃダメ!

  • 3項: 審査官が「NO」と思うなら、自分で判決を出さずに上のステージ(審判)へ送る!

この条文は、「一度ダメと言った審査官に、最後にもう一回だけチャンスをあげるけど、基本的には審判へスムーズにつなぐためのルール」と言えます。

特許法

第百六十三条 第四十八条、第五十三条及び第五十四条の規定は、前条の規定による審査に準用する。この場合において、第五十三条第一項中「第十七条の二第一項第一号又は第三号」とあるのは「第十七条の二第一項第一号、第三号又は第四号」と、「補正が」とあるのは「補正(同項第一号又は第三号に掲げる場合にあつては、拒絶査定不服審判の請求前にしたものを除く。)が」と読み替えるものとする。

2 第五十条及び第五十条の二の規定は、前条の規定による審査において審判の請求に係る査定の理由と異なる拒絶の理由を発見した場合に準用する。この場合において、第五十条ただし書中「第十七条の二第一項第一号又は第三号に掲げる場合(同項第一号に掲げる場合にあつては、拒絶の理由の通知と併せて次条の規定による通知をした場合に限る。)」とあるのは、「第十七条の二第一項第一号(拒絶の理由の通知と併せて次条の規定による通知をした場合に限るものとし、拒絶査定不服審判の請求前に補正をしたときを除く。)、第三号(拒絶査定不服審判の請求前に補正をしたときを除く。)又は第四号に掲げる場合」と読み替えるものとする。

3 第五十一条及び第五十二条の規定は、前条の規定による審査において審判の請求を理由があるとする場合に準用する。

プロンプト:163条を見ると、拒絶理由通知を出していいんだよね?164条と矛盾しない?

Gemini 3:「163条で拒絶理由通知を出していいと言っているのに、164条では(特許にできないなら)何もせず報告しろと言っている」……一見、アクセルとブレーキを同時に踏んでいるような矛盾に見えますよね。結論から言うと、「163条は途中のプロセスの話」で、「164条は最後の終わらせ方の話」です。

この2つの条文がどうつながっているのか、整理して解説します。


1. なぜ163条で「拒絶理由通知」を出す必要があるのか?

前置審査(162条)は、「修正(補正)された内容なら、特許にできるかな?」と元々の審査官がもう一度チェックするステージです。

ここで審査官がチェックした結果、「以前とは別の、新しいダメな理由(拒絶理由)」を見つけてしまったとします。このとき、いきなり164条3項で「やっぱりダメでした!」と報告して審判へ送ってしまうのは、出願人にとって不意打ちになります。

  • 出願人の気持ち: 「えっ、そんな新しい理由でダメなら、先に言ってよ!直したのに!」

そこで163条2項の出番です。

163条2項:新しいダメな理由を見つけたら、ちゃんと教えてあげて(拒絶理由通知)、反論や修正のチャンスをあげなさい

つまり、前置審査の中でも「キャッチボール(拒絶理由通知 ↔ 補正)」が発生することがある、ということです。


2. 163条と164条のコンビネーション(流れ図)

この2つの条文を合わせると、審査官の動きは以下のようになります。

  1. 審査スタート(前置審査)

  2. チェック: 前の理由(拒絶査定の理由)は解消したか?

    • 解消したけど、別の新しいダメな理由を見つけた!

    • 【163条2項】 に基づき、「拒絶理由通知」を出して、もう一度チャンスを与える。

  3. 最終判断:(キャッチボールの後)

    • 「これなら特許OKだ!」

      • 【164条1項】 前のダメ出しを取り消して、特許にする。

    • 「色々やったけど、やっぱり特許にはできない……」

      • 【164条3項】 自分で「拒絶!」と判断を下さず、そのまま審判(上級チーム)へ報告してバトンタッチする。


3. なぜ「164条」で自分で拒絶査定をしてはいけないの?

