病理医ってどんな仕事?

医者・医師にはいろいろな診療科がありますが、患者と接するわけではないために、いわゆる医者のイメージに当てはまらない医師の生き方ができる職として、病理医、社会医学の研究者、医系技官(保健医療や公衆衛生)といったものがあります。

  1. 「6年前、手紙を書きました」病理医へのDMに感動続出 熱心に質問した当時小学生、報告した医学部合格 2023年01月14日07時00分 J-CASTニュース

病理医の仕事内容とその重要性

病院で行う医療は診断と治療です。病理診断は診断の中ですごく大切な地位を占めています。とくに癌の場合は最終診断になることが多い訳です。アーサー・ヘイリーというアメリカの人気作家が『最後の診断The Final Diagnosis』という素晴らしい小説を書いています。‥ 病理診断には3本柱があります。病理解剖組織診細胞診です。組織診は内視鏡でとった生検組織や手術材料を肉眼、顕微鏡でみて診断するという、病理医の一番メインな業務です。細胞診は乳腺ではとくに大切なのですが、針で刺して、あるいは綿棒で擦過して採取した細胞の姿を顕微鏡でみて、癌かどうか、感染症かどうかを判断します。術中迅速診断では、生の組織を凍結させて薄く切ってから染色が施されます。材料が病理検査室に提出されてから診断が下されるまでに10分足らずですみます。(やぶにらみ現代病院病理事情 2013年10月 1日 JA広島総合病院)

内視鏡医は病変部胃粘膜を摘み取る。外科医は胃がんや肺がんを手術する。乳房のしこりに針を刺して細胞の塊を吸い取るのも外科医。婦人科医は子宮の出口から綿棒で細胞を擦り取る。こうした細胞や組織を顕微鏡でみて最終診断を下すのが病理医の仕事。(連載: 病理医の目 堤 寛

病理医の役割

一般の人は、主治医の先生がこの確定診断を付けていると思われるかも知れません。しかし実際には病理医が確定診断となる組織診断を下しているのです。‥ アメリカでは病理医のことを”Doctor’s doctor(医師のための医師)”と呼んでいます。(病理医は臨床医の「知恵袋」。その役割や病理診断が、医療の発展につながります。 2018年12月12日 京都大学名誉教授 滋賀県立成人病センター総長真鍋 俊明さん がん情報しが)

病理医ドラマ「フラジャイル」(長瀬智也主演)2016年の1月~3月放送

  1. 芦田愛菜さん、病理医オススメですよ 〜医師の視点〜 中山祐次郎医師・公衆衛生学修士 2017/4/21(金) 13:38 タレントの芦田愛菜さんが「将来の夢は病理医です」と発言したことで、お医者さんたちは大騒ぎになりました。私も、とっても驚きました。
  2. 芦田愛菜さんがあこがれる病理医とは?~女性にも女優にも向いた職業です 榎木英介病理専門医&科学・医療ジャーナリスト 2017/4/20(木) 6:00 来週27日から始まる第106回日本病理学会総会の準備に追われている全国の病理医に、疲れを吹っ飛ばす超ド級のニュースが飛び込んできた。

Pre-CC OSCE(臨床実習前OSCE)とは?その対策方法は?

Pre-CC OSCEとは、Pre-Clinical Clerkship Objective Structured Clinical Examinationの略で、医学部の学生が、3年時あるいは4年時にに受験する実技試験です。スチューデントドクターとして診療参加型臨床実習(クリニカルクラークシップ;CC)を行うことができるかどうかを確かめるOSCE(オスキー)と呼ばれる試験です。診療参加型臨床実習(CC)が始まる前に合格しておく必要がある試験ということで、プレCCという呼び方になっています。診療参加型臨床実習(CC)を始める前(Pre)に受験するOSCEという意味ですね。

Preに対して、診療参加型臨床実習(CC)を行ったあと、すなわち6年生の時点で医学部を卒業させてよいかどうかを確認する実技試験が、Post-CC OSCEです。CCを終えたあとに受験するOSCEなのでPost-CC OSCEというわけ。

POST-CC OSCE(Post-Clinical Clerkship Objective Structured Clinical Examination;診療参加型臨床実習後客観的臨床能力試験)とは?その対策方法、合格体験記など

実技に合わせて、知識を試すCBT(Computer-Based Testing)もあり、この2つを合わせて「全国共用試験」と呼ばれます。

  1. 共用試験OSCEの意義と概要 臨床実習前OSCE  臨床実習後OSCE  令和4年度第医師分科会1回医道審議会医学生共用試験部会
  2. Common Achievement Tests for Medical and Dental Students共用試験ガイドブック第19版(令和3年) 令和3年6月公益社団法人 医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)

Pre-CC OSCEの試験内容

共用試験実施評価機構で作成された共通課題で行う。医療面接、頭頸部、胸部、全身状態とバイタルサイン、腹部、神経、四肢と脊柱、基本的臨床手技、救急、感染の 10 課題の予定である。(CBT・Pre-CC OSCE  兵庫医科大学

Pre-CC OSCEの難易度

*紹介するツイッターの発言内容は、必ずしも本サイトの趣旨を反映したものとは限りません。

 

Pre-CC OSCE実施の時期

OSCEは多くの大学においてCBTの前後,つまり4年生の8~3月に実施され,診療参加型実習が始まる5年生への進級判定のための判断材料として用いられます.(OSCE(医学部)基本情報~オスキーの対策は?不合格になったら?【2022年度版】 2022/6/10  INFORMA)

上のツイートを見ると、3年生のときにPre-CC OSCEを実施する大学もあるようですね。スチューデントドクターが5年生からなのか、4年生からなのかは、どうも大学によって異なるようです。

 

スチューデントドクターとして臨床実習を行う時期

  1. 4月1日(金)、医学部にて医学科5年生へのスチューデント・ドクター(Student Doctor: SD)認定証授与式が行われた。‥ 医学科5年生は、これから約1年半の臨床実習で、医師をはじめとする医療スタッフや患者から、多くのことを学び、吸収して「優れて優しい医師」になることが期待される。(宮崎大学
  2. 5年次9月からの実習では、信州大学医学部附属病院をはじめ、県内外約30の病院(公立病院、赤十字病院、JA長野厚生連、その他病院等)にご協力いただき、6カ月150通りの臨床実習の選択肢が用意されます。1学年約120名の学生が自ら選択し、「1診療科1人ずつ」と「学生が最初に患者を診る」を基本に臨床実習を行います。‥ 2014年度からの本プログラムにより、信州大学医学部の臨床実習は診療参加型(クリニカルクラークシップ)に変わりました。信州大学医学部附属病院および教育協力病院において、スチューデントドクター(臨床修練生)として医療チームの一員に加わり、患者の診療、カルテ記載、患者マネジメントなど、より高度な臨床実習を実現しています。‥ 従来の50週間の実習期間を、世界の標準期間とされる72週間以上に拡大しました。2014年以前は5年次生4月から行われていた臨床実習を、4年次生9月からに変更。4年次生9月から5年次生7月までは信州大学医学部附属病院のすべての診療科を回って基本的な手技や知識、態度などを学んでいます。その後、5年次生9月から6年次生6月まで、附属病院および教育協力病院において各医療チームに参加。臨床実習開始時期が早まることにより、主に3年次生4月から開始されていた医学専門科目が2年次生からに変更されました。(信州大学
  3. 東邦大学では2020年4月から東邦大学医療センター 大森病院、大橋病院、佐倉病院の3病院において、医学部5、 6年生が臨床実習医学生(スチューデント・ドクター)として診療チームの一員に加わり、指導医のもとで診療に参加させて頂く「診療参加型実習」が始まります。患者さんのご理解とご協力をお願いいたします。 また、医学部4年生については、既に2019年4月からスチューデント・ドクターとして基本臨床実習を行っております。(診療参加型臨床実習(クリニカルクラークシップ)のご理解とご協力のお願い 東邦大学
  4. 3つの付属病院と豊富な関連病院で全88週間の臨床実習を実施 4年次はスチューデントドクターとして東邦大学医学部の全診療科だけでなく、多職種連携部門での医療を経験し、患者さん主体の医療への理解を深めます。5年次以降は医療チームの一員となり、外来受診時から病棟、退院後まで患者さんをサポート。(マナビジョン 東邦大学 ベネッセ)
  5. 岡山大学医学部医学科の教育について 岡山大学医学部医学科新入生オリエンテーション2021年4月
  6. 新カリキュラム 昭和大学
  7. 6年間の学び 藤田医科大学
  8. 学びの流れ 帝京大学

スチューデントドクターについて

  1. いわゆるStudent Doctor日資料3を公的に位置づけた場合の診療参加型臨床実習 厚生労働省医道審議会医師分科会 令和元年8月1日資料3

 

Pre-CC OSCE制度の導入について

Pre-CC OSCEは来年度から公的化となり、今年はそれにむけたトライアルの位置付けであり、機構より8課題での実施が求められました。昨年まではコロナウイルス感染拡大の影響もあり、6課題での実施でしたが、今年はコロナ対策も考慮した上での8課題となりました。OSCEでは模擬患者に触れての身体診察の評価が基本となるものの、やはり感染のリスクもあり、どの範囲までを模擬患者で行い、どの部分ではシミュレーター、人形を用いて行うかの判断に苦慮しました。OSCE委員の先生方、事務の方との議論を重ね、いろいろ工夫することで問題なく実施することが出来ました。 一方で、OSCEは進級、卒業要件ともなっていることから、学生の成績の向上も一つの課題でした。機構はより公正な評価を目指しており、来年度からは採点についても機構が行うことになっています。(令和4年度Post-CC、Pre-CC OSCEについて 基本的臨床技能教育・OSCE専門委員会委員長  種村 彰洋〈2022.12.28〉)

  1. 共用試験、2023年度の公的化に向け議論開始 2022年3月31日 (木) 岩崎雅子(m3.com編集部) 2020年医道審議会医師分科会では、医学生の質の担保と「Student Doctor」の法的位置付けが重要とし、CBTとOSCEの公的化を求めた。これ受け、2021年5月医療法一部改正では、2025年度には共用試験合格医師国家試験の受験資格要件とし、2023年度には共用試験に合格した医学生が臨床実習として医業を行うことができる旨を明確化している。
  2. 2018年9月29日,4年生を対象にPre-CC OSCEが行われました。‥ 本年度は,共用試験実施評価機構から提示された6課題(医療面接1課題と診察手技5課題)を実施しました。受験生116人に対して,評価者55人,模擬患者116人(学生含む)に協力して頂きました。 医学教育センターニュース 愛知医科大学

クエン酸回路とは何か、わかりやすく教えて。openAIに聞いてみた。

若干、つたないですが、openai.comに聞いてみたクエン酸の説明です。回答が英語で返ってきたので、再度たのんで、訳してもらいました。

 

クエン酸回路とは何か、わかりやすく教えて。

The citric acid cycle, also known as the Krebs cycle or the tricarboxylic acid cycle (TCA cycle), is a series of chemical reactions that take place in the mitochondria of cells to produce energy. These reactions convert nutrients, such as carbohydrates, fats and proteins into a form that cells can use to produce adenosine triphosphate (ATP), which is the primary energy currency of cells.

The cycle starts with the conversion of a molecule called acetyl-CoA, which is derived from the breakdown of carbohydrates, fats, and proteins, into citrate, a 6-carbon molecule. This is followed by a series of reactions that involve the addition and removal of various groups of atoms, such as CO2, to the molecule, which are catalyzed by enzymes.

As the citric acid cycle proceeds, electrons are stripped off the molecules and passed down an electron transport chain, a process that generates ATP. Additionally, the citric acid cycle also generates other important molecules such as NADH and FADH2, which are used in the electron transport chain to generate more ATP.

To sum up, the citric acid cycle is a metabolic pathway that occurs in the mitochondria of cells, which produces energy by breaking down the nutrients and generating the energy currency of the cells, the ATP, as well as other important molecules that are used to continue generating energy.

(https://chat.openai.com/)

クエン酸回路は、Krebs cycleやトリカルボン酸回路(TCA cycle)とも呼ばれ、細胞のミトコンドリア内で行われる一連の化学反応であり、エネルギーを生産するための働きをする。これらの反応は、糖質、脂質、タンパク質などの栄養素を、細胞が使用してアデノシン三リン酸(ATP)を産生できる形に変換する。ATPは細胞の主要なエネルギー通貨である。(https://chat.openai.com/ 一部、手直しした)

クエン酸回路は、糖質、脂質、タンパク質の分解産物であるアセチルCoAという分子を citrate という6炭素分子に変換することで始まります。そして、これに続いて、酵素によって触媒される、CO2などの様々な原子集団の追加や除去を伴う一連の反応が続きます。(https://chat.openai.com/)

クエン酸回路が進行するにつれ、分子から電子が取り除かれ、電子伝達系に渡される。このプロセスはATPを生成する。さらに、クエン酸回路は、NADHやFADH2などの重要な分子も生成し、それらは電子伝達系でさらにATPを生成するために使用される。(https://chat.openai.com/ 一部、手直しした)

要約すれば、クエン酸回路は細胞のミトコンドリア内で起こる代謝経路であり、栄養素を分解してエネルギーを生産し、細胞のエネルギー通貨であるATPを生成します。そして、エネルギーを続けて生産するために使用される他の重要な分子も生成します。(https://chat.openai.com/)

 

最後のパラグラフは、英文からして少し内容がおかしいように感じます。そもそも、クエン酸回路で産生されるのはNADHやFADH2、GTPであって、クエン酸回路では直接ATPは産生されません。ATPはこれらの分子から産生されるわけです。NADHやFADH2は、次のステップである電子伝達系で電子供与体になって、最終てきに、作られたプロトン勾配を利用してATPが産生されます。openAI.comはかなり賢いのですが、あまり真に受けるわけにもいかないようです。自分の知識を揺るがないものにするために使うというのが、現段階での使い方になりましょうか。

血液により体の他の組織へ運搬されるエネルギー源:グルコース、脂肪酸、ケトン体

生体ではエネルギーを利用するときにATPの加水分解によるエネルギーを使っています。エネルギー源の最終的な利用形態はATPと言えるでしょう。ATPは血中を通して他の組織い運ばれるわけではなく、使う細胞で自分で他のエネルギー源から作られます。解糖系から2当量のATPが産生されるほか、酸素があればTCA回路、電子伝達系によってさらにたくさんのATPが産生されます。

つまり、ATPを産生するためのエネルギー源として、血中から何を取り込んで使うことができるのかという話になります。

グルコース

血糖値と言う言葉があるくらいですので、グルコースがエネルギー源の輸送形態として活躍していることは周知の事実です。食事によって、糖質が分解されるとグルコースが産生されて、血中に入ります。食間にはどうなるかというと、肝臓と筋肉では余剰なグルコースはグリコーゲンとして貯蔵されているので、グリコーゲンを分解して使うことになります。

ここで重要なことは、肝臓のグリコーゲンと、筋肉のグリコーゲンでは、代謝のされ方に大きな違いがあります。肝臓のグリコーゲンはグルコースにまで分解されて血中に放出され、他の組織へ運ばれて使われます。それに対して、筋肉のグリコーゲンは、グルコースになることなく解糖系に入ります。つまり、筋肉グリコーゲンは、他の組織のエネルギー源としては使われることなく、筋肉の中でのみエネルギー源としてつかわれることになります。

肝臓と筋肉のグリコーゲン代謝の違いは何に起因するのかというと、グリコーゲンが分解される過程でグルコース1-リン酸ができ、それがさらにグルコース6-リン酸となりますが、肝臓ではグルコース6-ホスファターゼの働きでグルコースになることができて、血液中に放出されることになるわけです。それに対して、この酵素グルコース6-ホスファターゼが筋肉には存在しないために、筋肉ではグリコーゲンが分解されてもグルコースにまではならにのです。グルコース6-リン酸は、解糖系においてはグルコースがリン酸化されてできる代謝物ですので、そのまま解糖系の反応へと進んでいくことになります。

筋肉にはグルコース6-ホスファターゼがないため、「糖新生」を行うこともできません。糖新生は、ピルビン酸から解糖系を「ほぼ」逆行してグルコースを作る経路です。最後のステップは、グルコース6リン酸を脱リン酸化してグルコースにする反応(つまり、解糖系においては、グルコースをリン酸化してグルコース6リン酸にする反応が最初のステップ)です。糖新生が行われる臓器は、主として肝臓と腎臓です。

  1. 解糖系の反応式と化合物の化学構造と各反応を触媒する酵素を丸暗記する方法
  2. 栄養素とその代謝 ニュートリー

 

脂肪酸

食間などでグルコースが不足すると、グリコーゲンが肝臓で分解されてグルコースが産生され、血中を通って他の組織に輸送されるのでした。しかし、飢餓状態が続くと、グリコーゲンも枯渇してしまいます。そうなると、脂肪組織で脂肪が分解されてトリグリセリドと遊離脂肪酸が生じます。脂肪酸は、血中でアルブミンと結合した状態で各臓器へと運ばれます。脂肪酸をたくさん使う臓器は、骨格筋、心臓、肝臓、肺などです。

脳は、血液脳関門があるために、脂肪酸が入ることができず、「脳は脂肪酸を利用できない」というのはポイントです。

  1. 脂肪の代謝とその調節 ―からだのエネルギーバランス― 大学院生命理学研究科 教授 大隅 隆
  2. 脂肪はどのような形で吸収・代謝されるの?2017/03/17 看護ROO!

 

ケトン体

肝臓へ運ばれてきた脂肪酸に関しては、肝臓において脂肪酸はβ酸化を受けて、アセチルCoAになります。アセチルCoAの状態では血中に入れないので、ここで一旦、ケトン体へと変換されます。このケトン体が血中に乗って、他の組織へと運ばれるわけです。

すでに上で説明したように、飢餓状態においては、グルコースの代わりに、ケトン体が輸送可能なエネルギー源ということになります。脂肪酸で運ばないの?という疑問が生じるかもしれませんが、脳では血液脳関門Blood Brain Barrier (BBB)というものが存在していて、みだりに脳の中に物質が入っていけないようになっており、脂肪酸は脳に入ることができないのです。

遊離脂肪酸が肝臓でβ酸化されてアセチルCoAとなり、さらにケトン体に変換されて血中に放出されます。主として、骨格筋、心臓、腎臓、さらにはにおいて、ケトン体が利用されます。

  1. 脳を安定して働かせられる食事とは(上) 大阪大学名誉教授・関西学院 産業医 杉田 義郎 COOP
  2. 飢餓時に脂肪酸のβ酸化が活発になりケトン体が増える理由

 

コレステロールは脂質二重膜の重要な構成要素

コレステロールは日常的に名前を聞く馴染みの物質ですが、生体内のどこにあるのか?という質問にちゃんと答えられるわけではありませんでした。恥ずかしながら、コレステロールが脂質二重膜の重要な構成要素であることは最近知りました。

細胞膜の構成要素

細胞膜はリン脂質、コレステロール、タンパク質から成る。‥ リン脂質は脂肪酸とリン酸が結合したものであり、脂肪酸の炭素数が少ないほど、二重結合(不飽和度)が多いほど流動性が高くなる。‥ コレステロールは含有量が少なすぎても多すぎても膜の流動性は低下する。(細胞膜の構造 repix-lab.co.jp)

コレステロールは、タンパク質リン脂質とともにすべての細胞膜に含まれていて、膜の流動性を調節する働きをしているのです。コレステロールは脳と神経系に多く成人の体内コレステロール量100~150gのうち1/4が脳に集中、神経系全体では1/3強となります。(コレステロールの体内での働きは? 日本食肉消費総合センター)

  1. 生体膜の基本構造 膜に含まれる様々な種類の脂質分子は すべて両親媒性である

細胞膜におけるコレステロールの割合

Singerらの提唱しているモデルによると,脂質二重層膜の脂質配列について,極性脂質としてリン脂質は明記されているが,生体膜にリン脂質の1/2以上含まれているコレステロールについては明確に図示されていない.しかるに,実際の生体膜にはリン脂質の1/2量から等量のコレステロールが含有されており,しかもリン脂質一コレステロールの組成比によって,それぞれの生体膜の流動性が支配されている16).

16)Demel, R. A. and B. dcKruyff: Biochim. Biophys. Acta, 457, 109 (1976)

(脂質二重層膜表面のコレステロール配列1977 )

細胞膜におけるコレステロールの割合の制御

コレステロールは、私たちの⾝体のすべての細胞の細胞膜の主成分であり、細胞内コレステロールの60〜90%が細胞膜中に存在します。⼀⽅、細胞内のコレステロール量は、⼩胞体という細胞⼩器官に存在するセンサー(SCAP/SREBP)により維持されていると考えられています。しかし、⼩胞体上のSCAP/SREBPが、細胞膜のコレステロール濃度の変化をどのようにして感知しているのか不明でした。今回、研究グループは、細胞膜内層のコレステロールは、細胞膜に埋まっているABCA1タンパク質によって外層へ輸送されることによって低濃度に維持されており、細胞膜内層のコレステロールが過剰になった場合は⼩胞体膜上のAster-Aタンパク質によって⼩胞体に輸送されること、それによってSCAP/SREBPが細胞膜コレステロールの濃度変化を感知し、細胞のコレステロール恒常性が維持されていることを明らかにしました。本結果は、2022年12⽉9⽇に、Journal of Biological Chemistry 誌に発表されました。(過剰なコレステロールを感知し コレステロールの恒常性を維持するメカニズムの解明 iCeMS 京都大学)

細胞膜内でのコレステロールの配向性

コレステロール分子の大きさは,核部分が10.5Å,側鎖部分が6.5Åで,リン脂質の大きさは,極性部分が10Å,非極性部分が20Åで,コレステロールの大きさは,リン脂質の脂肪酸側鎖と同じくらいであるので,両者は膜でうまく混合するわけである.コレステロールの3位にはβ配位の水酸基があって,膜の極性側つまり水溶液側へ配向しており,その核と側鎖はリン脂質の非極性部分,すなわち膜の内部へ配向している.(コレステロールと生体膜―膜成分および基質としての役割 木村徳次 1981)

ラフトと信号伝達

今までは、細胞膜上に、直径100~数百nm程度の大きさの安定な構造を持つラフトと呼ばれる領域が常に多数存在していて、その構造にいろいろな分子が取り込まれてシグナル伝達が起こるという考えが大勢を占めていました。しかし、そのようなラフトの存在は、多くの研究者の努力にかかわらず実証できませんでした

大きな発見 すなわち、受容体にシグナル分子が結合すると、数個の受容体分子が会合する。そこにコレステロールや糖脂質などの特定の脂質が濃縮されて、直径数nm-数十nmのイカダ(ラフト)構造体を作る。さらにこのラフトに、細胞内のシグナル伝達に関連するタンパク質分子が集まってきて、それらの結合と活性化によって、細胞内のシグナルが誘起される、

  1. GPIアンカー型受容体 CD59 平均6個のCD59が集まってできる会合体(CD59クラスター)
  2. CD59クラスターはコレステロールと糖脂質の集積を誘導 CD59クラスターは拡散運動と「STALL」と呼ばれる1回あたり0.5秒程度の一時停止を繰り返し
  3. STALL中のCD59クラスターPLCγが短時間(0.25秒)やってきて、PIP2を加水分解して、IP3とカルシウムのシグナルが引き起こされ
  4. モデル計算によれば、その間に約30個程度のIP3が生成され、細胞内のカルシウムシグナルが発生
  5. IP3シグナルは、細胞内全体で見ると10分程度は継続します。
  6. パルス状の短いシグナルをたくさん発症することで、細胞全体のシグナルを組み立てている 

(シグナル伝達をする瞬間の細胞膜ラフトが見えた! 平成19年5月21日 JST)

コレステロールとラフト

1972年に提案されたSinger-Nicholsonの流動モザイクモデルでは、細胞膜は一様な構造と想定されていました。‥ 20世紀後半に提唱されたラフトモデルは、とりわけ多くの研究者の注目を集めています。ラフトとは筏のことです。このモデルでは、液体の細胞膜中に特定の脂質(スフィンゴミエリンやコレステロールなど)とタンパク質(GPIアンカー型受容体など)が集合した領域(ラフト)が浮かんでいることが提唱されています。‥ 今回の実験で、ラフトを作ると思われていた分子同士(スフィンゴミエリンとCD59)が結合すること、それにはコレステロールが必要であることがわかりました。(細胞膜内に存在する機能領域「ラフト」の正体に迫る 木下祥尚 2017年4月25日 アカデミストジャーナル

脂質ラフトと呼ばれる微小領域は、スフィンゴミエリンとコレステロールを主成分としており、周囲の生体膜とは異なる性質を持っています。この脂質ラフトは、シグナル伝達や病原菌の感染など生理的に重要な働きをしていますが、分子間の相互作用についてはほとんどわかっていません。(Osaka University Murata Group

 

その他の参考

  1. コレステロールと生体膜―膜成分および基質としての役割 木村徳次 1981
  2. 膜脂質の流動性と膜タンパク質の動態 荒磯恒久 1994
  3. コレステロールはいかに細胞膜を破れにくくするか 2019
  4. 分子シミュレーション研究会会誌“アンサンブル”Vol. 15, No. 2, April 2013 (通巻62号) https://www.jstage.jst.go.jp/article/mssj/15/2/15_111/_pdf/-char/ja
  5. 脂質膜低分子相互作用 コレステロールを含む二成分リン脂質二分子膜に対して正確な相図(物質の状態変化を示した地図のようなもの)を作成することは、二分子膜構造におよぼすコレステロールの影響を調べる有効な方法の一つです。
  6. 脂質二重層の頭部と尾部ドラッグデリバリー technochemical.com
  7. 体内のコレステロールの循環 「善玉コレステロール(HDL)」は、実はコレステロールだけから成っているのではなく、コレステロールやリン脂質などの脂質を2分子のアポリポタンパク質と呼ばれるタンパク質が束ねた、脂質とタンパク質の複合体です。全身の細胞でコレステロールが過剰になると、コレステロールは細胞膜上で働くABCA1という膜タンパク質の働きによって細胞外へと運び出され、血中を流れているアポリポタンパク質へと受け渡されます。
  8. 胆汁酸(約80%はコール酸デオキシコール酸(15%),ケノデオキシコール酸(2%))

強心配糖体(きょうしん はいとうたい) Cardiac glycosidex

強心配糖体(きょうしん はいとうたい)(Cardiac glycoside)とは、不整脈などの治療に用いられるステロイド配糖体のことだそうです。

  1. 強心配糖体(ウィキペディア)

強心配糖体の構造的な特徴、標的となる分子への作用は以下の動画がわかりやすい。

Cardiac glycosides in easy way egpat チャンネル登録者数 13.4万人

Digoxin (ジゴキシン)の作用

Digoxin Nursing Pharmacology NCLEX (Cardiac Glycosides) RegisteredNurseRN チャンネル登録者数 229万人

 

強心剤とは

  1. 強心剤(コトバンク)
  2. ジギタリス製剤(コトバンク)

 

強心配糖体の抗腫瘍作用に関する論文

    1. Localized Microsphere/Hydrogel for Tumor Immunotherapy of Cardiac Glycoside with Minimal Toxicity Gao L et al. 2022 ACS Appl Mater Interfaces. 2022 Dec 20. doi: 10.1021/acsami.2c18693. Online ahead of print.
    2. Pharmaco-Toxicological Assessment of the Combined Cytotoxic Effects of Digoxin and Betulinic Acid in Melanoma Cells Rednic R et al. 2022 Life (Basel). 2022 Nov 11;12(11):1855. doi: 10.3390/life12111855.
    3. Periplocin exerts antitumor activity by regulating Nrf2-mediated signaling pathway in gemcitabine-resistant pancreatic cancer cells Bae ES et al. 2023 Biomed Pharmacother. 2023 Jan;157:114039. doi: 10.1016/j.biopha.2022.114039. Epub 2022 Nov 21.
    4. Digoxin as an emerging therapy in noncardiac diseases Dashti F et al. 2022 Trends Pharmacol Sci. 2022 Nov 5:S0165-6147(22)00228-0. doi: 10.1016/j.tips.2022.10.002. Online ahead of print.
    5. Evaluation of the Sensitivity of Breast Cancer Cell Lines to Cardiac Glycosides Unveils ATP1B3 as a Possible Biomarker for the Personalized Treatment of ERα Expressing Breast Cancers Acconcia F et al. 2022 Int J Mol Sci. 2022 Sep 21;23(19):11102. doi: 10.3390/ijms231911102.
    6. Glycoside oleandrin downregulates toll-like receptor pathway genes and associated miRNAs in human melanoma cells Eroğlu Güneş C et al. 2022 Gene. 2022 Nov 15;843:146805. doi: 10.1016/j.gene.2022.146805. Epub 2022 Aug 11.
    7. Proscillaridin A Sensitizes Human Colon Cancer Cells to TRAIL-Induced Cell Death Semba M et al. 2022 Int J Mol Sci. 2022 Jun 23;23(13):6973. doi: 10.3390/ijms23136973.
    8. Antitumor effects of oleandrin in different types of cancers: Systematic review Francischini CRD et al. 2022 Toxicon. 2022 Sep;216:15-27. doi: 10.1016/j.toxicon.2022.06.010. Epub 2022 Jun 27.
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承認TLO 32機関

承認TLO・認定TLOとは、「大学等における技術に関する研究成果の民間事業者への移転の促進に関する法律」に基づき事業計画が承認・認定された技術移転事業者のことです。

承認TLO 32機関

[承認TLO](32機関)(参照:特許庁

  1. (株)東京大学TLO (https://todaitlo.com/) 東京大学等 平成10年12月4日
  2. (株)TLO京都 (https://www.tlo-kyoto.co.jp/)
    京都大学、立命館大学等 平成10年12月4日
  3. (株)東北テクノアーチ (http://www.t-technoarch.co.jp/) 東北大学等 平成10年12月4日
  4. 日本大学 産官学連携知財センター (http://www.nubic.jp/) 日本大学 平成10年12月4日
  5. 早稲田大学 リサーチイノベーションセンター 知財・研究連携支援部門 (https://www.waseda.jp/inst/research/) 早稲田大学 平成11年4月16日
  6. 慶應義塾大学 研究連携推進本部
    (https://www.research.keio.ac.jp/)
     慶應義塾大学 平成11年8月26日
  7. (有)山口ティー・エル・オー
    (http://www.tlo.sangaku.yamaguchi-u.ac.jp/)
     山口大学 平成11年12月9日
  8. (公財)新産業創造研究機構
    (http://www.niro.or.jp/)
     神戸大学、大阪大学等 平成12年4月19日
  9. 公財)名古屋産業科学研究所
    (http://www.nisri.jp/)
     名古屋大学等 平成12年4月19日
  10. (株)産学連携機構九州
    (http://www.k-uip.co.jp/)
     九州大学 平成12年4月19日
  11. 東京電機大学 研究推進社会連携センター
    (https://www.dendai.ac.jp/crc/tlo/)
     東京電機大学 平成12年6月14日
  12. タマティーエルオー(株)
    (http://www.tama-tlo.com/)
     工学院大学、東洋大学、東京都立大学等 平成12年12月4日
  13. 明治大学 知的資産センター
    (http://www.meiji.ac.jp/tlo/index.html)
     明治大学 平成13年4月25日
  14. よこはまティーエルオー(株)
    (http://www.yokohamatlo.co.jp)
     横浜国立大学、横浜市立大学等 平成13年4月25日
  15. 株)テクノネットワーク四国
    (http://www.s-tlo.co.jp)
     徳島大学、香川大学、愛媛大学、高知大学等  平成13年4月25日
  16. (一財)生産技術研究奨励会
    (http://www.iis.u-tokyo.ac.jp/shourei/fpis-tlo/)
     東京大学生産技術研究所 平成13年8月30日
  17. (株)新潟TLO
    (http://www.niigata-tlo.com)
     新潟大学等 平成13年12月25日
  18. (公財)北九州産業学術推進機構
    (http://www.ksrp.or.jp/fais/iac/project/tlo.html)
     九州工業大学、北九州市立大学等 平成14年4月1日
  19. (株)三重ティーエルオー
    (http://www.mie-tlo.co.jp)
     三重大学 平成14年4月16日
  20. (有)金沢大学ティ・エル・オー
    (http://kutlo.co.jp)
     金沢大学 平成14年12月26日
  21. (株)キャンパスクリエイト
    (http://www.campuscreate.com)
     電気通信大学等 平成15年2月19日
  22. (株)鹿児島TLO
    (http://www.ktlo.co.jp/)
     鹿児島大学等 平成15年2月19日
  23. (株)信州TLO
    (http://www.shinshu-tlo.co.jp/topics/)
     信州大学、長野工業高等専門学校 平成15年4月18日
  24. 佐賀大学TLO
    (http://www.suric.saga-u.ac.jp/)
     佐賀大学 平成17年7月7日
  25. 群馬大学 産学連携推進機構
    (https://research.opric.gunma-u.ac.jp/)
     群馬大学 平成19年12月18日
  26. 奈良先端科学技術大学院大学 研究国際部研究協力課
    (http://www.naist.jp/sankan/)
     奈良先端科学技術大学院大学 平成19年12月18日
  27. 東海大学 研究推進部 産官学連携センター
    (http://www.u-tokai.ac.jp/about/collaboration/index.html)
     東海大学 平成20年3月21日
  28. 東京医科歯科大学 統合研究機構産学連携推進センター
    (http://www.tmd.ac.jp/tlo/)
     東京医科歯科大学 平成20年3月31日
  29. 山梨大学 研究推進・社会連携機構
    (https://www.scrs.yamanashi.ac.jp/)
     山梨大学 平成20年4月1日
  30. 静岡技術移転(同)
    (http://stto.jp/)
     静岡大学等 平成21年5月1日
  31. iPSアカデミアジャパン(株)
    (http://www.ips-cell.net/j/index.php)
     京都大学等 平成28年1月22日
  32. (株)神戸大学イノベーション
    (https://kobe-u-innov.jp/)
     神戸大学 令和2年3月2日

認定TLOの活動状況

株式会社新潟TLO

  1. 株式会社新潟TLOの現状と課題 株式会社新潟TLOの現状と課題 産学連携学 Vol. 19, No. 1, 2022 .株式会社新潟TLO(以下,新潟TLO)は,新潟県内の大学,短大,工業専門学校,計18校の知財・特許の種を発掘し,それらを特許化し,その特許を民間に移転する,所謂「知のサイクル」を廻す役割を目的に,新潟大学が中心となり申請し,全国第25番目の承認TLOとして2001年(H13)12月に認可された..‥ 主たる株主は大学の教職員約150名で,払込資本金1,250万円であり,新潟TLOの設立発起人は民間企業の役員及び定年退職の大学教員となっている.‥ 水素ガス漏れを瞬時に検知するという新潟大学発の技術を発掘し,知財化し,さらには,当時は破格の移転金額で技術移転に成功した.‥ 文部科学省の方針の大転換,すなわち,「知財を発掘し,磨き上げ特許化するという一番大切な作業」を大学が実施するという変更が行われた.この方針転換により,TLOの根本的な活動の基盤が消失し,TLOは大学で出願した特許の移転活動を分担する形態に変わった.大学所有の特許を技術移転するだけではTLOの経営は成り立つはずはない.‥ .2004年4月1日付で国立大学が法人化し,これを契機に文部科学省は大学内に知財本部又は知財部の新設を大々的に推進することになる.これにより,それまではTLOが産学連携の機関車役を担っていると自負していたが,大学内の特許発掘・申請・維持は大学の管轄となり共同研究を含めた産学連携事業は大学が担当し,新潟TLOは特許・知財の移転作業のみを分担することになってしまった.‥ 大学は経済産業省の方針(日本版のバイドール法の実施,大学発の知財はTLOが主導して特許化し,技術移転をし,知のサイクルを実施する)のもとで,大学が主導して設立した新潟TLOではあるが,文部科学省との縦割りの方針(大学発知財は大学の知財部主導)の狭間で,2つの省庁の方針の狭間が発生したという状況下で,大学とTLOの協力関係の推進には限度があり,お互いに変化しながら経営を存続させるしかないとの背景を踏まえ,新潟TLOとしては自助努力するには業務内容(新潟TLO自身の開発・製造・販売,投資活動等なんでもできる業務内容)に会社定款の大幅改定を実施した.‥ ,経済産業省助成プロジェクト「KUTLO-NITT事業」を,金沢大学TLOが主幹事,新潟TLOが副幹事となり,採択された.このプロジェクトは,日本海側11大学2,500人のバイオ・ライフサイエンスの特許紹介とグローバル移転活動をテーマとし,2009年から2012年までの4年間実施した.

