新型うつ病とは

精神医学における新型うつ病の位置づけ

神医学的に見ればいわばこれは「ゴッタ煮」概念であり,そこには,疾患としてのうつ病や軽度の精神病,神経症,ある種のパーソナリティ障害,適応障害,怠業や逃避行動,あるいは健常者における一過性の不適応行動まで含まれており,学問的な信頼性と妥当性を有した疾患概念ではない.しかしながらそれは,いわば現代日本の時代精神を反映している.その意味で「新型うつ病」は,極めて流動的であり,数十年の時間スパンに耐えうるかどうかは疑問である.(臨床現場における「新型うつ病」について 「労働安全衛生研究」, Vol.7, No.1, pp. 13-21, (2014)

「新型うつ」という言葉は、そもそも心理学用語になく、メディアによる造語です。私も、患者の治療をする際にそういう言葉は使いません。私がこれまでの臨床経験から言えることは、世間で「新型うつ」と呼ばれている病気は、単なるうつ病ではなく「非定型うつ病」の兆候に似ているということ。まったくイコールとは言い切れませんが、ほぼそうだと考えられます。(若手社員の「新型うつ」は単なるうつ病ではない! パニック障害の権威が職場の偏見と治療の誤解に警鐘 ――貝谷久宣・医療法人和楽会理事長に聞く 貝谷久宣:医療法人和楽会理事長 ライフ・社会 DOL特別レポート 2012.9.10 0:00 DAIMAONT ONLINE

 

器質性疾患と機能性疾患

医学独特の用語として、「器質性」という言葉と「機能性」という言葉があります。何も難しいことはなくて、器質性というのは構造的な異常に基づくもの、機能性というのは構造は保たれているがその機能に異常が生じているものです。

器質的疾患とは、臓器そのものに炎症などがあり、その結果として様々な症状が出現する病気や病態のことをいいます。臓器そのものに異常があり、症状が出ている疾患のため、検査を行えば必ず症状の原因となる異常が見つかります。一方、機能性疾患とは、臓器には何も異常は無いにもかかわらず自覚症状だけがある病態をいいます。臓器そのものには異常が無いため、色々な検査を行ってみても症状の原因となるような異常は何も見つかりません。(機能性疾患と器質的疾患について 福岡天神内視鏡クリニック

リサーチマインド 研究という職業について

Nobel Prize Winner, Gregg Semenza on the discovery of HIF-1 2016/09/11 Johns Hopkins Medicine

It’s a dream job, because we’re able to follow our interests and our ideas, and be creative, design experiments to test hypotheses. And ultimately, if we’re really lucky, to apply what we’ve learned to clinical problems. And so yeah, it’s a lot of fun to do research. And I always say that we’re very lucky, because we have a job that  we really, most people who do research really enjoy doing it and never wanna retire.  They just wanna keep working in the lab,  because it’s something that brings such enjoyment and fulfillment.(02:38~03:10)

肺と肺がん

播種とは

播種とは、種をまかれたように小さな腫瘍がばらまかれたような広がり方をしてしまった状態です。胸の中や腹部に播種した状態を、腹膜播種、胸膜播種と呼びます。(腹膜・胸膜播種に対する治療 神奈川県率こども医療センター 小児がんセンター)

胸膜播種 pleural dissemination

胸膜 pleura

  1. Pleural Space: Part 1 of 3 [HD] 2012/09/15 FSUMedMedia YOUTUBE 3:20

論文の読み方:臨床系医学研究論文・基礎系医学研究論文の特徴と読む際のヒント

論文の読み方

論文をどう読むか(データをさっと見るだけにするか、1文1文を精読していくか)は、目的に応じて変えるのがよいと思います。

まずTitle(論文タイトル)が魅力的かどうか味わい、次に著者が最も主張したいことが凝縮されているAbstract(要約)を繰り返し読む。その後、データを順に眺めていく。そのときFigure(図)の下についているFigure Legend(図の説明)を読みながらデータを眺めればデータの意味が分かるようになっている。簡単に「論文を読む」ならここでおしまい。(論文を読もう 大阪大学大学院医学系研究科呼吸器・免疫内科学)