ここが一番のポイントです。通常の審査なら、ダメな場合は審査官が「拒絶査定(最終決定)」を下します。しかし、前置審査(164条のステージ)では、「審査官はもう一度チャンスをもらった立場」にすぎません。

審査官が自分で拒絶してはいけない理由:もしここで審査官がまた「拒絶査定」を出すと、出願人はまた「不服審判」を請求しなければならず、手続きが永遠に終わりません。そのため、「特許にできない」とわかったら、審査官は黙って(査定をせずに)審判官(ベテランチーム)にバトンを渡すというのが164条3項の役割です。


まとめ

  • 163条: 審査官が特許にしようと頑張る中で、新しい問題を見つけたら「教えてあげる(拒絶理由通知)」ためのルール。

  • 164条: 審査の結果、最終的に「どういう形式で終わらせるか」を決めるルール。

つまり、「163条で拒絶理由を通知して粘った結果、それでもダメなら164条3項で報告して審判へ送る」という流れになるので、矛盾はしていないのです。

プロンプト:拒絶理由通知をもらった請求人は、また補正するチャンスももらえるの?

Gemini 3:はい、もちろんチャンスはあります!せっかく審査官が「新しいダメな理由」を教えてくれたのに、直すチャンスがなかったら意味がないですよね。第163条という条文は、わざわざ「第17条の2」という補正(修正)のルールを準用する(借りてくる)と書いてあります。これにより、前置審査(ボーナスステージ)の中でも、通常の審査と同じように修正ができるようになっているんです。


なぜ、また補正ができるのか?

前置審査で「新しいダメな理由(拒絶理由通知)」が届いたときの流れは、以下のようになります。

  1. 審査官:「修正された内容を見たけど、別の理由でダメだ。教えてあげよう(163条2項に基づく通知)」

  2. あなた(請求人):「教えてくれてありがとう。じゃあ、その理由を解消するために、もう一度内容を修正(補正)します!

この「2」の権利が、163条1項によって守られています。


チャンスの回数とルール

ただし、いつでも・何度でも好きなように修正できるわけではありません。通常の審査と同じように、少しだけ厳しいルールが適用されます。

ステップ 修正(補正)ができるタイミング 修正の範囲(ルール)
最初の修正 審判を請求するとき(前置審査が始まるきっかけ) 比較的自由
今回の修正 前置審査中に「拒絶理由通知」が届いたとき 最後の拒絶理由通知」と同じくらい厳しいルール(※)になることが多い

(※)厳しいルールとは:審査を何度もループさせないために、「項目を減らす」や「誤字を直す」といった、範囲を絞るような修正しか認められなくなります。


「前置審査」で補正をするメリット

このステージで修正して審査官を納得させることができれば、「審判」という重い手続き(3人の審判官による審理)に進む前に、特許を勝ち取ることができます。つまり、前置審査での「拒絶理由通知 ↔ 補正」のやり取りは、あなたにとって「最短ルートで特許を手に入れるためのラストチャンス」とも言えるのです。


まとめ

  • チャンスはある! 163条1項がそのためのルール。

  • 審査官が教えてくれた「新しいダメな理由」に対して、ピンポイントで修正を出すことができる。

  • ここで審査官を納得させれば、164条1項の「大逆転・特許査定」が待っている!


もしこの「2回目の修正」でも審査官が納得しなかったら、そこで初めて164条3項の「報告(バトンタッチ)」が行われ、審判官チームによる本番の審査が始まります。

プロンプト:枝別問題集で理解できない解説があったんだけど、「前置審査において、審査官が特許法第53条第1項の規定による補正の却下の決定をすることができるのは、審判の請求に係る拒絶をすべき旨の査定を取り消し、特許をすべき旨の査定をするときに限られる」が丸かバツかで、正解は丸なんだけどね、特許査定に決定が変更になるというのに、補正に関しては却下するような状況ってありえるの?どういう時?