脳活動の計測方法:fMRI, EEG, 電気生理、PET、ほか

人間や動物が感覚情報を処理したり、考えごとをしたり、体を動かしたりするのは、すべて脳を構成する神経細胞の活動(活動電位の発生)によるものです。脳の活動を計測するには、神経細胞の膜電位変化を記録測定することが最も直接的な方法ですが、脳活動が高まっている部位ではエネルギー代謝が活発になることから酸素消費量の変化やグルコース代謝量を測定するという間接的な手法も用いられます。研究者が望む空間解像度、時間解像度、侵襲の有無、実験の簡便さ、実験目的などに応じて、様々な計測手法が用いられています。

MRIとは

緩やかな磁場(静磁場)をかけてあげると原子核スピンのある程度向きが揃います。これにある周波数のラジオ波をかけます。原子核スピンはそれに共鳴して静磁場の向きの方向にコマの様な運動(歳差運動)を行います。その周波数(ラーモア周波数)は組織ごとに異なり、かけたラジオ波の大きさに比例します。10-60MHzでラジオ波の周波数と同様となります。ラジオ波をかける事を止めると原子核スピンはコマ回し運動をやめて元の状態に戻りますがこの時間も組織ごとに差があるのです(緩和時間)。これらを検出する事で内部の組織の状態を知る事ができるのです(MRIについて 脳とこころの研究センター 名古屋大学)

fMRI (functional magnetic resonance imaging) 機能的磁気共鳴画像法とは

ヘモグロビン酸素分子結合している時には反磁性で、毛細管で酸素を放出した後(デオキシヘモグロビン)では常磁性になります。常磁性体であるデオキシヘモグロビンを多く持つ静脈側の血管の中及び周りには僅かながら磁場の歪をつくります。この歪の存在はそのあたりの水(のプロトン)の信号(MRIはこの水を対象にした磁気共鳴現象を測るものです)を弱めます。この現象をBOLD(Blood Oxygenation Level Dependent)効果と呼びました。 更に、脳の機能活動として神経細胞の周りのシナップス活動が増加しますと、そばに存在するアストロサイト(グリア細胞;神経細胞の働きを補助)やニューロンが感知して血管を拡げる物質を血管の壁におくり、結果として血流の増加がおきます。この血流増加による酸素の供給は神経活動の増加に伴う酸素消費の増加を遥かに凌ぎ(過剰の酸素供給)ます。その結果、デオキヘモグロビンの量が減り、先に述べた磁場の歪の減少をもたらし、MRI信号が僅かに増えます。この信号変化が機能活動の増加に対応したものとして画像化されるのです、すなわちfMRIによる脳機能測定となります。(fMRIとは 社会的・職業能力育成プログラムに資する認知・脳科学的エビデンス情報提供基盤の構築)

  1. 社会的・職業能力育成プログラムに資する認知・脳科学的エビデンス情報提供基盤の構築 研究代表者 東北福祉大学 特別栄誉教授 小川 誠二 (Seiji Ogawa) fMRIとは
  2. CiNet アドバイザー 小川 誠二
  3. Volume 84, Issue 2, 22 October 2014, Pages 262-274 Journal home page for Neuron Perspective The Chronnectome: Time-Varying Connectivity Networks as the Next Frontier in fMRI Data Discovery Author links open overlay panelVince D.Calhoun12RobynMiller1GodfreyPearlson4TulayAdalı3 NEURON
  4. S. Ogawa, D. W. Tank, R. Menon, J. M. Ellermann, S.-G. Kim, H. Merkle and K. Ugurbil. Intrinsic Signal Changes Accompanying Sensory Stimulation: Functional Brain Mapping With Magnetic Resonance Imaging. Proc. Natl. Acad. Sci. (USA), 89, 5951-5955 (1992).
  5. S. Ogawa, T. M. Lee, A. R. Kay and D. W. Tank. Brain Magnetic Resonance Imaging with Contrast Dependent on Blood Oxygenation. Proc. Natl. Acad. Sci. (USA), 87, 9868-9872 (1990)

PET (Positron Emission Tomography )陽電子放出断層撮影とは

SPECTとPETはどちらもアイソトープトレーサの体内分布を描記するイメージング技術である. ‥ PETとSPECTの基本的な相違は測定の対象とな るアイソトープにある.PETはその名のとおり, positron emitter,つまり陽電子を放射する種類のア イソトープが対象である.この種のアイソトープから 放射される陽電子はさまざまなエネルギーをもつが, その飛程はたかだか数mmであり,人体内に存在する 核種からの陽電子を体外測定することはできない.つ まりPETで測定するのは陽電子自体ではない.陽電 子が飛程の最後でそのへんに多数存在する電子の1つ と結合して質量を失い,その質量分のエネルギーが 1対の消滅放射線として放射されるのを測定する.消 滅放射線はエネルギーが511keVと一定の光子であ るので,PET装置ではpositron emitterなら何でも 測定可能である. ‥ PETで利用されている核種としては,臨床医学の 興味が有機化合物に集中している状況を反映して,有 機化合物標識RIとして便利な11C, 13N, 15O, 18Fが 中心である.(PET/SPECTによる脳活動計測 舘野之男 計測と制御31(2)1992年)

  1. 2006_PET薬剤と動物用イメージング装置 2002年4月に2-deoxy-2-18F-fluoro-D-glucose (FDG)を用いるPositron Emission Computed Tomography (PET)検査が保険適用を受けるにあたり,PETという言葉自体が一般社会に急速に広まってきた。今ではPETといえば, FDG-PETを指すといっても過言ではない状況になりつつある。
  2. PETによる脳機能計測-分子イメージング 福田寛 計測と制御 第42巻 第5号 2003年5月号  ある種の課題を実行している時の脳血流を測定し,さらにこの課題に対してコントロール状態の脳血流を測定する.くり返し脳血流を測定するために,半減期が2分のO-15で標識した水を用いる.ついで両者の差分画像を作成し,差があった脳部位がその課題遂行に関連して血流が上昇した部位,すなわち機能部位と考えるわけである.
  3. PETと脳波を用いた脳機能計測 長田乾 計測と制御 第42巻 第5号 2003年5月号
  4. PET/SPECTによる脳活動計測 舘野之男 計測と制御31(2)1992年
  5. PETによる脳機能イメージング 1988年
  6. PETとは 大阪医科薬科大学 PET検査では、まず、陽電子(ポジトロン)(※1)を放出する検査薬(おもにブドウ糖と結合させた18F-FDG(※2))を静脈から注射します。細胞内に取り込まれる検査薬の量が細胞によって異なりますので、体内に検査薬(ブドウ糖)を多量に取り込む細胞があれば、その細胞から陽電子が多く放出され、その陽電子が消滅する際にガンマ線(※3)を体外に放出します。そのガンマ線を検出器でスキャンすると、多く放出される部分が光って見えることを利用した検査です。がん細胞は正常な細胞に比べて約3~8倍のブドウ糖を取り込む性質があり、検査薬を多く取り込みます。ガンマ線が多く体外に放出される部位を同定することにより、がんの早期発見が可能となります。そのためPET検診では主にがん検診として利用されています。
  7. 脳血流計測法としてのPETとMRI NIPS システム脳科学研究領域心理生理学研究部門定藤研究室

SPECT (single photon emission computed tomography) 単一光子放射断層撮影とは

単一光子を放射するアイソトープが測定対象である. ‥ 現実のSPECT装置で対応できるガンマ線のエネルギーは数10keVからせいぜい400keVぐらいまでである. ‥ SPECTでも有機化合物のトレーサへの要求はし烈 であるが,残念ながらH, C, O, Nなどの元素に SPECT向きの核種はない.SPECT向きのガンマ線 を出し,かつ適当な長さの半減期(患者被曝線量と 検査効率の観点からいえば半減期は短いほどよいが, メーカでの製造,出荷などの関係からいえば長い方が よく,現実にはその妥協点として半減期3日ぐらいの ものが好んで使われている)の核種として,67Ga(半 減期3.26日),99mTc(半減期6時間,ただし親核種の 99Moの半減期が2 .75日),123I(半減期13時間), 201Tl(半減期3 .04日)などが広く使われている.(PET/SPECTによる脳活動計測 舘野之男 計測と制御31(2)1992年)

  1. PET/SPECTによる脳活動計測 舘野之男 計測と制御31(2)1992年

EEG (Electroencephalogram) 脳波とは

  1. EEG and MEG: Relevance to Neuroscience 2013年 NEURON VOLUME 80, ISSUE 5, P1112-1128, DECEMBER 04, 2013 総説論文 電気生理のデータとMEGのデータとEEGのデータを比較している。
  2. Review Article Published: 25 June 2018 Investigating large-scale brain dynamics using field potential recordings: analysis and interpretation Bijan Pesaran, Martin Vinck, Gaute T. Einevoll, Anton Sirota, Pascal Fries, Markus Siegel, Wilson Truccolo, Charles E. Schroeder & Ramesh Srinivasan Nature Neuroscience Here, our goal is to provide best practices on how field potential recordings (electroencephalograms, magnetoencephalograms, electrocorticograms and local field potentials) can be analyzed to identify large-scale brain dynamics, and to highlight critical issues and limitations of interpretation in current work. We focus our discussion of analyses around the broad themes of activation, correlation, communication and coding. 総説論文
  3. Human Brain MappingVolume 38, Issue 11 p. 5391-5420 Research Article Open Access Deep learning with convolutional neural networks for EEG decoding and visualization 2017年

near-infrared spectroscopy (NIRS) 近赤外分光法とは

神経活動が起こると、その周囲にある血管が拡張し、エネルギー源となる酸素やグルコースを含む多くの動脈血を供給する調整機構が働く。そして、活動神経近傍の組織では、血流量・血液量が増大し、血液の酸化状態(オキシヘモグロビン濃度[oxy – Hb]とデオキシヘモグロビン濃度[deoxy – Hb]の比率)が変化すると仮定されている(小泉、1997)。一般に、このような神経活動と脳血液反応の関係は、ニューロバスキュラーカップリング(neuro – vascular coupling)と呼ばれている。 fMRIやPETなどと同様に、NIRSによる計測では、ニューロバスキュラーカップリングが存在するという仮定に基づいて、脳の局所ヘモグロビン濃度(Hb)を捉えている。‥ 頭皮上から近赤外光を照射すると、(a)の特性により、その光成分は、脳組織内に拡散していき、頭皮上から約20 ~30 mm 深部にある大脳皮質に到達するといわれている(渡辺・室田・中島、2005)。また、(b)の特性により、照射点からおよそ3 cm離れたところで計測すると、乱反射して戻ってきた光成分を検出することができる(渡辺・室田・中島、2005)。 NIRSでは、この検出光から、大脳皮質のOxy – Hb、Deoxy – Hb、また、これらを合わせた総ヘモグロビン濃度(total – Hb)の3つのHbの変化を推定している(山下・牧・山本・小泉、2000)。ただし、照射から検出までの光路長は計測できないため、得られるデータは、Hbの絶対値ではなく、相対的な濃度変化である(山下・牧・山本・小泉、2000)。‥ 多チャンネル同時計測装置である日立メディコ製「光トポグラフィ装置(ETG – 4000)」による実際の計測手続きと計測結果を説明するために語流暢課題の例を示す。(第5章 NIRSによる脳機能測定

  1. 特集2◆先端フォトニクスの展望光トポグラフィが拓く未来 小泉英明・敦森洋和・木口雅史  学術の動向 2010.9 近赤外分光法(NIRS: near-infrared spectroscopy)を用いており、毛根間や額の頭皮上から近赤外光を照射し、大脳皮質から散乱・反射した成分を数cm離れた場所で検出する(図1)。‥ PET: positron emission tomography)や機能的磁気共鳴描画(fMRI: functional magnetic resonance imaging)と異なり、被験者が寝台に固定されることなく、光ファイバなどを装着した軽いキャップを冠るだけで良いので拘束性も少ない。さらに、原理的に被験者が動けること、また極めて高い安全性から、乳幼児に適用可能な唯一のイメージング法である。静的な空間分解能は光散乱のためにおよそPETの水準(〜cm)であるが、計測の時間分解能はfMRIの水準(〜sec)よりも高い。

MEG 脳磁図とは

磁場は、発生部位と記録部位の中間の物質によって、信号が減弱したり、ひずんだりすることがなく、発生部位の状態を忠実にあらわすことができます。‥ 他の磁気を遮断するための工夫をした六畳程度の部屋(磁気シールド室)に入って、ヘルメット型のお椀をふせた形のセンサー部の中に頭をすっぽりといれて頂くことで、計測が始まります。センサーは、大きく丈夫な魔法瓶の中に液体ヘリウムによって冷やされています (脳磁図とは 日本臨床脳磁図コンソーシアム)

  1. 脳磁図(MEG)を利用した脳機能計測とその応用 理学療法学43(6):514-159 (2016年)

電気生理学的測定とは

  1. Novel electrode technologies for neural recordings Guosong Hong & Charles M. Lieber Nature Reviews Neuroscience volume 20, pages330–345 (2019) Published: 04 March 2019

カルシウムイメージング Calcium Imagingとは

  1. 巻頭言 近年のin vivoカルシウムイメージング 太田桂輔 東京大学大学院医学系研究科
    日本神経回路学会誌 27 (2) 33-34, 2020.
  2. Near-infrared and far-red genetically encoded indicators of neuronal activity Daria M.Shcherbakova Journal of Neuroscience Methods Volume 362, 1 October 2021, 109314

質量分析イメージング

脳の切片に対して、空間情報を維持した状態で質量分析する方法があるようです。

  1. Review Mass Spectrometry Imaging Shuichi Shimma Author information Keywords: mass spectrometry imaging, lipids, proteins, pharmaceuticals, isotopes, instruments JOURNAL OPEN ACCESS FULL-TEXT HTML 2022 Volume 11 Issue 1 Pages A0102 DOI https://doi.org/10.5702/massspectrometry.A0102
  2. https://en.wikipedia.org/wiki/Mass_spectrometry_imaging
  3. がんや老化の研究に!糖代謝のマスイメージング分析事例紹介
  4. Intraoperative mass spectrometry mapping of an onco-metabolite to guide brain tumor surgery Sandro Santagata, Livia S. Eberlin, Isaiah Norton, +15, and Nathalie Y. R. Agar cooks@purdue.eduAuthors Info & Affiliations Edited by Jerrold Meinwald, Cornell University, Ithaca, NY, and approved June 4, 2014 (received for review March 13, 2014) June 30, 2014 111 (30) 11121-11126 https://doi.org/10.1073/pnas.1404724111
  5. https://www.sciencedirect.com/topics/chemistry/imaging-mass-spectrometry
  6. グルコース代謝フラックスの脳内イメージング 研究期間 : 2014~2016

参考

  1. 解説 ニューロイメージングデータの時空間解析 三分一 史和, 尾家 慶彦 著者情報 キーワード: ニューロイメージング, 時空間解析, カルシウムイメージング法, 膜電位イメージング法 ジャーナル フリー 2019 年 43 巻 3 号 p. 155-160
  2. 脳機能の解明に向けた全脳神経活動マッピング 笠井淳司1), 勢力薫1,2), 橋本均1,3,4,5) 2019年
  3. 2013_宮内 哲_脳を測る――改訂 ヒトの脳機能の非侵襲的測定―  網羅的なレビュー論文
  4. PET/SPECTによる脳活動計測 ミニ特集脳・感覚機能の無侵襲計測 舘野之男 計測と制御31(2)1992年 測定原理を論理的にわかりやすく解説した総説論文。様々な観点が紹介されていて、非常に示唆に富む。

その他の参考

  1. 脳循環代謝定量測定法([15O]GAS-PET)における完全無採血定量法の導入に関する基礎的検討 令和3年5月24日 名古屋市総合リハビリテーションセンター附属病院
  2. Review article The synaptic plasticity and memory hypothesis: encoding, storage and persistence Tomonori Takeuchi, Adrian J. Duszkiewicz and Richard G. M. Morris Published:05 January 2014https://doi.org/10.1098/rstb.2013.0288
  3. 研究課題名:磁気刺激および電流分布イメージングによる脳機能ダイナミックスの研究 平成12年度~平成16年度(2004年度)

表現型(phenotype)、遺伝型(genotype)の読み方 ひょうげんけい いでんがた に関する雑感

表現型、遺伝型の読み方はいつも悩みます。PCにキーボードで打つときは、ひょうげんけい でも ひょうげんがた でも表現型という漢字が出てきます。しかし、いでんけい 打っても遺伝型は出てきません。いでんがた と打つと遺伝型が出てきます。

実際、研究者のプレゼンを聞いていると表現型は「ひょうげんけい」と発音する人が多いです。また、遺伝型は「いでんがた」と読まれるのではないかと思います。遺伝型に関して自信を持って言えないのは、分子生物学の研究の現場にしかいたことがないので、遺伝型という言葉を周りが口にするのをそもそも聞いたことがあまりないからです。

遺伝子がいでんがたで表現型がひょうげんけいなのだとしたら、一貫性がないのが気持ち悪くて仕方がありません。一貫させるため、どちらも「かた」にした方がよいように思います。ひょうげんがた は違和感はありませんが、いでんけい には違和感があります。いでんがた ひょうげんがた だったのが、ごろの良さのせいか、ひょうげんがた のことを ひょうげんけい と呼ぶ人が増えたのかもしれません。研究者は遺伝子を破壊したときにどんな表現型が生じるかに興味があることが多いため、表現型という言葉は非常によく口にするのですが、遺伝型という言葉はほとんど使いません(遺伝子の機能解析を行っている研究者の場合)。表現型という言葉を多用する研究者は、分子生物学の分野の研究者であるのにたいして、遺伝型という言葉を使うのは文字通り遺伝学者なのではないかと思います。両者は似ているようで別なんでしょうね。

ウィキペディアを見ると、

表現型(ひょうげんがた、ひょうげんけい、英: phenotype。ギリシャ語のpheno=表示+type=型に由来)

とありました。一方、遺伝型の方をみてみると、

遺伝子型(いでんしがた、いでんしけい、英: genotype)

とあります。誰がこのウィキペディアの解説を書いたのかわかりませんが(専門家かどうか)、いでんしけい とも読みが書いてありました。

そもそも、自分は「遺伝型」で覚えていたのですが、「遺伝子型」に飛ばされます。英語だとgenotype, phenotypeなのですが、遺伝型じゃなかったっけ?と当惑。そういえば、自分は遺伝子型という言葉は使ったことがない。遺伝型だと思って生きてきました。

日本人類遺伝学会(中村祐輔理事長)は2009年の大会で遺伝学の主要用語の改訂を行うことを決めました(http://jshg.jp)。

英語             日本語          これまで

genotype  遺伝型 遺伝子型

(医学の地平線 第9号 遺伝学主要用語の改訂 痛風・尿酸財団 )

なんと驚いたことに、2009年に、genotypeの訳語が遺伝子型から遺伝型に変わっていました。自分は逆かと思ったのですが、遺伝型のほうが新しい訳語なんですね。ということはウィキペディアのほうが古い情報のままということのようです。

用語が改訂された理由は納得のできるものでした。

Locus、genotype、allele はいずれも gene が定義される前から存在する用語であり、従って、本来、locus、genotype、allele に遺伝子(gene)の意味は入っていない。これらはいずれもメンデルの法則を説明するために必要な抽象的な概念であり、その対象は「一塩基多型」「欠失や挿入」「繰り返し配列」「遺伝子」など、さまざまな単位に適用される。従って、遺伝子座、遺伝子型、対立遺伝子などの用語は、その単位が遺伝子に限定されるような誤解を生じやすい。本来の抽象的な概念の定義にもどすため、座位、遺伝型、アレル(アリル、アリールも可)の訳語を当てる。(日本人類遺伝学会

専門家たるもの、ウィキペディアを真に受けちゃだめですね。ちなみに、PCのキーボードで いでんしけい と打っても、遺伝子型は候補に出てきません。

遺伝型という言葉を使うのは遺伝学者なんじゃないのと思った自分の感覚は、合っていたようです。遺伝学は遺伝子という存在が確立する前から存在していたわけで。

 

医学教育モデル・コア・カリキュラム 令和 4 年度改訂版(文部科学省)

もとのファイル

  1. 医学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)、歯学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)の公表について 医学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版) (PDF:8.0MB)

上記ファイルの一部を以下に示します。

医学教育モデル・コア・カリキュラム 令和 4 年度改訂版

モデル・コア・カリキュラム改訂に関する連絡調整委員会

目次

医学教育モデル・コア・カリキュラムの考え方…………………………………. 1 医学教育モデル・コア・カリキュラム改訂の概要……………………………….. 6 第 1 章 医師として求められる基本的な資質・能力…………………………….. 17
PR: プロフェッショナリズム(Professionalism) …………………………….. 18
GE: 総合的に患者・生活者をみる姿勢(Generalism) ………………………….. 18
LL: 生涯にわたって共に学ぶ姿勢(Lifelong Learning) ……………………….. 18
RE: 科学的探究(Research) ……………………………………………… 18
PS: 専門知識に基づいた問題解決能力(Problem Solving) ……………………… 18
IT: 情報・科学技術を活かす能力(Information Technology) …………………… 18
CS: 患者ケアのための診療技能(Clinical Skills) …………………………… 18
CM: コミュニケーション能力(Communication) ………………………………. 18
IP: 多職種連携能力(Interprofessional Collaboration) ……………………… 18
SO: 社会における医療の役割の理解(Medicine in Society) ……………………. 18
第 2 章 学修目標……………………………………………………….. 19
PR: プロフェッショナリズム ……………………………………………. 20
PR-01: 信頼 ……………………………………………………….. 20
PR-01-01: 誠実さ·························································· 20
PR-01-02: 省察···························································· 20
PR-02: 思いやり ……………………………………………………. 20
PR-02-01: 思いやり························································ 20
PR-02-02: 他者理解と自己理解·············································· 20
PR-02-03: 品格・礼儀······················································ 20
PR-03: 教養 ……………………………………………………….. 20
PR-03-01: 教養···························································· 20
PR-04: 生命倫理 ……………………………………………………. 20
PR-04-01: 臨床倫理························································ 21
GE: 総合的に患者・生活者をみる姿勢 …………………………………….. 22
GE-01: 全人的な視点とアプローチ ……………………………………… 22
GE-01-01: 臓器横断的な診療················································ 22
GE-01-02: 生物・心理・社会的な問題への包括的な視点 ························ 22
GE-01-03: 患者中心の医療·················································· 22
GE-01-04: 根拠に基づいた医療 (EBM) ········································ 22
GE-01-05: 行動科学························································ 22
GE-01-06: 緩和ケア························································ 23
GE-02: 地域の視点とアプローチ ……………………………………….. 23
GE-02-01: プライマリ・ケアにおける基本概念 ································ 23
GE-02-02: 地域におけるプライマリ・ケア ···································· 23
GE-02-03: 医療資源に応じたプライマリ・ケア ································ 23
GE-02-04: 在宅におけるプライマリ・ケア ···································· 23
GE-03: 人生の視点とアプローチ ……………………………………….. 24
GE-03-01: 人生のプロセス·················································· 24
GE-03-02: 小児期全般······················································ 24
GE-03-03: 胎児期、新生児期、乳幼児期 ······································ 24
GE-03-04: 学童期、思春期、青年期、成人期 ·································· 24
GE-03-05: 老年期·························································· 24
GE-03-06: 終末期·························································· 25
GE-04: 社会の視点とアプローチ ……………………………………….. 25
GE-04-01: 医学的・文化的・社会的文脈における健康 ·························· 25
GE-04-02: 社会科学························································ 25
LL: 生涯にわたって共に学ぶ姿勢 ………………………………………… 26
LL-01: 生涯学習 ……………………………………………………. 26
LL-01-01: 生涯学習の実践·················································· 26
LL-01-02: キャリア開発···················································· 26
LL-02: 医療者教育 ………………………………………………….. 26
LL-02-01: 医療者教育の実践················································ 26
RE: 科学的探究 ………………………………………………………. 27
RE-01: リサーチマインド …………………………………………….. 27
RE-01-01: 能動的姿勢······················································ 27
RE-01-02: 探究心·························································· 27
RE-02: 既知の知 ……………………………………………………. 27
RE-02-01: 医学と医療······················································ 27
RE-02-02: 論文読解························································ 27
RE-03: 研究の実施 ………………………………………………….. 27
RE-03-01: 問い···························································· 27
RE-03-02: 研究計画························································ 27
RE-03-03: 研究手法························································ 27
RE-03-04: 研究結果························································ 27
RE-04: 研究の発信 ………………………………………………….. 27
RE-04-01: 研究発表························································ 28
RE-05: 研究倫理 ……………………………………………………. 28
RE-05-01: 適切な研究遂行·················································· 28
RE-05-02: 対象者の保護···················································· 28
PS: 専門知識に基づいた問題解決能力 …………………………………….. 29
PS-01: 基礎医学 ……………………………………………………. 29
PS-01-01: 生命現象の科学·················································· 29
PS-01-02: 個体の構成と機能················································ 29
PS-01-03: 個体の反応······················································ 31
PS-01-04: 病因と病態······················································ 32
PS-02: 人体各器官の正常構造と機能、病態、診断、治療 ……………………. 33
PS-02-01: 総論···························································· 33
PS-02-02: 血液・造血器・リンパ系(表 2-1) ·································· 33
PS-02-03: 神経系(表 2-2) ·················································· 33
PS-02-04: 皮膚系(表 2-3) ·················································· 33
PS-02-05: 運動器(筋骨格)系(表 2-4) ········································ 33
PS-02-06: 循環器系(表 2-5) ················································ 33
PS-02-07: 呼吸器系(表 2-6) ················································ 34
PS-02-08: 消化器系(表 2-7) ················································ 34
PS-02-09: 腎・尿路系(体液・電解質バランスを含む)(表 2-8) ·················· 34
PS-02-10: 生殖器系(表 2-9) ················································ 34
PS-02-11: 妊娠と分娩(表 2-10) ············································· 34
PS-02-12: 小児(表 2-11) ··················································· 34
PS-02-13: 乳房(表 2-12) ··················································· 35
PS-02-14: 内分泌・栄養・代謝系(表 2-13) ··································· 35
PS-02-15: 眼・視覚系(表 2-14) ············································· 35
PS-02-16: 耳鼻・咽喉・口腔系(表 2-15) ····································· 35
PS-02-17: 精神系(表 2-16) ················································· 35
PS-03: 全身に及ぶ生理的変化、病態、診断、治療 …………………………. 36
PS-03-01: 遺伝医療・ゲノム医療 ············································ 36
PS-03-02: 免疫・アレルギー················································ 36
PS-03-03: 感染症(表 2-18) ················································· 36
PS-03-04: 腫瘍···························································· 37
PS-03-05: 救急・集中治療(表 2-20) ········································· 38
PS-03-06: 放射線の生体影響と適切な利用、放射線障害 ························ 39
IT: 情報・科学技術を活かす能力 ………………………………………… 40
IT-01: 情報・科学技術に向き合うための倫理観とルール ……………………. 40
IT-01-01: 情報・科学技術に向き合うための準備 ······························ 40
IT-01-02: 情報・科学技術利用にあたっての倫理観とルール ···················· 40
IT-02: 医療とそれを取り巻く社会に必要な情報・科学技術の原理 …………….. 40
IT-02-01: 情報・科学技術を活用した医療 ···································· 40
IT-02-02: 情報・科学技術の先端知識 ········································ 40
IT-03: 診療現場における情報・科学技術の活用 …………………………… 40
IT-03-01: 情報・科学技術を活用したコミュニケーションスキル ················ 40
IT-03-02: 情報・科学技術を活用した学習スキル ······························ 41
CS: 患者ケアのための診療技能 ………………………………………….. 42
CS-01: 患者の情報収集 ………………………………………………. 42
CS-01-01: 医療面接························································ 42
CS-01-02: 身体所見························································ 42
CS-02: 患者情報の統合、分析と評価、診療計画 …………………………… 42
CS-02-01: 診療録記載······················································ 42
CS-02-02: 臨床推論························································ 42
CS-02-03: 検査(計画、分析評価) ············································ 42
CS-02-04: 治療(計画、経過の評価) ·········································· 43
CS-02-05: 教育計画························································ 44
CS-03: 治療を含む対応の実施 …………………………………………. 44
CS-03-01: 検査手技························································ 44
CS-03-02: 治療手技························································ 44
CS-03-03: 救急・初期対応·················································· 44
CS-03-04: 書類の作成······················································ 45
CS-03-05: 患者ケアに必要な連携 ············································ 45
CS-03-06: 診療計画カンファレンス ·········································· 45
CS-04: 診療経過の振り返りと改善 ……………………………………… 45
CS-04-01: 振り返りカンファレンス ·········································· 45
CS-05: 医療の質と患者安全 …………………………………………… 45
CS-05-01: 医療の質向上···················································· 45
CS-05-02: 医療従事者の健康管理 ············································ 45
CS-05-03: 安全管理体制···················································· 45
CS-05-04: 感染制御························································ 45
CS-05-05: 患者安全の配慮と促進 ············································ 46
CS-05-06: 患者安全の実践·················································· 46
CM: コミュニケーション能力 ……………………………………………. 47
CM-01: 患者に接する言葉遣い・態度・身だしなみ・配慮 ……………………. 47
CM-01-01: 患者・家族への適切なコミュニケーションスキルの活用 ·············· 47
CM-01-02: 患者の立場の尊重と苦痛への配慮 ·································· 47
CM-02: 患者の意思決定の支援とそのための情報収集・わかりやすい説明 ……….. 47
CM-02-01: 患者へのわかりやすい言葉の説明 ·································· 47
CM-02-02: 患者への行動変容の促し ·········································· 47
CM-02-03: 患者の意思決定の支援 ············································ 47
CM-03: 患者や家族のニーズの把握と配慮 ………………………………… 48
CM-03-01: 患者・家族の課題の把握と必要な情報の取得 ························ 48
CM-03-02: 患者・家族の心理・社会的背景に配慮した診療 ······················ 48
IP: 多職種連携能力 …………………………………………………… 49
IP-01: 連携の基盤 ………………………………………………….. 49
IP-01-01: 患者中心の保健医療福祉 ·········································· 49
IP-01-02: 職種間コミュニケーション ········································ 49
IP-01-03: 医師間の紹介と相談·············································· 49
IP-02: 協働実践 ……………………………………………………. 49
IP-02-01: 職種役割························································ 49
IP-02-02: 関係性への働きかけ·············································· 49
IP-02-03: 自職種の省察···················································· 49
IP-02-04: 他職種の理解···················································· 49
SO: 社会における医療の役割の理解 ………………………………………. 50
SO-01: 社会保障 ……………………………………………………. 50
SO-01-01: 公衆衛生························································ 50
SO-01-02: 社会保険、公的扶助、社会福祉 ···································· 50
SO-01-03: 地域保健························································ 50
SO-01-04: 産業保健・環境保健·············································· 50
SO-01-05: 健康危機管理···················································· 50
SO-02: 疫学・医学統計 ………………………………………………. 51
SO-02-01: 保健統計························································ 51
SO-02-02: 疫学···························································· 51
SO-02-03: データ解析と統計手法 ············································ 51
SO-03: 法医学 ……………………………………………………… 51
SO-03-01: 死と法·························································· 51
SO-04: 社会の構造や変化から捉える医療 ………………………………… 51
SO-04-01: 健康と医療······················································ 52
SO-04-02: ジェンダーと医療················································ 52
SO-04-03: 気候変動と医療·················································· 52
SO-04-04: 哲学と医療······················································ 52
SO-04-05: 歴史と医学・医療················································ 52
SO-04-06: 医療経済························································ 52
SO-04-07: 社会的公正······················································ 52
SO-05: 国内外の視点から捉える医療 ……………………………………. 52
SO-05-01: 国内の医療職の役割や医療体制 ···································· 52
SO-05-02: グローバルヘルスの役割や医療体制 ································ 52
SO-06: 社会科学の視点から捉える医療 ………………………………….. 53
SO-06-01: 社会科学と医療との関係 ·········································· 53 別表 …………………………………………………………………. 54 表 1. 疾患…………………………………………………………… 54
表 2-1. 血液・造血器・リンパ系 …………………………………………. 69 表 2-2. 神経系……………………………………………………….. 70 表 2-3. 皮膚系……………………………………………………….. 71 表 2-4. 運動器(筋骨格)系 ………………………………………………. 72 表 2-5. 循環器系……………………………………………………… 73 表 2-6. 呼吸器系……………………………………………………… 74 表 2-7. 消化器系……………………………………………………… 75 表 2-8. 腎・尿路系(体液・電解質バランスを含む) …………………………… 76 表 2-9. 生殖器系……………………………………………………… 77 表 2-10. 妊娠と分娩…………………………………………………… 78 表 2-11. 小児………………………………………………………… 79 表 2-12. 乳房………………………………………………………… 80 表 2-13. 内分泌・栄養・代謝系 ………………………………………….. 81 表 2-14. 眼・視覚系…………………………………………………… 82 表 2-15. 耳鼻・咽喉・口腔系 ……………………………………………. 83 表 2-16. 精神系………………………………………………………. 84 表 2-17. 免疫・アレルギー ……………………………………………… 85 表 2-18. 感染症………………………………………………………. 86 表 2-19. 腫瘍………………………………………………………… 87 表 2-20. 救急・集中治療 ……………………………………………….. 88 表 3. 身体診察……………………………………………………….. 89 表 4. 基本診療科……………………………………………………… 90 表 5. 主要症候……………………………………………………….. 91 表 6. 主要な臨床・画像検査 …………………………………………….. 93 表 7. 基本的臨床手技………………………………………………….. 94
第 3 章 学修方略・評価………………………………………………….. 95
Ⅰ.学修方略 ………………………………………………………… 96
1. 学修方略を考えること …………………………………………….. 96
2. 学修方略を組む際に役立つ教育学理論 ………………………………… 96
1) 成人学習理論··························································· 96
2) 行動主義と認知主義と構成主義 ··········································· 96
3) Kolb の経験学修論 ······················································ 97
3. 学修方略を考える際に鍵となる問い ………………………………….. 98
1) 学修者中心か、教育者中心か? ··········································· 98
2) 問題解決型か、情報志向型か? ··········································· 99
3) 統合型か、学問分野基盤型か? ··········································· 99
4) 地域基盤型か、病院基盤型か?(臨床教育) ································· 99
5) 選択型か、必修型か?··················································· 99
6) 系統的か、場当たり的か? ··············································· 99
7) 対面かオンラインか?·················································· 100
8) 同期型か非同期(オンデマンド)型か?(オンライン教育) ···················· 102
9) 教育資源をどのように手配するか? ······································ 102
4. 学修を効果的にするための方法 …………………………………….. 102
1) 反転学修・授業 ……………………………………………….. 103
2) ロールプレイ …………………………………………………. 103
3) シミュレーション ……………………………………………… 103
4) Problem-based Learning (PBL) …………………………………… 103
5) Team-based Learning (TBL) ……………………………………… 103
6) Case-based Discussion (CbD) ……………………………………. 103
7) Peer Learning ………………………………………………… 103
8) 診療参加型臨床実習 ……………………………………………. 104
9) Significant Event Analysis (SEA) ……………………………….. 104
10) 学修ポートフォリオ …………………………………………… 105
Ⅱ.学修評価 ……………………………………………………….. 106
1. 学修評価の考え方 ……………………………………………….. 106
2. 学修評価の方法 …………………………………………………. 108
①医学系 CBT ……………………………………………………. 110
②医学系臨床実習前 OSCE…………………………………………… 110
③医学系臨床実習後 OSCE…………………………………………… 110
3. 学修評価についての問い ………………………………………….. 112
1) 資質・能力の評価 ……………………………………………… 112
2) 臨床実習の評価 ……………………………………………….. 112
3) 科目の評価 …………………………………………………… 113
4) 合否判定 …………………………………………………….. 113
5) 評価法 ………………………………………………………. 113 Ⅲ.方略・評価の事例 ………………………………………………… 114 事例 1.プロフェッショナリズム……………………………………….. 114 事例 2.人体解剖学 …………………………………………………. 118

事例 3.患者中心の医療の方法…………………………………………. 121 事例 4.スポーツ医学………………………………………………… 124 事例 5.共に学ぶ姿勢………………………………………………… 128 事例 6.研究室配属 …………………………………………………. 132 事例 7.臨床微生物学・感染症診療……………………………………… 135 事例 8.医学における情報科学技術の活用………………………………… 138 事例 9.医療面接……………………………………………………. 141 事例 10.多職種連携教育……………………………………………… 144 事例 11.社会における医療の役割………………………………………. 147
診療参加型臨床実習実施ガイドライン………………………………………. 151 Ⅰ. 序章 …………………………………………………………… 154 Ⅱ. 実施体制・実施環境 ………………………………………………. 157 Ⅲ. 目標 …………………………………………………………… 180 Ⅳ. 方略 …………………………………………………………… 195 Ⅴ. 評価 …………………………………………………………… 205 Ⅵ. 参考資料 ……………………………………………………….. 211 参考資料 1「医学教育モデル・コア・カリキュラム」今回の改訂までの経緯 ………… 254 参考資料 2 検討組織の設置・委員名簿 …………………………………….. 255 参考資料 3 医師・歯科医師・薬剤師が関わる法令一覧 ………………………… 261 索引 ………………………………………………………………… 272

 

医学教育モデル・コア・カリキュラムの考え方

1. 大学教育における位置付け
○モデル・コア・カリキュラムの整理

モデル・コア・カリキュラムは、各大学が策定する「カリキュラム」のうち、全大学で共通して取り組むべき
「コア」の部分を抽出し、「モデル」として体系的に整理したものである。このため、従来どおり、各大学にお ける具体的な医学教育は、学修時間数の 3 分の 2 程度を目安にモデル・コア・カリキュラムを踏まえたものと し、残りの 3 分の 1 程度の内容は、各大学の入学者受入れの方針、教育課程編成・実施の方針、卒業認定・学位 授与の方針等に基づき、大学が自主的・自律的に編成するものとする。
こうした取組の実行可能性を高めるために、基本的にはモデル・コア・カリキュラムをスリム化する方針で整 理をしたが、併せて、医学や医療の進歩に伴う知識や技能について、全てを卒前教育において修得することを目 指すものではなく、生涯をかけて修得していくことを前提に、卒前教育で行うべきものを精査する必要があるこ とも強調しておきたい。また、今後の情報・科学技術の更なる進歩に加え、新興・再興感染症等も含めた予測困 難な時代において、患者・生活者や社会の抱える様々な課題の解決に向けて保健医療を実践することが期待され るこれからの医師の養成にあたっては、自ら考える力やリーダーシップを身に付ける必要があり、カリキュラム の過密化は必ずしも望ましい状態ではないことを付言する。
なお、臨床実習を開始する前に修得すべき知識及び技能を具有しているかどうかを評価するために大学が共用 する試験(以下「共用試験」という。)の出題基準は、一義的には共用試験の実施主体において検討されるもので あるが、基本的内容を精選して各大学共通の学修目標を掲載したモデル・コア・カリキュラムを参照して策定さ れているという実態があり、後述する共用試験の公的化によって、モデル・コア・カリキュラムの意義はさらに 重要なものとなる。