論文の読み方に関する書籍

  1. 医学論文から学ぶ 臨床医のための疫学・統計 磯 博康, 祖父江 友孝, 服部 聡, 北村 哲久 2023/11/2朝倉書店 多数の論文が実際に取り上げられていて、どう読むかが解説されています。各診療科を網羅しており、かなり実際的な本だと思いました。実際に課題として取り上げられた論文を読んで自分なりにまとめて、この本の解説と比較すれば著者らのレベルに一歩ずつ近づいていけるのではないかと思いました。
  2. 医薬品に関する臨床系論文の読み方 ランダム化比較試験からリアルワールドデータ研究まで 岩上 将夫, 浜田 将太, 康永 秀生 2022/9/1 新興医学出版社
  3. 医学論文の読み方2.0 論文を批判的に吟味し臨床適用するためのLetterの書き方 片岡 裕貴 , 稲垣 雄士 , 辻本 康 (編著) / 中外医学社 2022年1月 https://www.m2plus.com/content/10473 論文に対するコメントを“Letter”として投稿することで,ただ論文を読んで終わる「読み方1.0」から,読んだ論文を解釈し文章にすることで理解する「読み方2.0」へ進化させることができます.その具体的な方法について,成功例や失敗例など実際の事例を紹介しながら詳しく解説します.
  4. 必ず読めるようになる医学英語論文 究極の検索術×読解術 康永 秀生 2021/4/30 金原出版 論文は斜め読みで済ませていてはいつまでたっても読めるようにならない、精読せよとか、予測して読めなど、論文を読むことに対する態度から説いていて、気持ちが引き締まります。
  5. 僕らはまだ、臨床研究論文の本当の読み方を知らない。〜論文をどう読んでどう考えるか 後藤 匡啓, 長谷川 耕平 2021/4/22  羊土社 タイトルからしてくだけていますが、中身もざっくばらんに本音が語られています。論文のタイトル、要旨、イントロ、結果、メソッド、考察に分けて読み方の解説がありますが、メソッドの解説が半分以上を占めていました。やはり、研究デザインや統計解析のことを知らない限り論文は読めたことにならないので、このような比重になるのかなと思います。
  6. 視野を広げるエビデンスの読み方―医学論文を読んで活用するための10講義―  青島 周一 2020/5/22 中外医学社 医学論文の実践的かつ効率的な読み方,そして論文結果を多面的に考察するために必要な視点(論文紹介サイトより)目の前の患者さんにどう役立てるかという態度で臨床論文を読むというのが、著者の姿勢で、研修会のやりとりがベースになっていて、臨場感あふれる内容です。読んでいると頭が活性化される感覚があります。
  7. ゼロからはじめる 臨床研究論文の読み方―研究デザインと医学統計の必須ポイントがよくわかる 浦島 充佳 2020/2/8   東京図書
  8. 論文を正しく読むのはけっこう難しい: 診療に活かせる解釈のキホンとピットフォール 2018/3/26 植田真一郎医学書院 週刊医学界新聞連載のまとめ
  9. すぐに役立つ! 医学英語論文読み方のコツ 大井 静雄 2010/11/15 メジカルビュー社
  10. 医療専門職のための研究論文の読み方-批判的吟味がわかるポケットガイド (I・K・クロンビー著/津富 宏訳) 2007/9/25
  11. 医学英語論文の読み方 バウワース 2005/12/1 朝倉書店 アマゾンレビュー:”中身は医科学系論文に頻出の科学統計テキスト”

論文の読み方に関する論文

  1. Art of reading a journal article: Methodically and effectively RV Subramanyam J Oral Maxillofac Pathol. 2013 Jan-Apr; 17(1): 65–70. doi: 10.4103/0973-029X.110733 PMCID: PMC3687192 PMID: 23798833

論文を紹介した書籍

  1. 医師として知らなければ恥ずかしい50の臨床研究 小児編 2018/4/11 メディカルサイエンス
  2. 医師として知らなければ恥ずかしい50の臨床研究 神経編 2017/4/13 メディカルサイエンス 書評(PDF)  EBMをしっかりと理解し使いこなすための論文解読法、教えます common diseaseを中心に米国の神経学者の査読を経た、回診や症例検討で頻繁に登場する研究を中心に厳選。
  3. 医師として知らなければ恥ずかしい50の臨床研究 内科医編 2016/4/13 メディカルサイエンス
  4. 本当にあった医学論文3 倉原 優 2016/4/7 中外医学社
  5. 医師として知らなければ恥ずかしい50の臨床研究 2015/11/30 谷口俊文 訳 メディカルサイエンスインターナショナル エビデンスの理解を助ける水先案内本。 書評(PDF 「経験に基づく医療」から「科学的根拠に基づく医療」, 臨床医学は20 世紀末から21 世紀にかけて大きなパラ ダイム・シフトを迎えている.1990 年代から始 まる「科学的根拠の時代」に公表された珠玉の50編)
  6. 本当にあった医学論文2  倉原優 2015/4/15 中外医学社
  7. 本当にあった医学論文 倉原 優 ‎ 2014/11/26 中外医学社

ピロシーケンシング(パイロシーケンシング)とは

塩基配列決定法は日進月歩です。自分はdodeoxy法でDNAシーケンシングをやった経験はありますが、次世代シーケンサーは本からの知識しかありません。

ピロシーケンシング(pyrosequencing)とは

Pyrosequencing is a method of DNA sequencing that differs from Sanger sequencing, in that it relies on the detection of pyrophosphate release and the generation of light on nucleotide incorporation, rather than chain termination with dideoxynucleotides. (sciencedirect.com)

Next-Generation Sequencing: Pyrosequencing 2020/04/17 Basic Biochem