Gemini 3:「特許にする(OK)と言っているのに、一方で修正を却下(ダメ)する」というのは、一見すると矛盾しているように感じます。しかし、このルールには「出願人を救うため」上の人の判断を邪魔しないため」という2つの深い理由があります。「なぜ、そんな状況がありえるのか?」を噛み砕いて解説しますね。


1. 補正を却下すると「時計の針が戻る」

まず知っておきたいのは、「補正の却下」という言葉の意味です。これは単に「ダメ」と言うだけでなく、「その修正をなかったことにして、修正前の状態に戻す」という強力な「キャンセルボタン」のような役割を持っています。

  • 状態 A: 前の審査で「ダメ」と言われた内容

  • 状態 B: 審判の時に、あなたが新しく修正(補正)した内容

もし状態Bがルール違反(例:元の書類に書いてないことを勝手に追加したなど)だった場合、審査官がこれを「却下」すると、書類は「状態 A」に戻ります。


2. 「特許査定」なのに「却下」する状況とは?

修正した後の『状態B』はルール違反だけど、実は修正前の『状態A』をよく見たら、これ、特許にできるじゃん!」と審査官が気づいた時にこの合わせ技が起こります。

具体的な例:

  1. 審査官: 「これ、特許ダメです(拒絶査定)」

  2. あなた: 「納得いかない!修正(状態B)して審判を請求します!」

  3. 審査官(前置審査): 「うーん、出された修正(状態B)はルール違反(新規事項の追加など)だから認められないな。でも、あなたの反論を読んでよく考えたら、修正前の『状態A』のままでも十分に特許に値するものだった。 私の勘違いだったよ」

この場合、審査官はこう動きます。

  • ルール違反の「修正(状態B)」を却下して、書類を「状態A」に戻す。

  • その「状態A」に対して、特許査定を出す。

これで、あなたは無事に特許をゲットできます。これが「特許にする時に限って却下ができる」という状況の正体です。


3. なぜ「特許にしない時」は却下しちゃいけないの?

ここが試験に出る重要なポイントです。もし、審査官が「特許にするつもりがない(164条3項で報告する)」なら、補正を却下してはいけません。

  • 理由: 前置審査の審査官は、いわば「前の担当者」です。もし「前の担当者」が勝手に補正を却下(キャンセル)してしまうと、次に審査をする審判官(ベテランチーム)が、その補正が本当に正しかったかどうかをチェックできなくなってしまうからです。

  • ルール: 「特許にしないなら、勝手に判断を下さず、修正された書類もそのままで上のチーム(審判官)に全部渡してね」ということになっています。


まとめ

審査官の判断 補正の却下は? なぜ?
特許にする! できる ルール違反の修正をキャンセルして、正しい状態で特許をあげるため。
特許にできない… できない 「前の担当者」が勝手に修正をボツにせず、上のチーム(審判官)に判断を任せるため。

枝別問題の「特許をすべき旨の査定をするときに限られる」という解説は、「審査官が自分の独断で手続きを終わらせていいのは、ハッピーエンド(特許)の時だけ。それ以外は上の審判官に任せなさい」という権限の線引きを言っているのです。

特160 審査官を拘束する

Gemini 3:

特許法において、審査官が法律上「拘束」される(その判断に従わなければならない)場面は、主に「拒絶査定不服審判」で拒絶査定が取り消され、審査に差し戻されたときです。以下に、根拠条文とその内容を整理して解説します。


1. 審査官が拘束される直接の規定(第160条第2項)

最も代表的な例は、拒絶査定不服審判において、審判官が「拒絶査定を取り消して、さらに審査に付すべき」という審決(差し戻し審決)を下した場合です。

項目 内容
根拠条文 特許法 第160条第2項
条文の要約 前項の規定により査定が取り消されたときは、さらに審査に付すべき旨の審決は、その事件について審査官を拘束する。
具体的状況 審査官の「拒絶査定」に対し、審判で「この拒絶理由は不当である」と判断され、審査に戻された場合、審査官は同じ理由で再び拒絶することはできません。

なぜ「拘束」が必要なのか?