○診療参加型臨床実習の更なる促進
令和 3 年 5 月 21 日に成立した、「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療 法等の一部を改正する法律(令和 3 年法律第 49 号)」において、医師法(昭和 23 年法律第 201 号)の改正が行わ れ、大学において医学を専攻する学生であって、共用試験に合格した医学生は、臨床実習において医師の指導監 督の下、医師として具有すべき知識及び技能の修得のために医業を行うことができることとされた(令和 5 年 4 月 1 日施行)。臨床実習における医学生の医業が法的に位置付けられることにより、実践的な診療参加型臨床実 習の充実を促し、卒前教育の更なる質の向上が期待される。診療参加型臨床実習は、単に臨床経験を積み、技能 を向上させるのみならず、診療チームの一員として診療業務を分担し、主体性を持ち積極的に診療に参加するこ とで、患者の背景や価値観、経済的な要因、家族との関係性等、全人的・総合的な医療に必要な視座を高め、医 師の職業的な知識・思考法・技能・態度の基本的な部分を学ぶ機会となることなどが期待されている。
したがって、大学においては、臨床実習に参加する学生の適性と質を保証し、患者の安全とプライバシー保護 に十分配慮した上で、診療参加型臨床実習を更に促進することが求められ、診療参加型臨床実習実施ガイドライ ンを含むモデル・コア・カリキュラムがその一助となることを期待する。

2. 基本理念と背景
○キャッチフレーズ「未来の社会や地域を見据え、多様な場や人をつなぎ活躍できる医療人の養成」

このたび、新型コロナウイルス感染症の流行や、人工知能等の情報・科学技術の活用等による医療技術の高度 化、超高齢社会での多疾患併存患者の増加などによる医療の在り方の変化等を踏まえ、医学・歯学・薬学教育の モデル・コア・カリキュラムを同時に改訂することした。今回の改訂では、変化し続ける未来の社会や地域を見 据え、多様な場や人をつなぎ、活躍できる医療人の養成を目指し、医学・歯学・薬学教育の 3 領域で統一したキ ャッチフレーズを採用した。

人口構造の変化、多疾患併存、多死社会、健康格差、医師偏在、増大する医療費、新興・再興感染症や災害リ スクなど様々な問題に直面し、これらの社会構造の変化は、年を経るにつれ更なる激化が見込まれている。
医療者としての根幹となる資質・能力を培い、多職種で複合的な協力を行い、多様かつ発展する社会の変化の
中で活躍することが求められる。また、患者や家族の価値観に配慮する観点や利他的な態度が重要である。医療 や技術が高度化され、医療を取り巻く環境は大きく変化している中、さらには、人工知能等の情報・科学技術を 含めた医療分野で扱う情報は質も量も拡大・拡張しており、これらを適切に活用した社会への貢献も求められ る。
このような社会の中で状況を的確に把握し、時代の変化や予測困難な事項に多職種と連携、協力しながら柔軟 に対応し、生涯にわたって活躍できる医療人を養成するために、上記キャッチフレーズを念頭に本改訂を実施し た。

○2040 年以降の社会も想定した医学・歯学・薬学において共通して求められる資質・能力
医師養成には、6 年間の卒前教育に加えて、臨床研修や専門研修等など、一定期間の時間を要する。このた め、これらの専門教育を経て、学生が医療人として活躍する 2040 年以降の社会も想定し、モデル・コア・カリ キュラムを改訂する必要がある。2040 年頃、日本の高齢人口はピークを迎えるが、それ以降も高齢化率は上昇を 続けると予測されている。これに伴い、多疾患の併存や、様々な社会的背景を有する患者等の割合の増大が見込 まれ、これらの患者・生活者を総合的にみる姿勢が、医療人として求められる。さらに、生産年齢人口の減少と 相まって、今後日本においては、生産年齢人口負担がますます増加することが予測されるとともに、地理的にみ ると、全国の居住地域の約半数で人口が半減すると予測されており、この急激な人口構造の変化に応じて、大幅 な医療需要の変化に対応できる医療人の養成が、社会的に重要である。加えて、将来医療現場において活用され
うる新規科学技術について、先んじて全てを卒前教育にモデル・コア・カリキュラムとして盛り込むことには限 界があるものの、倫理を含めて基盤となる情報・科学技術を活かす能力について、その素養を身に付ける必要が ある。このため、平成 28 年度改訂版医学教育モデル・コア・カリキュラム(以下、「旧版」という。)の資質・ 能力に、新規に「総合的に患者・生活者をみる姿勢」、「情報・科学技術を活かす能力」の 2 つを加えた。
また、医療人として求められる基本的な資質・能力は、専門分野に関わらず共通している。そこで、今回の改 訂では「求められる基本的な資質・能力」に関して原則として医学・歯学・薬学の 3 領域で共通化した。多職種 の卒前段階の教育の水平的な協調を進め、医療人として価値観を共有することは重要である。

○卒前・卒後の一貫性
卒前教育(共用試験や国際認証を含む)、国家試験、臨床研修、生涯教育等との一貫性について関係機関等と協 議を行い、卒前から卒後までのシームレスな教育を見据えて改訂を行ったことを付言するとともに、関係各位に 謝意を表する。医師養成をめぐる関連制度(共用試験の公的化及び医学生の医業の法的位置付けの明確化、国家 試験出題基準、臨床研修到達目標等)との整合性を担保するための方策を具体化することとし、卒前・卒後の一 貫したシームレスな医師養成の更なる推進を図る。

3. 医学生に求めたいこと
今回の改訂のキャッチフレーズである「多様な場や人をつなぎ活躍できる」ことを達成するためには、医学・ 医療の概念を幅広く捉えることが求められる。
例えば、今日の医師に求められる役割の一つとして、予防医療がある。すなわち、医療全体を考えるにあたっては、病気の診断や治療だけではなく病気の背景を考え、また健康の社会的決定要因、スポーツ・運動や栄養・ 食育の重要性についても認識することが必要である。また、幅広い視野を持つという観点では、患者一人一人が それぞれに社会生活を営んでおり、在宅医療を含め医療現場で目にするのは患者の生活の一場面に過ぎないということを認識することも重要である。これらを意識しながら臨床実をはじめとする学修に臨めば、より有意義な 成果が得られることだろう。
「多様な場や人をつなぎ活躍できる」ということは、これから起こる多様な求めや変化に応えるという受動的な側面だけでなく、医師として多様なキャリアパスが形成でき、多様なチャンスがあるということも意味する。 実際に、現在の医師の大半は臨床に従事しているが、基礎医学や社会医学に加え、法医学や矯正医療、検疫とい った社会機能維持、保健所を含む行政、学校保健や他領域も含めた教育といった多様な領域に進んでいる医師も いる。また、臨床医であっても日々の診療だけでなく、市民向け講座や政策検討、国際保健・医療に参画する等 多様な社会貢献を果たしている。人生 100 年時代において、卒業段階での選択だけではなく、卒後も様々な段階 で多様な選択肢があることを付言する。
また、多様な選択肢の中から自身の進む道を選んだ後においても、医学的関心を幅広く持つことは生涯にわた って求められる。例えば、臨床医になっても診療を行う上でリサーチマインドを絶えず意識し、あるいは研究医 になっても新たな医学的発見を目指す上で常に臨床現場を意識することを努力し続けることが求められる。ま た、異なる立場や場面を意識したり、他の選択肢を選んだ医師との連携を求められることは容易に想像できる。 さらには、医師の間だけで関係性を築くのではなく、医学・医療に関わる多くの人々と積極的に関係を築き、自 らも社会の一員として関心を持ち関与することも、「多様な場や人をつなぎ活躍できる」という目的の達成のた めには必要不可欠なことであろう。
最後に、学問は先人の積み重ねの上に成り立つものであることから、入学した最初の授業から学問の尊さを感じ取り、また、生命は太古の昔からの生活の営みが紡ぎ出すものであることから、臨床体験・実習や解剖学実習 では生命の厳かさや生と死の意味するものを感じ取りながら、学修に臨んでいただきたい。また、医学生の学修 環境は、大学の教職員だけではなく、患者や学外の医学教育関係者等、多くの方々の協力の上に成り立っている ことを忘れてはならない。そのため、自己を理解し、様々な人の支えによって医学を学ぶ機会が得られたことへ の感謝と敬意の念を持ち学修の成果を社会に還元するとともに、地域のリーダーの役割を担い、更に次世代にお ける医学や医療の発展につなぐために、生涯にわたって精進していただきたい。そして何より、一人の社会人と して高い倫理観と教養を持つことを強く求める。

4. 医学教育に携わる各関係者にお願いしたいこと
診療参加型臨床実習や学生の動機づけとしての早期体験実習の実施を含め、医師会、病院団体や地域医療対策 協議会等の行政を含む関係機関との連携を大学に期待したい。特に、今回の改訂で新規に追加した「総合的に患 者・生活者をみる姿勢」に係る資質・能力の教育を実現・充実するため、地域の医療機関等に、在宅医療や各種 保健活動も含め、各大学の実習等へ協力いただければ幸いである。医学教育とりわけ臨床実習は、今後、今まで 以上に医師の地域・診療科偏在や地域包括ケアシステムを意識した内容を含むことが期待される。
また、卒後の医療現場では、チーム医療や多職種連携の観点から、医療系職種に限らず、多くの職種との協働 が求められる。このため、卒前の段階からこれらを意識した教育が実施できるよう、医療関係者におかれては 様々な形でご協力いただきたい。各大学におかれては、必要な学修内容が十分担保できるよう、十分な実験・実 習時間の確保に配慮いただきたい。
なお、教育に当たっては、上記「医学生に求めたいこと」で示した内容についても考慮いただければ幸いであ る。

5. 患者・市民への周知や協力の依頼
改正医療法等により、医学生が行う医業については、法的な位置付けをもって実施することとなった。上記
「医学生に求めたいこと」でも述べたとおり、診療参加型臨床実習の円滑かつ安全な実施にあたっては、患者と して関わる市民の理解が必要不可欠である。実習における患者からの同意については、本書に収録されている
「診療参加型臨床実習実施ガイドライン」でも示しているが、診療参加型臨床実習への市民の協力を広く請うために、各大学で工夫して次の「患者・市民の皆様へのお願い」文面例を利用するなどして、医学教育の必要性と 重要性について周知を図ることが望ましい。
また、文部科学省及び厚生労働省は、市民や大学病院等を受診する患者に対し、教育機関として大学病院等が
果たす役割について周知・啓発し、患者の理解を醸成し、臨床実習を円滑に行うための環境を整備していくこと が求められる。また、大学病院以外で臨床実習を受け入れている病院等においても、同様に適切な同意取得や啓 発活動を進める必要がある。

「患者・市民の皆様へのお願い」文面例

患者・市民の皆様へのお願い

医療者を養成するにあたっては、患者さんご自身やご家族の協力が欠かせません。令和 3 年には医 師法の改正が行われ、大学において医学を専攻する学生であって、当該学生が臨床実習を開始する前 に修得すべき知識及び技能を具有しているかどうかを評価するために大学が共用する試験※を合格し た医学生は、臨床実習において医師の指導監督の下、医業を行うことができることとされました。医 学生は、臨床実習を中心に、様々な形で患者、要介護者等に直接接することによって、必要な資質・ 能力を身に付けていきます。皆様にご協力いただくことにより、将来的に、皆様により良い医療や医 学・医療の進歩といった形で「お返し」できるものですので、大学病院等で医学生を一緒に育ててくださいますよう、ご協力をお願いします。

カ ト ー
※ 第三者機関である公益社団法人医療系大学間共用試験実施評価機構 (CATO)が、知識を問うコンピシービーティー
ューターによる試験(Computer-Based Testing: C B T )と模擬患者さんのご協力を得て技能や態
オスキー
度を評価する試験(Objective Structured Clinical Examination: OSCE)を実施しています。

医学教育モデル・コア・カリキュラム改訂の概要

モデル・コア・カリキュラムの改訂においては、以下 7 つの基本方針に基づき改訂した。

1. 20 年後以降の社会も想定した医師として求められる資質・能力の改訂
2. アウトカム基盤型教育のさらなる展開(学修目標の再編成と方略・評価の整理)
3. 医師養成をめぐる制度改正等との整合性の担保に向けた方策の検討
4. スリム化の徹底と読み手や利用方法を想定した電子化
5. 研究者育成の視点の充実
6. 根拠に基づいたモデル・コア・カリキュラムの内容
7. 歯学・薬学教育モデル・コア・カリキュラムとの一部共通化

Ⅰ. 改訂の方針
1. 20 年後以降の社会も想定した資質・能力の改訂
• 今回の改訂にあたり、医学・医療をとりまく社会の変革や科学技術の進歩などを考慮にいれた「医師 として求められる基本的な資質・能力(以下「資質・能力」という。)1は、生涯にわたり研鑽して獲得 する、医療人としての資質・能力と位置付けて、将来の医師像を明確に示し、第 1 章に記載した。
 我が国の人口構造はいわゆる 2040 年問題として少子高齢化がさらに進み、多疾患併存患者などへ の対応が今後一層求められる。専門分化する医学・医療の中で、患者の心理及び社会文化的背景 や家族・地域社会との関係性を踏まえることのできる能力の重要性が増している。
 モデル・コア・カリキュラムの改訂が行われた後、各大学のカリキュラムが変更されて卒業生を
輩出し、臨床研修・専門研修などを経て社会の中心で医師として活躍するには、おおよそ 15~20 年程度の年月を必要とすることからも、モデル・コア・カリキュラムの目指す医学・医療は 20 年 後の社会を想定しておくことが望まれる。
 情報・科学技術の進歩において 20 年先を想定することは容易ではないが、発展し続ける情報社会
の中で、人工知能(AI)などを含めた科学技術を適正に活用して医療と医学研究を行っていく能力 は、背後にある倫理性も含めて極めて重要である。

2.アウトカム基盤型教育のさらなる展開(学修目標の再編成と方略・評価の整理)
今回の改訂で、最も大きな変更の一つである。
• 従来、科目・教科の順次性に沿ったモデル・コア・カリキュラムであったものを、アウトカム基盤型 教育の考え方に則った資質・能力ごとの記載へと改変した。
 第 2 章を「学修目標」、第 3 章を「学修方略・評価」としてそれぞれ第 1 章に展開した資質・能力
に紐付けて記載している。
• 学修目標

1 モデル・コア・カリキュラムにおける資質・能力の言葉について、文部科学省が用いる用語としての「資質・能力」の定義(※)を踏襲しつつ、
「一人の個人が身に付けることができる資質・能力」の言葉に統一させることで、読者に対してよりわかりやすく表現することを目指した。な お、この資質・能力は、アウトカム基盤型教育における「アウトカム」、コンピテンシー基盤型教育における「コンピテンシー」に相当する。

(※)「資質」「能力」について、例えば、教育基本法第 5 条第 2 項では、義務教育の目的として、「各個人の有する能力を伸ばしつつ社会におい て自立的に生きる基礎を培い、また、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うこと」とされている。ここで、「資質」と は、「能力や態度、性質などを総称するものであり、教育は、先天的な資質を更に向上させることと、一定の資質を後天的に身につけさせると いう両方の観点をもつものである」(田中壮一郎監修『逐条解説 改正教育基本法』第一法規, 2007 年)とされており、「資質」は「能力」を含む 広い概念として捉えられている。

 学修者(医学生)が教育の修了時(卒業時)に「どのような能力を身につけていることが望まれるか」
(意図されたアウトカム)を原点として、第 1 章に示した資質・能力ごとに学修目標を策定した。
 学修目標の記載を 4 層とし、以下の記載とした。
1. 第 1 層を資質・能力として、アルファベットから 2 文字をとった(例: Professionalism
の PR)。第 1 層には資質・能力の概要(目的)を短文で記載した。
2. 第 2 層には、各資質・能力の構成要素をいくつかの「名詞」で表し(例:PR-01 信頼)、学 修者がどのようなことを出来るようになるかを文章で記載している。
3. 第 3 層に、具体的な能力を「名詞」で表現した。(例:PR-01-01 誠実さ)
4. 最後の第 4 層に、具体的な行動を表す「文」として学修目標を記載した。(例:PR-01-01-
01 患者や社会に対して誠実である行動とはどのようなものかを考え、そのように行動す る(利益相反等))
 これにより、旧版での A〜G の構造は発展的に解消している。
 学修目標の抽象度は従来のモデル・コア・カリキュラムを基本的に維持した。
 発展する医学・医療の現状から、モデル・コア・カリキュラムでは肥大化する傾向が強い。後述 するスリム化の検討とともに、総量を増加させないように強く留意した。
• 学修方略・学修評価
 カリキュラムの重要な構成要素である学修方略及び学修評価について、初めて章を立てて記載し た。学修方略と学修者評価は対として考えることが多いことから、学修方略・学修評価を一つの 章としている。
 学修方略においては、有用な概念やモデル(SPICES モデル、Kolb の経験学修モデルなど)や資源に
ついて記述し、教員や学生が聞き馴染みのない用語を紹介した。反転学修やロールプレイ等採用 されつつある学修方法に加えて、昨今進化している情報通信技術(ICT)についても触れている。な お、臨床実習での学修方略については診療参加型臨床実習実施ガイドラインに記載されるため、 第 3 章では臨床実習前の学修方略を中心に記載している。
 学修評価では、「学修評価の考え方」として重要な概念である Miller のピラミッド、資質・能力
の評価、形成的評価と総括的評価、評価の妥当性・信頼性、評価におけるブループリント、評価 の規準と基準について解説した。「学修者評価の方法」の項では、筆記試験(客観試験、記述試 験)、Workplace-based Assessment(観察評価)、OSCE、ポートフォリオ評価について解説するとと もに、「共用試験」と「医師国家試験」についてそれぞれ独立した項目として記載した。重要な概 念として世界的に注目されている Programmatic Assessment についても Good Practice として記 載した。また、「学修者評価についての問い」の項を設け、よりよい学修評価に向けての観点を提 供することを目的とした。「問い」の答えは一つではないことに留意しつつ、各大学の実情に合わ せて参考にしていただきたい。
• より実践的な例として「学修方略と学修評価の Good Practice」を記載した。アウトカム基盤型教育
の実践の一例として参考にして、大学の実情に応じて修正・発展させていただきたい。これらの事例 は、各大学での実施を必須とするものではなく、あくまで参考例として掲載した。

3.医師養成をめぐる制度改正等との整合性の担保に向けた方策の検討
• 共用試験との整合
 医療系大学間共用試験実施評価機構(Common Achievement Tests Organization、以下「CATO」と いう。)の CBT 及び OSCE の問題(課題)策定にモデル・コア・カリキュラムが利活用されてきた実 績がある。
 今回の改訂で、モデル・コア・カリキュラムの構造(資質・能力を中心とした記載)を大きく変更

するにあたり、CATO との調整を重ね、旧版との学修目標の対照表を作成することによって大学や
CATO で混乱が生じないように調整を行った(文部科学省ホームページに掲載)。
 令和 3 年に、医学生の臨床実習における医業が法的に位置付けられたことを受け(法施行は令和 5 年)、厚生労働省において「医学生が臨床実習で行う医業の範囲に関する検討会」が開催され、報 告書が出された。モデル・コア・カリキュラム改訂においてはこの検討会委員及び事務局である 厚生労働省と緊密な情報交換を行い、診療参加型臨床実習実施ガイドライン等に反映させた。
• 医師国家試験との整合
 令和 2 年 11 月には、厚生労働省の医道審議会 医師国家試験改善検討部会において「医師国家試 験改善検討部会 報告書」が出され、出題基準等に関して記載されている。
 医師国家試験の内容が、大学の医学教育に大きな影響を与えるのは自明である。モデル・コア・
カリキュラムは医師国家試験と整合をとるべきであるという考えにたち、上記報告書に記載があ
る「(国家試験の)ブループリントの各論について出題する疾患を厳選すること」に配慮してモデ ル・コア・カリキュラムに記載する疾患について検討を加えた。
 モデル・コア・カリキュラムの改訂が行われて翌年に大学のカリキュラムが変更されることが多
いこと(令和 2 年度医学教育モデル・コア・カリキュラムの次期改訂に向けた調査・研究による)、 カリキュラム変更後の学生が卒業するまでに 6 年を要して医師国家試験を受験することを考慮し
て、引き続き、モデル・コア・カリキュラムと医師国家試験出題基準の整合について継続的な見 直しを行っていくことが重要である。
• シームレスな診療参加型臨床実習の推進
 旧版において、卒後の臨床研修の目標との整合が図られ、卒前実習 2 年+卒後研修 2 年のスコー プが示された。
 モデル・コア・カリキュラム改訂においても、臨床実習と臨床研修が連続した一貫性のあるもの
として理解を深めるように、臨床研修制度を所管する厚生労働省などと連携するとともに、診療 参加型臨床実習実施ガイドラインの中でその一貫性について触れられている。
• 国際標準への対応
 国際的な医学教育認証を行なっている日本医学教育評価機構(Japan Accreditation Council for Medical Education、以下「JACME」とする。)は、大学の医学教育に大きな影響を与えている。領 域 2 の教育プログラム、領域 3 の学修者評価に対する JACME による評価は、モデル・コア・カリ
キュラムに基づく各大学のカリキュラムへの評価の構造となっているため、JACME とモデル・コ ア・カリキュラムの整合をとることは、大学及び学修者にとって重要である。
 このため、JACME と複数回の協議を行い、お互いの整合をとった記載に努めた。

4.スリム化の徹底と読み手や利用方法を想定した電子化
• スリム化
 モデル・コア・カリキュラムのスリム化は従前からの課題であり、医学と医療の進歩によって新 規の学修目標が増加していく中で、厳選すべき学修目標について、専門のチームを編成して全体 で取り組んできた。
 希少疾患の削減は有用な視点である。それぞれの資質・能力が「卒業時」のアウトカムを想定し
た記載とした経緯からも、専門医レベルの記載が必要かどうかの検討を行った。知識領域(専門知 識に基づいた問題解決能力:PS)においては、旧版に記載された疾患について、医師国家試験の出 題基準を含めた包括的な検討を加えた。
 学修目標では、疾患、身体診察、主要症候、主要な臨床・画像検査、基本的臨床手技等を別表化 して整理することにより、読み手にとって理解しやすい構成を目指した。

• 電子化
 さまざまな文書の電子化は時代の流れであり、モデル・コア・カリキュラムを利用する人たちの 利便性を増すことは優先度が高い。一方で、冊子体として発刊する重要性は失われていないと考 えた。
 モデル・コア・カリキュラムを利活用する具体的な対象として、大学のカリキュラム開発者、大
学等の教員・指導医、行政機関、学生などを想定し、電子化することによるメリットを検討した。
 モデル・コア・カリキュラムの電子化では、タグ機能で目的とする章や項目に容易に到達できる こと、検索機能が使用できることを目標とした。

5.研究者育成の視点の充実
• 医学研究の重要性とリサーチマインドの醸成、基礎医学・臨床医学・社会医学の研究が医療の実践の 基盤にあることを重視した。
 詳細は後述の II「改訂の各論」1.④の科学的探究(Research : RE)を参照されたい。

6.根拠に基づいたコアカリ内容
医学教育にあるベストエビデンスと教学データに基づいた科学的なアプローチからコアカリ改訂を進 めた。
• 資質・能力の改訂について
 資質・能力の改訂においては、モデル・コア・カリキュラム改訂に関する調査研究チームの構成 員及び、協力員、有意抽出された医学生及び一般国民を対象に修正 Delphi 法による評価を実施 し、合意を形成した(計 2 回、平均 40 名)。
 海外の状況を参照しつつ、本国の文化に沿ったモデル・コア・カリキュラムとすることを心がけ た。
 知識分野の学修目標にかかる動詞や診療参加型臨床実習の実施などについて、日本医学教育学会
において調査を実施し、調査結果を根拠とした改訂を行った。
• 主要症候について
 主要症候については、医学生が卒業までに経験することが望ましい症状・症候を再検討するため、 国家試験(平成 30 年版医師国家試験出題基準)・卒後教育(臨床研修到達目標)・生涯教育(2021 年 度日本医師会生涯教育制度)といった医師養成課程における一貫性を保つよう、症状・症候を選定 し、一般国民における自覚症状の訴えの多さ(2019 年国民生活基礎調査)により重み付けを行った。 その上で、中でも鑑別診断の候補となる疾患が多臓器にまたがるものを表に列挙した。また、旧 版の症状・症候の鑑別疾患候補一覧に対しては先行研究による修正 Delphi 法を用いた妥当性検証 が実施され、その結果を踏まえて各症状・症候の鑑別診断の候補となる疾患を改訂した。
 特に方略・評価の章において、医学教育における現在の知見を表現するとともに、医学教育研究 の結果と現場で用いる教育者との間の橋渡しとなるよう Good Practice を記載してカリキュラム 開発への参考となるように心がけた。

7.歯学・薬学教育コアカリとの一部共通化
• 「医学教育モデル・コア・カリキュラムの考え方」に記載した内容を再度示す。
 医療人として求められる基本的な資質・能力は、専門分野に関わらず共通している。今回の改訂 では「求められる基本的な資質・能力」に関して原則として医学・歯学・薬学の 3 領域で共通化 した。
 多職種の卒前段階の教育の水平的な協調を進め、医療人として価値観を共有することは重要であ

ると考えたためである。

Ⅱ.改訂の各論
1. 改訂された 資質・能力
第 1 章を「資質・能力」として、10 の資質・能力を掲げた。第 2 章に記載した学修目標との関連も 含め、その概要は以下のとおりである。

① プロフェッショナリズム(Professionalism : PR)
 「人の命に深く関わり健康を守るという医師の職責を十分に自覚し、多様性・人間性を尊重し、利 他的な態度で診療にあたりながら、医師としての道を究めていく。」という医師としての目的を最 初に明示した。
 学修目標として「信頼」「思いやり」「教養」「生命倫理」を挙げ、アウトカムを示している。
 今回のモデル・コア・カリキュラムでは、プロフェッショナリズムに関する学修目標は、資質・能力「PR:プロフェッショナリズム」に紐付く学修目標以外の学修目標にも多数含まれている。資 質・能力「PR:プロフェッショナリズム」では、例えば、資質・能力「GE: 総合的に患者・生活者 をみる姿勢」や「LL: 生涯にわたって共に学ぶ姿勢」に含まれなかったが、医学生・医師として学 び働く上で重要だと考えられる項目について扱うこととした。

② 総合的に患者・生活者をみる姿勢(Generalism: GE)
 今回の改訂で新たに追記した資質・能力である。専門・細分化に進む傾向にある医学・医療の中で、医学生及び医師にとって重要な資質・能力であると考えた。「患者の抱える問題を臓器横断的に捉 えた上で、心理社会的背景も踏まえ、ニーズに応じて柔軟に自身の専門領域にとどまらずに診療を
行い、個人と社会のウェルビーイングを実現する。」と、「総合的」の意味するところを目標に明 示した。
 具体的には、第 2 層で「全人的な視点とアプローチ」「地域の視点とアプローチ」「人生の視点とアプローチ」「社会の視点とアプローチ」の 4 つの視点から提示した。
 「全人的な視点とアプローチ」では、臓器横断的な診療、患者中心の医療、緩和ケアなど包括的な 視点とともに、根拠に基づいた医療(EBM)や行動科学についても扱った。
 「地域の視点とアプローチ」では医療・保健・福祉・介護の観点からプライマリ・ケアを重視した。
 「人生の視点とアプローチ」では、人生のプロセス(ライフサイクル)に沿って、小児期から老年 期・終末期に至る視点をもとに学修することを提示した。
 「社会の視点とアプローチ」は文化的、社会科学的な文脈から総合的に臨床実践に活用することに
ついて述べた。社会医学の各論については、後述の⑩社会における医療の役割の理解(Medicine in
Society : SO)に記載している。

③ 生涯にわたって共に学ぶ姿勢(Lifelong Learning : LL)
 「安全で質の高い医療を実践するために絶えず省察し、他の医師・医療者と共に研鑽しながら、生 涯にわたって自律的に学び続け、積極的に教育に携わっていく。」という目的を明示した。
 生涯学習として、新たな医学情報へのアクセスと省察する姿勢、学修者のキャリア構築に触れた。
 自身が学び続けると同時に、同僚や後進等への医学教育を実践することの重要性を述べている。

④ 科学的探究(Research : RE)
 「医学・医療の発展のための医学研究の重要性を理解し、科学的思考を身に付けながら、学術・研 究活動に関与して医学を創造する。」という目的を掲げ、科学的探究心をもって日常診療に取り組 む臨床医の養成も視野に、研究者育成の視点を充実化した。
 医学・医療の発展のための医学研究の重要性及びリサーチマインドの醸成という観点を重視し、基礎医学・臨床医学・社会医学の研究が医療の実践の基礎にあることを理解する構造とした。
 研究の発信と研究倫理についても学修項目を設定している。

⑤ 専門知識に基づいた問題解決能力(Problem Solving : PS)
 「医学及び関連する学問分野の知識を身に付け、根拠に基づいた医療を基盤に、経験も踏まえなが ら、患者の抱える問題を解決する。」として、単なる記憶による表面的な知識だけでない、より高 いレベルでの専門知識の応用を目的とした。
 旧版で「C 医学一般」の項目の中に散在して表現されていた「基礎医学」を第 2 層に明示し、今の時代に必要な基礎医学の知識について再構成を行った。
 旧版の「D 人体各器官の正常構造と機能、病態、診断、治療」に記載されていた「臓器毎及び全身 におよぶ疾患」を別表化して理解しやすくするとともに、基本となる疾患に「●」を付して明示し た。基本疾患については、医師国家試験の必修の基本的事項を参考にしつつ、高頻度疾患、複数の 領域ないし深い基礎医学の知識が必要な重要病態、頻度は低いが見逃してはならない疾患などを、 医学部卒業時に求められるレベルを考慮して選定している。
 旧版の 「D 人体各器官の正常構造と機能、病態、診断、治療」に記載されていた「人体各器官の
正常構造と機能、病態、診断、治療」を、主に系統別に別表化して全体像を理解しやすくした。
 同じく旧版の「E 全身に及ぶ生理的変化、病態、診断、治療」に記載されていた成長と発達(改訂
版では小児)、遺伝医療・ゲノム医療、免疫アレルギー、感染症、腫瘍などについても同じ構造で 表記し、別表化した。

⑥ 情報・科学技術を活かす能力(Information Technology : IT)
 今後ますます情報・科学技術の医療・医学への活用が進むことを考慮して新設された医学生の資 質・能力である。
 「発展し続ける情報化社会を理解し、人工知能等の情報・科学技術を活用しながら、医学研究・医療を実践する。」と学修の目的を設定した。
 この前提のもと、「情報・科学技術に向き合うための倫理観とルール」、「医療とそれを取り巻く社 会に必要な情報・科学技術の原理」、「診療現場における情報・科学技術の活用」の 3 つの観点に整 理して学修目標を設定した。

⑦ 患者ケアのための診療技能(Clinical Skills : CS)
 「患者の苦痛や不安感に配慮し、確実で信頼される診療技能を磨き、医療の質と患者安全を踏まえ た診療を実践する。」を目的とした。
 「診療技能とは何か」という問いから出発し、「患者の情報収集」、「患者情報の統合、分析と評価、診療計画」、「治療を含む対応の実施」、「診療経過の振り返りと改善」の 4 つに学修目標を整理 して、診療技能の内容とは何かを明確化した。
 「身体診察」、「基本診療科」、「主要症候」、「主要な臨床・画像検査」、「基本的臨床手技」を別表化して読みやすくする工夫をした。
 安全で質の高い医療の実践という重要な観点にもとづき、「医療の質と患者安全」の項目を配置 し、安全で質の高い医療の実践が診療技能における学修目標であることを明確化した。

⑧ コミュニケーション能力(Communication : CM)
 「患者及び患者に関わる人たちと、相手の状況を考慮した上で良好な関係性を築き、患者の意思決定を支援して、安全で質の高い医療を実践する。」とし、「コミュニケーション能力」の目標は第 一義的に「患者とのコミュニケーション」にあることを示した。
 「言葉遣い・態度・身だしなみ・配慮」、「患者の意思決定支援とわかりやすい説明」、及び「患
者・家族のニーズ把握と配慮」を 3 つの柱として構成している。

⑨ 多職種連携能力(Interprofessional Collaboration : IP)

 「医療・保健・福祉・介護など患者・家族に関わる全ての人々の役割を理解し、お互いに良好な関係を築きながら、患者・家族・地域の課題を共有し、関わる人々と協働することができる。」と し、医療者間のコミュニケーションは前述の「⑧コミュニケーション能力」から本項に移動した。
 「医療・保健・福祉・介護」及び「患者・家族・地域」の 2 点をキーワードとしている。

⑩ 社会における医療の役割の理解(Medicine in Society : SO)
 「医療は社会の一部であるという認識を持ち、経済的な観点・地域性の視点・国際的な視野なども 持ちながら、公正な医療を提供し、健康の代弁者として公衆衛生の向上に努める。」という目的を 掲げた。 旧版の「B 社会と医学・医療」の主要な学修目標を本項に移動し、社会の中の医療という視点を重視して 6 つの項目 (社会保障、疫学・医学統計、法医学、社会の構造や変化から捉える医療、国 内外の視点から捉える医療、社会科学の視点から捉える医療)を立てた。

2. 診療参加型臨床実習実施ガイドラインについて
• 章立て
 Ⅰ.序章、Ⅱ.実施体制・実施環境、Ⅲ.目標、Ⅳ.方略、Ⅴ.評価とした。
• 序章
 診療参加型臨床実習の充実を図る意義を記述し、説明図を改訂した。
• 実施体制・実施環境
 安全かつ円滑に医学生を診療に参加させるための組織作りや事前に検討し定めておく必要がある 事項の指針を記述した。
 医学生が臨床実習で行う医業の範囲に関して、改正医師法・施行令(令和 5 年 4 月 1 日施行)及び
医学生が臨床実習で行う医業の範囲に関する検討会報告書(令和 4 年 3 月 15 日)に基づき、各大学 の実習統括部門が定める際の指針ならびに患者同意取得の指針を改訂し、患者相談窓口の設置を 追加した。
 改正医師法により臨床実習で医学生の守秘義務が発生することを追加した。
 学生の安全管理に放射線被ばく管理の指針を新たに記述した。
• 目標
 旧版の G 臨床実習に記述されていた臨床実習の学修目標を診療参加型臨床実習実施ガイドライン に移し、モデル・コア・カリキュラムの学修目標に基づいて改訂した。
• 方略
 旧版の G 臨床実習に記述されていた臨床実習の方略(実習を行う診療科など)をここに移し、臨床 実習を行う診療科等と実習期間を改訂した。(4.臨床実習における「基本診療科」を参照された い)
• 評価
 実習現場での観察評価として、簡易型臨床能力評価(mini-CEX)、直接観察による臨床手技の評価
(DOPS)に加え、症例の担当に関する評価(CbD)を記述した。
 アンプロフェッショナルな学生への対応を改訂した。
 実習活動の記録の電子化として、CC-EPOC を記述した。
• 学修と評価の記録
 各種評価表をモデル・コア・カリキュラムの学修目標に基づいて改訂した。
 実習現場での観察評価として、DOPS を追加した。
• その他(Entrustable Professional Activities : EPAs)
 学生を信頼し任せられる役割(EPAs)の概念を説明した。

 一つの EPA が 10 の資質・能力のどの組み合わせを表す行為か、について例示を行った。
 EPA を評価のために使用する場合、臨床実習のローテート例、評価に用いるツール例、指導監視 なしで当該行為を実施するために必要となる条件、EPA の行為に至るまでのトレーニングなどに ついて例を示した。
 旧版で、学生を信頼し任せられる役割として G 臨床実習に記述されていた項目については、共用
試験実施評価機構(CATO)が「臨床実習終了までに修得すること」として展開していることについ て、【参考】の形で、モデル・コア・カリキュラムの評価の章に移動して記述した。

3. 感染症に関する記載について
• これまでの感染症に関する記載について
 旧版では、A-6 医療の質と安全の管理、B-1 集団に対する医療、C-3 個体の反応、E-2 感染症、
F-2 基本的診療知識などに感染症に関する記載が散在していた。
 新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延により、旧版に基づく医学教育の課題が浮き彫りとな った。
• 感染症に関する学修目標(項目)の整理と厳選
 本事業による令和 2 年度の調査・研究報告書で、「感染症の考え方」を十分に身につけられていな い点が指摘された。
 旧版では「微生物」を中心とする記載が主体であり、実臨床での「思考プロセス」の順序とは異
なっていた。実臨床では、患者の訴え(症状またはプロブレム)を聴取し、病態を想定し、感染症 が鑑別診断に挙がる場合には主たる「臓器」と「原因微生物」を想定するスキルが重要である。 実臨床での思考プロセスを学べるように、学修項目の記載に配慮した。
 具体的な改訂の根幹は、重要な感染症疾患を体系的に学べるように、包括的に「市中感染症」、
「医療関連感染」と記載し、それに含まれる個別疾患で高頻度、重要なものを厳選して別表に提 示した。
 実臨床で必要な「考え方のステップ」を提示するため、PS-01-03「個体の反応」で微生物の総論
としてその微生物が起こす感染症の疫学、感染経路、リスク因子、臨床症状、身体所見、診断、 治療を包括的に学修できるように掲載した。

