- Google Gemini 2.5 Pro
AIになんか頼らずとも、自分でサクサクと仕事を先に進められればいいのですが、日によってはやる気が起きなかったり、眠かったり、頭が冴えなかったりすることもあるでしょう。そんなときにでも作業を止めないために、AIに仕事をさせてみるのもいいかもしれません。
授業の日時は予め決まっているので、講義の準備というものは待ったなしで、必ず間に合わせる必要があります。論文執筆は締切日がないので、危険です。講義と研究(論文執筆)を両立させることは、大学教員にとって非常に重要なことになります。そういった業務の効率を敵的に挙げてくれるのが最近のAIだと思います。
講義スライドのための原稿作成
毎年講義をしているので講義スライドは既にあるとして、じゃあそのスライドを使ってどんなふうに話そうか?で悩むこともあります。もちろん自分がストーリーを語れるようにしっかりとスライドを作り込んで、スライドの順番も吟味しておく必要があるわけですが、1年経ったらどんな風にしゃべったか忘れたということもあるでしょう。そんなときに重宝するのが、生成AIにスライド原稿を作らせるという裏技です。
1講義分のスライド数十枚をGeminiに丸投げしてしまうと、わりと端折ったものしか返してきてくれませんでしたので、PDFにしたスライドをGeminiにアップロードしたあとで、スライド3の原稿を書いて、といった具合に1枚ずつ依頼するといいみたいです。ちゃんと前のスライドからのつながりも含めて、また、次のスライドへの遷移も考慮して、原稿を書いてくれます。
しかし、Geminiはどうもスライドに貼り付けた写真の内容まで理解してくれているようです。きちんと内容に合った原稿を書いてくれます。これには驚きを禁じ得ません。なぜ写真の内容が分かるのか不思議です。スライドに合わせた、授業でしゃべる内容の原稿のクオリティは非常に高いと思います。正直、自分で思いついた言葉よりももっと的確のような気がしています。もちろん、間違いがないかしっかり吟味して、参考にしますが、今のところ、ウソを言っていることに気付いた例はありません。
1枚ずつ依頼すると、50枚分などやると毎回毎回うっとおしいと思います。こういう繰り返し作業は、AIエージェントにでもやらせればいいのかもしれません(試したことはない)。
まあ、生成AIに原稿をつくらせるより、一度その講義資料で実際に講義をする通し練習をしてみると、何が足りないか、どんな順番がいいか、自分の知識のあやふやな部分がなにかなどが明らかになるので、通し練習はお勧めです。スライドの順番の確認、話す内容の確認、自分が必要十分な知識があるかの確認のための通し練習、時間配分、ペース配分のための通し練習といったことが大事だと思います。
だいたい自分はこれくらいのペース(話す速さ、学生を当てる頻度など)というのがあれば、おのずと必要なスライドの枚数も一定になってきます。
講義音声の文字起こし
自分の講義を改善するためには、講義を録画したり音声を録音してあとで見返したり聞き返したりするのがいいでしょう。ZOOMなどでオンライン授業をする場合にはたいてい録画していると思うので、それを見直すことができます。対面授業の場合にビデオで撮影するのは学生の許可もいるでしょうし、少しハードルが高いことだと思いますが、音声を録るだけならICレコーダーをポケットに差しておけばいいだけなので簡単です。
その音声ファイルの文字起こしは、いまどきは生成AIに頼むと簡単にやってくれます。どのAIでもやってくれるというわけではなくて、いまのところGeminiならやってくれるようです。有料版でも100MBまでの制限があるので、もし超えていたら、予め100MB未満になるように音声ファイルを分割する必要があります。ファイルを分割するPythonスクリプトはAIに頼むと書いてくれます。
Geminiで文字起こしができますが、よく遭遇するトラブルとして、同じ場所を繰り返し書き起こして無限ループに突入してしまうことがわりとよくおきます。いまのところ、この回避策は見つかっていません。