もし審査官が審判官の判断を無視して、同じ理由で再び拒絶査定を出せてしまうと、出願人はいつまでも特許を取得できず、審判制度の意味がなくなってしまうからです(蒸し返しの防止)。


2. 関連する「拘束」の概念(第181条第2項)

審査官自身ではなく、その上のステージである**「審判官」**が拘束される規定もあります。これは審査官にも間接的に影響します。

  • 根拠条文:第181条第2項

  • 内容: 審決取消訴訟において、裁判所(知財高裁)が「審決」を取り消す判決を確定させた場合、その判決は審判官を拘束します。

  • 流れ: 裁判所 →(拘束)→ 審判官 →(実質的に影響)→ 審査官

裁判所が「この発明に進歩性はある」と判決を下した場合、審判官はその判断に反する審決を書くことはできません。その結果、審査に差し戻された場合も、審査官はその判断を尊重することになります。


3. 実務上の「事実上の拘束」

法律上の「拘束」とは異なりますが、審査官が従わなければならない指針として以下があります。

① 審査基準

審査官は、特許庁が作成した**「審査基準」**に沿って判断を下すよう義務付けられています。これは行政内部のルール(訓示規定的な側面)ですが、審査の公平性を保つために事実上の強い拘束力を持っています。

② 先行する審決・判決(例:進歩性など)

同じ出願、あるいは極めて類似した事件について過去に示された裁判所の判断などは、審査官が判断を下す際の強力な指針となります。


まとめ

特許法で「審査官を拘束する」と明記されているのは、第160条第2項です。

第160条(審査への差戻し)

  1. 拒絶査定不服審判において、査定を取り消すときは、さらに審査に付すべき旨の審決をすることができる。

  2. 前項の規定により査定が取り消されたときは、さらに審査に付すべき旨の審決は、その事件について審査官を拘束する

この条文は、論文試験や短答試験でも「審判官の判断がどの範囲で審査官を縛るか」という文脈でよく問われる重要ポイントです。


特158 続審主義 

特許法

(拒絶査定不服審判における特則)
第百五十八条 審査においてした手続は、拒絶査定不服審判においても、その効力を有する。

https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121#Mp-Ch_6-At_131_2-Pr_2

Gemini 3:

第158条は、まさに「続審主義(ぞくしんしゅぎ)」という考え方を条文にしたものです。「続審主義」という言葉、法律用語っぽくて難しく感じますが、中身はとても合理的です。


1. 続審主義(ぞくしんしゅぎ)とは?

一言でいうと、**「審査(1回戦)の続きを、審判(2回戦)でやりましょう」**というルールです。

拒絶査定不服審判は、審査官が下した「拒絶査定」に対して不服を申し立てるものですが、そこで**「今までのやり取りを全部リセットしてゼロからやり直す」ことはしません。**

  • 審査で出した書類

  • 審査官が指摘した拒絶理由

  • 出願人が提出した意見書や証拠

これらをすべて「そのまま引き継いで」、審判官が「審査官の判断が正しかったかどうか」を引き続きチェックします。これを「続(きを)審(理する)」という意味で「続審主義」と呼びます。


2. 158条との関係

第158条にはこう書かれています。

「審査においてした手続は、拒絶査定不服審判においても、その効力を有する。」

これは、**「審査のバトンをそのまま審判に渡しますよ」**という宣言です。

もしこの条文がないと、審判になった途端に「また最初から証拠を出し直してください」「もう一度同じ説明をしてください」となってしまい、時間も手間もかかって非効率ですよね。


3. 反対の言葉:「覆審主義(ふくしんしゅぎ)」

比較するともっと分かりやすくなります。

種類 内容 メリット・デメリット

続審主義


(特許法の採用)

審査の続きを行う。


これまでの資料を引き継ぐ。

効率的。


審査官と出願人のこれまでの議論をベースにできる。

覆審主義

最初からやり直す。


過去の資料は一旦無視してゼロから判断。

新鮮な視点。


ただし、時間がかかりすぎる(二度手間)。


4. 具体的にどんな「手続」が引き継がれるの?