4. 臨床実習における「基本診療科」について
• 臨床実習における診療科については、旧版(診療参加型臨床実習実施ガイドライン)に記載があるとと もに、JACME の領域 2.5 の日本版注釈にも記載があった。
• 学修者及び各大学でのカリキュラム作成者に混乱をきたさないように、JACME と協議の場を持ち、内 容の整合を図った。
 「診療参加型臨床実習」を推進するためには、1 診療科あたり連続して一定期間以上の配属が必
要である。ただし、すべての診療科について一定期間以上の配属を求めることは、大学の自由度 の観点からも望ましくないことから、診療科を限定することとした。
 診療科については、日本専門医機構が基本にあげている 19 の診療科を「基本診療科」として記載
した。
 内科、外科、小児科、産婦人科、精神科、総合診療の 6 診療科を「原則 1 診療科あたり連続 3 週 間以上」、救急科を「原則 3 週間以上」とした。
 「ただし、全人的な診療能力・態度を涵養する目的で、4 週間以上連続して配属する診療科を1 診
療科以上確保することが重要」と推奨を加えている。
 学外施設における診療参加型臨床実習も大学での実習を補完するものとして可能とした。

l 医学/歯学教育モデルコアカリキュラム(令和4年度改訂版)概要

– 各大学が策定する「カリキュラムJ のうち、全大学で共通して取り組むべき口アJ の部分を抽出し、「モデルjとして体系的に整理したもの。
・初版は平成13年3月に策定。医療を取り囲む環境変化に伴い改訂(平成19年度、22年度、28年度)。
・学生が卒業時までに身に付けておくべき必須の実践的診療能力(知識・技能・態度)に関する学修目標を明確化
・学生の学修時間数の医学:3分の2程度、歯学 :6割程度を目安としたもの (残りは各大学の特色ある独自のカリキュラムを実施)。
『未来の社会や地域を見据え、-多機な場や‘人をつなぎ活躍できる医療人の養成』

第 1 章 医師として求められる基本的な資質・能力

医師は、医師としての基本的な価値観を備えたうえ、安全で質の高い医療を提供し、また、 医学に新たな知 見を積み重ねることができるよう、以下の資質・能力について、生涯にわたって研鑽していくことが求められ る。

  • PR: プロフェッショナリズム(Professionalism) 人の命に深く関わり健康を守るという医師の職責を十分に自覚し、多様性・人間性を尊重し、利他的な態度で 診療にあたりながら、医師としての道を究めていく。
  • GE: 総合的に患者・生活者をみる姿勢(Generalism) 患者の抱える問題を臓器横断的に捉えた上で、心理社会的背景も踏まえ、ニーズに応じて柔軟に自身の専門領 域にとどまらずに診療を行い、個人と社会のウェルビーイングを実現する。
  • LL: 生涯にわたって共に学ぶ姿勢(Lifelong Learning) 安全で質の高い医療を実践するために絶えず省察し、他の医師・医療者と共に研鑽しながら、生涯にわたって 自律的に学び続け、積極的に教育に携わっていく。
  • RE: 科学的探究(Research) 医学・医療の発展のための医学研究の重要性を理解し、科学的思考を身に付けながら、学術・研究活動に関与 して医学を創造する。
  • PS: 専門知識に基づいた問題解決能力(Problem Solving) 医学及び関連する学問分野の知識を身に付け、根拠に基づいた医療を基盤に、経験も踏まえながら、患者の抱 える問題を解決する。
  • IT: 情報・科学技術を活かす能力(Information Technology) 発展し続ける情報化社会を理解し、人工知能等の情報・科学技術を活用しながら、医学研究・医療を実践す る。
  • CS: 患者ケアのための診療技能(Clinical Skills)
    患者の苦痛や不安感に配慮し、確実で信頼される診療技能を磨き、患者中心の診療を実践する。
  • CM: コミュニケーション能力(Communication) 患者及び患者に関わる人たちと、相手の状況を考慮した上で良好な関係性を築き、患者の意思決定を支援し て、安全で質の高い医療を実践する。
  • IP: 多職種連携能力(Interprofessional Collaboration) 医療・保健・福祉・介護など患者・家族に関わる全ての人々の役割を理解し、お互いに良好な関係を築きなが ら、患者・家族・地域の課題を共有し、関わる人々と協働することができる。
  • SO: 社会における医療の役割の理解(Medicine in Society) 医療は社会の一部であるという認識を持ち、経済的な観点・地域性の視点・国際的な視野なども持ちながら、 公正な医療を提供し、健康の代弁者として公衆衛生の向上に努める。

第 2 章 学修目標

PR: プロフェッショナリズム 人の命に深く関わり健康を守るという医師の職責を十分に自覚し、多様性・人間性を尊重し、利他的な態度で 診療にあたりながら、医師としての道を究めていく。

  • PR-01: 信頼
    社会から信頼を得る上で必要なことを常に考え行動する。
  • PR-01-01: 誠実さ
  • PR-01-01-01 患者や社会に対して誠実である行動とはどのようなものかを考え、そのように行動する(利益相 反等)。
    PR-01-01-02 社会から信頼される専門職集団の一員であるためにはどのように行動すべきかを考え、行動す る。
  • PR-01-02: 省察
  • PR-01-02-01 自分自身の限界を適切に認識し行動する。
  • PR-01-02-02 他者からのフィードバックを適切に受け入れる。
  • PR-02: 思いやり
    品格と礼儀を持って、他者を適切に理解し、思いやりを持って接する。
  • PR-02-01: 思いやり
  • PR-02-01-01 患者を含めた他者に思いやりをもって接する。
  • PR-02-01-02 他者に思いやりをもって接することができない場合の原因・背景を考える。
  • PR-02-02: 他者理解と自己理解
  • PR-02-02-01 自身の想像力の限界を認識した上で、他者を理解することに努める。
  • PR-02-02-02 他者を適切に理解するための妨げとなる自分や自集団の偏見とはどのようなものか考え、意識し て行動する。
  • PR-02-03: 品格・礼儀
  • PR-02-03-01 医師に求められる品格とはどのようなものかを考え、それを備えるように努める。
  • PR-02-03-02 礼儀正しく振る舞う。
  • PR-03: 教養
    医師に相応しい教養を身につける。
  • PR-03-01: 教養
  • PR-03-01-01 人の生命に深く関わる医師に相応しい教養を身につける。
  • PR-03-01-02 答えのない問いについて考え続ける。
  • PR-04: 生命倫理
    医療における倫理の重要性を学ぶ。
  • PR-04-01: 臨床倫理
  • PR-04-01-01 生と死に関わる倫理的問題の概要を理解している。
  • PR-04-01-02 多様な価値観を理解して、多職種と連携し、自己決定権を含む患者の権利を尊重する。
  • PR-04-01-03 診療現場における倫理的問題について、倫理学の考え方に依拠し、分析した上で、自身の考えを 述べることができる。

GE: 総合的に患者・生活者をみる姿勢 患者の抱える問題を臓器横断的に捉えた上で、心理社会的背景も踏まえ、ニーズに応じて柔軟に自身の専門領 域にとどまらずに診療を行い、個人と社会のウェルビーイングを実現する。

  • GE-01: 全人的な視点とアプローチ 患者の抱える問題を臓器横断的だけでなく心理・社会的視点で捉え、専門領域にとどまらない姿勢で責任をも って診療に関わり、最善の意思決定や行動科学に基づく臨床実践に関与できる。
  • GE-01-01: 臓器横断的な診療
  • GE-01-01-01 臓器横断的に医学的課題を捉えることができる。
  • GE-01-01-02 適切な医療機関や診療科につなぐ重要性を理解している。
  • GE-01-01-03 基本的なフレームワーク(頻度・重症度・緊急度、解剖学的アプローチ、病態生理学的アプロー チ、二重過程理論、事前確率等)を用いて臨床推論を行うことができる。
    GE-01-01-04 主訴に応じて、必要な医療面接・身体診察・検査を実施できる。
  • GE-01-01-05 診断がつかない健康問題やその介入方法の概要を理解している。
  • GE-01-01-06 多疾患が併存した状態及び複数臓器にまたがる疾患について、その介入方法の概要を理解してい る。
    GE-01-01-07 ポリファーマシーとその介入方法の概要を理解している。
  • GE-01-02: 生物・心理・社会的な問題への包括的な視点
  • GE-01-02-01 身体・心理・社会の問題を統合したアプローチを理解している。
  • GE-01-02-02 個人・家族の双方への影響を踏まえたアプローチを理解している。
  • GE-01-03: 患者中心の医療
  • GE-01-03-01 個々の患者の医療への期待、解釈モデル、健康観を聞き出すことができる。
  • GE-01-03-02 患者の社会的背景(経済的・制度的側面等)が病いに及ぼす影響を理解している。
  • GE-01-03-03 医療の継続性(時間・情報・関係等)がもたらす影響の概要を理解している。
  • GE-01-04: 根拠に基づいた医療 (EBM)
  • GE-01-04-01 根拠に基づいた医療(EBM)の 5 つのステップを列挙できる。
  • GE-01-04-02 PICO(PECO)を用いた問題の定式化ができる。
  • GE-01-04-03 データベースや二次文献からのエビデンス、診療ガイドラインを検索することができる。
  • GE-01-04-04 得られたエビデンスの批判的吟味ができる。
  • GE-01-04-05 診療ガイドラインの種類、推奨の強さ、使用上の注意を理解している。
  • GE-01-04-06 患者の個別性や状況を考慮してエビデンスの適用について考えることができる。
  • GE-01-05: 行動科学
  • GE-01-05-01 行動科学に関する知識・理論・面接法を予防医療、診断、治療、ケアに適用できる。
  • GE-01-05-02 適切な環境調整や認知行動療法を提案できる。
  • GE-01-05-03 健康に関する行動経済学の知識を活用できる。
  • GE-01-06: 緩和ケア
  • GE-01-06-01 緩和ケアの概念を理解した上で、全人的苦痛(身体的苦痛、心理社会的苦痛、スピリチュアルペ イン)を評価できる。
    GE-01-06-02 がん・非がんの症状緩和の薬物療法や非薬物療法の概要を理解している。
  • GE-01-06-03 救急・集中治療における治療・ケアに関して、人生の最終段階における医療(エンド・オブ・ラ イフ・ケア)を踏まえた患者・家族とのコミュニケーションの意義を理解し、頻度の高い苦痛と その対処法・ケアを計画できる。
    GE-01-06-04 慢性疼痛の病態、経過、治療を理解した上で、その対処法・ケアを計画できる。
  • GE-01-06-05 患者の苦痛や不安感に配慮しながら、就学・就労、育児・介護等との両立支援を含め患者と家族 に対して誠実で適切な支援を計画できる。
  • GE-02: 地域の視点とアプローチ 地域の実情に応じた医療・保健・福祉・介護の現状及び課題を理解し、医療の基本としてのプライマリ・ケア の実践、ヘルスケアシステムの質の向上に貢献するための能力を獲得する。
  • GE-02-01: プライマリ・ケアにおける基本概念
  • GE-02-01-01 地域の健康格差を理解し、医療へのアクセス障害等のヘルスケアシステム上の課題を適切に判断 できる。
    GE-02-01-02 患者の所属する地域や文化的な背景が健康に関連することを理解している。
  • GE-02-02: 地域におけるプライマリ・ケア
  • GE-02-02-01 地域(都会・郊外・へき地・離島を含む)の実情に応じた医療と医師の偏在(地域、診療科及び臨 床・非臨床)の現状の概要を理解している。
    GE-02-02-02 地域の医療体制や診療機関の規模・役割に応じて、医療者として柔軟に対応できる。
  • GE-02-02-03 患者の居住する地域における各疾患の罹患率、有病率等の指標を用い、臨床推論で活用できる。
  • GE-02-02-04 地域の量的指標(人口構成等)や質的情報(地理的・歴史的・経済的・文化的背景)を収集し、地域 の健康課題を説明できる。
    GE-02-02-05 地域の住民や医療を提供する上で必要となる専門職と協働した地域の健康増進活動の意義の概要
  • を理解している。
  • GE-02-03: 医療資源に応じたプライマリ・ケア
  • GE-02-03-01 地域の人的・物的資源に応じた医療・サービスを提案できる。
  • GE-02-03-02 離島・へき地や医師不足地域等の医療資源が限られた状況での医療提供体制及び保健・福祉・介 護の体制の概要を理解している。
  • GE-02-04: 在宅におけるプライマリ・ケア
    GE-02-04-01 在宅医療の現状と適応を踏まえて、その必要性や課題の概要を理解している。
  • GE-02-04-02 在宅における緩和ケアや人生の最終段階における医療、看取りの在り方と課題の概要を理解して いる。
  • GE-03: 人生の視点とアプローチ 患者・生活者の成長、発達、老化、死のプロセスを踏まえ、経時的に患者・家族・生活者に起こり得る精神・ 社会・医学的な問題に関与できる。
  • GE-03-01: 人生のプロセス
  • GE-03-01-01 ライフサイクル(胎児期、新生児期、乳幼児期、学童期、思春期、青年期、成人期、壮年期、老 年期、終末期)の視点で、患者の課題を検討できる。
    GE-03-01-02 ライフステージやライフイベントの視点で、健康管理と環境・生活習慣改善を検討できる。
  • GE-03-01-03 家族ライフサイクル・家族成員間関係・家族システムの視点で、患者・家族間の問題(虐待・ネ グレクト等)を指摘できる。
  • GE-03-02: 小児期全般
  • GE-03-02-01 小児期の身体の成長と生理機能の発達について理解している。
  • GE-03-02-02 小児期の正常な精神運動発達について理解している。
  • GE-03-02-03 小児期の愛着形成や保育法・栄養法について理解している。
  • GE-03-02-04 小児期の栄養面での特性や食育について理解している。
  • GE-03-02-05 小児期の免疫発達と感染症の関係について理解している。
  • GE-03-02-06 小児期から成人期への医療の移行について、現状と課題を理解している。
  • GE-03-03: 胎児期、新生児期、乳幼児期
  • GE-03-03-01 胎児の循環・呼吸の生理的特徴と出生時の変化について理解している。
  • GE-03-03-02 新生児・乳幼児の生理的特徴について理解している。
  • GE-03-04: 学童期、思春期、青年期、成人期
    GE-03-04-01 思春期発現の機序と性徴について理解している。
  • GE-03-04-02 学童期、思春期と関連する課題(学業、友達等に関わる課題)について理解している。
  • GE-03-04-03 思春期、青年期と関連する課題(生殖、いのち等に関わる課題)について理解している。
  • GE-03-04-04 成人期と関連する課題(メンタルヘルス、仕事、運動習慣、不妊等に関わる課題)について理解し ている。
  • GE-03-05: 老年期
  • GE-03-05-01 老化に伴う臓器や身体機能の変化、それに伴う生理的変化、老化機構について理解している。
  • GE-03-05-02 高齢者総合機能評価を実施できる。
  • GE-03-05-03 老年症候群(歩行障害・転倒、認知機能障害、排泄障害、栄養障害、摂食嚥下障害等)について理 解している。
    GE-03-05-04 フレイル、サルコペニア、ロコモティブシンドロームの概念、その対処法、予防について理解している。
  • GE-03-05-05 国際生活機能分類について理解している。
  • GE-03-05-06 高齢者の栄養マネジメントについて理解している。
  • GE-03-05-07 日常生活動作に応じた介護と環境整備について理解している。
  • GE-03-06: 終末期
  • GE-03-06-01 死の概念と定義や生物学的な個体の死について理解している。
  • GE-03-06-02 死に至る身体と心の過程の知識を活用して、患者や家族がもつ死生観を配慮できる。 GE-03-06-03 人生の最終段階における医療(エンド・オブ・ライフ・ケア)について理解している。 GE-03-06-04 小児の終末期の特殊性について理解している。
    GE-03-06-05 ACP、事前指示書遵守、延命治療、蘇生不要指示、尊厳死と安楽死、治療の中止と差し控え等に ついて理解している。
    GE-03-06-06 悲嘆のケア(グリーフケア)について理解している。
  • GE-04: 社会の視点とアプローチ 文化的・社会的文脈のなかで生成される健康観や人々の言動・関係性を理解し、文化人類学・社会学(主に医療 人類学・医療社会学)の視点から、それを臨床実践に活用できる。
  • GE-04-01: 医学的・文化的・社会的文脈における健康
  • GE-04-01-01 患者の健康観や病いに対する価値観を理解するうえで、健康に関わる知識(定義、健康寿命、健 康生成論、ウェルビーイング、QOL、SDH、ICF、UHC 等)を活用し、健康問題に対する包括的アプ ローチが実践できる。
    GE-04-01-02 患者が受療に至るまでにどのような過程があるかを生活者の視点から説明できる。
  • GE-04-01-03 栄養やエネルギー代謝に関する知識や統計情報をもとに個人の栄養状態を評価でき、本人や家族 の生活や価値観も踏まえた上で食生活の支援を計画できる。
    GE-04-01-04 身体活動、スポーツ医・科学(競技スポーツ以外も含む)の知識や統計情報をもとに個人の生活活動を評価でき、本人や家族の生活や価値観も踏まえた上で活動や運動の支援を計画できる。
  • GE-04-01-05 休養や心の健康について知識や統計情報をもとに評価し、本人や家族の生活や価値観も踏まえた 上で支援を計画できる。
    GE-04-01-06 喫煙や飲酒に関して、喫煙や飲酒による健康影響の知識や統計情報をもとに、本人や家族の生活や価値観を踏まえた評価や支援を計画できる。
  • GE-04-01-07 健康の社会的決定要因とアドボカシーの概要について理解している。
  • GE-04-02: 社会科学
  • GE-04-02-01 人の言動の意味をその人の人生史・生活史や社会関係の文脈の中において検討できる。
  • GE-04-02-02 文化人類学・社会学(主に医療人類学・医療社会学)の視点で、患者やその家族と生活環境・地域 社会・医療機関等との関係について説明できる。
    GE-04-02-03 文化人類学・社会学(主に医療人類学・医療社会学)の理論や概念を用いて、患者の判断や行動に関わる諸事象を説明できる。

LL: 生涯にわたって共に学ぶ姿勢 安全で質の高い医療を実践するために絶えず省察し、他の医師・医療者と共に研鑽しながら、生涯にわたって 自律的に学び続け、積極的に教育に携わっていく。

  • LL-01: 生涯学習
    生涯学び続ける価値観を形成する。
  • LL-01-01: 生涯学習の実践
  • LL-01-01-01 医学知識が常に変わりゆくことを認識し、現時点での最善の医学情報にアクセスできる。
  • LL-01-01-02 学修・経験したことを省察し、自己の課題を明確にできる。
  • LL-01-02: キャリア開発
  • LL-01-02-01 自身の職業観を涵養しながら、主体的にキャリアを構築していくことができる。
  • LL-01-02-02 自らの心身を大切にできる。
  • LL-02: 医療者教育
    医師・医学生に限らず、同僚や後輩を含む医療者への教育に貢献する。
  • LL-02-01: 医療者教育の実践
  • LL-02-01-01 後輩や同僚等と協働して学修できる。
  • LL-02-01-02 後輩や同僚等に対して、適切にフィードバックできる。
  • LL-02-01-03 成人学習理論を活用し、後輩や同僚等に対して教育を実践できる。

RE: 科学的探究 医学・医療の発展のための医学研究の重要性を理解し、科学的思考を身に付けながら、学術・研究活動に関与 して医学を創造する。

  • RE-01: リサーチマインド
    知的好奇心を満たす喜びとオリジナリティの重要性を知る。
  • RE-01-01: 能動的姿勢
  • RE-01-01-01 常識を疑う。
  • RE-01-01-02 何事にも知的好奇心を持って取り組むことができる。
  • RE-01-02: 探究心
  • RE-01-02-01 最先端の研究に刺激を受ける。
  • RE-01-02-02 ロールモデルとしての研究者の生き方に触れる。
  • RE-02: 既知の知
    先人の偉業を知り、新たな発想を育む。
  • RE-02-01: 医学と医療
  • RE-02-01-01 医療の実践が基礎医学・臨床医学・社会医学の研究に基づいていることを理解する。
  • RE-02-02: 論文読解
  • RE-02-02-01 医学論文(英語)を読んで概要を理解する。
  • RE-03: 研究の実施
    自然科学・人文社会科学の研究手法を体験し理解する。
  • RE-03-01: 問い
  • RE-03-01-01 自身の関心を問いにすることができる。
  • RE-03-02: 研究計画
  • RE-03-02-01 研究計画の素案を作ることができる。
  • RE-03-03: 研究手法
  • RE-03-03-01 基礎医学の実習から基本的な実験手技を体得する。
  • RE-03-03-02 社会医学(行動科学を含む)の実習から基本的な研究方法論を体得する。
  • RE-03-03-03 研究室配属等で医学研究の基本的な研究手法を修得する。
  • RE-03-04: 研究結果
  • RE-03-04-01 研究データを適切に記録、管理できる。
  • RE-04: 研究の発信
    研究の意義・内容を他者に説明し討論する。
  • RE-04-01: 研究発表
  • RE-04-01-01 自身の行った研究内容を論文や報告書・学会発表等の形にまとめることができる。
  • RE-04-01-02 発表の場に応じて読者・聴衆にわかりやすく研究内容をプレゼンテーションできる。
  • RE-04-01-03 他の研究者の発表に対して質問や意見を述べることができる。
  • RE-05: 研究倫理
    法令遵守ならびに人権尊重し、医学生として正しく行動する。
  • RE-05-01: 適切な研究遂行
  • RE-05-01-01 捏造、改ざん、盗用等を含め研究不正の類型を説明することができ、研究不正を行わない。
  • RE-05-02: 対象者の保護
  • RE-05-02-01 人を対象とした研究(治験、特定臨床研究を含む)に関するルールの概要を理解し、遵守する。
  • RE-05-02-02 利益相反や動物・遺伝子組み換え実験に関するルールの概要を理解し、遵守する。

