変性とは
変性とは、傷害された細胞に現れるいろいろな変化のこと。傷害を受けながらもどうにか生きている状態で、まだ回復可能な細胞の状態を意味する。細胞の死が引き起こされたときには、個体全体の死とくべつして壊死 necrosisと呼ぶ。(参考:専門基礎講座よくわかる病理学 22ページ)
障害(傷害)を受けた細胞は変性と呼ばれる変化を示す。障害の程度が軽ければ細胞は回復するが、限界を超えると死に至る。障害の結果生じた細胞の死を壊死と呼び、個体全体の死と区別する。細胞を障害する要因の代表的なものは、①虚血(低酸素症)、②化学物質、③病原微生物、④放射線。(参考:カラーで学べる病理学第6版)
変性の種類
水腫変性と脂肪変性の2つが代表的な例。
脂肪変性
脂肪変性に陥った肝細胞の例では、正常の肝細胞には見られない大きな空胞が細胞質の中に認められる。この空胞は、異常に蓄積した資質によるものであるが、内部の脂質は、標本作成時に溶出してしまうために観察時には空胞として認められる。(参考:カラーで学べる病理学第6版)