例えば、以下のようなものが審判でもそのまま有効です。

  • 提出済みの証拠: 審査段階で出した比較実験データなどは、審判でもそのまま証拠として使えます。

  • 補正: 審査段階で行った内容で審判が進みます(審判請求時の補正も加味されます)。

  • 手数料の納付など: 審査での事務的な手続きも、審判に影響を与えます。

まとめ

  • 158条は、「審査でのやり取りを審判でも有効にする」というルール。

  • それが意味するのは、審判はゼロからのスタートではなく、**審査の続き(続審主義)**であるということ。

これにより、迅速で一貫性のある判断ができるようになっています。

特155 審判請求の取下げ

特許法

(審判の請求の取下げ)
第百五十五条 審判の請求は、審決が確定するまでは、取り下げることができる。
2 審判の請求は、第百三十四条第一項の答弁書の提出があつた後は、相手方の承諾を得なければ、取り下げることができない。
3 二以上の請求項に係る特許の二以上の請求項について特許無効審判を請求したときは、その請求は、請求項ごとに取り下げることができる。
4 請求項ごとに又は一群の請求項ごとに訂正審判を請求したときは、その請求の取下げは、その全ての請求について行わなければならない。

 

プロンプト:この第1項って、第2項に矛盾していない?全部に関して言っているのが第1項だと思うけど、第2項でダメな例を後だししてるよね?

Gemini 3:

おっしゃる通り、パッと読むと「第1項で『できる』って言ったのに、第2項で『ダメ(条件付き)』って言ってるじゃないか!」と矛盾を感じますよね。

これは法律の条文によくある構成で、**「第1項=いつまで可能か(期間)」を定め、「第2項=その期間内でも守るべきルール(条件)」**を付け加えている、という関係性になっています。

決して矛盾しているわけではなく、**「第1項の期間内であっても、ある時点を過ぎたら相手の許可が必要だよ」**という二段構えのルールなのです。


1. 第1項と第2項の役割分担

それぞれの役割を整理するとスッキリします。

項目 内容 役割
第1項 審決が確定するまで取り下げOK **タイムリミット(終点)**の規定
第2項 答弁書が出た後は相手の承諾が必要 **ハードル(条件)**の規定

2. なぜ第2項のような「後出しの制限」があるの?

「自分の申し立てなんだから、いつでも自由にやめさせてよ」と思うかもしれませんが、これには相手方(特許権者など)を守るためという理由があります。

無効審判を例に考えてみましょう。

  1. 攻撃(請求人): 「この特許は無効だ!」と審判を仕掛ける。

  2. 防御(相手方): 特許を守るために、必死に反論資料(答弁書)を作って提出する。

  3. 請求人の心変わり: 相手の反論が強烈だったので、「あ、これ勝てないかも。一旦取り下げて、また作戦を練り直して出直そう」と考える。

もしここで自由に(勝手に)取り下げを許してしまうと、せっかく必死に準備した相手方の努力が水の泡になってしまいます。また、何度も同じような審判を仕掛けられる「嫌がらせ」に使われるリスクもあります。

そのため、**「相手が反論(答弁書)を出して土俵に上がった後は、相手に『やめてもいいですか?』と聞かなきゃいけない」**というルールにしているのです。


3. 相手方が「取り下げ」を拒否する場合とは?

実は、攻撃されている側の相手方も**「いや、取り下げは認めない。このまま審理を続けて、はっきり『この特許は有効だ!』という審決(お墨付き)をもらいたい」**と考えるケースがあります。

一度「有効」という審決が確定すれば、後から同じ理由で蒸し返されるのを防げる(一事不再理)ため、相手方にとっても最後までやり遂げるメリットがあるのです。


まとめ

  • 第1項は、「審決が確定しちゃったら、もう取り下げなんて言えないよ」という時間切れのラインを引いています。

  • 第2項は、そのラインの内側であっても、「相手が準備を始めた後は、相手の言い分も尊重してね」というマナーを定めています。

豆知識

ちなみに、第2項で「相手方の承諾」が必要になるのは、無効審判のように争う相手(被請求人)がいる場合だけです。拒絶査定不服審判のように、相手が特許庁長官(審査官)だけで、実質的な争いがない場合は、いつでも自由に取り下げられます。