PS: 専門知識に基づいた問題解決能力 医学及び関連する学問分野の知識を身に付け、根拠に基づいた医療を基盤に、経験も踏まえながら、患者の抱 える問題を解決する。

  • PS-01: 基礎医学 分子レベルから個体レベルまでの、生命現象、細胞から個体の構成と機能、個体の反応を解し、その破綻によ る病因と病態を理解する。
  • PS-01-01: 生命現象の科学
  • PS-01-01-01 細胞の観察法について概要を理解している。
  • PS-01-01-02 細胞の全体像を図示できる。
  • PS-01-01-03 核とリボソーム、小胞体、ゴルジ体、リソソーム等の細胞内膜系、ミトコンドリア、葉緑体、細 胞骨格の種類とその構造と機能について概要を理解している。
    PS-01-01-04 細胞膜の構造と機能、細胞同士の接着と結合様式について概要を理解している。
  • PS-01-01-05 原核細胞と真核細胞の特徴について理解している。
  • PS-01-01-06 メンデルの法則、ミトコンドリア遺伝、エピゲノム修飾(インプリンティングを含む)及び多因子 遺伝について理解している。
    PS-01-01-07 遺伝型と表現型の関係について理解している。
  • PS-01-01-08 染色体の構造を理解し、ゲノムと染色体及び遺伝子の構造と関係性、体細胞分裂及び減数分裂に おける染色体の挙動について理解している。
    PS-01-01-09 DNA の複製と修復、DNA から RNA への転写、タンパク質合成に至る翻訳を含む遺伝情報の発現及
  • び調節(セントラルドグマ)について理解している。
  • PS-01-01-10 染色体分析・DNA 配列決定を含むゲノム解析技術について概要を理解している。
  • PS-01-01-11 ゲノム編集技術とその応用について概要を理解している。
  • PS-01-01-12 進化の基本的な考え方について理解している。
  • PS-01-01-13 生物種とその系統関係について理解している。
  • PS-01-01-14 アミノ酸配列や塩基配列の比較による分子系統樹について概要を理解している。
  • PS-01-02: 個体の構成と機能
  • PS-01-02-01 細胞内液・外液のイオン組成、及び浸透圧と(静止)膜電位の形成機構について理解している。
  • PS-01-02-02 細胞膜のイオンチャネル、ポンプ及び膜を介する物質の能動・受動輸送過程について理解してい る。
    PS-01-02-03 活動電位の発生機構と伝導、シナプス(神経筋接合部を含む)の形態とシナプス伝達の機能(興奮性、抑制性)と可塑性について理解している。
  • PS-01-02-04 情報伝達の種類と機能について理解している。
  • PS-01-02-05 受容体の種類・細胞内局在・機能、受容体による細胞内シグナル伝達過程について理解してい る。
    PS-01-02-06 液性因子による細胞間情報伝達(自己分泌、傍分泌、内分泌)について理解している。
  • PS-01-02-07 細胞骨格を構成するタンパク質とその機能、アクチンフィラメント系による細胞運動について概 要を理解している。
  • PS-01-02-08 細胞膜を介する分泌と吸収の過程と細胞内輸送システム、微小管の役割や機能について理解して いる。
    PS-01-02-09 軸索輸送、軸索の変性と再生について理解している。
  • PS-01-02-10 上皮組織と腺の構造と機能について理解している。
  • PS-01-02-11 支持組織を構成する細胞と細胞間質(線維成分と基質)について理解している。
  • PS-01-02-12 血管とリンパ管の微細構造と機能について理解している。
  • PS-01-02-13 神経組織の微細構造について理解している。
  • PS-01-02-14 筋組織について、骨格筋、心筋、平滑筋の構造と機能を対比して理解している。
  • PS-01-02-15 組織の再生の機序について理解している。
  • PS-01-02-16 位置関係を方向用語(上・下、前・後、内側・外側、浅・深、頭側・尾側、背側・腹側、近位・ 遠位、内転・外転)で理解している。
    PS-01-02-17 刺激に対する感覚受容の種類と機序について理解している。
  • PS-01-02-18 反射について理解している。
  • PS-01-02-19 生体の恒常性維持と適応、恒常性維持のための調節機構(フィードバック調節)について理解して いる。
    PS-01-02-20 生体機能や体内環境のリズム性変化について理解している。
  • PS-01-02-21 生体の恒常性維持における常在菌・腸内細菌と宿主との相互作用の重要性について理解してい る。
    PS-01-02-22 配偶子の形成から出生に至る一連の経過と胚形成の全体像、胚内体腔の形成過程について概要を理解している。
  • PS-01-02-23 体節の形成と分化、咽頭弓・咽頭嚢(鰓弓・鰓嚢)の分化、頭・頸部と顔面・口腔の形成過程につ いて理解している。
    PS-01-02-24 体幹と四肢の骨格と筋、心血管系、泌尿生殖器系各器官の形成過程について理解している。
  • PS-01-02-25 消化・呼吸器系各器官の形成過程について理解している。
  • PS-01-02-26 神経管の分化と脳、脊髄、視覚器、平衡聴覚器と自律神経系、皮膚の形成過程について理解して いる。
    PS-01-02-27 酵素の機能と調節について理解している。
  • PS-01-02-28 糖質の構造、代謝と調節(解糖、クエン酸回路、電子伝達系と酸化的リン酸化、グリコーゲン代 謝、糖新生、五炭糖リン酸回路)、生理的意義について理解している。
    PS-01-02-29 タンパク質の構造、代謝と調節、生理的意義、主要なアミノ酸の代謝、尿素回路を理解してい る。
    PS-01-02-30 脂質の構造、代謝と調節、生理的意義、脂質の輸送(リポタンパク質)を理解している。
  • PS-01-02-31 ヘム・ポルフィリンの代謝について概要を理解している。
  • PS-01-02-32 ヌクレオチドの合成・異化・再利用経路について理解している。
  • PS-01-02-33 酸化ストレス(フリーラジカル、活性酸素)について概要を理解している。
  • PS-01-02-34 ビタミン、微量元素の種類と作用について理解している。
  • PS-01-02-35 栄養素の相互変換とエネルギー代謝(エネルギーの定義、食品中のエネルギー値、エネルギー消 費量、推定エネルギー必要量)について理解している。
    PS-01-02-36 空腹時、飢餓時、食後、過食時と運動時における代謝について理解している。
  • PS-01-02-37 複合糖質、複合脂質について概要を理解している。
  • PS-01-03: 個体の反応
  • PS-01-03-01 原核生物としての細菌の構造と機能の違いについて真核生物と比較して理解している。
  • PS-01-03-02 細菌の感染経路を分類し、細菌が疾病を引き起こす機序について理解している。
  • PS-01-03-03 細菌の産生するタンパク質性毒素、非タンパク質性毒素の作用機序について理解している。
  • PS-01-03-04 主なグラム陽性球菌、グラム陽性桿菌、グラム陰性球菌、グラム陰性桿菌の細菌学的特徴、リス ク因子、感染経路と病態を説明し、それが引き起こす疾患を列挙できる。
    PS-01-03-05 抗酸菌の細菌学的特徴、リスク因子、感染経路と病態を説明し、それが引き起こす疾患を列挙できる。
  • PS-01-03-06 らせん状細菌、マイコプラズマ、リケッチア、クラミジアの微生物学的特徴とそれが引き起こす 疾患を列挙できる。
    PS-01-03-07 生体各部の細菌叢(マイクロバイオーム)の構成菌、細菌叢の機能について概要を理解している。
  • PS-01-03-08 ウイルス粒子の構造と性状によりウイルスを分類できる。
  • PS-01-03-09 ウイルス感染の種特異性、組織特異性と吸着、侵入、複製、成熟と放出の各過程、ウイルス感染 細胞に起こる変化について理解している。
    PS-01-03-10 主な DNA ウイルスの特徴、リスク因子、感染経路と病態を説明し、これらのウイルスが引き起こす疾患名を列挙できる。
  • PS-01-03-11 主な RNA ウイルスの特徴、リスク因子、感染経路と病態を説明し、これらのウイルスが引き起こ す疾患名を列挙できる。
    PS-01-03-12 真菌(接合菌、子嚢菌、担子菌、不完全菌)の微生物学的特徴、リスク因子、感染経路と病態を説明し、それが引き起こす疾患を列挙できる。
  • PS-01-03-13 寄生虫の分類、形態学的特徴、生活史、リスク因子、感染経路と病態、感染疫学的意義、寄生虫 感染宿主の生体防御の特徴について理解している。
  • PS-01-03-14 微生物の特性に応じた治療薬の作用機序について概要を理解している。
  • PS-01-03-15 微生物感染症に対するワクチンの原理、種類とそれに対する問題点について理解している。
  • PS-01-03-16 人獣共通感染症の原因となる微生物について、その生活史、リスク因子、感染経路と病態、感染 疫学的意義について理解している。
    PS-01-03-17 媒介性感染症の原因となる微生物について、その生活史、リスク因子、感染経路と病態、感染疫学的意義を理解している。
  • PS-01-03-18 免疫反応に関わる組織と細胞について理解している。
  • PS-01-03-19 補体及び自然免疫細胞が病原体により活性化し、炎症を引き起こす仕組みについて理解してい る。
    PS-01-03-20 主要組織適合遺伝子複合体クラス I とクラス II の基本構造と機能、抗原提示による T 細胞活性
  • 化の仕組みについて理解している。
  • PS-01-03-21 免疫グロブリンと T 細胞抗原レセプターの構造と反応様式、免疫グロブリンと T 細胞抗原レセプ ター遺伝子の構造と遺伝子再構成に基づき、多様性獲得の機構について理解している。
    PS-01-03-22 ヘルパーT 細胞(Th1 cell、Th2 cell、Th17 cell)、細胞傷害性 T 細胞、制御性 T 細胞それぞれが担当する生体防御反応について理解している。
  • PS-01-03-23 B 細胞の活性化による抗体産生の機構及び抗体の役割を理解している。
  • PS-01-03-24 自然免疫系を構成する主な細胞とそれらの活性化機構(TLR 等)を理解している。
  • PS-01-03-25 抗原提示細胞の種類と役割、抗原提示機構について理解している。
  • PS-01-03-26 ウイルス、細菌、真菌と寄生虫に対する免疫応答の特徴の概要について理解している。
  • PS-01-03-27 原発性免疫不全症候群と後天性免疫不全症候群の概要について理解している。
  • PS-01-03-28 免疫寛容の維持機構とその破綻による自己免疫疾患の発症について理解している。
  • PS-01-03-29 アレルギー発症の機序について理解している。
  • PS-01-03-30 がん免疫に関わる細胞性機序について理解している。
  • PS-01-03-31 生体(あるいは生体群)の薬物・毒物反応性について、用量反応曲線を理解している。
  • PS-01-03-32 薬物の受容体結合・薬理作用の関連性及び作動薬・拮抗薬について理解している。
  • PS-01-03-33 薬物の有害作用、薬物間相互作用について概要を理解している。
  • PS-01-04: 病因と病態
  • PS-01-04-01 ゲノムの多様性に基づく個体の多様性について理解している。
  • PS-01-04-02 単一遺伝子疾患、染色体異常による疾患、ミトコンドリア遺伝子の変異による疾患を挙げ、遺伝 様式を含め理解している。
    PS-01-04-03 多因子疾患における遺伝要因と環境要因の関係について理解している。
  • PS-01-04-04 薬剤の有効性や安全性とゲノムの多様性との関係について概要を理解している。
  • PS-01-04-05 ネクローシスとアポトーシスの違いを含め、細胞傷害・変性と細胞死の多様性、病因と意義につ いて理解している。
    PS-01-04-06 細胞傷害・変性と細胞死の細胞と組織の形態的変化の特徴について理解している。
  • PS-01-04-07 糖代謝異常の病態について理解している。
  • PS-01-04-08 タンパク質・アミノ酸代謝異常の病態について理解している。
  • PS-01-04-09 脂質代謝異常の病態について理解している。
  • PS-01-04-10 核酸・ヌクレオチド代謝異常の病態について理解している。
  • PS-01-04-11 ビタミン、微量元素の代謝異常の病態について理解している。
  • PS-01-04-12 メタボリックシンドロームの病態について概要を理解している。
  • PS-01-04-13 血行障害(阻血、低酸素血、充血、うっ血、出血)の違いとそれぞれの病因と病態、梗塞(血栓、 塞栓)の種類と病態について理解している。
    PS-01-04-14 血圧異常(高血圧、低血圧)について理解している。
  • PS-01-04-15 炎症の定義について理解している。
  • PS-01-04-16 炎症の分類、組織形態学的変化と経時的変化(局所的変化と全身的変化)について理解している。
  • PS-01-04-17 炎症組織の治癒過程について理解している。
  • PS-01-04-18 炎症とメタボリックシンドローム、動脈硬化、腫瘍、老化への関わりについて理解している。
  • PS-01-04-19 自律性の増殖、良性腫瘍と悪性腫瘍の違いについて理解している。
  • PS-01-04-20 がんの原因や遺伝子変化について概要を理解している。
  • PS-01-04-21 用語(異形成、上皮内癌、進行癌、早期癌、異型性、多形性等)について理解している。
  • PS-01-04-22 がんの病理診断と治療の関わりについて概要を理解している。
  • PS-01-04-23 がんの転移について概要を理解している。
  • PS-01-04-24 がんの免疫系による排除機構について概要を理解している。
  • PS-02: 人体各器官の正常構造と機能、病態、診断、治療 人体各器官の構造と機能を理解し、主な疾患の病因、病態生理、症候、診断と治療の知識を臨床的に使用でき る。
  • PS-02-01: 総論
  • PS-02-01-01 臓器毎及び全身におよぶ疾患について理解している(表 1)。
  • PS-02-02: 血液・造血器・リンパ系(表 2-1)
  • PS-02-02-01 血液・造血器・リンパ系の構造と機能について基本的事項を理解している。
  • PS-02-02-02 血液・造血器・リンパ系でみられる症候について理解している。
  • PS-02-02-03 血液・造血器・リンパ系で行う検査方法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-02-04 血液・造血器・リンパ系疾患に特異的な治療法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-02-05 血液・造血器・リンパ系の疾患・病態について病因、疫学、症候、検査、診断、治療法を理解し ている。
  • PS-02-03: 神経系(表 2-2)
    PS-02-03-01 神経系の構造と機能について基本的事項を理解している。
  • PS-02-03-02 神経系でみられる症候について理解している。
  • PS-02-03-03 神経系で行う検査方法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-03-04 神経系疾患に特異的な治療法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-03-05 神経系の疾患・病態について病因、疫学、症候、検査、診断、治療法を理解している。
  • PS-02-04: 皮膚系(表 2-3)
  • PS-02-04-01 皮膚系の構造と機能について基本的事項を理解している。
  • PS-02-04-02 皮膚系でみられる症候について理解している。
  • PS-02-04-03 皮膚系で行う検査方法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-04-04 皮膚系疾患に特異的な治療法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-04-05 皮膚系の疾患・病態について病因、疫学、症候、検査、診断、治療法を理解している。
  • PS-02-05: 運動器(筋骨格)系(表 2-4)
  • PS-02-05-01 運動器(筋骨格)系の構造と機能について基本的事項を理解している。
  • PS-02-05-02 運動器(筋骨格)系でみられる症候について理解している。
  • PS-02-05-03 運動器(筋骨格)系で行う検査方法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-05-04 運動器(筋骨格)系疾患に特異的な治療法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-05-05 運動器(筋骨格)系の疾患・病態について病因、疫学、症候、検査、診断、治療法を理解し ている。
  • PS-02-06: 循環器系(表 2-5)
  • PS-02-06-01 循環器系の構造と機能について基本的事項を理解している。
  • PS-02-06-02 循環器系でみられる症候について理解している。
  • PS-02-06-03 循環器系で行う検査方法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-06-04 循環器系疾患に特異的な治療法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-06-05 循環器系の疾患・病態について病因、疫学、症候、検査、診断、治療法を理解している。
  • PS-02-07: 呼吸器系(表 2-6)
  • PS-02-07-01 呼吸器系の構造と機能について基本的事項について理解している。
  • PS-02-07-02 呼吸器系でみられる症候について理解している。
  • PS-02-07-03 呼吸器系で行う検査方法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-07-04 呼吸器系疾患に特異的な治療法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-07-05 呼吸器系の疾患・病態について病因、疫学、症候、検査、診断、治療法を理解している。
  • PS-02-08: 消化器系(表 2-7)
  • PS-02-08-01 消化器系の構造と機能について基本的事項を理解している。
  • PS-02-08-02 消化器系でみられる症候について理解している。
  • PS-02-08-03 消化器系で行う検査方法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-08-04 消化器系疾患に特異的な治療法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-08-05 消化器系の疾患・病態について病因、疫学、症候、検査、診断、治療法を理解している。
  • PS-02-09: 腎・尿路系(体液・電解質バランスを含む)(表 2-8)
  • PS-02-09-01 腎・尿路系の構造と機能について基本的事項を理解している。
  • PS-02-09-02 腎・尿路系でみられる症候について理解している。
  • PS-02-09-03 腎・尿路系で行う検査方法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-09-04 腎・尿路系疾患に特異的な治療法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-09-05 腎・尿路系の疾患・病態について病因、疫学、症候、検査、診断、治療法を理解している。
  • PS-02-10: 生殖器系(表 2-9)
  • PS-02-10-01 生殖器系の構造と機能について基本的事項を理解している。
  • PS-02-10-02 生殖器系でみられる症候について理解している。
  • PS-02-10-03 生殖器系で行う検査方法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-10-04 生殖器系に関する疾患に特異的な治療法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-10-05 生殖器系に関する疾患・病態について病因、疫学、症候、検査、診断、治療法を理解している。
  • PS-02-11: 妊娠と分娩(表 2-10)
  • PS-02-11-01 妊娠と分娩に関する構造と機能について基本的事項を理解している。
  • PS-02-11-02 妊娠と分娩でみられる症候について理解している。
  • PS-02-11-03 妊娠と分娩で行う検査方法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-11-04 妊娠と分娩に特異的な治療法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-11-05 妊娠と分娩に関する疾患・病態について病因、疫学、症候、検査、診断、治療法を理解してい る。
  • PS-02-12: 小児(表 2-11)
  • PS-02-12-01 小児にみられる症候について理解している。
  • PS-02-12-02 小児で行う検査方法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-12-03 小児に特異的な治療法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-12-04 小児の疾患・病態について病因、疫学、症候、検査、診断、治療法を理解している。
  • PS-02-13: 乳房(表 2-12)
  • PS-02-13-01 乳房の構造と機能について基本的事項を理解している。
  • PS-02-13-02 乳房でみられる症候について理解している。
  • PS-02-13-03 乳房に関して行う検査方法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-13-04 乳房疾患に特異的な治療法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-13-05 乳房に関する疾患・病態について病因、疫学、症候、検査、診断、治療法について理解してい る。
  • PS-02-14: 内分泌・栄養・代謝系(表 2-13)
    PS-02-14-01 内分泌・栄養・代謝系の構造と機能について基本的事項を理解している。
  • PS-02-14-02 内分泌・栄養・代謝系でみられる症候について理解している。
  • PS-02-14-03 内分泌・栄養・代謝系で行う検査方法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-14-04 内分泌・栄養・代謝系疾患に特異的な治療法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-14-05 内分泌・栄養・代謝系の疾患・病態について病因、疫学、症候、検査、診断、治療法を理解して いる。
    PS-02-14-06 メタボリックシンドロームの病態について理解している。
  • PS-02-15: 眼・視覚系(表 2-14)
  • PS-02-15-01 眼・視覚系の構造と機能について基本的事項を理解している。
  • PS-02-15-02 眼・視覚系でみられる症候について理解している。
  • PS-02-15-03 眼・視覚系で行う検査方法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-15-04 眼・視覚系疾患に特異的な治療法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-15-05 眼・視覚系の疾患・病態について病因、疫学、症候、検査、診断、治療法を理解している。
  • PS-02-16: 耳鼻・咽喉・口腔系(表 2-15)
  • PS-02-16-01 耳鼻・咽喉・口腔系の構造と機能について基本的事項を理解している。
  • PS-02-16-02 耳鼻・咽喉・口腔系でみられる症候について理解している。
  • PS-02-16-03 耳鼻・咽喉・口腔系で行う検査方法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-16-04 耳鼻・咽喉・口腔系疾患に特異的な治療法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-16-05 耳鼻・咽喉・口腔系の疾患・病態について病因、疫学、症候、検査、診断、治療法を理解してい る。
  • PS-02-17: 精神系(表 2-16)
  • PS-02-17-01 脳とこころの働きについて基本的事項を理解している。
  • PS-02-17-02 精神系でみられる症候について理解している。
  • PS-02-17-03 精神系で行う検査方法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-17-04 精神系疾患に特異的な治療法について基本的事項を理解している。
  • PS-02-17-05 精神系の疾患・病態について病因、疫学、症候、検査、診断、治療法を理解している。
  • PS-03: 全身に及ぶ生理的変化、病態、診断、治療 器官横断的で全身に及ぶ生理的変化を理解し、主な疾患の病因、病態生理、症候、診断と治療の知識を臨床的 に使用できる。
  • PS-03-01: 遺伝医療・ゲノム医療
  • PS-03-01-01 集団遺伝学の基礎としてハーディ・ワインベルグの法則について概要を理解している。
  • PS-03-01-02 家系図を作成し、評価できる。
  • PS-03-01-03 生殖細胞系列変異と体細胞変異の違い、遺伝学的検査の目的と意義について理解している。
  • PS-03-01-04 遺伝情報の特性(不変性、予見性、共有性、あいまい性)について理解している。
  • PS-03-01-05 遺伝カウンセリングの意義と方法について理解している。
  • PS-03-01-06 遺伝医療における倫理的・法的・社会的配慮について理解している。
  • PS-03-01-07 遺伝医学関連情報にアクセスすることができる。
  • PS-03-01-08 遺伝情報に基づく治療や予防をはじめとする未発症者を含む患者・家族への適切な対処法につ いて概要を理解している。
  • PS-03-02: 免疫・アレルギー
  • PS-03-02-01 膠原病、血管炎、リウマチ性疾患、アレルギー性疾患、自己免疫疾患の概念を区別して理解し、 それぞれに含まれる疾患を列挙できる(表 1)。
    PS-03-02-02 膠原病、血管炎、リウマチ性疾患、アレルギー性疾患、自己免疫疾患でみられる症状・症候につ いて説明できる(表 2-17)。
    PS-03-02-03 免疫血清学検査の原理と検査結果の臨床的意義について理解している(表 2-17)。
  • PS-03-02-04 膠原病、血管炎、リウマチ性疾患、アレルギー性疾患、自己免疫疾患に使用する治療薬について 理解している(表 2-17)。
    PS-03-02-05 膠原病、血管炎、リウマチ性疾患、アレルギー性疾患、自己免疫疾患の疾患・病態について病 因、疫学、症候、主な検査・診断、治療法、合併症を説明できる(表 2-17)。
  • PS-03-03: 感染症(表 2-18)
  • PS-03-03-01 代表的な市中感染症の原因微生物について理解している。
  • PS-03-03-02 代表的な医療関連感染の原因微生物について理解している。
  • PS-03-03-03 代表的な免疫不全患者の罹患しやすい微生物について概要を理解している。
  • PS-03-03-04 薬剤耐性の現状、代表的な薬剤耐性菌(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌等)と抗菌薬適正使用等の 予防策について理解している。
    PS-03-03-05 患者(宿主)、感染臓器・部位、原因微生物の関係について理解している。
  • PS-03-03-06 代表的な市中感染症のリスク因子、感染経路・侵入門戸、病態生理について理解している。
  • PS-03-03-07 代表的な医療関連感染のリスク因子、感染経路・侵入門戸、病態生理を理解している。
  • PS-03-03-08 敗血症と血流感染の相違を理解し、病態について理解している。
  • PS-03-03-09 新興感染症等についてその感染経路を理解し、必要な感染対策を理解している。
  • PS-03-03-10 医療面接と身体所見から感染臓器と原因微生物を想定し理解している。
  • PS-03-03-11 医療面接と身体診察から想定した原因微生物の診断方法について理解している。
  • PS-03-03-12 発熱患者への基本検査(血液培養 2 セット、尿検査・尿培養、胸部エックス線写真等)について理 解している。
    PS-03-03-13 抗菌薬投与の原則(抗菌薬投与前に培養検体を提出する、微生物と臓器による標準薬を選択し投与期間を設定する)について理解している。
  • PS-03-03-14 抗菌薬の初期治療(経験的治療)について理解している。
  • PS-03-03-15 抗菌薬の最適治療(標的治療)について理解している。
  • PS-03-03-16 ワクチン予防可能な疾患について理解している(表 1)。
  • PS-03-03-17 職業感染対策(ワクチン接種、針刺切創・体液曝露、結核曝露等)について理解している。
  • PS-03-03-18 標準予防策(スタンダード・プリコーション)、感染経路別予防策(飛沫感染予防策、接触感染予 防策、空気感染予防策等)が必要となる病原微生物、患者から医療従事者への病原微生物曝露を 防ぐための個人防護具、予防接種等、医療従事者の体液曝露後の感染予防策について理解してい る。
  • PS-03-04: 腫瘍
  • PS-03-04-01 腫瘍の定義とその特性について、ゲノム異常や分子機構(エピゲノム修飾を含む)とともに理解 している。
    PS-03-04-02 我が国及び世界における各腫瘍の頻度等について理解している。
  • PS-03-04-03 腫瘍性疾患発症の遺伝的素因・基礎疾患・感染症・環境生活習慣等のリスク因子、腫瘍の予防・ 検診について理解している。
    PS-03-04-04 腫瘍マーカー、バイオマーカー、がん遺伝子パネル検査等、腫瘍に特化した検査とその所見について概要を理解している。
  • PS-03-04-05 腫瘍の内視鏡検査・画像検査(エックス線、CT、MRI、PET・核医学、超音波等)の異常所見がわか り診断できる。
    PS-03-04-06 腫瘍の生検・細胞診や病理検査とその所見について概要を理解している。
  • PS-03-04-07 腫瘍の TNM 分類、ステージについて概要を理解している。
  • PS-03-04-08 がんの症候について理解している(表 2-19)。
  • PS-03-04-09 主な造血器腫瘍の症候、診断、治療について理解している。
  • PS-03-04-10 主な脳腫瘍の症候、診断、治療について概要を理解している。
  • PS-03-04-11 主な皮膚腫瘍の症候、診断、治療について概要を理解している。
  • PS-03-04-12 主な骨軟部腫瘍の症候、診断、治療について概要を理解している。
  • PS-03-04-13 主な胸部腫瘍(呼吸器系)の症候、診断、治療について概要を理解している。
  • PS-03-04-14 主な消化器腫瘍の症候、診断、治療について理解している。
  • PS-03-04-15 主な泌尿器系腫瘍の症候、診断、治療について理解している。 PS-03-04-16 主な生殖器系腫瘍の症候、診断、治療について理解している。 PS-03-04-17 主な乳腺腫瘍の症候、診断、治療について理解している。
    PS-03-04-18 主な内分泌系腫瘍の症候、診断、治療について理解している。
  • PS-03-04-19 主な頭頸部癌の症候、診断、治療について理解している。
  • PS-03-04-20 主な小児腫瘍の種類、症候、診断、治療について理解している。
  • PS-03-04-21 原発不明癌、転移性腫瘍、重複癌、AYA 世代の腫瘍、希少がんの種類、症候、診断、治療につい て概要を理解している。
    PS-03-04-22 オンコロジーエマージェンシー(脊髄圧迫、腫瘍崩壊、上大静脈症候群、代謝障害、治療の有害事象等)の起こりやすいがん、病態生理、症候と対応について概要を理解している。
  • PS-03-04-23 主な腫瘍の手術療法について概要を理解している。
  • PS-03-04-24 主な腫瘍の放射線療法・インターベンショナルラジオロジーの適応について概要を理解してい る。
    PS-03-04-25 主な腫瘍の薬物療法(細胞障害性抗癌薬、分子標的治療薬)、造血幹細胞移植、がん免疫に関する治療法について概要を理解している。
  • PS-03-04-26 がん患者に対する支持療法及び緩和ケアを理解している。
  • PS-03-04-27 腫瘍性疾患患者が直面する社会的・精神的な課題について理解している。
  • PS-03-05: 救急・集中治療(表 2-20)
  • PS-03-05-01 地域の救急医療体制について病院前救護体制、メディカルコントロール、初期・二次・三次救急 医療の概念を用いて概要を理解している。
    PS-03-05-02 ショックの原因分類としての①血流分布異常性ショック(アナフィラキシー、敗血症性、神経原
  • 性)、②循環血液量減少性ショック(出血性、体液喪失)、③心原性ショック(心筋収縮力低下、弁 疾患、不整脈)、④閉塞性ショック(心タンポナーデ、肺塞栓症、緊張性気胸)とそれぞれの病態 及び診断の要点について理解している。
    PS-03-05-03 ショックの患者の初期対応と原因に応じた治療について理解している。
  • PS-03-05-04 心停止の原因分類としての①心血管原性(急性心筋梗塞、急性大動脈解離、大動脈瘤破裂、肺塞 栓症)、②呼吸原性(気道閉塞、緊張性気胸、肺実質病変による低酸素血症)、③神経原性(重症頭 部・脊髄外傷、急性くも膜下出血)、④中毒・環境要因(中毒、熱中症、低体温症)、⑤電解質・ 酸塩基平衡異常(低・高カリウム血症、アシドーシス、低血糖)と病態及び診断の要点について理 解している。
    PS-03-05-05 心停止患者の初期対応(一次・二次救命処置)と原因に応じた治療について理解している。
  • PS-03-05-06 中毒患者が呈するトキシドロームに基づき病歴と身体所見から中毒の起因物質を推定できる。
  • PS-03-05-07 中毒患者への治療としての吸収の阻害、排泄の促進、拮抗薬の適応と禁忌について概要を理解し ている。
    PS-03-05-08 食中毒、ガス中毒(一酸化炭素中毒、硫化水素、青酸ガス)、農薬(有機リン・有機塩素)、アルコール、薬物(睡眠薬・向精神薬・解熱鎮痛薬・麻薬・覚醒剤)による中毒の病因(発生機序)、症 候、診断と治療について理解している。
    PS-03-05-09 水銀、鉛、青酸、ヒ素、パラコート、自然毒、腐食剤による中毒(酸、アルカリ、フッ化水素)、ボタン電池誤飲による中毒について理解している。
  • PS-03-05-10 高温による障害(熱中症)、低温による障害(低体温症)の症候、主な検査・診断、治療法について 理解している。
    PS-03-05-11 気圧、振動、騒音による障害の症候、主な検査・診断、治療法について概要を理解している。
  • PS-03-05-12 外傷の病態と診断の要点について理解している。
  • PS-03-05-13 熱傷の重症度を評価し(気道熱傷の有無、熱傷面積及び深達度)、治療方針について理解している。
  • PS-03-05-14 臓器不全(多臓器不全、サイトカインストーム、播種性血管内凝固症候群)について理解してい る。
    PS-03-05-15 集中治療及び集中治療室の概要を理解している。
  • PS-03-05-16 侵襲(手術,外傷,熱傷)で生じる生体侵襲と生体反応を理解している。
  • PS-03-05-17 人工呼吸管理・体外式膜型肺・補助循環・急性血液浄化法が必要な病態とその意義を理解してい る。
    PS-03-05-18 重症患者に対する体温管理(体温維持療法を含む)及び栄養管理を理解している。
  • PS-03-05-19 集中治療後症候群について概念を理解している。
  • PS-03-06: 放射線の生体影響と適切な利用、放射線障害
  • PS-03-06-01 放射線の種類と放射能、これらの性質・定量法・単位について概要を理解している。
  • PS-03-06-02 内部被ばくと外部被ばくについて、線量評価やその病態、症候、診断と治療について概要を理解 している。
    PS-03-06-03 放射線及び電磁波の人体(胎児を含む)への影響(急性影響と晩発影響)と適切な利用法について理解している。
  • PS-03-06-04 種々の正常組織の放射線の透過性や放射線感受性の違いについて理解している。
  • PS-03-06-05 磁気共鳴画像で用いられている磁場や電磁波の特徴を理解し、人体や植え込みデバイスの発熱等 の現象について理解している。
    PS-03-06-06 医療被ばく・職業被ばくも含めた放射線被ばく低減の 3 原則と安全管理を理解し、放射線を用い
  • る画像検査と処置(エックス線撮影、CT、核医学、血管造影及びインターベンショナルラジオロ ジー、エックス線透視等)の被ばく軽減を実行できる。
    PS-03-06-07 放射線診断や血管造影及びインターベンショナルラジオロジー等の利益とコスト・リスク(被ばく 線量、急性・晩発影響等)を知り、適応の有無を判断できる。
    PS-03-06-08 放射線治療の生物学的原理と、放射線の遺伝子・細胞への作用と放射線による細胞死の機序、局 所的・全身的影響について概要を理解している。

 

  • IT: 情報・科学技術を活かす能力 発展し続ける情報化社会を理解し、人工知能等の情報・科学技術を活用しながら、医学研究・医療を実践す る。
  • IT-01: 情報・科学技術に向き合うための倫理観とルール 医学研究・医療等の場面で、情報科学技術を取り扱う際に必要な倫理観・デジタルプロフェッショナリズム及 び基本的原則を理解する。
  • IT-01-01: 情報・科学技術に向き合うための準備
  • IT-01-01-01 情報・科学技術を医療に活用することの重要性と社会的意義を理解している。
  • IT-01-01-02 医療における情報・科学技術に関連する規制(法律、ガイドライン等)の概要を理解している。
  • IT-01-01-03 デジタル情報や科学技術の活用における社会的格差が医療や福祉にもたらす影響や倫理的問題を 議論できる。
  • IT-01-02: 情報・科学技術利用にあたっての倫理観とルール
  • IT-01-02-01 電子カルテをはじめとする医療情報の管理・保管の原則について理解し、関連する規制(法律、 倫理基準、個人情報保護のための規定等)を遵守できる。
    IT-01-02-02 ソーシャルメディア(インターネット、SNS 等)の利用において、医療者として相応しい情報発信 の在り方を理解し、実践できる。
  • IT-02: 医療とそれを取り巻く社会に必要な情報・科学技術の原理 安全かつ質の高い医学研究・医療に必要な情報・科学技術に関する基本理論を理解し、その知識を自身の学修 や医療へ適応する姿勢を体得する。
  • IT-02-01: 情報・科学技術を活用した医療
  • IT-02-01-01 情報端末(コンピューター、スマートフォン等)を用いてインターネットやアプリ等を医療の実践 に活用できる。
    IT-02-01-02 情報・科学技術を用いて収集した情報及びデータを基に問題解決を図る。
  • IT-02-02: 情報・科学技術の先端知識
  • IT-02-02-01 医療に関連する情報・科学技術(医療情報システム、ウェアラブルデバイス、アプリ、人工知 能、遠隔医療技術、IoT 等)を理解し、それらの応用可能性について議論できる。
    IT-02-02-02 情報・科学技術の専門家とともに、技術を医療へ応用する際に、医療者に求められる役割を理解 している。
  • IT-03: 診療現場における情報・科学技術の活用
    遠隔医療を含む患者診療、学修の最適化に有効な ICT ツールの実践スキル及びデジタルコミュニケーションス キルを修得する。
  • IT-03-01: 情報・科学技術を活用したコミュニケーションスキル
  • IT-03-01-01 電子カルテの特性を踏まえた適切な記載や活用ができる。
  • IT-03-01-02 遠隔コミュニケーションの在り方を理解し、その目的に応じて適切なツール(電子メール、テレビ会議システム、SNS 等)を選択し利用できる。
  • IT-03-02: 情報・科学技術を活用した学習スキル
  • IT-03-02-01 自己学習や協同学習の場に適切な ICT(e ラーニング、モバイル技術等)を活用できる。
  • IT-03-02-02 新たに登場する情報・科学技術を自身の学び及び医療に活用する柔軟性を有する。

 

  • CS: 患者ケアのための診療技能 患者の苦痛や不安感に配慮し、確実で信頼される診療技能を磨き、医療の質と患者安全を踏まえた診療を実践 する。
  • CS-01: 患者の情報収集
    患者本人、家族、医療スタッフ等関係する様々なリソースを活用し、診療に必要な情報を収集できる。
  • CS-01-01: 医療面接
  • CS-01-01-01 医療面接における基本的コミュニケーション技法を用いることができる。
  • CS-01-01-02 病歴(主訴、現病歴、常用薬、アレルギー歴、既往歴、家族歴、嗜好、生活習慣、社会歴・職業 歴、生活環境、家庭環境、海外渡航歴、システムレビュー)を聴き取り、情報を取捨選択し整理 できる。
    CS-01-01-03 患者に関わる人達から必要な情報を得ることができる。
  • CS-01-02: 身体所見
  • CS-01-02-01 患者の状態に応じた診察ができる。
  • CS-01-02-02 全身の外観(体型、栄養、姿勢、歩行、顔貌、皮膚、発声)を評価できる。
  • CS-01-02-03 バイタルサイン(体温、脈拍、血圧、呼吸数、酸素飽和度)の測定ができる。
  • CS-01-02-04 適切な体位(立位、座位、半座位、臥位、砕石位)で診察できる。
  • CS-01-02-05 部位毎の身体診察(表 3)ができる。
  • CS-01-02-06 基本診療科(表 4)において必要な診察ができる。
  • CS-02: 患者情報の統合、分析と評価、診療計画 得られた全ての情報を統合し、様々な観点から分析し、必要な医療について評価した上で提供すべき医療を計 画できる。
  • CS-02-01: 診療録記載
  • CS-02-01-01 適切に患者の情報を収集し、問題志向型医療記録を作成できる。 CS-02-01-02 診療経過を主観的所見・客観的所見・評価・計画で記載できる。 CS-02-01-03 過去の診療経過をまとめて診療録に記載できる。
  • CS-02-02: 臨床推論
  • CS-02-02-01 主要症候(表 5)について原因と病態生理を理解している。
  • CS-02-02-02 主要症候(表 5)について鑑別診断を検討し、診断の要点を説明できる。
  • CS-02-02-03 基本診療科(表 4)で主訴からの診断推論を組み立てられる。
  • CS-02-02-04 基本診療科(表 4)における疾患の病態や疫学を理解している。
  • CS-02-03: 検査(計画、分析評価)
  • CS-02-03-01 主要な臨床・画像検査(表 6)の目的と意義を理解し、診断仮説の検証に最低限必要な検査項目を 選択して、結果を解釈できる。
    CS-02-03-02 主要な臨床・画像検査(表 6)の正しい検体採取方法と検体保存方法を理解している。
  • CS-02-03-03 主要な臨床・画像検査(表 6)の安全な実施方法(患者確認と検体確認、検査の合併症、感染症予防、精度管理)を理解している。
  • CS-02-03-04 主要な臨床・画像検査(表 6)の特性(感度、特異度、偽陽性、偽陰性、検査前確率・検査後確 率、尤度比、ROC 曲線)と判定基準(基準値・基準範囲、カットオフ値、パニック値)を理解し ている。
    CS-02-03-05 主要な臨床・画像検査(表 6)の生理的変動、測定誤差、精度管理、ヒューマンエラーについて理解している。
  • CS-02-03-06 患者に応じた検査値特性を理解し、結果を解釈できる。
  • CS-02-03-07 主要な臨床・画像検査(表 6)の目的と適応を理解し、解釈できる。
  • CS-02-04: 治療(計画、経過の評価)
  • CS-02-04-01 主要症候(表 5)について初期対応を計画し、専門的診療が必要かどうかを考えることができる。
  • CS-02-04-02 服薬の基本・アドヒアランスについて理解している。
  • CS-02-04-03 処方箋の下書きを作成できる。
  • CS-02-04-04 薬の薬理作用、適応、有害事象、投与時の注意事項について理解している。
  • CS-02-04-05 年齢や臓器障害に応じた薬物動態の特徴を考慮した薬剤投与の注意点について理解している。
  • CS-02-04-06 薬物動態的相互作用について理解している。
  • CS-02-04-07 使用禁忌、特定条件下での薬物使用(アンチ・ドーピング等)について理解している。
  • CS-02-04-08 主な薬物アレルギーの症候、診察、診断、予防策と対処法について理解している。
  • CS-02-04-09 薬物の蓄積、耐性、タキフィラキシー、依存の概要を理解している。
  • CS-02-04-10 抗腫瘍薬の適応、有害事象、投与時の注意事項について理解している。
  • CS-02-04-11 抗微生物薬の薬理作用、適応、有害事象、投与時の注意事項について理解している。
  • CS-02-04-12 オピオイド鎮痛薬・鎮静薬の適応、有害事象、投与時の注意事項について理解している。
  • CS-02-04-13 分子標的薬・バイオ医薬の薬理作用と有害事象の概要を理解している。
  • CS-02-04-14 漢方医学の特徴、主な和漢薬(漢方薬)の適応、薬理作用について概要を理解している。
  • CS-02-04-15 主な放射線治療法の適応の概要を理解している。
  • CS-02-04-16 インターベンショナルラジオロジーについて概要を理解している。
  • CS-02-04-17 内視鏡を用いる治療の概要を理解している。
  • CS-02-04-18 超音波を用いる治療の概要を理解している。
  • CS-02-04-19 被覆材の種類と適応、効果について理解している。
  • CS-02-04-20 外科的治療の適応と合併症について理解している。
  • CS-02-04-21 手術の危険因子とその対応の基本について理解している。
  • CS-02-04-22 主な術後合併症とその予防の基本について理解している。
  • CS-02-04-23 手術及び侵襲的処置に関するインフォームド・コンセントの注意点について理解している。
  • CS-02-04-24 周術期における事前のリスク評価について理解している。
  • CS-02-04-25 周術期における主な薬剤の服薬管理(継続、中止等)の必要性とそれに伴うリスクについて理解し ている。
    CS-02-04-26 周術期における輸液・輸血について理解している。
  • CS-02-04-27 周術期における疼痛の管理について理解している。
  • CS-02-04-28 局所麻酔、末梢神経ブロック、神経叢ブロック、脊髄くも膜下麻酔、硬膜外麻酔の適応、禁忌と
  • 合併症について概要を理解している。
  • CS-02-04-29 麻酔管理を安全に行うための術前評価について概要を理解している。
  • CS-02-04-30 安全な麻酔のためのモニタリングの方法、重要な異常所見と対処法について概要を理解してい る。
    CS-02-04-31 麻酔薬と筋弛緩薬の種類と使用上の原則について理解している。
  • CS-02-04-32 吸入麻酔と静脈麻酔の適応、禁忌、方法、事故と合併症について理解している。
  • CS-02-04-33 気管挿管を含む各種の気道確保法を理解している。
  • CS-02-04-34 栄養アセスメント、栄養ケア・マネジメント、栄養サポートチーム、疾患別の栄養療法について 理解している。
    CS-02-04-35 経静脈栄養と経管・経腸栄養の適応、方法と合併症、長期投与時の注意事項について理解している。
  • CS-02-04-36 主な医療機器の種類と原理について概要を理解している。
  • CS-02-04-37 主な人工臓器の種類と原理について概要を理解している。
  • CS-02-04-38 血液製剤及び血漿分画製剤の種類と適応について理解している。
  • CS-02-04-39 輸血副反応、輸血使用記録保管義務、不適合輸血の防止手順について理解している。
  • CS-02-04-40 輸血の適正使用、成分輸血、自己血輸血、緊急時の輸血について理解している。
  • CS-02-04-41 移植医療(臓器移植、組織移植、造血幹細胞移植等)の我が国と世界の状況について概要を理解し ている。
    CS-02-04-42 終末期医療における臓器・組織提供選択提示の意義について概要を理解している。
  • CS-02-04-43 移植における免疫応答(拒絶反応、移植片対宿主病)について理解している。
  • CS-02-04-44 移植後の免疫抑制について概要を理解している。
  • CS-02-04-45 リハビリテーションの概念と適応について理解している。
  • CS-02-04-46 機能障害と日常生活動作の評価ができる。
  • CS-02-04-47 理学療法、作業療法と言語聴覚療法について概要を理解している。
  • CS-02-04-48 主な歩行補助具、車椅子、義肢(義手、義足)と装具について概要を理解している。
  • CS-02-04-49 基本診療科(表 4)の基本的な治療計画を立案できる。
  • CS-02-05: 教育計画
  • CS-02-05-01 代表的な疾患における患者指導の計画を立案できる。
  • CS-03: 治療を含む対応の実施
    患者の状態の評価に基づいて患者本人、家族、医療スタッフと連携し、必要な医療を提案または実施できる。
  • CS-03-01: 検査手技
  • CS-03-01-01 検査に関する基本的臨床手技(表 7)を実施できる。
  • CS-03-02: 治療手技
  • CS-03-02-01 治療に関する基本的臨床手技(表 7)を実施できる。
  • CS-03-03: 救急・初期対応
  • CS-03-03-01 バイタルサインや身体徴候から緊急性の高い状態にある患者を認識できる。
  • CS-03-03-02 一次救命処置を実施できる。
  • CS-03-03-03 頻度や緊急性の高い患者に対する初期対応(二次救命処置を含む)の実施を補助できる。
  • CS-03-03-04 外傷の初期対応の実施を補助できる。
  • CS-03-03-05 アナフィラキシーショックの対応を補助できる。
  • CS-03-04: 書類の作成
  • CS-03-04-01 各種診断書・証明書、診療情報提供書の下書きを作成できる。
  • CS-03-04-02 各種検案書の下書きを作成できる。
  • CS-03-05: 患者ケアに必要な連携
  • CS-03-05-01 基本診療科(表 4)にどのようにコンサルテーションすればよいかを理解している。
  • CS-03-05-02 褥瘡の予防、評価、処置・治療について理解している。
  • CS-03-06: 診療計画カンファレンス
  • CS-03-06-01 症例検討会において適切にプレゼンテーションできる。
  • CS-03-06-02 診察で得た情報を上級医にわかりやすく報告できる。
  • CS-04: 診療経過の振り返りと改善
    実施された医療を省察し、言語化して他者に説明し、次回に向けて改善につなげることができる。
  • CS-04-01: 振り返りカンファレンス
  • CS-04-01-01 M&M カンファレンスに参加して自身の意見を述べることができる。
  • CS-04-01-02 CPC に参加して自身の意見を述べることができる。
  • CS-05: 医療の質と患者安全
    医療の質と患者安全の観点で自己の行動を省察し、組織改善と患者中心の視点を獲得する。
  • CS-05-01: 医療の質向上
  • CS-05-01-01 品質改善の手法を用いて医療を改善する重要性を理解し、繰り返し評価する姿勢を身に付ける。
  • CS-05-02: 医療従事者の健康管理
  • CS-05-02-01 医療従事者に求められる健康管理(生活習慣改善、予防接種、被ばく低減策)、職業感染対策(結 核スクリーニング、ワクチン接種)を実践する。
    CS-05-02-02 自身を含む医療者の労働環境の改善の必要性を理解し、実際の医療現場において改善に努めるこ とができる。
  • CS-05-03: 安全管理体制
  • CS-05-03-01 患者安全のための管理体制と各々の役割(リスクマネージャー、医療安全管理委員会等)の概要を 理解している。
    CS-05-03-02 医療過誤に関連した刑事・民事責任や医師法に基づく行政処分を理解している。
  • CS-05-04: 感染制御
  • CS-05-04-01 医療関連感染症に関連したシステム(院内感染対策委員会、院内感染サーベイランス、感染制御
  • チーム、感染対策マニュアル等)の役割や意義を理解して参加する。
  • CS-05-04-02 標準予防策(スタンダード・プリコーション)の必要性を説明し、実践できる。
  • CS-05-04-03 針刺切創、体液暴露等に遭遇した際、適切に対処できる。
  • CS-05-05: 患者安全の配慮と促進
  • CS-05-05-01 基本的予防策(患者確認、ダブルチェック、チェックリスト法、類似名称薬への注意喚起、フェ イルセイフやフールプルーフの考え方等)を実践できる。
    CS-05-05-02 医療の安全性に関する情報(薬剤等の副作用、薬害、転倒・転落、医療過誤、やってはいけない こと、優れた取組事例等)を共有し、事後に役立てるための分析ができる。
  • CS-05-06: 患者安全の実践
    CS-05-06-01 個人及び組織における患者安全管理の重要性を理解し、行動できる。
  • CS-05-06-02 診療録の重要性を理解し、適切に記載し取り扱うことができる。
  • CS-05-06-03 真摯に疑義に応じることができる。
    CS-05-06-04 インシデント 2が発生した際に、緊急対応や記録、報告ができる。2 モデル・コア・カリキュラムにおける「インシデント」の定義は「国立大学附属病院における医療上の事故等の公表に関する指針(国立大学附属 病院長会議常置委員会・平成 24 年 6 月改訂版)」に準じた。即ち、「エラーや医薬品・医療用具の不具合が見られたが、患者には実施されなかっ た」とされるレベル 0 から患者の死亡に至ったレベル 5 までの全体を包含したものとしている。

 

  • CM: コミュニケーション能力 患者及び患者に関わる人たちと、相手の状況を考慮した上で良好な関係性を築き、患者の意思決定を支援し て、安全で質の高い医療を実践する。
  • CM-01: 患者に接する言葉遣い・態度・身だしなみ・配慮 患者のプライバシー、苦痛等に配慮し、非言語コミュニケーションを含めた適切なコミュニケーションスキル により良好な人間関係を築くことができる。
  • CM-01-01: 患者・家族への適切なコミュニケーションスキルの活用
  • CM-01-01-01 言語的コミュニケーション技能を発揮して、良好な人間関係を築くことができる。
  • CM-01-01-02 非言語的コミュニケーション(身だしなみ、視線、表情、ジェスチャー等)を意識できる。
  • CM-01-01-03 患者や家族に敬意を持った言葉遣いや態度で接することができる。
  • CM-01-01-04 対人関係に関わる心理的要因(陽性感情・陰性感情等)を認識しながらコミュニケーションをとる ことができる。
    CM-01-01-05 相手の話を聞き、事実や自分の意見を相手にわかるように述べることができる。
  • CM-01-02: 患者の立場の尊重と苦痛への配慮
  • CM-01-02-01 患者や家族の精神的・身体的・社会的苦痛に十分配慮できる。
  • CM-01-02-02 患者や家族の話を傾聴し、怒りや悲しみ、不安等の感情を理解し、共感できる。
  • CM-02: 患者の意思決定の支援とそのための情報収集・わかりやすい説明 患者や家族の多様性に配慮し、必要な情報についてわかりやすく説明を行い、患者の主体的な治療やマネジメ ントに関する最善の意思決定を支援できる。
  • CM-02-01: 患者へのわかりやすい言葉の説明
  • CM-02-01-01 患者や家族の多様性(高齢者、小児、障害者、LGBTQ、国籍、人種、文化・言語・慣習の違い等)
  • に配慮してコミュニケーションをとることができる。
  • CM-02-01-02 患者が理解できるよう、極力専門用語を使わずに、わかりやすく説明できる。
  • CM-02-02: 患者への行動変容の促し
  • CM-02-02-01 患者や家族と情報共有や意見のすり合わせを行い、理解と同意を踏まえた意思決定を支援でき る。
  • CM-02-03: 患者の意思決定の支援
  • CM-02-03-01 患者の自己決定を阻害する問題点を理解する。
  • CM-02-03-02 患者の経験を尊重し、価値観を明確にできるように傾聴することができる。
  • CM-02-03-03 患者の意思決定支援のために、最善のエビデンスをできるだけ専門用語を使わずに、わかりやす く説明することができる。
    CM-02-03-04 患者の価値観に沿った目標に基づいた治療方針を計画することができる。
  • CM-03: 患者や家族のニーズの把握と配慮 患者や家族の心理的、社会的背景を広い視野で捉える姿勢を持ち、患者の持つ困難や必要な情報提供に対応で きる。
  • CM-03-01: 患者・家族の課題の把握と必要な情報の取得
  • CM-03-01-01 患者の心理的及び社会的背景や自立した生活を送るためのニーズを把握することができる。
  • CM-03-01-02 患者が抱える課題、問題点を抽出・整理できる。
  • CM-03-01-03 患者自身から情報が得られない場合、代理人や保護者等から必要な情報を得ることができる。
  • CM-03-02: 患者・家族の心理・社会的背景に配慮した診療
  • CM-03-02-01 家族や地域といった視点をもちながら、コミュニケーションをとることができる。
  • CM-03-02-02 心理・社会的背景に配慮した診療に可能な範囲で参加することができる。
  • CM-03-02-03 医療の不確実性を理解した上で適切な行動や態度をとることができる。