Claude Opus 4.5:

いい質問ですね。矛盾しているように見えますが、法律の条文構造としては典型的なパターンです。

第1項と第2項の関係

**第1項は「原則」**を定めています。 第2項は「例外」(原則に対する制限)を定めています。

つまり、こう読みます:

審判の請求は、審決が確定するまでは、取り下げることができる。**ただし、**答弁書の提出があった後は、相手方の承諾を得なければ、取り下げることができない。

なぜこういう書き方をするのか

法律の条文では、

  1. まず原則を述べる(第1項)
  2. 次にその例外・制限を述べる(第2項以下)

という構造が一般的です。「ただし書き」として同一項内に書く場合もありますが、内容が複雑になると別の項に分けます。

趣旨の違い

  • 第1項の趣旨:時間的限界(審決確定まで)
  • 第2項の趣旨:手続的制限(相手方の利益保護)

答弁書を出すということは、被請求人も時間・労力・費用をかけているので、請求人が一方的に「やっぱりやめます」と言えないようにしているわけです。

なので矛盾ではなく、第1項の原則を第2項が絞り込んでいるという関係ですね。

ChatGPT 5.2:

いいところに目を付けています。結論から言うと、第1項と第2項は矛盾していません
ただし、第1項だけを単独で読むと「無条件でいつでも取下げ可能」に見えてしまうため、混乱しやすい条文構造ではあります。

以下、条文解釈としてどう整理するかを、体系的に説明します。


結論の整理(先に要点)

  • 第1項
    👉 「審判請求は、原則として、審決確定までは取り下げ可能」 という原則規定
  • 第2項
    👉 その原則に対する例外(制限)規定
    答弁書提出後は、相手方の承諾が必要

したがって、

「取り下げることができる」
= 常に・無条件にできる、という意味ではない

というのが正しい読み方です。


条文構造としての正しい理解

① 第1項は「原則」を言っているだけ

第155条1項
「審判の請求は、審決が確定するまでは、取り下げることができる。」

これは、

  • 審決確定「前」か「後」か
    という時間的限界を定めている条文です。

つまり、

  • ❌ 審決確定後 → 取下げ不可
  • ⭕ 審決確定前 → 原則として 取下げ可能

という “大枠のルール” を示しています。


② 第2項は「その原則の制限条件」

第155条2項
「第134条1項の答弁書の提出があった後は、相手方の承諾を得なければならない」

ここで新たに導入されるのは、

  • 相手方の手続保障
  • 当事者対立構造が形成された後の保護

という観点です。

つまり、

  • 審判請求
  • 相手方が答弁書を提出(防御準備・コスト発生)
  • 請求人が一方的に撤退するのは不公平

という発想です。

👉 だから「相手方の承諾」が必要になる。


「後出しでダメな例を出している」のか?

感覚としては 半分正しい です。

立法技術的には

  • 第1項:一般原則
  • 第2項:条件付き制限

という、典型的な条文の積み重ね構造です。

ただし

  • 「取り下げることができる」と断定的に書いてある
  • 「ただし」や「前項の規定にかかわらず」が書かれていない

ため、

👉 条文単体で読むと誤解しやすい

というのは、実務家・受験生あるあるのポイントです。


条文を論理式で書くとこうなる

第155条全体は、実質的にはこう読めます:

審判請求は、
審決確定前であれば取り下げ可能である
ただし
相手方が答弁書を提出した後は、相手方の承諾を要する。

👉 実務・試験では、この「ただし」を頭の中で補うのが正解です。


なぜこの構造にしたのか(制度趣旨)

  • 審判制度は当事者主義
  • 相手方が答弁書を出した時点で
    防御活動が現実化
  • 無条件取下げを許すと
    → 濫用(牽制目的の審判請求 → 直前撤退)が起きる

そのため、

  • 初期段階:自由
  • 対立構造成立後:制限

という二段構えになっています。


まとめ(試験向け一文)

第155条1項は取下げの原則を定め、
第2項は、答弁書提出後という手続段階に応じた制限を課すものであり、
両者は矛盾せず、補完関係にある。

 

特153 審判 請求の趣旨 理由 申立ての有無

特許法

第百五十三条

審判においては、当事者又は参加人が申し立てない理由についても、審理することができる

2 審判長は、前項の規定により当事者又は参加人が申し立てない理由について審理したときは、その審理の結果を当事者及び参加人に通知し、相当の期間を指定して、意見を申し立てる機会を与えなければならない。

3 審判においては、請求人が申し立てない請求の趣旨については、審理することができない

プロンプト:第1項と第3項の違い?

Gemini 3:

特許法第153条の「理由」と「請求の趣旨」、たしかに言葉が似ていて混乱しやすいですよね。

一言でいうと、**「何を審理するか(ターゲット)」「なぜ審理するか(根拠)」**の違いです。

結論からお伝えすると、以下のようになります。

  • 第1項(理由): ストーリーや証拠(根拠)は、審判官が自分で見つけて追加してもOK!

  • 第3項(請求の趣旨): 審査する対象(ターゲット)は、請求人が決めた範囲を超えちゃダメ!

詳しく紐解いていきましょう。


1. 「請求の趣旨」と「理由」の違い

まずは言葉の定義を整理しましょう。ここがクリアになると、条文の理解がぐっと楽になります。

用語 意味 具体例(無効審判の場合)

請求の趣旨

 

(第3項)

審判によってどのような結論を求めるかという「範囲」 「特許第〇〇号の請求項1を無効にする」という申し立て

理由

 

(第1項)

その結論を導き出すための具体的な根拠 「〇〇という文献に載っているから新規性がない」という主張

2. なぜ第1項(理由)は「申し立てなくても」いいの?

第1項は**「職権審理」**と呼ばれます。

特許は「独占権」という強い権利を国が与えるものなので、もし請求人がうっかり重要な無効理由を見逃していたとしても、審判官が「あ、この特許は実は別の理由で無効だよね」と気づいたなら、それを指摘して無効にするべきだと考えられています(公益性のため)。

ただし、不意打ちにならないように、第2項で「事前に相手に教えてあげてね」とセットで規定されています。


3. なぜ第3項(請求の趣旨)は「申し立てた範囲内」だけなの?

第3項は、審判官が勝手に暴走するのを防ぐルールです。

例えば、請求人が「請求項1だけ無効にしたい」と言っているのに、審判官が勝手に「請求項2もダメそうだから無効にしちゃおう」と判断することはできません。

これは、審判が**「当事者の争い」**を解決する場だからです。請求人が「ここだけでいい」と言っているターゲットを、審判官が勝手に広げることは許されません。


4. わかりやすいイメージ例

レストランの注文に例えるとわかりやすいです。

  • 請求の趣旨(第3項):注文した料理そのもの

    • あなたが「ラーメン(請求項1)」を注文したのに、店員(審判官)が勝手に「チャーハン(請求項2)」を持ってきて代金を請求することはできません。

  • 理由(第1項):料理を返品する理由

    • あなたが「スープがぬるいから返品したい」と言ったとします。でも店員がチェックして「あ、スープがぬるいだけじゃなくて、麺に髪の毛が入っていました(別の理由)。これはどのみちお出しできません」と判断して下げることは可能です。


まとめ

  • 第1項(理由):審判官が「新しい証拠(理由)」を見つけてくるのは、正しい判断(公益)のためにアリ

  • 第3項(請求の趣旨):審判官が「審査の対象(ターゲット)」を勝手に増やすのは、やりすぎなのでナシ

この「公益性のための職権(1項)」と「当事者の意思の尊重(3項)」のバランスが、第153条のポイントです!

民事訴訟法との比較

民事訴訟法

(判決事項)
第二百四十六条 裁判所は、当事者が申し立てていない事項について、判決をすることができない。