 

  • IP: 多職種連携能力 医療・保健・福祉・介護など患者・家族に関わる全ての人々の役割を理解し、お互いに良好な関係を築きなが ら、患者・家族・地域の課題を共有し、関わる人々と協働することができる。
  • IP-01: 連携の基盤 患者や利用者、家族、地域の重要な課題について、協働する関係者と共通の目標を設定する過程で、背景が異 なることに互いに配慮し、役割、知識、意見、価値を伝え合うことができる。
  • IP-01-01: 患者中心の保健医療福祉
  • IP-01-01-01 患者・利用者・家族に関連する情報について、多職種及び他の医療系学部の学生と共有できる。
  • IP-01-02: 職種間コミュニケーション
  • IP-01-02-01 多職種及び他の医療系学部の学生の役割や意見を尊重した説明や返答、問いかけができる。
  • IP-01-03: 医師間の紹介と相談
  • IP-01-03-01 適切な診断・検査・治療のために、適切な施設・専門科・医師への紹介や相談ができる。
  • IP-01-03-02 患者のケアと責任が継続できるよう、医師間での考えや期待を共有できる。
  • IP-02: 協働実践 自他の役割や思考・行為・感情・価値観を踏まえ、協働する職種で信頼関係を構築し、時に生じる職種間の葛 藤にも適切に対応しながら、 互いの知識・技術を活かし合い、職種としての役割を全うできる。
  • IP-02-01: 職種役割
  • IP-02-01-01 自らの知識や価値観を多職種及び他の医療系学部の学生に伝えることができる。
  • IP-02-01-02 多職種及び他の医療系学部の学生の中で自らの役割を果たすことができる。
  • IP-02-02: 関係性への働きかけ
  • IP-02-02-01 多職種及び他の医療系学部の学生と共に学び、成長できる。
  • IP-02-02-02 対人関係や対人行動に関わる概念について理解している。
  • IP-02-03: 自職種の省察
  • IP-02-03-01 医師の役割を多職種及び他の医療系学部の学生に説明できる。
  • IP-02-03-02 自らの価値観や言動について、多職種及び他の医療系学部の学生との関係性の中で、相対化でき る。
  • IP-02-04: 他職種の理解
  • IP-02-04-01 病院・診療所・施設等の職場環境やチームや部門等の所属に応じた他職種の役割を理解してい る。

 

  • SO: 社会における医療の役割の理解 医療は社会の一部であるという認識を持ち、経済的な観点・地域性の視点・国際的な視野等も持ちながら、公 正な医療を提供し、健康の代弁者として公衆衛生の向上に努める。
  • SO-01: 社会保障 憲法で定められた「生存権」を守る社会保障制度、公衆衛生とは何か、地域保健、産業保健、健康危機管理を 理解する。保健統計の意義や利用法を学ぶ。
  • SO-01-01: 公衆衛生
  • SO-01-01-01 公衆衛生の概念を理解している。
  • SO-01-01-02 地域共生社会の概念を理解している。
  • SO-01-01-03 予防の段階とそれらの戦略を理解している。
  • SO-01-01-04 公衆衛生活動(健診、健康づくりイベント等)の意義を理解し、役割の一部を担うことができる。
  • SO-01-02: 社会保険、公的扶助、社会福祉
  • SO-01-02-01 生存権等の健康に関する基本的人権と社会保障(社会保険、社会福祉、公的扶助)の意義と概要を 理解している。
    SO-01-02-02 国民皆保険としての医療保険、介護保険、年金保険を含む社会保険の仕組みと問題点を理解し、
  • 改善策を議論できる。
  • SO-01-02-03 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)等の障害者福 祉の概要を理解している。
  • SO-01-03: 地域保健
  • SO-01-03-01 保健所、市町村保健センター、地方衛生研究所の役割を理解している。
  • SO-01-03-02 健康増進法、栄養、身体活動、休養等の健康増進施策の意義と概要を理解している。
  • SO-01-03-03 地域保健に関連する基本的な制度や法律を理解している。
  • SO-01-03-04 精神保健及び精神障害者福祉の意義及び関連する制度や法律を理解している。
  • SO-01-03-05 成育基本法、母子保健法、母体保護法、児童福祉法、児童虐待防止法等、母子保健施策の意義と 概要を理解している。
    SO-01-03-06 学校保健安全法、学校医の役割、学校感染症等、学校保健の意義と概要を理解している。
  • SO-01-04: 産業保健・環境保健
  • SO-01-04-01 産業保健の意義、労働衛生の 3 管理等、産業保健の基本的な考え方を理解している。
  • SO-01-04-02 産業保健・環境保健に関連する基本的な制度や法律を理解している。
  • SO-01-04-03 労働災害及び職業性疾病とのその対策を理解している。
  • SO-01-04-04 有害物質による産業中毒とその対策を理解している。
  • SO-01-05: 健康危機管理
  • SO-01-05-01 健康危機の概念と種類、それらへの対応(リスクコミュニケーションを含む)について理解してい る。
    SO-01-05-02 健康危機管理(感染症、放射線事故、災害等の有事)に関連する基本的な制度や法律を理解してい
  • る。
  • SO-01-05-03 災害拠点病院、種々の活動チーム等、災害保健医療の意義を理解している。
  • SO-02: 疫学・医学統計 人間集団を対象とする研究法である疫学の考え方と意義、主な研究デザインを学ぶ。医学、生物学における統 計手法の基本的な考え方を理解する。
  • SO-02-01: 保健統計
  • SO-02-01-01 主な人口統計(人口静態と人口動態)、疾病・障害の分類・統計(ICD 等)を理解している。
  • SO-02-01-02 平均寿命、健康寿命について説明できる。
  • SO-02-02: 疫学
  • SO-02-02-01 公衆衛生と臨床の視点から見た疫学の役割を理解している。
  • SO-02-02-02 割合・比・率の違い及び代表的な疫学指標(有病割合、リスク比、罹患率等)を理解している。
  • SO-02-02-03 主なバイアスや交絡を例示できる。
  • SO-02-02-04 年齢調整における直接法と間接法の違いを説明できる。
  • SO-02-02-05 主な疫学の研究デザインとして、観察研究(記述研究、横断研究、症例対照研究、コホート研究)
  • 及び介入研究(ランダム化比較試験等)を理解している。
  • SO-02-02-06 急性感染症に特異的な疫学的アプローチを理解している。
  • SO-02-02-07 エビデンスの限界を踏まえながら、集団に影響する意思決定を支援できる。
  • SO-02-03: データ解析と統計手法
  • SO-02-03-01 尺度(間隔、比、順序、名義)について説明できる。 SO-02-03-02 データの分布(欠損値を含む)について説明できる。 SO-02-03-03 正規分布の母平均の信頼区間について説明できる。 SO-02-03-04 相関分析、平均値と割合の検定等を実施できる。
    SO-02-03-05 多変量解析の意義を理解している。
  • SO-03: 法医学
    死の判定や死亡診断と死体検案を理解する。
  • SO-03-01: 死と法
  • SO-03-01-01 植物状態、脳死、心臓死及び脳死判定について理解している。 SO-03-01-02 異状死・異状死体の取扱いと死体検案について理解している。 SO-03-01-03 死亡診断書と死体検案書を作成できる。
    SO-03-01-04 個人識別の方法を理解している。
  • SO-03-01-05 病理解剖、法医解剖(司法解剖、行政解剖、死因・身元調査法解剖、承諾解剖)について理解して いる。
  • SO-04: 社会の構造や変化から捉える医療 患者の抱える健康に関する問題の背景にある社会的な課題を適切に捉え、その解決のために積極的に行動す る。
  • SO-04-01: 健康と医療
  • SO-04-01-01 健康寿命を延ばすために働きかけを行うことができる。
  • SO-04-01-02 バリアフリー等の障害と社会環境に関連する概念を理解した行動をとることができる。
  • SO-04-02: ジェンダーと医療
  • SO-04-02-01 女性や LGBTQ に対する差別等のジェンダー不平等をなくすために積極的な行動をとることができ る。
  • SO-04-03: 気候変動と医療
  • SO-04-03-01 気候変動と医療との関係性を理解し、患者が抱える健康に関する課題と気候変動との関係を想像 できる。
    SO-04-03-02 自然災害(新興感染症を含む)が起きた際に必要とされる医師の役割を理解している。
  • SO-04-04: 哲学と医療
  • SO-04-04-01 近現代思想・哲学の語彙の概要を理解している。
  • SO-04-05: 歴史と医学・医療
  • SO-04-05-01 医学・医療の歴史的変遷を踏まえ現代の医学的問題を相対化できる。
  • SO-04-06: 医療経済
  • SO-04-06-01 経済が医療に与える影響について理解している。
  • SO-04-07: 社会的公正
  • SO-04-07-01 医療資源を公平に分配するとはどういうことか考え、自らの意見を述べることができる。
  • SO-05: 国内外の視点から捉える医療
    国内及び国際社会の中で規定される医療の役割と医療体制について概要を理解している。
  • SO-05-01: 国内の医療職の役割や医療体制
  • SO-05-01-01 医師法が定める医師の職権と義務を理解している。
  • SO-05-01-02 医療職を規定する法律・制度を説明できる。
  • SO-05-01-03 医療法が定める医療施設の種類と機能について概要を理解している。
  • SO-05-01-04 医療計画について概要を理解している。
  • SO-05-01-05 地域医療提供体制に関する諸課題の相互関連性の概要を理解している。
  • SO-05-01-06 医療提供体制と医師の働き方について自身の考えを述べることができる。
  • SO-05-02: グローバルヘルスの役割や医療体制
  • SO-05-02-01 国際的に取り組む必要のある医療・健康課題について、歴史・社会的背景を踏まえて、概要を理 解している。
    SO-05-02-02 ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの意義を理解し、世界各国の医療制度が抱える問題を例示で
  • きる。
  • SO-05-02-03 保健関連の国連開発目標や国際機関・国際協力に関わる組織・団体について概要を理解してい る。
  • SO-06: 社会科学の視点から捉える医療
    医学的・文化的・社会的文脈のなかで生成される健康観や人びとの言動・関係性を理解し、社会科学 (主に医 療人類学・医療社会学)の視点・理論・方法から、それを臨床実践に活用することができる。
  • SO-06-01: 社会科学と医療との関係
  • SO-06-01-01 日常生活や外来診療・在宅療養・入院・施設入所等において、健康・病気・死の捉え方を探索で きる。
  • SO-06-01-02 時代の流れ、社会の状況や諸制度との関わりのなかで医療に関する諸事象を捉え、構造的に説明できる。
  • SO-06-01-03 個や集団に及ぼす文化・慣習による影響(コミュニケーションの在り方等)を理解している。

別表

表 1. 疾患

器官系 カテゴリー 疾患 基本
血液・ 造血器
・リン パ系 貧血 鉄欠乏性貧血 ●
出血性貧血
腎性貧血
二次性貧血
発作性夜間ヘモグロビン尿症
再生不良性貧血
骨髄異形成症候群
自己免疫性溶血性貧血
ビタミン B12 欠乏性貧血 ●
葉酸欠乏性貧血
出血傾向 脾機能亢進症
免疫性血小板減少症(ITP)
血友病
播種性血管内凝固(DIC) ●
溶血性尿毒症症候群(HUS)
血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)
ビタミン K 欠乏症
血栓傾向 プロテイン C・プロテイン S・アンチトロンビン欠乏症
抗リン脂質抗体症候群
播種性血管内凝固(DIC)
溶血性尿毒症症候群(HUS)
血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)
その他の重要な 造血系疾患 無顆粒球症
血球貪食症候群
移植片対宿主病(GVHD)
神経系 脳血管障害 脳出血 ●
くも膜下出血 ●
脳梗塞 ●
一過性脳虚血発作 ●
脳動脈瘤
脳動静脈奇形
もやもや病
感染性・炎症性 疾患・脱髄性疾 患 脳炎・髄膜炎 ●
脳症
脳膿瘍
多発性硬化症 ●
認知症と変性疾 患 Alzheimer 型認知症 ●
Lewy 小体型認知症
脳血管性認知症
Parkinson 病 ●
筋萎縮性側索硬化症
多系統萎縮症
末梢神経・神経 筋接合部・筋疾 栄養障害性ニューロパチー
中毒性ニューロパチー

器官系 カテゴリー 疾患 基本
患 遺伝性ニューロパチー
Guillain-Barré 症候群
顔面神経麻痺(Bell 麻痺、Ramsay Hunt 症候群を含む)
反回神経麻痺
主な神経痛(三叉神経痛・坐骨神経痛)
重症筋無力症 ●
進行性筋ジストロフィー
周期性四肢麻痺
発 作 性 ・ 機 能 性・自律神経系 疾患 全般てんかん ●
局在関連てんかん ●
片頭痛 ●
緊張型頭痛 ●
頭部外傷 脳挫傷 ●
脳振盪
急性硬膜外血腫
硬膜下血腫(急性・慢性) ●
頭蓋骨骨折 ●
頭部外傷後の高次機能障害
皮膚系 湿疹・皮膚炎 湿疹反応(湿疹三角) ●
痒疹
接触皮膚炎 ●
アトピー性皮膚炎 ●
脂漏性皮膚炎
貨幣状湿疹
皮脂欠乏性湿疹
自家感作性皮膚炎
蕁 麻 疹 、 紅斑 症、紅皮症と皮 膚そう痒症 蕁麻疹 ●
多形滲出性紅斑
結節性紅斑
環状紅斑
紅皮症
皮膚そう痒症
薬疹・薬物障害 固定薬疹
Stevens-Johnson 症候群 ●
中毒性表皮壊死症(TEN)
薬剤性過敏症症候群(DIHS)
膿疱症 掌蹠膿疱症
乾癬・角化症 尋常性乾癬
扁平苔癬
Gibert 薔薇色粃糠疹
皮膚感染症 伝染性膿痂疹
せつ・癰
毛嚢炎
丹毒
ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)
蜂窩織炎 ●
壊死性筋膜炎

器官系 カテゴリー 疾患 基本
皮膚真菌症(表在性・深在性)
皮膚抗酸菌症
疥癬 ●
後天性免疫不全症候群(AIDS)に伴う皮膚症状(梅毒・難治 性ヘルペス・伝染性軟属腫・Kaposi 肉腫等)

単純ヘルペス ●
帯状疱疹 ●
尋常性疣贅
伝染性軟属腫
麻疹 ●
風疹 ●
水痘 ●
伝染性紅斑
手足口病
母斑性皮膚疾患 母斑
付属器疾患 爪の疾患(匙状爪・嵌入爪)
汗疹
多汗症
無汗症
その他 尋常性痤瘡
酒皶様皮膚炎
褥瘡 ●
ケロイド
粉瘤
尋常性白斑
壊疽性膿皮症
凍傷・電撃傷
運動器
(筋骨 格)系 外傷 四肢・脊椎外傷
脊髄損傷 ●
骨折 ●
脱臼
腱・靱帯・半月板損傷
筋損傷・挫滅症候群・コンパートメント症候群
スポーツ外傷 肉離れ
突き指
絞扼性末梢神経 障害 胸郭出口症候群
手根管症候群
肘部管症候群等
感染性疾患 化膿性関節炎
骨髄炎
椎間板炎・化膿性脊椎炎・脊椎カリエス
代謝性骨疾患 骨粗鬆症 ●
くる病・骨軟化症
先天性疾患 側弯症
内反足
骨 壊 死 ・ 骨 端 症・軟骨の障害 特発性大腿骨頭壊死症
離断性骨軟骨炎

器官系 カテゴリー 疾患 基本
脊椎・脊髄疾患 脊椎症・脊髄症・神経根症(脊柱靭帯骨化症を含む)
脊椎椎間板ヘルニア ●
脊柱管狭窄症 ●
脊椎分離・すべり症
滑膜炎、関節炎 関節炎
腱鞘炎
滑液包炎
その他の関節疾 患 関節拘縮
変形性関節症 ●
外反母趾
外反膝・内反膝・反張膝
神経病性関節症
肘内障
上腕骨外側上顆炎
運動器慢性疼痛 肩関節周囲炎
肩こり
運動器の障害 ロコモティブシンドローム
サルコペニア
循環器 系 心不全 左心不全 ●
右心不全 ●
急性心不全 ●
慢性心不全 ●
虚血性心疾患 労作性狭心症 ●
冠攣縮性狭心症 ●
不安定狭心症 ●
急性心筋梗塞 ●
不整脈 洞不全症候群
房室ブロック ●
心房細動 ●
心房粗動 ●
発作性上室頻拍症 ●
心室頻拍 ●
多源性心室頻拍(torsades de pointes)
心室細動 ●
期外収縮(上室性・心室性) ●
WPW 症候群
Brugada 症候群
弁膜症 僧帽弁疾患(狭窄・閉鎖不全) ●
大動脈弁疾患(狭窄・閉鎖不全) ●
三尖弁閉鎖不全
心筋・心膜疾患 特発性心筋症(肥大型・拡張型・拘束型) ●
二次性心筋疾患
急性心筋炎 ●
感染性心内膜炎 ●
急性心膜炎
収縮性心膜炎
心タンポナーデ

器官系 カテゴリー 疾患 基本
先天性心疾患 心房中隔欠損症
心室中隔欠損症
動脈管開存
Fallot 四徴症
動脈疾患 動脈硬化症
急性大動脈解離 ●
大動脈瘤(胸部・腹部) ●
閉塞性動脈硬化症 ●
Buerger 病
高安動脈炎(大動脈炎症候群)
静脈・リンパ管 疾患 深部静脈血栓症 ●
上大静脈症候群
下肢静脈瘤 ●
リンパ浮腫
高血圧症 高血圧症(本態性・二次性) ●
高血圧緊急症
低血圧症 起立性低血圧 ●
反射性失神(神経調節性失神)
呼吸器 系 呼吸不全 低酸素血症と高二酸化炭素血症
呼吸器感染症 急性上気道感染症(かぜ症候群) ●
扁桃炎 ●
気管支炎 ●
細気管支炎
肺炎(定型・非定型) ●
肺結核症 ●
非結核性抗酸菌症
肺真菌症
誤嚥性肺炎
肺化膿症・膿胸
クループ症候群
閉 塞 性 換 気 障 害・拘束性換気 障害 慢性閉塞性肺疾患(COPD) ●
気腫性嚢胞(ブレブ・ブラ)
気管支喘息(咳喘息を含む) ●
特発性間質性肺炎
膠原病血管炎関連性間質性肺炎
珪肺
石綿肺
びまん性汎細気管支炎
放射線肺炎
肺循環障害 肺性心
肺血栓寒栓症 ●
肺高血圧症(原発性・二次性)
免疫学的機序に よる肺疾患 過敏性肺炎
サルコイドーシス
好酸球性肺炎
薬剤性肺炎
アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)

器官系 カテゴリー 疾患 基本
異常呼吸 過換気症候群
睡眠時無呼吸症候群 ●
その他の機序に よる肺疾患 気管支拡張症
無気肺
急性呼吸促(窮)迫症候群(ARDS) ●
新生児呼吸窮迫症候群(IRDS)
肺リンパ脈管筋腫症(LAM)
肺胞タンパク症
胸膜・縦隔・横 隔膜疾患 胸膜炎
気胸(自然・緊張性・外傷性) ●
縦隔気腫
血胸
縦隔炎
胸郭変形(漏斗胸)
横隔神経麻痺
横隔膜ヘルニア
消 化 器 系 食道疾患 食道・胃静脈瘤 ●
胃食道逆流症(GERD) ●
逆流性食道炎
Mallory-Weiss 症候群
食道アカラシア
胃・十二指腸疾 患 消化性潰瘍(胃潰瘍・十二指腸潰瘍) ●
Helicobacter pylori 感染症
急性胃粘膜病変
慢性胃炎
機能性消化管障害(機能性ディスペプシア) ●
胃ポリープ
胃切除後症候群
肥厚性幽門狭窄症
胃アニサキス症
小腸・大腸疾患 大腸憩室炎
大腸憩室出血
急性虫垂炎 ●
腸閉塞 ●
腸重積症
痔核・痔瘻 ●
便秘症 ●
機能性消化管障害(過敏性腸症候群) ●
感染性腸炎
虚血性大腸炎
潰瘍性大腸炎 ●
Crohn 病 ●
乳児下痢症
鎖肛
Hirschsprung 病
急性出血性直腸潰瘍
上腸間膜動脈閉塞症

器官系 カテゴリー 疾患 基本
消化管共通疾患 消化管ポリポーシス
急性胃腸炎 ●
薬物性消化管障害
肝疾患 A 型肝炎 ●
B 型肝炎 ●
C 型肝炎 ●
急性肝炎 ●
慢性肝炎 ●
急性肝不全 ●
脂肪肝 ●
アルコール性肝障害 ●
薬物性肝障害
肝膿瘍
原発性胆汁性胆管炎(PBC)
原発性硬化性胆管炎
自己免疫性肝炎
肝硬変 ●
門脈圧亢進症 ●
肝性脳症 ●
肝癌 ●
胆道疾患 胆石症 ●
胆嚢炎 ●
胆管炎 ●
胆嚢ポリープ
先天性胆道拡張症
膵・胆管合流異常症
膵臓疾患 急性膵炎(アルコール性・胆石性・特発性) ●
慢性膵炎(アルコール性・特発性) ●
自己免疫性膵炎
腹膜・腹壁・横 隔膜疾患 腹膜炎 ●
ヘルニア(滑脱・嵌頓・絞扼)
鼠径部ヘルニア ●
腎・尿 路系 腎機能の障害 急性腎障害(AKI) ●
慢性腎臓病(CKD) ●
慢性腎不全
電解質異常 高・低ナトリウム血症 ●
高・低カリウム血症 ●
高・低カルシウム血症 ●
高・低リン血症
高・低マグネシウム血症
酸・塩基平衡障 害 アシドーシス(代謝性・呼吸性)
アルカローシス(代謝性・呼吸性)
原発性糸球体疾 患 急性糸球体腎炎 ●
IgA 腎症 ●
膜性腎症 ●
巣状分節性糸球体硬化症
微小変化群 ●

器官系 カテゴリー 疾患 基本
膜性増殖性糸球体腎炎
高血圧及び腎血 管障害 腎硬化症
腎血管性高血圧症
尿細管・間質性 疾患 尿細管性アシドーシス
尿細管間質性腎炎(急性・慢性)
急性腎盂腎炎 ●
全身性疾患によ る腎障害 糖尿病腎障害 ●
IgA 血管炎
アミロイド腎症
抗糸球体基底膜病(抗 GBM 病)
ループス腎炎
血管炎症候群
先天異常と外傷 多発性嚢胞腎
膀胱尿管逆流
腎外傷
尿路疾患 尿路結石 ●
神経因性膀胱
膀胱炎 ●
前立腺炎 ●
尿道炎 ●
生殖器 系 男性生殖器疾患 男性不妊症
前立腺肥大症 ●
前立腺炎
停留精巣
陰嚢内腫瘤
精巣捻転症
女性生殖器疾患 機能性月経困難症 ●
内外生殖器の先天異常
卵巣機能障害
更年期障害 ●
不妊症
子宮筋腫・子宮腺筋症 ●
子宮内膜症 ●
外陰・腟と骨盤内感染症
妊娠と 分娩 異常妊娠 妊娠悪阻
異所性妊娠 ●
流産・切迫流産 ●
ハイリスク妊娠
妊娠高血圧症候群 ●
多胎妊娠
前期破水、早期破水
切迫早産 ●
胎児機能不全
異常分娩 早産 ●
微弱陣痛
遷延分娩
回旋異常

器官系 カテゴリー 疾患 基本
前置胎盤
癒着胎盤
常位胎盤早期剥離
分娩外傷
異常産褥 子宮復古不全
産褥熱
乳腺炎
産科出血 弛緩出血
羊水塞栓症
播種性血管内凝固(DIC)
合併症妊娠 貧血
耐糖能異常
甲状腺疾患
免疫性血小板減少症(ITP)
母子感染 TORCH 症候群
B 型肝炎
C 型肝炎
HIV・AIDS
HTLV-Ⅰ感染症
パルボウイルス B19 感染症
B 群連鎖球菌感染症
小児 血液疾患 急性白血病 ●
悪性リンパ腫
ビタミン K 欠乏症
神経疾患 熱性けいれん ●
夜驚症
夜尿症
急性脳症
脳性麻痺 ●
水頭症
皮膚疾患 伝染性膿痂疹
ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)
伝染性軟属腫
麻疹 ●
風疹 ●
水痘 ●
伝染性紅斑
手足口病
循環器疾患 心房中隔欠損症
心室中隔欠損症
動脈管開存
Fallot 四徴症
呼吸器疾患 クループ症候群
細気管支炎 ●
気管支喘息(咳喘息を含む) ●
消化器疾患 肥厚性幽門狭窄症
鎖肛

器官系 カテゴリー 疾患 基本
Hirschsprung 病
腸重積症 ●
便秘症
乳児下痢症 ●
胆道閉鎖症
鼠径ヘルニア ●
腎・泌尿器疾患 溶血性尿毒症症候群(HUS)
ネフローゼ症候群 ●
紫斑病性腎炎
先天性腎尿路奇形
膀胱尿管逆流
内分泌系・代謝 疾患 成長ホルモン分泌不全型低身長
先天性副腎皮質過形成
アセトン血性嘔吐症
精神疾患・発達 障害 自閉スペクトラム症(ASD)
注意欠如・多動症 (ADHD)
限局性学習症
チック症
心身医学的疾患 心身症
免疫・アレルギ
ー IgA 血管炎
川崎病
染色体異常 Down 症
新生児 新生児仮死
新生児呼吸促迫症候群(IRDS)
新生児黄疸(高ビリルビン血症)
早産低出生体重児
胎便吸引症候群
新生児一過性多呼吸
救急・集中治療 乳幼児突然死症候群(SIDS)
被虐待児症候群
小児急性呼吸窮迫症候群(PARDS)
敗血症
消化管異物
気道異物
乳房 なし 良性乳腺疾患(乳腺炎・乳腺症)
内分泌
・栄養
・ 代謝 系 間脳・下垂体疾 患 先端巨大症
Cushing 病
高プロラクチン血症
視床下部下垂体炎
中枢性尿崩症
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)
下垂体腫瘍
甲状腺疾患 甲状腺機能亢進症 ●
甲状腺機能低下症 ●
甲状腺炎(慢性・無痛性・亜急性)
副甲状腺疾患 副甲状腺機能亢進症
副甲状腺機能低下症

器官系 カテゴリー 疾患 基本
悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症
副腎皮質・髄質 疾患 Cushing 症候群
アルドステロン過剰症
原発性アルドステロン症
副腎不全(急性・慢性(Addison 病))
糖代謝異常 1 型糖尿病 ●
2 型糖尿病 ●
低血糖症
糖尿病の合併症 糖尿病ケトアシドーシス ●
高血糖高浸透圧症候群 ●
乳酸アシドーシス
糖尿病性網膜症 ●
糖尿病性腎症 ●
糖尿病性神経障害 ●
足病変 ●
脂質代謝異常 脂質異常症 ●
肥満症
ビタミン・核酸
・その他の代謝 異常 ビタミン欠乏症
高尿酸血症・痛風 ●
全身性アミロイドーシス
小児疾患 成長ホルモン分泌不全型低身長
先天性副腎皮質過形成
眼 ・ 視 覚系 視機能異常 屈折異常(近視・遠視・乱視)と調節障害
眼表面の異常 結膜炎・角膜炎 ●
化学損傷(アルカリ・酸)
眼瞼の異常 麦粒腫・霰粒腫
眼組織の異常 白内障 ●
緑内障 ●
視神経疾患 視神経炎(症)・うっ血乳頭
ぶどう膜の異常 ぶどう膜炎
網膜・硝子体の 異常 糖尿病・高血圧による眼底変化(糖尿病網膜症等) ●
裂孔原性網膜剥離
加齢黄斑変性・網膜色素変性
網膜静脈閉塞症と動脈閉塞症
耳 鼻 ・ 咽 喉 ・ 口腔系 耳疾患 中耳炎(急性・慢性・滲出性・真珠腫性) ●
外耳炎
難聴(騒音性・薬剤性・突発性・老人性)
乳幼児の難聴
動揺病
良性発作性頭位めまい症 ●
Ménière 病 ●
前庭神経炎
鼻疾患 鼻出血 ●
副鼻腔炎(急性・慢性) ●
アレルギー性鼻炎 ●
鼻炎
咽喉頭疾患 咽頭炎 ●

器官系 カテゴリー 疾患 基本
喉頭炎
喉頭蓋炎(急性喉頭蓋炎を含む)
声帯ポリープ
扁桃炎 ●
扁桃周囲炎
扁桃周囲膿瘍
口蓋扁桃肥大症
口腔疾患 う蝕
歯周病等の歯科疾患(全身への影響や口腔機能管理を含め て)
口角炎
口内炎
舌炎
唾石症
頭頸部疾患 頸部リンパ節転移等 ●
Sjögren 症候群
顎関節症
頸部リンパ節炎
頸部膿瘍
耳鼻・咽頭・口 腔系の外傷・損 傷 鼓膜損傷等
鼻骨骨折
吹き抜け骨折
その他 外耳道・鼻腔・咽頭・喉頭・気管・食道の代表的な異物
精神系
・心身 医学的 疾患 気分障害、統合 失調症 うつ病 ●
双極性障害(躁うつ病) ●
統合失調症 ●
神経症、ストレ ス障害 過換気症候群
解離性障害
急性ストレス障害
強迫性障害
心的外傷後ストレス障害
身体症状症(身体化障害・疼痛性障害・心気症) ●
不安障害(パニック障害・社交不安障害)
生理的・身体的 要因関連障害 心身症
摂食障害(神経性食思不振症(神経性やせ症)・神経性過食 症)
発達障害 パーソナリティ障害
自閉スペクトラム症(ASD)
注意欠如・多動症(ADHD)
器質性精神障害 ほか 認知症 ●
依存症(薬物使用、アルコール、ギャンブル)
症状性精神病
免 疫 ・ ア レ ル ギー アレルギー性疾 患 アナフィラキシー
食物アレルギー
全身性アレルギー性疾患
全身性結合組織 病 関節リウマチ ●
悪性関節リウマチ

器官系 カテゴリー 疾患 基本
成人 Still 病、若年性特発性関節炎(JIA)
全身性エリテマトーデス(SLE)及び合併症(中枢神経ルー プス、ループス腎炎、抗リン脂質抗体症候群)

全身性強皮症
皮膚筋炎・多発性筋炎
混合性結合組織病
Sjögren 症候群
Behçet 病
血管炎症候群 巨細胞性動脈炎
高安動脈炎(大動脈炎症候群)
結節性多発動脈炎
顕微鏡的多発血管炎
多発血管炎性肉芽腫症
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
IgA 血管炎 ●
川崎病 ●
抗糸球体基底膜病(抗 GBM 病)
脊椎関節炎及び 類縁疾患 強直性脊椎炎
反応性関節炎
乾癬性関節炎
掌蹠膿疱症性関節炎
その他 変形性関節症
結晶誘発性関節炎
リウマチ性多発筋痛症
線維筋痛症
IgG4 関連疾患
リウマチ熱
自己炎症性疾患
後天性免疫不全症(AIDS) ●
原発性免疫不全症
二次性免疫不全症候群(悪性腫瘍・医原性・自己免疫疾患 による)
感染症 市中感染症 髄膜脳炎 ●
咽頭炎
血流感染・感染性心内膜炎 ●
肺炎(定型・非定型) ●
腹腔内感染
膀胱炎・腎盂腎炎 ●
皮膚軟部組織感染
関節炎
医療関連感染 血管内留置カテーテル関連感染 ●
尿路カテーテル感染 ●
医療関連肺炎・人工呼吸器関連肺炎
手術部位感染 ●
クロストリディオイデス・ディフィシル感染
免疫不全 糖尿病
腎臓病

器官系 カテゴリー 疾患 基本
肝臓病
がん・血液疾患
好中球減少
免疫抑制薬使用中
HIV・AIDS
臓器移植
ワクチン予防可 能な疾患 麻疹
風疹
ムンプス
水痘
B 型肝炎
インフルエンザ菌
ヒトパピローマウイルス
肺炎球菌
破傷風ジフテリア
インフルエンザ
新型コロナウイルス
腫瘍 血液・造血器・ リンパ系 急性白血病 ●
慢性骨髄性白血病
骨髄異形成症候群
成人 T 細胞白血病
真性赤血球増加症
本態性血小板血症
骨髄線維症
悪性リンパ腫
多発性骨髄腫
神経系 膠芽腫
髄膜腫
神経鞘腫
転移性脳腫瘍
皮膚系 基底細胞癌
有棘細胞癌
悪性黒色腫
悪性リンパ腫
運 動 器 (筋骨 格)系 骨肉腫
軟骨肉腫
Ewing 肉腫
転移性脊椎腫瘍
循環器系 粘液腫
呼吸器系 肺癌 ●
胸膜中皮腫
転移性肺腫瘍
縦隔腫瘍(胸腺腫を含む)
消化器系 食道癌 ●
胃癌 ●
大腸ポリープ
大腸癌 ●

器官系 カテゴリー 疾患 基本
胆嚢・胆管癌
原発性肝癌 ●
膵神経内分泌腫瘍
嚢胞性膵腫瘍
膵癌 ●
腎・尿路系 腎癌 ●
腎盂尿管癌・膀胱癌 ●
生殖器系 前立腺癌 ●
精巣腫瘍
子宮頸癌 ●
子宮体癌(子宮内膜癌) ●
卵巣腫瘍 ●
絨毛癌
胞状奇胎
乳房 原発性乳癌 ●
線維腺腫
乳腺症
内分泌・栄養・ 代謝系 腺腫様甲状腺腫
下垂体腫瘍
甲状腺癌
褐色細胞腫
多発性内分泌腫瘍症
眼・視覚系 網膜芽細胞腫
耳鼻・咽喉・口 腔系(頭頸部) 舌癌
咽頭癌
喉頭癌
小児 脳腫瘍
血液腫瘍
網膜芽細胞腫
神経芽腫
腎芽腫
肝芽腫
奇形腫を含む胚細胞腫瘍
遺伝性腫瘍 家族性大腸腺腫症
遺伝性乳癌卵巣癌症候群
遺伝性非ポリポーシス性大腸癌(Lynch 症候群)
Li-Fraumeni 症候群
オンコロジーエ マージェンシー 腫瘍による脊髄圧迫
腫瘍崩壊
上大静脈症候群
腫瘍による代謝障害
治療の有害事象等

表 2-1. 血液・造血器・リンパ系

分類 項目名
構造と機能 骨髄の構造 造血幹細胞から各血球への分化と成熟の過程 主な造血因子(エリスロポエチン、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、トロンボポエチン) 脾臓、胸腺、リンパ節、扁桃と Peyer 板の構造と機能
血漿タンパク質の種類と機能 赤血球とヘモグロビンの構造と機能 白血球の種類と機能
血小板の機能と止血や凝固・線溶の機序
症候 発熱 全身倦怠感 黄疸 リンパ節腫脹 貧血
出血傾向

血栓傾向
検査方法 末梢血塗抹 凝固・線溶・血小板機能検査 骨髄検査(骨髄穿刺、骨髄生検) 輸血関連検査 タンパク分画、免疫電気泳動
遺伝子・染色体検査
特異的治療法 輸血

造血幹細胞移植

表 2-2. 神経系

分類 項目名
構造と機能 中枢神経系と末梢神経系の構成 脳の血管支配と血液脳関門 脳のエネルギー代謝の特徴
主な脳内神経伝達物質(アセチルコリン・ドパミン・ノルアドレナリン)とその作用

髄膜・脳室系の構造と脳脊髄液の産生と循環 脊髄の構造、機能局在と伝導路 脊髄反射(伸張反射、屈筋反射)と筋の相反神経支配
脊髄神経と神経叢(頸・腕・腰仙骨)の構成及び主な骨格筋支配と皮膚分布(デルマトーム)

脳幹の構造と機能及び伝導路 脳神経の名称、核の局在、走行・分布と機能 大脳の構造と大脳皮質の機能局在(運動野・感覚野・言語野) 辺縁系の構造と記憶・学習の機序との関連 錐体路を中心とした随意運動の発現機構
小脳の構造と機能 大脳基底核(線条体・淡蒼球・黒質)の線維結合と機能 痛覚、温度覚、触覚と深部感覚の受容機序と伝導路 視覚、聴覚・平衡覚、嗅覚、味覚の受容機序と伝導路 交感神経系と副交感神経系の中枢内局在、末梢分布、機能と伝達物質 内分泌及び自律機能と関連づけた視床下部の構造と機能
ストレス反応と本能・情動行動の発現機序
症候 意識障害 けいれん めまい 認知機能障害
頭痛

運動麻痺・筋力低下 歩行障害
感覚障害 失語症・構音障害 振戦
小脳性・前庭性・感覚性運動失調障害
不随意運動(ミオクローヌス・舞踏運動・ジストニア・固定姿勢保持困難・アテトーシ ス・チック)
頭蓋内圧亢進(急性・慢性)

脳ヘルニア
検査方法 脳・脊髄の画像検査(CT・MRI)
神経系の電気生理学的検査(脳波検査、針筋電図検査、末梢神経伝導検査)

分類 項目名
特異的治療法 脳血管障害の急性期治療とリハビリテーション医療

 

表 2-3. 皮膚系

分類 項目名
構造と機能 皮膚の組織構造 皮膚の細胞動態と角化の機構
皮膚の免疫防御能
症候 皮疹(紅斑・紫斑・色素斑・丘疹・結節・腫瘤・水疱・膿疱・嚢腫・びらん・潰瘍・毛細 血管拡張・硬化・瘢痕・萎縮・鱗屑・痂皮・苔癬化・壊疽)
そう痒 粘膜疹
脱毛
検査方法 皮膚検査法(硝子圧法・皮膚描記法(Darier 徴候)・Nikolsky 現象・Tzanck 試験・光線テ スト)
皮膚アレルギー検査法(プリックテスト・皮内テスト・パッチテスト)
微生物検査法(検体採取法・苛性カリ(KOH)直接検鏡法)

ダーモスコピー
特異的治療法 外用療法 凍結療法
光線療法(PUVA 療法)

表 2-4. 運動器(筋骨格)系

分類 項目名
構造と機能 骨・軟骨・関節・靱帯の構成と機能 頭頸部の構成
脊柱の構成と機能

四肢の骨格、主要筋群の運動と神経支配 骨盤の構成と性差 骨の成長と骨形成・吸収の機序 姿勢と体幹の運動にかかわる筋群
抗重力筋
症候 運動麻痺・筋力低下 歩行障害
感覚障害

腰背部痛 関節痛・関節腫脹
頸部痛
検査方法 筋骨格系の病態に即した徒手検査(四肢と脊柱の可動域検査・神経学的検査等)
筋骨格系画像診断(エックス線撮影・CT・MRI・超音波検査・骨塩定量)

関節液検査
特異的治療法 運動器疾患のリハビリテーション

捻挫・骨折・脱臼の治療・処置

表 2-5. 循環器系

分類 項目名
構造と機能 心臓の構造と分布する血管・神経、冠動脈の特長とその分布域 心筋細胞の微細構造と機能 心筋細胞の電気現象と心臓の興奮(刺激)伝導系
興奮収縮連関 体循環、肺循環と胎児・胎盤循環 大動脈と主な分枝(頭頸部、上肢、胸部、腹部、下肢)を図示し、分布域 主な静脈、門脈系と上・下大静脈系
毛細血管における物質・水分交換 胸管を経由するリンパの流れ 心周期にともなう血行動態 心機能曲線と心拍出量の調節機序 主な臓器(脳、心臓、肺、腎臓)の循環調節 血圧調節の機序
体位や運動に伴う循環反応とその機序
症候 体重増加 意識障害 失神
浮腫 咳・痰 呼吸困難 胸痛
動悸 腰背部痛
胸水
検査方法 胸部単純エックス線撮影 心電図(安静時・運動負荷心電図・Holter 心電図) 心臓超音波検査
心臓シンチグラフィー 冠動脈造影、冠動脈 CT、MRI
心カテーテル検査(心内圧・心機能・シャント率の測定)
特異的治療法 虚血性心疾患に対する血行再建術(経皮的冠動脈形成術・ステント留置術・冠動脈バイパ ス術)
不整脈に対する非薬物療法(カテーテルアブレーション・電気的除細動・ペースメーカー 植え込み・植え込み型除細動器)
心臓リハビリテーション等の疾病管理プログラム

表 2-6. 呼吸器系

分類 項目名
構造と機能 気道の構造、肺葉・肺区域と肺門の構造 肺循環と体循環の違い 縦隔と胸膜腔の構造 呼吸筋と呼吸運動の機序
肺気量分画、換気、死腔(換気力学(胸腔内圧、肺コンプライアンス、抵抗、クロージング
ボリューム(closing volume)))
肺胞におけるガス交換と血流の関係 肺の換気と血流(換気血流比)が動脈血ガスにおよぼす影響(肺胞気-動脈血酸素分圧較差
(A-aDO2)) 呼吸中枢を介する呼吸調節の機序 血液による酸素と二酸化炭素の運搬の仕組み
気道と肺の防御機構(免疫学的・非免疫学的)と代謝機能
症候 咳・痰 血痰・喀血 呼吸困難 胸痛 胸部圧迫感
呼吸数・リズムの異常 喘鳴
胸水
検査方法 喀痰検査(喀痰細胞診・喀痰培養)

胸水検査、胸膜生検
呼吸機能検査(スパイロメトリー・肺拡散能力・flow-volume 曲線)、動脈血ガス分析、ポ リソムノグラフィー、ピークフローメトリー
呼気 NO 検査 画像検査(エックス線撮影・CT・MRI)、核医学検査(ポジトロン断層法(PET))
気管支内視鏡検査
特異的治療法 呼吸器理学療法・リハビリテーション 酸素療法
人工換気

表 2-7. 消化器系

分類 項目名
構造と機能 各消化器官の位置、形態と関係する血管 腹膜と臓器の関係 食道・胃・小腸・大腸の基本構造と部位による違い 消化管運動の仕組み 消化器官に対する自律神経の作用
肝の構造と機能 胃液の作用と分泌機序 胆汁の作用と胆嚢収縮の調節機序 膵外分泌系の構造と膵液の作用 小腸における消化・吸収の仕組み 大腸における糞便形成と排便の仕組み 主な消化管ホルモンの作用 歯、舌、唾液腺の構造と機能 咀しゃくと嚥下の機構
消化管の正常細菌叢(腸内細菌叢)の役割
症候 食思(欲)不振 腹痛 悪心・嘔吐 吐血
下血 便秘 下痢 黄疸
腹部膨隆・腫瘤 胸やけ
肝腫大
検査方法 肝炎ウイルス検査

腫瘍マーカー(AFP・ CEA・ CA 19-9・ PIVKA-Ⅱ等) 画像検査(エックス線撮影・超音波検査・CT・MRI) 内視鏡検査
生検、細胞診
特異的治療法 経管・経腸栄養 内視鏡治療(止血・凝固・クリッピング・硬化療法等)
血管内治療(動脈塞栓術等)

表 2-8. 腎・尿路系(体液・電解質バランスを含む)

分類 項目名
構造と機能 体液の量と組成・浸透圧(小児と成人の違いを含めて) 腎・尿路系の位置・形態と血管分布・神経支配 腎の機能の全体像やネフロン各部の構造と機能 腎糸球体における濾過の機序 尿細管各部における再吸収・分泌機構と尿の濃縮機序 水電解質、酸・塩基平衡の調節機構
腎で産生される又は腎に作用するホルモン・血管作動性物質(エリスロポエチン、ビタミ
ン D、レニン、アンギオテンシン II、アルドステロン)の作用

蓄排尿の機序
症候 浮腫 血尿 タンパク尿
尿量・排尿の異常
脱水 臨床症候の分類(急性腎炎症候群・慢性腎炎症候群・ネフローゼ症候群・急速進行性腎炎
症候群・反復性または持続性血尿症候群)
検査方法 糸球体濾過量(実測・推算)を含む腎機能検査法 腎・尿路系の画像診断(エックス線撮影・尿路造影・CT・MRI) 腎生検の適応と禁忌
尿流動態検査
特異的治療法 腎代替療法(血液透析・腹膜透析・腎移植)

表 2-9. 生殖器系

分類 項目名
構造と機能 生殖腺の発生と性分化の過程 男性生殖器の発育の過程 男性生殖器の形態と機能 精巣の組織構造と精子形成の過程 陰茎の組織構造と勃起・射精の機序 女性生殖器の発育の過程 女性生殖器の形態と機能 性周期発現と排卵の機序
閉経の過程と疾病リスクの変化
症候 腹痛 腹部膨隆・腫瘤 月経異常 勃起不全 射精障害 精巣機能障害 不正性器出血 乳汁漏出症
腟分泌物(帯下)の増量
腟乾燥感 性交痛
検査方法 精巣と前立腺の画像検査法(尿路造影・CT・MRI)、超音波検査
血中ホルモン(卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)、プロラクチン、ヒト絨毛 性ゴナドトロピン(hCG)、エストロゲン、プロゲステロン)の測定
骨盤内臓器と腫瘍の画像診断(超音波断層法、CT、MRI、子宮卵管造影(HSG))
基礎体温測定 腟分泌物所見
特異的治療法 体外受精―胚移植(IVF-ET)

表 2-10. 妊娠と分娩

分類 項目名
構造と機能 妊娠・分娩・産褥での母体の解剖学的と生理学的変化 胎児・胎盤系の発達過程での機能・形態的変化 正常妊娠の経過(妊娠に伴う身体的変化を含む) 正常分娩の経過
産褥の過程

育児に伴う母体の変化、精神問題及び母子保健
症候 腹痛 悪心・嘔吐 腹部膨隆・腫瘤 月経異常
性器出血
検査方法 妊娠の検査(妊娠反応、超音波検査)
妊娠中の検査(血液検査・出生前遺伝学的検査・羊水検査・分泌物検査・ノンストレステ スト・超音波検査・超音波ドプラ法・羊水量)
分娩の検査(超音波検査・胎児心拍数陣痛図)
特異的治療法 妊娠時の薬物療法の注意点

人工妊娠中絶、鉗子・吸引分娩、帝王切開術の適応

表 2-11. 小児

分類 項目名
症候 発熱 意識障害 けいれん 浮腫
発疹

咳・痰 呼吸困難 嚥下困難 腹痛 悪心・嘔吐 下血
便秘 下痢 黄疸
腹部膨隆・腫瘤

リンパ節腫脹 尿量・排尿の異常 哺乳力低下
成長障害

活動性低下
検査方法 新生児マススクリーニング 新生児聴覚スクリーニング
乳幼児健康診査
特異的治療法 小児輸液療法

予防接種

表 2-12. 乳房

分類 項目名
構造と機能 乳房の構造と機能 成長発達に伴う乳房の変化
乳汁分泌に関するホルモンの作用
症候 乳房腫瘤 異常乳汁分泌(血性乳頭分泌) 乳房の腫脹・疼痛・変形
女性化乳房
検査方法 乳房腫瘤に対する画像診断(超音波検査・マンモグラフィー・MRI)

乳房腫瘤に対する細胞・組織診断法

表 2-13. 内分泌・栄養・代謝系

分類 項目名
構造と機能 ホルモンの構造的分類、作用機序及び分泌調節機能 視床下部ホルモン・下垂体ホルモンの名称、作用と相互関係 甲状腺と副甲状腺(上皮小体)から分泌されるホルモンの作用と分泌調節機構 副腎の構造と分泌されるホルモンの作用と分泌調節機構 膵島から分泌されるホルモンの作用 男性ホルモン・女性ホルモンの合成・代謝経路と作用 三大栄養素、ビタミン、微量元素の消化吸収と栄養素の生物学的利用効率 糖質・タンパク質・脂質の代謝経路と相互作用
血中ホルモン濃度に影響を与える因子及びホルモンの日内変動
症候 体重減少 体重増加 月経異常 低身長 甲状腺腫
ホルモンの過剰または欠乏がもたらす身体症状

エネルギー摂取の過剰または欠乏がもたらす身体症状
検査方法 血中・尿中ホルモン測定

内分泌機能検査、負荷試験

表 2-14. 眼・視覚系

分類 項目名
構造と機能 眼球と付属器の構造 視覚情報の受容の仕組みと伝導路 眼球運動の仕組み
対光反射、輻輳反射、角膜反射の機能
症候 めまい 頭痛 悪心・嘔吐 視力障害 視野異常 眼球運動障害
眼脂・眼の充血
飛蚊症 眼痛
検査方法 視力検査 視野検査 細隙灯顕微鏡検査 眼圧検査
眼底検査
特異的治療法 レーザー治療

表 2-15. 耳鼻・咽喉・口腔系

分類 項目名
構造と機能 外耳・中耳・内耳の構造 聴覚・平衡覚の受容のしくみと伝導路 口腔・鼻腔・咽頭・喉頭の構造 喉頭の機能と神経支配 眼球運動、姿勢制御と関連させた平衡感覚機構
味覚と嗅覚の受容のしくみと伝導路
症候 めまい 嚥下困難 気道狭窄 難聴 鼻出血 咽頭痛 開口障害
嗄声(反回神経麻痺)

耳鳴 鼻閉 鼻漏
嗅覚障害 いびき 味覚障害 唾液分泌異常
口腔内異常
検査方法 聴力検査と平衡機能検査 味覚検査と嗅覚検査
耳鏡、鼻鏡、喉頭鏡、鼻咽腔・喉頭内視鏡
特異的治療法 補聴器・人工聴覚器

気管切開

表 2-16. 精神系

分類 項目名
症候 意識障害 不安・抑うつ 認知機能障害 不眠 幻覚・妄想
心気症
検査方法 質問紙法
簡易精神症状評価尺度(Brief Psychiatric Rating Scale (BPRS)) Hamilton うつ病評価尺度
Beck のうつ病自己評価尺度
状態特性不安検査(State-Trait Anxiety Inventory (STAI)) Mini-Mental State Examination (MMSE) 改訂長谷川式簡易知能評価スケール
脳波
脳画像検査(CT・MRI・SPECT 等)
特異的治療法 精神療法 精神薬物療法 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律、心神喪失者等医療観察法の適用場面
コンサルテーション・リエゾン精神医学

表 2-17. 免疫・アレルギー

分類 項目名
症候 発熱 全身倦怠感 浮腫
咳・痰 呼吸困難 皮疹
リンパ節腫脹
血尿 関節痛・関節腫脹
検査方法 自己抗体
特異的治療法 免疫抑制薬による治療

リウマチ性疾患へのリハビリテーション

表 2-18. 感染症

分類 項目名
症候 発熱・高体温

全身倦怠感 意識障害 けいれん
浮腫 発疹 咳・痰
血痰・喀血 呼吸困難 胸痛
腹痛
悪心・嘔吐 吐血
下血 便秘 下痢 黄疸
リンパ節腫脹 血尿 頭痛・頭重感
腰背部痛 関節痛・関節腫脹 咽頭痛
胸水 血便 タンパク尿
脱水
ショック

表 2-19. 腫瘍

以下に臓器特異的な症候は含まれていない。

分類 項目名
症候 発熱 全身倦怠感 食思(欲)不振 体重減少
リンパ節腫脹

表 2-20. 救急・集中治療

分類 項目名
症候 意識障害 失神 けいれん 呼吸困難 胸痛
腹痛 悪心・嘔吐 吐血
運動麻痺・筋力低下

表 3. 身体診察

診察項目

バイタルサイン(体温、脈拍、血圧、呼吸数、酸素飽和度)の測定 頭部(顔貌、頭髪、頭皮、頭蓋)の診察 眼(視野、瞳孔、対光反射、眼球運動・突出、結膜)の診察 耳(耳介、聴力)の診察
耳鏡を用いた外耳道、鼓膜の観察 口唇、口腔、咽頭、扁桃の診察 副鼻腔の診察 鼻鏡を用いた前鼻腔の観察
甲状腺、頸部血管、気管、唾液腺の診察 頭頸部リンパ節の診察 胸部の視診、触診、打診 呼吸音と副雑音の聴診 心音と心雑音の聴診
腹部の視診、聴診(腸雑音、血管雑音)、打診、触診

背部の叩打痛 直腸(前立腺を含む)指診 乳房の診察 意識レベルの判定 脳神経系の診察
眼底検査 腱反射の診察 小脳機能・運動系の診察
感覚系(痛覚、温度覚、触覚、深部感覚)の診察

髄膜刺激所見 四肢と脊柱(弯曲、疼痛)の診察 関節(可動域、腫脹、疼痛、変形)の診察 筋骨格系の診察(徒手筋力テスト) 婦人科診察(双合診・クスコ診) 高齢者総合機能評価

表 4. 基本診療科

内科 外科 小児科 産婦人科 精神科
総合診療科 救急科 皮膚科 整形外科 眼科 耳鼻咽喉科 泌尿器科 脳神経外科 放射線科 麻酔科 病理診断科 臨床検査科 形成外科
リハビリテーション科

診療科

表 5. 主要症候

疾患は、頭部から爪先(Head to Toe)の順番であり、それに該当しないものは病態順となっている。

主要症候 検討すべき鑑別疾患
発熱 髄膜炎、急性副鼻腔炎、扁桃炎、上気道炎、インフルエンザ、肺炎、結核、感染性心内 膜炎、胆嚢炎、胆管炎、尿路感染症、蜂巣炎、薬剤性
全身倦怠感 甲状腺機能低下症、結核、心不全、肝炎、鉄欠乏性貧血、うつ病
食思(欲)不振 消化性潰瘍、急性肝炎、急性副腎不全、うつ病
体重減少 甲状腺機能亢進症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、悪性腫瘍全般、糖尿病、神経性食思
(欲)不振症(拒食症)、うつ病
体重増加 甲状腺機能低下症、心不全、ネフローゼ症候群
意識障害 脳出血、脳梗塞、頭蓋内血腫、脳炎、てんかん、くも膜下出血、髄膜炎、心筋梗塞、急 性大動脈解離、急性消化管出血、敗血症、薬物中毒、アルコール性中毒、CO2 ナルコー シス、低血糖、ナトリウム代謝異常、ショック
失神 てんかん、肺塞栓症、不整脈、弁膜症(大動脈弁膜症)
けいれん 脳梗塞、脳出血、脳炎、脳症、熱性けいれん、てんかん
めまい 脳出血、脳梗塞、良性発作性頭位めまい症、Meniere 病、前庭神経炎
浮腫 甲状腺機能低下症、心不全、肝硬変、ネフローゼ症候群、慢性腎臓病、薬剤性、深部静 脈血栓症、リンパ浮腫、血管性浮腫
発疹 ウイルス性発疹症(麻疹)、ウイルス性発疹症(風疹)、ウイルス性発疹症(水痘)、ウイル ス性発疹症(ヘルペス)、帯状疱疹、伝染性紅斑、薬疹、蕁麻疹、皮膚炎(アトピー性皮 膚炎)、結節性紅斑、湿疹
咳・痰 副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、上気道炎、感冒(かぜ症候群)、百日咳、気管支炎、気管 支喘息、肺炎、肺結核、肺癌、間質性肺疾患、胃食道逆流症 (GERD)、薬剤性
血痰・喀血 気管支拡張症、肺結核、肺癌
呼吸困難 急性喉頭蓋炎、窒息、気管支喘息、肺塞栓症、急性呼吸促 (窮) 迫症候群 (ARDS)、慢 性閉塞性肺疾患(COPD)、肺炎、間質性肺疾患、肺結核、緊張性気胸、自然気胸、心不 全、アナフィラキシー
胸痛 肺塞栓症、気胸、胸膜炎、急性冠症候群、急性心膜炎、急性大動脈解離、大動脈瘤破 裂、帯状疱疹、パニック障害
動悸 甲状腺機能亢進症、不整脈、鉄欠乏性貧血、二次性貧血、パニック障害、不安障害
嚥下困難 脳出血、脳梗塞、扁桃炎、食道癌
腹痛 消化性潰瘍、機能性ディスペプシア (FD)、急性胃腸炎、急性虫垂炎、憩室炎、虚血性 大腸炎、腸間膜動脈塞栓症、便秘症、過敏性腸症候群、腸閉塞、腸重積症、汎発性腹膜 炎、鼠径ヘルニア、胆嚢炎、胆石症、急性膵炎、急性冠症候群、急性大動脈解離、子宮 内膜症、異所性妊娠、流・早産、卵巣嚢腫(捻転)、卵巣癌(捻転)、尿路結石、糖尿病性 ケトアシドーシス
悪心・嘔吐 脳出血、くも膜下出血、頭蓋内血腫、髄膜炎、片頭痛、急性胃腸炎、急性虫垂炎、腸閉 塞、食中毒、急性心筋梗塞、妊娠、糖尿病性ケトアシドーシス、カルシウム代謝異常
吐血 食道静脈瘤、Mallory-Weiss 症候群、胃癌、消化性潰瘍
下血 消化性潰瘍、炎症性腸疾患、虚血性大腸炎、憩室出血、大腸癌、痔核、裂肛
便秘 Parkinson 病、甲状腺機能低下症、便秘症、過敏性腸症候群、腸閉塞、大腸癌、薬剤性

主要症候 検討すべき鑑別疾患
下痢 甲状腺機能亢進症、急性胃腸炎、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、薬剤性
黄疸 急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝癌、胆管炎、胆管癌、膵癌、溶血性貧血、薬剤性、生 理的黄疸
腹部膨隆・腫瘤 肝硬変、腸閉塞、鼠径ヘルニア、妊娠
リンパ節腫脹 扁桃炎、ウイルス性発疹症(風疹)、結核、伝染性単核{球}症、悪性リンパ腫、その他の 悪性腫瘍全般
尿量・排尿の異常 尿路感染症、前立腺肥大症、過活動膀胱、神経因性膀胱、薬剤性、糖尿病
血尿 糸球体腎炎症候群、腎細胞癌、尿路結石、尿路感染症、膀胱癌
月経異常 月経困難症、子宮内膜症、子宮体癌、妊娠、薬剤性、更年期障害
不安・抑うつ 認知症、Parkinson 病、甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症、悪性腫瘍全般、薬剤 性、うつ病、双極性障害、不安障害、適応障害
認知機能障害 認知症、Parkinson 病、脳梗塞、正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、甲状腺機能低下症、 薬剤性、うつ病
頭痛 片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛、脳出血、くも膜下出血、髄膜炎、緑内障、急性副鼻腔 炎、巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)、薬剤性
運動麻痺・筋力低下 脳梗塞、一過性脳虚血発作、脳出血、頭蓋内血腫、てんかん、脊髄損傷、椎間板へルニ ア、筋萎縮性側索硬化症、Guillain-Barre 症候群、多発性筋炎、皮膚筋炎、カリウム 代謝異常
歩行障害 脳出血、頭蓋内血腫、脳梗塞、Parkinson 病、変形性脊椎症、脊柱管狭窄症、椎間板ヘ ルニア、変形性関節症、骨折
感覚障害 脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、多発神経炎、糖尿病
腰背部痛 急性大動脈解離、急性膵炎、膵癌、尿管結石、椎間板ヘルニア、変形性脊椎症、脊柱管 狭窄症、脊椎椎体骨折、急性腰痛症、化膿性脊椎炎
関節痛・関節腫脹 化膿性関節炎、変形性関節症、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE)、反応性 関節炎、痛風、偽痛風、外傷

表 6. 主要な臨床・画像検査

血算 生化学検査 凝固・線溶検査 免疫血清学検査 尿検査
便検査

検査項目

血液型(ABO、RhD)検査、血液交差適合(クロスマッチ)試験、不規則抗体検査 動脈血ガス分析
妊娠反応検査 細菌学検査(細菌の塗抹、培養、同定、薬剤感受性試験) 脳脊髄液
胸水検査 腹水検査 病理組織検査や細胞診検査(術中迅速診断を含む) 遺伝子関連・染色体検査
心電図 呼吸機能検査 内分泌・代謝機能検査 脳波検査
超音波検査 エックス線撮影 CT 検査
MRI 検査

核医学検査 内視鏡検査

表 7. 基本的臨床手技

分類 基本的臨床手技
一般手技 体位交換、移送 皮膚消毒 外用薬の貼付・塗布
気道内吸引 ネブライザー 静脈採血 末梢静脈の血管確保 胃管の挿入と抜去
尿道カテーテルの挿入と抜去

皮内注射 皮下注射 筋肉注射
静脈内注射
検査手技 尿検査(妊娠反応検査を含む)
微生物学検査(Gram 染色を含む)
12 誘導心電図の記録 臨床判断のための簡易エコー(FAST 含む) 病原体抗原の迅速検査
簡易血糖測定
外科手技 清潔操作 手術や手技のための手洗い 手術室におけるガウンテクニック
基本的な縫合と抜糸
※シミュレーション教育を含め、患者の安全に十分配慮して実施すること。他の基本的臨床手技について も、適切な準備・監督下で行っていくことは妨げない。

第 3 章 学修方略・評価

Ⅰ.学修方略
第 2 章に記した学修目標は主に「何を教えるのか?」について言及している。一方で、教育を計画・実施する 際には、何を教えるのか(What to teach)だけでなく、どう教えるのか(How to teach)、どう評価するのか(How to assess)も検討する必要がある。第 3 章では、方略(どう教えるのか?)と評価(どう評価するのか?)について 取り上げる。学修目標を達成するために必要な具体的な教育方法(Teaching Method)と学修する順序、人的資源 や物的資源、対象者、人数、選択・必修等のより大きな教育戦略(Educational Strategy)を合わせて、「学修方 略」という。

1. 学修方略を考えること
「どう教えるのか?」を考える際には、例えば、講義にするのか、グループ討議にするのか、PBL を採用するの か、といった具体的な教育方法を検討することになる。
「どう教えるのか?」は、学修目標、教育環境、学修者の特性等、さまざまな要素に依存するため、これが絶 対に良い、という教育方略は存在しない。よって、現場で実践し、振り返りながら、改良を重ねていくことにな る。その際に役立つ教育学理論と鍵となる問い、そして学修を効果的にするいくつかの方法を以下に記載する。 本章の最後には、Good Practice 事例を紹介している(Ⅲ. 方略・評価の事例参照)。ぜひ参考にして、各大学で さらに工夫を重ねて教育をより良いものにしていただきたい。

2. 学修方略を組む際に役立つ教育学理論
1) 成人学習理論
高等教育として位置付けられる医学教育において、成人学習理論の理解は重要である。Knowles は、成人の 学習プロセスは自己概念、過去の経験、学習へのレディネス、学習への方向性、動機付けという 5 つの要素に ついて成人特有の特徴があり、子どもを対象とする教育学(Pedagogy)と対比して、成人を対象とする教育学 (Andragogy)を提唱した。成人学習理論は 20 世紀終盤に開発された学修者中心性の高い医学教育カリキュラム (例:Problem-based Learning 等)の基盤となる理論として活用されてきた。例えば「学修者がこれまでに学 んできた内容と関連づけて授業を計画する」といったような活用が可能である 3。成人教育理論では、能動的 学修(アクティブ・ラーニング)が推奨されている 4。講義の前に自主学修を課すこと(反転学修)、ICT を活用 して双方向性にコミュニケーションができるよう工夫すること、などが例として挙げられる。

2) 行動主義と認知主義と構成主義
行動主義は、人の学習や思考プロセスは、その人の行動から予測可能と捉える心理学的立場である。この考 え方は、20 世紀の教育心理学において、学修者にどのような学修内容を与えれば、どのような行動をするか という観点から活用された。一方で、行動さえ変われば何を考えていてもよいのか、あるいは何も考えなくて もよいのかという批判や客観的な知識のみを評価する試験至上主義を招いた等の批判が生じた。これに対し、 認知主義では、行動主義が行動のみに着目していたのに対し、人は情報が入ってからどのように処理されて、 どのように蓄積されて、そしてどのように記憶が引き出されているのかという点に注目し、注意と意識、言 語、情動、視覚、聴覚、運動を学習に包含した。構成主義では、学修者の既存知識に、学修者にとって意味の ある新たな情報を積み重ねることで、鍵となる概念(Key Concepts)や重要概念(Big Ideas)が形成される能動
的なプロセスそのものが学びであると考えた。これらの概念は、細かい知識を単独で記憶することでは獲得されず、周囲の学修者と相互に交わりあいながら得られるものである。構成主義は上述した成人学習理論と相性 が良い一方、我が国の医学教育の現場ではまだあまり活用されていないという課題がある 5。

3) Kolb の経験学修論
診療参加型臨床実習実施ガイドラインの「経験と評価の記録」の基盤となっている理論である。Kolb は、 学修経験を経験のみで終わらせず、自らの経験を振り返って分析、つまり省察することで学びをえることで、 学びを一般化(抽象的概念化)して、小規模・安全な状況で試行し、再び経験する、という 4 つのプロセスの循 環としてとらえた(Kolb の経験学修モデル)6。特に実習においては、具体的な経験をした後に、それを省察す る(振り返る)機会を作ることで、この学習サイクルが循環することとなる。

コラム「インストラクショナルデザイン」

1) インストラクショナルデザインとは
インストラクショナルデザイン(Instructional Design)は、質の高い教育を設計し、実践するための方法論 である。インストラクショナルデザインの目的は、対象となる教育の効果・効率・魅力を高めることにあ
る。

5 西城卓也. 行動主義から構成主義. 医学教育. 2012;43(4):290–1. https://doi.org/10.11307/mededjapan.43.290
6 Kolb AY, et al. The experiential educator: Principles and Practices of Experiential Learning; LIGHTNING SOURCE Incorporated: 2017.

学修者に応じて適切な目標を設定し、到達できるような教育を設計・実践することが効果的な教育に求め られる。例えば心音の聴診を扱う場合、教える対象が OSCE 前の学生であれば、聴診における作法や聴診器を 当てる部位を理解していることが目標となり得る。一方、臨床実習終了後の学生が対象であれば、心音を聴 診したうえでその音の種類を判断し、臨床推論に利用することができるといった目標も設定可能であろう。 効率の向上には、教育にかかる人的・物的・時間的・金銭的等のコスト面が関係する。聴診の例でいえ ば、学生 1 人 1 人が模擬患者やシミュレーターで実習できる環境を整えるのか、タブレット等のアプリで擬似的に体験できるようにするのか、あるいは講義や動画で情報を伝えることに留めるのか、等が挙げられ る。これらは教育の方略を選択する際にも重要となる点である。
魅力を高めることは、学生の意欲を継続させ、生涯学習へとつなぐことを意味する。入学直後に行われる早期体験実習等を通じて医学・医療に対する興味関心が高まるように工夫すること、臨床実習中の経験等を 将来の専門分野選択に活かせるようにすること、などが例として挙げられる 7。

2) インストラクショナルデザインの第一原理 インストラクショナルデザインは種々の理論が提唱されている。Merrill はインストラクショナルデザインの第一原理として、その共通項を Problem、Activation、Demonstration、Application、Integration という5 つの要素に整理した 。Problem は現実世界で起こりうる問題・課題を扱うことを意味する。例えば PBL の課題として、臨床実習で すぐに直面するであろう症例を扱うことは、目標を明確化し、学修意欲を向上させることにつながる。 Activation は既習内容や経験を想起させ、新しい知識と関連づけることを意味する。臨床の場で目にした症 例に関して、講義や教科書で学んでいた知識、あるいは類似の症例等に対比させて学修することなどが挙げ られる。
Demonstration は具体的な例を学生に示すことを、Application は学生に実施・実演させることを意味する。シミュレーションで手技を扱う際、教員による実演や動画を用いた例示を行った後、学生に練習・実施 させるという方略が例として挙げられる。
Integration は知識や技能を日常生活や業務に統合することを意味する。参加型臨床実習、さらには卒後において、臨床の場面で医行為を実践すること、実践した結果を省察して新たな学びへと結びつけることが例 として挙げられる。

3. 学修方略を考える際に鍵となる問い
学修方略を考える際に鍵となる問いを以下に列挙する。最初に挙げる 6 つの項目は、Harden が提唱した
「SPICES モデル」から引用し 9、さらに今日の医学教育の状況を考慮して、問いを追加した。自身が関わってい るカリキュラムにおける教育方略を分析・計画する際に、以下の問いについて考えると、整理ができてわかりや すい。

1) 学修者中心か、教育者中心か?
学修者中心の教育では、教員はあくまでガイド役であり、学修者が自己の学修に責任を持ち、学修ニーズや 目標を把握し、自ら選んだ方法で学び、自己評価する(自己主導型学修)。学修者は能動的な学び方をする傾向
があり、また教材(動画も含む)が重要な役割を果たす。能動的学修(アクティブ・ラーニング)は学修者中心の教育と言え、例えば、グループ討議等で学修者が積極的に発言できるような機会を作ることなどは、学修者中 心の教育と言える。教育者中心の教育では、学修した後の景色は学修者には見えない(だから学修者は学ぶの である)という立場に立ち、教育者が学修を先導する。自らが選択して学ぶわけではないため、受動的な学び になりがちで、学修の動機づけがやや弱くなる。しばしば教育者がカリスマ的な役割を果たす。ひたすら話し 続ける講義や動画配信のような一方向性の教育は教育者中心の教育と言える。

2) 問題解決型か、情報志向型か?
問題を解決するという行為は、臨床現場で臨床医に求められる業務と相性が良い。また成人学習理論からも 問題解決型の学修は有効と考えられる。実践から問題を設定し、その解決のために理論を学ぶ、という学修の 順番を好む学修者には有効である。事実や概念、原則を習得するときや、学問分野を体系的に理解するには、 情報指向型の方が有効である。また未知の領域に知見を積み重ねることの重要性を伝えるには、情報志向型の 方が効果的であるとも考えられる。理論を先に学んでから実践に臨むことを好む学修者に有効である。

3) 統合型か、学問分野基盤型か?
学問分野基盤型では、それぞれの学問分野ごとに学修を進めていく。それぞれの学問の歴史を学べること、 教育実績が強固であることが強みである。またそれぞれの学問分野で何がわかっていないのか、ということに ついて取り上げることで、科学的探究に関連する能力の涵養も期待できる。一方で蛸壺型になってしまうとい う欠点がある。統合型では、一つのテーマに対して、基礎医学・社会医学・臨床医学のそれぞれの学問分野か らのアプローチを統合させる形で教育を設計する。水平的統合(例:人体の構造と機能について、生理学、解 剖学、外科学など多分野の講座が担当する)、垂直的(連続的)統合(例:腫瘍について、解剖学、薬理学、臨床 腫瘍学と低学年から高学年にわたって基礎・臨床教室ともに担当する)等といった教育方略は、実践へ応用可
10
能な知識基盤を構築する際に有効である 9F 。

4) 地域基盤型か、病院基盤型か?(臨床教育)
学修目標に応じて、病院か地域かという問いを基盤に、どこで学修するのがよいのかを考える。病院基盤型 であれば、指導医が多く、入院患者の診療を多く経験しやすい。また高度先進医療について学ぶことができ る。一方、地域基盤型では、プライマリ・ケアについて学ぶことができ、また、介護・福祉との連携、医療の 社会的な側面等について学ぶことができる。病院と地域がうまく連携できるように計画するとよい。

5) 選択型か、必修型か?
医学教育モデル・コア・カリキュラムは全ての医学生に対して必修とする項目を扱っている。自分の専門分 野・診療科に進まない学生にとって最低限修得しておくべき内容は何か、という問いについて常に考えてお く。選択型の場合、学修者が自ら(その科目を)選択するという行為、また学修方法を自ら選択できるというこ と自体が、学修への動機づけを高めることがしばしばある 10。

6) 系統的か、場当たり的か?
臨床実習において学ぶ内容は、担当する患者さんに依存するため、場当たり的になる。一方で、シミュレー ション教育によって、学ぶべき症候や疾患全てを網羅した系統的な学修が可能になる。実務経験を通じた学修 を On-the-Job Training(OJT)、それ以外の実務と離れて行う学修を Off-the-Job Training(Off-JT)と呼ぶが、 臨床実習は OJT の代表例である。OJT による学びの利点は、セッティングを転用する必要がない点にある(その 場で学んだことがそのまま活かされる)が、上記のとおり、学びが場当たり的なものになりがちで、学修効率
は悪いとされる。一方で、Off-JT の代表例であるシミュレーション教育は、学ぶべき内容を系統的かつ効率的

 

10 田川まさみ, 他. 医学教育におけるカリキュラム開発. 医学教育. 2014;45(1):25–35. https://doi.org/10.11307/mededjapan.45.1_25

に学ぶことができるが、セッティングを転用する必要がある。講義は系統的に計画できるが、PBL のような課題基盤型の学修は場当たり的になりがちである。PBL を主体としたカリキュラムを組む際には、学生が学ぶ べき内容全体を系統的に学べているかどうかについて、確認する必要がある。

コラム Good Practice 紹介「学内ワーキンググループによる SPICES モデルを用いた学修方略の見直し」

現実のカリキュラムがそれぞれのスペクトラム上のどのあたりに位置するのかを可視化し(図の〇印)、 次に自身が理想とする教育戦略がスペクトラム上のどのあたりに位置するのかを同様に可視化できる(図の
◎印)。理想と現実が可視化されることで、この差を埋めるためにどのようにすればよいのかを分析でき る。このように、カリキュラム開発の戦略を俯瞰するモデルとして SPICES モデルは活用できる。

7) 対面かオンラインか?
LMS や Web 会議システム等の ICT を用いて学修を提供する手段をオンライン教育といい、新型コロナウイル ス感染症が拡大する状況下で大きく進歩した。この「対面かオンラインか」という問いは、多くの教員が 日々、考えている問いでもある。臨床実習であれば、対面による教育の優位性がわかりやすい。一方で、講義 や小グループ討議の場合、オンライン教育でもほぼ同等な学修効果が得られるのみならず、録画された動画を 見直す等、学修者のペースで学修ができるという利点もある。一方で、講義と講義の間の学生同士の雑談のよ
うな時間は取りにくく、学修コミュニティが構築されにくいと言った側面もある。また、対面がよいかオンラ

11 Rouse WB, et al. Learning in the health care enterprise. Learning Health Systems. 2017;1(4):e10024. https://doi.org/10.1002/lrh2.10024

インがよいかという二項対立を超えて、両者の利点を組み合わせた教育や Virtual Reality(仮想現実)、Augmented Reality(拡張現実)、Mixed Reality(複合現実)等メタバース空間における教育の発展が今後は予想 される。対面とオンラインの利点を組み合わせて実施する教育はハイブリッド型学修とよばれ、大きく分けてブレンド型、分散型、ハイフレックス型等がある。ブレンド型は、1 回目の授業はオンライン、2 回目の授業は対面、というように、実施内容と回に応じて形式を切り替える方策である。分散型は学生を複数のグルー プに分け、たすき掛けで対面とオンラインとを入れ替えて実施する形式である。ブレンド型と異なり、対面授 業の参加人数を調整可能なため、コロナ禍等での実施には適している形式である。一方、学生によってコンテ ンツを学ぶ順番が異なる場合が生じうるため、スケジュールを組む際には注意が必要である。ハイフレックス 型は、ある 1 回の授業について、対面・同時双方向・オンデマンド等種々の形式で学生が受講できるような形 式にしたものである。例として、教室で実施している授業(対面)を遠隔会議システム等で遠隔に配信し(同時 双方向)、終了後には LMS で資料を提示することで後日の学修を可能とする(オンデマンド)、などの形式があ る。分散教育の実現や自宅待機者への教育等にも柔軟に対応しやすい反面、授業の準備や運営には非常にコス トがかかる方式となる。
コラム Good Practice 紹介「ハイブリッド型学修を用いた臨床実習の組み方」 臨床実習において、病棟での実習と小グループでの講義が混在している状況も、一種のブレンド型と考え
ることができる。知識に関する教育は遠隔(同時双方向やオンデマンド)で実施し、技能や態度に関する教育は対面でのシミュレーションや実習で行う、などの組み合わせが考えられる。

また、遠隔教育のみで行う授業であっても、同時双方向とオンデマンドを組み合わせたブレンド型授業も 可能である。なお、対面であれば対面、オンラインであればオンラインで、対象となるすべての学生が参加するため、コロナ禍等で人数制限が生じている教室を利用する際等は注意が必要である。

コラム ICT の紹介「VR」

Virtual Reality(仮想現実)の略である。2 次元または 3 次元の仮想的な空間を作り出し、その中で学修活動を行う。類語として AR(Augmented Reality:拡張現実)や MR(Mixed Reality:複合現実)等もある 。

例えば解剖学実習において、献体による解剖実習を行う前の事前学修等に用いられる事例がある。また、 従来は高価なマネキンを使わざるを得なかったシミュレーション教育に関して、多人数に対して同時に、あ るいは遠隔で実施する際などに活用できる。現実の献体やマネキン型シミュレーターを利用する場合と比較 してリアリティーが低下することはあるが、繰り返しの学修が可能であること、タブレットや PC 等でも利 用可能であることなど、利点も多い。
ヘッドマウントディスプレイ等を用い、360 度カメラの画像等を投影することで、病院や診療所等の環境を疑似体験することにも応用可能である。

12 AlQhtani A, et al. Online versus classroom teaching for medical students during COVID-19: Measuring effectiveness and satisfaction. BMC Medical Education. 2021;21(1):425. https://doi.org/10.1186/s12909-021-02888-1
13 田口真奈. 授業のハイブリッド化とは何か –概念整理とポストコロナにおける課題の検討–. 京都大学高等教育研究. 2020;26:65–74. http://id.ndl.go.jp/bib/031268764
14 Jiang H, et al. Virtual reality in medical students’ education: Scoping review. JMIR Medical Education. 2022;8(1);e34860. https://doi.org/10.2196/34860

8) 同期型か非同期(オンデマンド)型か?(オンライン教育)
非同期(オンデマンド)型学修とは教員と学生とが異なる時間軸で教育・学修を進める形態である。教員は予 め、動画講義や演習問題等を用意しておき、学生は自分のタイミングでアクセスして自学自習することにな る。疑問点等があった場合はメールやオンライン掲示板等で対応されることが多い。こうした一連の作業を行いやすくするため、LMS 等を用いて実施される場合が主である。非同期型にすることの利点は、特に知識の学修に関しては、動画や資料を繰り返し閲覧できる点、演習問題を利用して学修できる点等の利点がある。一 方、基本的には学生が 1 人で学修を進める必要があるため、学修意欲を維持することが困難になる場合も生じ うる。このため、同時双方向型の授業を適宜組み合わせる等の対応も検討する必要がある。また、レポート課 題等に対し、個別のフィードバックを行うことも有用である。

コラム ICT の紹介「LMS」

Learning Management System の略である。Course Management System (CMS) や Virtual Learning
Environment (VLE) と呼ばれることもある。オンライン授業で活用するための教材や評価を一元管理するためのシステムである。
特にオンデマンド型の教育に際し、(1)動画や PDF 等の閲覧用教材を提示する、(2)多肢選択等の知識確認 問題を提示する、(3)掲示板を通じた学生同士でのディスカッションや教員への質疑対応に用いる等の方略 で用いられることが多い。一方で、対面型授業や同時双方向型のオンライン授業においても、その場で問題 を解かせたり、クリッカー代わりに使わせたりする等の活用が可能である。加えて、実習記録や日誌等の簡 易的なポートフォリオとしての応用も可能である。
また、各教材の完了状況や実施日次、成績等を横断的にみることで、学修支援に活用することもできる。 教材の進捗状況に応じ、より深く学びたい学生には追加教材を提示したり、途中で伸び悩んでいる学生に補助教材を提示したりするような、テーラーメイド型の教育も可能となる。

9) 教育資源をどのように手配するか?
方略を検討する際には、実現・持続可能性を考慮するため、教育資源に配慮する必要がある。人的資源(誰 が教えるのか?誰が教育に協力してくれるのか?:病院・診療所・患者さん等)、時間的資源(いつ・どのくら いの時間で教えるのか?)、空間的資源(どこで教えるのか?対面かオンラインか?)、物的資源(何を使って教えるのか?)、経済的資源(そもそもどの程度費用がかかるのか?) 等を検討する必要がある。例えば、外部講師に支払う謝金や旅費、シミュレーターのランニングコスト等が含まれる。

4. 学修を効果的にするための方法

ここでは、医学教育において一般的に広く用いられている学修方法のなかから、効果的と考えられる学修方法 をいくつか紹介する。望ましい学修方法は、学修環境や学修者によって異なるため、本章で紹介している学修方 法が最善解というわけではないことに留意する。近年では、ICT の発展に伴い、学修方法はさらに発展、多様化している。詳しい解説については論文(医学教育学会誌等) や成書を参照し、適宜情報更新されたい。

1) 反転学修・授業
学修者が授業前に教科書や文献等をもとにあらかじめ割り当てられた課題を事前学修してから授業に参加す る。授業では学修者が事前学修による知識が獲得されていることを前提として、教員は学修者の知識の応用 や、批判的な思考スキルの獲得を目的に授業をファシリテーションする。

2) ロールプレイ
ある学修者が1つの役割を演じ(例:医師)、もう一人の学修者もしくは教員が別の役割(例:患者)を演じる ことで、学修者がさまざまな立場や役割を疑似体験することができる。医療面接や身体診察スキルの習得等に 活用されることが多い。学修の反復が可能であることがメリットであり、また演じた学修者間で互いの体験を 議論することで省察を促すことができる。

3) シミュレーション
現実に近い学修環境を人工的に作り出し、学修者が与えられた課題に関して問題解決を行う。リアリティー を促進するためにシミュレーター等が用いられることもあるが、模擬患者や身体部分模型、VR 等も活用可能で ある。

4) Problem-based Learning (PBL)
PBL(問題基盤型学習)は、知識の暗記といった受動的な学修ではなく、自らが能動的に問題を見つけ出し、 解決へ向かう能力を養う教育法である。PBL では、患者の事例等を題材に小グループで討論しながら学生自身 が自分の力で問題を発見すること、発見した問題を解決するために自ら学修を進めていくことが求められる。 教員は知識を教えるのではなく、グループについて、進行を見守り、学生が発見した問題が本質をとらえてい るか、解決するための学修が適切であるか等の助言を行う。典型的な PBL では小部屋に分かれて 1 グループに
1 名の教員がチューターを務めるためマンパワーを要するが、ある程度広い部屋に複数グループを配置して実
施することも可能である。

5) Team-based Learning (TBL)
TBL(チーム基盤型学習)は、学修者個人とグループの点数を合算して評価することが特徴である。TBL の授業 に先立ち、教員は事前学修課題を準備し、学修者は自主学修を行う。授業ではまず準備確認試験を行い、個々 の学生を評価する。続いて、同じ問題でグループ準備確認試験を行う。グループ準備確認試験では、スクラッ チカード等により正誤が即時にフィードバックされる。引き続き、グループで準備確認試験で身に着けた知識 を応用して解決する応用課題に取り組む。応用課題に関するグループ内討論の後に、教員の司会でグループ間 で討論が行われ、討論のなかで正解が導かれる。

6) Case-based Discussion (CbD)
Case-based Learning と呼ばれることもある。特定のケースに基づき学修者と教育者で構造化されたインタラクションを通じて、臨床推論や意思決定等を学ぶ方法である。事例には現場に関係する文脈(置かれた状況や背景等)が記載されているため、文脈がない学修より知識の応用等の面で効果的な学修方法といわれる 。

7) Peer Learning
同僚間教育とも呼ばれ、一般に同等の学修レベルの学修者が教え合うことを示す。Peer-assisted Learning
(PAL:同僚支援学習)とも称される。このうち、上級生や下級生を教える形態は Near-peer learning と呼ばれ、屋根瓦式教育と同義と考えられる。双方の認知的近接性を背景に、教育上の足場がけ(Scafold)が効果的 に可能であること、心理的安全性が保持されることがその利点とされる。一方、教育内容の質保証のために、 教師側への指導内容や指導方法の教授としてのチューター養成も重要である。

8) 診療参加型臨床実習
臨床実習では見学にとどまらず、診療に積極的に参加する形態をとることで、より問題基盤型で自己主導型 の学修となり、成人学習理論に合致した方法である。教育者はやってみせる段階から徐々に学修者に議論や臨 床経験を体験させる。得られた知識の例示化や学修者の内的過程を外化するように働きかけ、熟練者の問題解決の過程を習得していく(認知的徒弟制)。最初は周辺の小さな役割 (責任)を持って徐々に主体的に中心的役割を担っていくように設定するとよい(正統的周辺参加)20F
施ガイドラインを参照されたい。

。臨床実習の設計については診療参加型臨床実習実

コラム 診療参加型臨床実習の準備教育①「シャドーイング」

学生や研修生のような学修者が、1 日、1 日の一部、またはそれ以上の期間、専門職の後ろにつき、その専 門職のコンピテンシーを学び、キャリア選択を考える等の目的で実施する教育機会である
( https://students-residents.aamc.org/aspiring-docs-fact-sheets-get-experience/shadowing-
doctor )。医師になる前に、医師の典型的な 1 日を学ぶなかで、複雑な業務の内容を理解できる。医師以外の職種につくことで、他職種の役割やチームワークを学ぶこともできる。 シャドーイング自体は受動的学修であるが、診療参加型実習での準備教育となり、学修意欲を高めることに役立つ。

コラム 診療参加型臨床実習の準備教育②「早期臨床体験実習」

学部教育の早い時期に、医学・医療の現場に接する実習であり、実際の患者やロールモデルとなる臨床医 と接することで、学修意欲を向上させることができる。レポートを記載する等、省察する機会を設けておく ことが重要である。省察の機会を設けることで、体験に基づいた自分の考えを客観的にとらえ、概念化し、今後の課題を見出すことができる(Kolb の経験学修論)。

9) Significant Event Analysis (SEA)
行動において省察する意義がある(Significant)と思われた、あらゆる事象(Event)を取り上げ、物事が起こ った原因を構造的に振り返り、改善策の立案に活かす手法である。学修者自身が省察し、学びを得るための方 略・評価方法として用いられることが多い。省察を基盤とするために、多種多様な事象に適用することが可能 であるが、特に情動領域の教育に用いやすい。例えば、プロフェッショナリズム教育の一例に挙げると、建前 では一定の行動規範がたとえあったとしても、現実に照らし合わせるとどう行動すべきか困惑したような事象
について、SEA シートに記載することで省察し、さらに教員や同僚と共有して議論を行う。

20 Brown JS, et al. Situated cognition and the culture of learning. Educational Researcher. 1989;18(1): 32–42. https://doi.org/10.3102/0013189×018001032
21 Lave J, et al. Situated learning:Cambridge University Press;1991.
22 Rosen L, et al. Off to the right start: A model for developing collaboration with nurses early in medical school. Medical Science
Educator. 2013;23(S3):513–23. https://doi.org/10.1007/bf03341674

10) 学修ポートフォリオ
学修者が意図的に収集した 1 つまたは複数の領域における学修者の経験、進歩、及び成果のコレクションで あり、これらの成果物の選択には学生が主体的に関わり、その成果物を収集した理由、及び学修者の振り返りの証拠が含まれている必要がある。医学教育におけるポートフォリオについては「学修の文書化と学修内容の明確化」として、学修者の経験の記述と考察・振り返り、問題領域に関する考察・振り返り、学修した内容、及び新しい学修ニーズに取り組む方法の計画等も含まれる。

コラム 講義中心のカリキュラムを見直す

カリキュラムを組み直す際には、まず、現行の時間割を医学教育モデル・コア・カリキュラム (令和 4 年 度改訂)の資質・能力と突合して、過不足を確認する必要がある。 各分野を担当する教員とは、対象となる資質・能力を確実に情報共有するとともに、学修方略についても見 直しを行う。
現行のカリキュラムが「講義中心」なのであれば、たとえば下図のように各資質・能力の修得に向いてい
る新たに取り入れたい学修方法は何か、各担当教員とも協議し、シラバスの組み直しを行うとよい。

※上記表の数字と「前」「後」という記載は、学年と前期・後期を表す。例)2 前:2 年生前期

23 Leon PF, et al. What makes a portfolio a portfolio? Educational Leadership. 1991;48(5):60-3
24 Snadden D, et al. Portfolio learning in general practice vocational training does it work? Medical Education. 1998;32(4):401–6. https://doi.org/10.1046/j.1365-2923.1998.00245.x

Ⅱ.学修評価

1. 学修評価の考え方
1) Miller のピラミッド

1990 年、医学教育における評価に関する概念図として、“Miller のピラミッド ”が提唱された(下図)。

最も基盤にある「Knows」は、専門職としての能力を発揮するために必要な知識を示している。「Knows how」 は、収集した情報を分析・解釈して診療に応用する能力を示している。「Shows how」は、これらの能力を模 擬的な環境も含めた行動として示す能力であり、「Does」は診療の現場で実践する能力である。学修カリキュ ラムにおいては、学修目標、学修方略、学修者評価を Miller のピラミッドと照らし合わせて考えると概念を 整理しやすい。学修者の能力は、Knows、Knows how、Shows how、Does の能力が複合的に組み合わさってい る。Knows や Knows how の能力(認知能力)を有していることは、Shows how や Does の能力を有していることを 保証しない。評価法としては、Knows や Knows how の評価として筆記試験、Shows how の評価として模擬患者 やシミュレーターを用いる OSCE、Does の評価として Workplace-based Assessment(観察評価)が用いられるこ とが多い。学修者評価においては、学修目標や学修方略と照らし合わせて認知能力に偏らない評価を実施する こと、すなわち、診療等における実践的な能力の評価においては Shows how や Does の能力評価を意識するこ とが必要である。Knows から Does にかけて、評価の真正性があがっていく。一般的に低学年では Knows や Knows how の評価が主体だが、学年が上がるにつれて Shows how、そして診療現場における Does の評価が主体 となっていく。卒前の臨床実習における Does の評価は卒後臨床研修での学修や評価につながっていく。

図 Miller のピラミッド(図は、Miller, 1990 のものを参照して作成した)

2) 資質・能力の評価
医師として求められる資質・能力は複数の多面的な能力として記載される。それら資質・能力は通常、知 識・技能・価値観・態度等の要素を包含する観察・評価可能な能力(コンピテンシー)から構成される。Miller のピラミッドを参考にしながら、それらのコンピテンシーを評価することにより、複数のコンピテンシーで構 成される資質・能力の領域が評価される。コンピテンシーの評価は、妥当性を考慮しながら筆記試験、パフォ
ーマンス・テスト(OSCE 等)、観察評価、ポートフォリオ等により多面的に行われる必要がある。

25 Miller GE. The assessment of clinical skills/competence/performance. Academic Medicine. 1990;65(9): S63–7. https://doi.org/10.1097/00001888-199009000-00045

3) 形成的評価と総括的評価
形成的評価は学修の過程で実施し、学修者に到達目標の達成に不足している点を気づかせ、改善を促すこと を目的とする。指導者から学修者へ効果的なフィードバックを行うには、対象の明確化や適切な頻度とタイミ ングが重要である。総括的評価は学修過程の終了時期に実施し、学修者が到達目標(合格水準)に到達している かの判定を目的とする。医学教育における適切な総括的評価の実施は、大学や資格付与機関が社会に対して果 たすべき重要な責務であり、単位認定試験、進級判定、卒業試験、共用試験や医師国家試験が該当する。

4) 評価の妥当性・信頼性と実務的要素
評価の質を規定する科学的概念として、妥当性と信頼性がある。妥当性とは、評価すべき資質・能力を正し く評価できているかを示す概念である。資質・能力の有無や程度を一般化して結論できる評価であるか、とい う表現も可能である。評価内容と学修領域の一致性だけでなく、評価ツールの質、評価の管理・運営方法、さ らには評価による学修者、指導者及び組織への影響を含め、多面的な根拠から検証されるべき概念である。信 頼性とは、評価を行った際、項目、時間、評価者等の間で評価に再現性や一貫性があるかを意味する。評点の 信頼性の検証はしばしば α 係数や一般化可能性理論等を用いて行われる。とくに大人数を対象とする試験で は検証する必要がある。妥当性の一部とみなす場合もある。さらに、実際の評価には、これらの科学的概念だ けでなく、実行可能性や教育的インパクトといった実務的要素も影響する。実行可能性とは、その評価計画に 対する人的・物的資源の準備のしやすさ、当事者の評価制度への理解度・受容度であり、導入しやすさを規定 する。教育的インパクトとは、その評価の内容、手法、比重、結果の伝達等が学修者の行動に及ぼす影響であ り、望ましい学修行動を指向させられるように計画する。評価を有効に機能させるためには、妥当性・信頼性 と実務的要素のバランスを取って設計する必要がある。

5) 評価におけるブループリント
評価におけるプループリントとは、評価する領域から体系的に試験問題や課題が作られ、得られたデータが 評価するべき資質・能力を網羅していることをあらかじめ示した設計書である。ブループリントには、対象と なる領域の内容、評価する学修成果の記述、評価方法、問題数、得点の配分等が記載される。ブループリント は評価の妥当性を示すために必須である。
コラム「Programmatic Assessment」 連続的な学修者の能力・資質の成長において、ある時点での限られた評価方法による能力・資質の判定は
妥当でないという観点で確立された学修者評価の概念である。教育プログラムの質評価の意味ではない。以 下の 4 つの特徴が含まれる概念である。①学修者評価はカリキュラム中の異なる時点で、複数回、多様な方 法で行われる設計を目指す。②単回の評価結果は学修者の自己分析や教育者からのフィードバック(形成的評 価)を含むメンタリングに活用され、定量的・叙述的情報として残す。③進級や卒業等の重要な判定(総括的 評価)は、複数回の多様な評価結果の定量的・叙述的情報を包括的に取り入れ集約する。評点の単なる合算に は基づかない。④重要な判定はメンタリングや教育指導に直接関わらない複数のステーイクホルダーによる 合議によって行い、その真正性を高める。カリキュラムの中で①~④で特徴付けられた評価がプログラム化 された体系をとる(図)。

(図)Programmatic Assessment のモデル

(図は Van der Vleuten C, et al. 201225Fのものを参照して作成した)

6) 評価規準と評価基準
評価規準とは、評価における観点(評価項目)のことである。評価基準とは、各評価規準(観点、評価項目)に ついて数段階に分けて文章で説明した尺度である。
多肢選択式問題(MCQ)のように、いつ、誰が評価しても結果が変わらない評価はごく一部であり、記述解答
試験、口頭試問、パフォーマンス評価等多くの評価が評価者の主観に影響される。異なる時間、異なる評価者 において一定の観点と尺度とで評価できるよう、それぞれを予め明文化して表にしたものはルーブリックと呼 ばれ、ルーブリックは評価規準と評価基準で構成されている。

2. 学修評価の方法
1) 筆記試験
ある問題に対して紙面への筆記やコンピューターへの入力により解答する試験である。主に知識(認知領域) を評価するために用いられる。技能(精神運動領域)、態度(情意領域)の能力を評価するのには限界があるの で、より適した他の評価方法と組み合わせることが望ましい。客観試験と記述試験に大別され、以下に詳述す るような特徴がある。さらに、医学教育の特性に合わせた特殊な形式がいくつか開発されている(後述)。

2) 客観試験
解答の選択肢を与え、選択して答えさせる方式である。選択式、正誤判定(○×)式、組み合わせ式、並べ替 え式等の形式がある。機械的採点が可能で、量的処理が容易である一方で、もっぱら情報を想起できるかを問
うており、評価可能な認知的能力は浅くなりやすい。問題作成にあたっては、問いたい能力の有無をより正確に識別するために、問題文や選択肢を吟味する必要がある。選択式は、記号で示された複数の選択肢からあて はまるものを選ぶ形式で、国家試験や共用試験 CBT 等で採用されている。選択肢の形式は択一、複数選択等が ある。客観試験に共通する問題吟味の必要性に加え、本形式特有のピットフォールとして、選択肢を手がかり にして解答を導けたり、わからなくても適当に解答できる場合があることが知られている。選択肢数や採点方 法を工夫することである程度克服することができる。

3) 記述試験
解答を記述する形式の試験で、短答式と論述式に大別される。短答式は語句、数値、数式、化学式、英単語 等、文を構成しない短い解答を記述する問題である。論述式は文章で解答を記述する問題で、広義には図表で 解答させるものも含む。客観式に比べ、情報を応用する、分析するといった深い認知的能力を問いやすくなる が、限られた試験時間では評価すべき領域を十分網羅できない場合もある。また、採点には比較的労力を要す るだけでなく、特に論述式で再現性を保つためには、ルーブリック等の採点基準を用意する必要がある。
コラム「医学教育の特性に合わせた特殊な筆記試験」 知識を活用して推論する能力を筆記試験で評価するために、Key Features 問題(事例を提示し、その問題解決につながる病歴、診察、検査等の要点を問う)、Script Concordance テスト(事例と臨床仮説を提示し、ある情報が加わることでその仮説がどう変化するかを問う)、順次解答連問(ある事例の診療経過に沿った各段 階での判断を順次問うもので、前問の正答となる情報を都度追加提示することで、各段階の推論能力に焦点をあてた評価を行う) 等の形式が開発されている。

4) Workplace-based Assessment(観察評価)
Workplace-based Assessment は、診療現場における学修者評価と訳されることがある。日常的な行動・態度 の評価を通じて実践的能力を評価できる。主に評価者の観察によって評価できる。異なる評価者でも一定の観 点と尺度で評価できるよう、ルーブリックの作成を推奨する。一方、評価のばらつきは学修者能力の多面的な
観察を示唆するため、その最小化を目指す必要はない。むしろ、様々な立場の評価者を設けること(360 度評
価)や、根拠の詳細を記述することが、観察評価を能力と一般化して判定する際には重要である。

5) OSCE
OSCE(Objective Structured Clinical Examination)は客観的臨床能力試験と訳される。あらかじめ定めら れた共通の課題を用いて学修者のパフォーマンスを評価する。評価では共通の規準・基準を用いる。学修者 (受験者)は、共通の物品等が準備された各試験室で試験を受ける。臨床に関する資質・能力のうち、技能や態 度についての評価に適している。客観的に評価できるという特長があるが、実施にあたっては多くの人的・物 的・時間的リソースが必要である。臨床実習開始前や臨床実習終了後に、全国で大規模な共用試験 OSCE が実 施されている。そのほか、臨床実習の診療科ローテート中またはローテート後に、形成的あるいは総括的評価 の目的で OSCE を実施することがある。

6) ポートフォリオ評価
ポートフォリオとは、学修者の成果や一定期間にわたる自己省察を通じての知識、技能、態度や理解の向
上、及びプロフェッショナルとしての成長を示す記録を蓄積したものである。卒前の医学教育では、症例報 告、経験した手技のチェックリスト、観察評価、研究成果レポート、学会参加、学修したことに関する自己省 察等が含まれる。評価と学修が密接に連携していることや、プロフェッショナリズム等、従来の方法では評価 が難しかった領域で学生を評価できることから注目されるようになった。

7) 共用試験
共用試験は 2 つの部分からなる。ひとつは、医学生が診療参加型臨床実習を行うための能力や適性を有して いるかを評価する試験である(医学系 CBT 及び医学系臨床実習前 OSCE)。もうひとつは、医学生が診療参加型臨 床実習により医学部の卒業を許容できるレベルの臨床能力を有しているかを評価する試験である(臨床実習後 OSCE)。令和 3 年度に医師法が改正され、令和 5 年度より医学系 CBT 及び医学系臨床実習前 OSCE の合格が臨床 実習を行うために必須とされ、同年度より全国統一基準にもとづいて合否判定が行われることになった。ま た、令和 7 年度より本試験の合格が医師国家試験の受験要件とされることになった。
共用試験は、共用試験実施評価機構(CATO)によって試験準備(課題作成等)、試験実施・支援、試験結果解析
等が行われている。医学系 OSCE においては、評価の標準化をはかるため、認定評価者や認定標準模擬患者の 養成が行われている。

①医学系 CBT
医学系 CBT は、医学教育モデル・コア・カリキュラムの中で、客観試験に適し、かつ、臨床実習前に必要 とされる知識について、全国の大学教員が共同で作成した問題を出題する試験である。7 ブロックよりな り、第 1〜第 4 ブロックは五選択肢択一問題、第 5 ブロックは多選択肢択一問題、第 6 ブロックは順次解答
4 連問五選択肢択一問題で構成される客観試験である。試験は大学ごとに異なる日程で実施されるため、あ らかじめ統計データを収集した多数のプール問題より難易度が等しくなるように組み合わせて出題されて いる。異なる問題でも正確に学力を測定するため項目反応理論に基づいて成績が算出される。

②医学系臨床実習前 OSCE
医学系臨床実習前 OSCE(Pre-CC OSCE)は、医学生が効果的な臨床実習を行うために、臨床実習開始前に臨 床実習に必要な基本的診療技能・態度について適正な評価を、各医学系大学が、相互協力のもとに行う試
験システムである。受験生は医療面接、身体診察(全身状態とバイタルサイン、頭頸部、胸部、腹部、神
経、四肢と脊柱)、基本的臨床手技、感染対策、救急等についての試験を受ける。試験に出題される受験 生が学修すべき項目は学修・評価項目に記載されている。

③医学系臨床実習後 OSCE
医学系臨床実習後 OSCE(Post-CC OSCE)は、臨床実習が終了した全ての医学生を対象に実施する OSCE であ り、卒業時の臨床能力すなわち臨床研修開始時に必要な臨床能力を評価することを理念としている。共用 試験実施評価機構(CATO)が定める「臨床実習終了までに修得すること(CATO) 」に記されている行動(以下) の全部あるいは一部についての資質・能力が評価される。評価される項目の詳細は、医学教育モデル・コ ア・カリキュラムにもとづいて作成された学修・評価項目に記載されている。令和 2 年度より正式実施とな り、令和 4 年度現在、CATO が OSCE の実施要項を定め試験課題を提供しているが、実施大学が作成した独自
課題の実施も求めており、合否判定は各大学に委ねられている。

【参考】臨床実習終了までに修得すること(CATO) (医療系大学間共用試験実施評価機構 26F

27)

患者・家族の心情によりそい信頼を得て、患者中心の医療を実践するために、医学生は臨床実習終了までに 以下を修得しなければならない。

1. 適切なコミュニケーションによって医療面接を行い、必要な情報を得る。

 

 

27公益社団法人 医療系大学間共用試験実施評価機構. http://www.cato.umin.jp/

2. 適切に身体診察を行い、必要な情報を得る。

3. 得られた情報から適切な臨床推論を行う。

4. 状況に応じて適切に症例提示を行う。

5. 得られた情報を統合して問題点を列挙し、それに則した適切な診断・治療・教育計画を立てる。

6. 臨床上の問題に対してエビデンスを収集し、批判的吟味を行なった上で、患者への適用を検討する。

7. 診療録を遅滞なく、正確にわかりやすく記載する。

8. 医療安全上の問題を認識し、適切な行動をとる。

9. 多職種で適切に協働する。

10. 必要な情報を患者等と共有し、患者の主体的な意思決定を支援する。

11. 基本的臨床手技を安全かつ適切に実施する。

12. 得られた情報から緊急性を評価し、適切に初期対応を行う。

学修・評価項目を含め、共用試験に関する最新の資料は以下から入手できる。 公益社団法人医療系大学間共用試験実施評価機構ホームページ( https://www.cato.or.jp/ )

8) 医師国家試験
医師国家試験は、医師法第 9 条で「臨床上必要な医学及び公衆衛生に関して、医師として具有すべき知識及 び技能についての試験」と規定され、毎年少なくとも 1 回実施される。国家資格として医師の質保証を行うた めに高い信頼性と妥当性が求められる厳格な試験であり、合格者には厚生労働大臣より医師免許証が交付され る。試験は医師国家試験出題基準に基づき作成され、医師としての基本的姿勢や基本的臨床能力を主題とした
「必修の基本的事項」、診療科横断的な共通事項や公衆衛生を主題とした「医学総論」、診療分野別の疾病や 病態を主題とした「医学各論」で構成される。
医師国家試験出題基準は医学教育モデル・コア・カリキュラムが示す医師として求められる基本的な資質・ 能力や経験すべき症候・病態と多くの共通項目を有している。また、各項目の出題割合は医師国家試験設計表 (ブループリント)により規定されている。医師国家試験の出題方針は定期的に見直されている。医師国家試験
28

出題基準(平成 30 年版)27F

は以下から入手できる。

厚生労働省ホームページ ( https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000128981.html )

 

コラム「学修者評価とカリキュラム評価」 学修者評価は、学修成果(コンピテンシー)の修得度を学修者や学修者が所属する組織・集団が認識するた
めに用いられ、一人ひとりの学修者は評価を通じて学修目標の達成へと向かっていく。一方で、学修者評価 の評価結果を分析することにより、カリキュラムが効果的に構築、実施されているのかを検証することがで
きる(カリキュラム評価)。学修成果の評価方針(アセスメント・ポリシー)は、評価の目的、評価基準、具体

 

28 平成 30 年版医師国家試験出題基準について. https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000128981.html

的な実施方法等を含むものであり、学修者評価あるいはカリキュラム評価を実施する際に、学修成果を適切 に把握・可視化するための指針となる。
学修者評価の評価は Assessment、カリキュラム評価の評価は Evaluation と訳されることがある。

 

Good Practice「「卒業試験」によらない卒業時評価」

我が国の医学教育では、「卒業試験」すなわち臨床実習の修了と卒業の可否を判定するために、各科が出 題し総括的評価を行う筆記試験が長らく行われている。しかし、
①卒業の可否のような重大な判断を単回の試験で行うと、学修者は試験対策目的の近視眼的な対応をとって しまいやすく、継続的な学修態度の涵養を妨げる。
②筆記試験では、技能・態度に関わる能力を測りづらい。
③卒業時コンピテンシーを反映した妥当性を十分備えているか検証せずに実施される場合がある。 といった問題があり、一部の大学では廃止する動きがある。
代替策として、例えば①については、プログレステスト(卒業時に求められる程度の試験をより低年次から
定期的に課すことで、能力の伸長を経時的に可視化する試験手法)を用い、低年次でも所定の成績を修めれば 卒業試験に合格したと認める大学もある。実習期間中に実施する試験(筆記試験、OSCE)にプログレステスト 的要素を持たせるために、複数学年に同一の試験を課したり、複数回の試験を実施することも考えられる。
②については、臨床実習後 OSCE の導入によってある程度解消されたと考えられるが、共用試験実施評価機
構が提供する課題だけでなく、大学独自課題を充実させることで、各大学の考える卒業時総括的評価を構築 することもできる。また、紙面ではなくコンピューターで出題し、音声や動画を加えることで、より幅広い 能力を問おうとする試みも研究されている。
③はあらゆる試験で生じる問題であり、試験設計時にブループリントを作成し、出題内容が卒業時コンピ
テンシーを過不足なく反映しえているかを検証することで、克服を目指す。
さらに、Programmatic Assessment(別項参照)のように様々な要素を体系的に評価に組み込む手法が有用と 考えられる。その際には、臨床実習における様々な機会を体系的に吸い上げるために、観察評価やポートフ
ォリオといった多様な評価手法を導入することが求められるだろう。

 

3. 学修評価についての問い
学修者評価の計画・実施・解釈は、学修目標、学修カリキュラム、学修環境等、様々な学修要因の影響を受け る。学修者評価を設計する上で検討すべき「問い」を以下に記す。それぞれの問いの答えは一つではなく、教育 機関ごとに異なるので回答は記していない。より良い学修者評価に向けての観点の例として、参考にしていただ きたい。

1) 資質・能力の評価
・「医師として求められる基本的な資質・能力」はどのように評価したらよいだろうか。

・資質・能力の「科学的探究」はどのように評価したらよいだろうか。卒業論文は必要だろうか。

・資質・能力をコンピテンシーまたは汎用的技能(ジェネリック・スキル)として評価することと、知識・技 能・態度に分けて評価することの違いは何だろうか。
・学修者の能力発達を集積して把握するにはどうしたらよいだろうか。

2) 臨床実習の評価
・臨床実習の観察評価において留意すべきことは何だろうか。

・観察評価の結果を臨床実習の総括的評価に用いるためにはどうしたらよいだろうか。

・臨床実習の総括的評価において、必ず経験すべき診療科での評価とそれ以外の診療科での評価をどのように 扱うとよいだろうか。
・各実習病院での評価はどうあるべきだろうか。

・臨床実習の評価は観察評価だけで十分だろうか。

・学内で OSCE 課題を作成する際に、何についてどのように設計すればよいだろうか。

3) 科目の評価
・臨床系科目の試験の出題範囲(全領域または領域別)はどうしたらよいだろうか。試験形式は MCQ 形式が望ま しいだろうか。
・MCQ は五選択肢択一形式が最適だろうか。選択肢数を増減したり、複数選択式にすることでどのような影響

があるだろうか。

・複数科目を総合試験化することで、評価の妥当性・信頼性にはどのような影響があるだろうか。

・共用試験医学系 CBT で評価できていない内容は何だろうか。

・科目試験の回数と時期はどのように設定したらよいだろうか。科目の最後に一回だけ実施すればよいだろう か。
・レポート評価の課題設定や採点はどのように行うとよいだろうか。

・大人数授業やグループ学修での態度評価はどのようにしたらよいだろうか。

4) 合否判定
・科目試験における合否判定基準をどのように設定したらよいだろうか。60 点という基準の根拠は何だろう か。
・科目の合否判定に“出席点”を含めてよいだろうか。

・再試験はどのような場合に設定するとよいだろうか。

5) 評価法
・卒業時の評価は医師国家試験と臨床実習後 OSCE だけで十分だろうか。

・自大学における各評価法の長所・短所は何だろうか。(教員の視点及び学生の視点から)

・自大学における各評価法の信頼性と妥当性を検証し、高めるためにどうしたらよいだろうか。

・形成的評価をどのように行うとよいだろうか。

・360 度評価をどのように行うとよいだろうか。

Ⅲ.方略・評価の事例
事例 1.プロフェッショナリズム
(1)関連する主な資質・能力/学修目標
プロフェッショナリズム/ PR-01-01: 誠実さ、 PR-01-02: 省察

(2)方略
1)概要
医学教育モデル・コア・カリキュラムの学修目標として掲げているプロフェッショナリズムに関連した 項目は、いずれも、教育も評価も難しい内容ばかりであるが、ある程度効果的とされる方法をいくつか紹 介する。医師のプロフェッショナリズムに関する様々なテーマ(例:医師の働き方、倫理的ジレンマ等)に
29

ついて議論し、省察し、内在化するための機会を提供することは効果的とされている 28F

。臨床実習であれ

ば、実際の診療経験を振り返る機会を設けることが一案である。また、臨床実習前であれば、動画教材を 有効に活用すれば、学修目標にそったテーマを予め準備し、系統的に学修目標について討議する場を準備 することができる。プロフェッショナリズム教育に有用な映画のリスト、及び患者のナラティブの動画素
30

材例(DiPEx)を以下に示す 29F
ョンと呼ぶ。

。なお、映画全体または映画のクリップを使用した教育法をシネメディケーシ

(http://jsme.umin.ac.jp/com/pro/jmse_recommend_movies.html#am15) (https://www.dipex-j.org/)

2)どのような方法で教えるのか?
①動画を用いた教育
・プロフェッショナリズムの学修目標の中から、授業で取り扱うテーマを決める。それに合った動画を選定 する。
・授業時間も考慮しながら、事前に動画を見てきてもらうか、もしくは当日その場で見るかを決める。事前
に見てきてもらう場合には、見てこない学生へのフォローを考えておく。
・動画の著作権に配慮する。当日、講義室で上映する場合には特に問題はない(著作権法第 35 条)。事前に 見てきてもらうような設計にする場合、違法動画等を用いないようにする。
・映像の内容や扱うテーマが、学修者自身や周囲の人々の経験とあまりに近いために感情的に大きく揺さぶ られる場合がある。気分が悪い、観賞していて辛い等あれば、途中で退席可能なことをあらかじめ伝えて おく。
・視聴後、感想を 4~5 人のグループで議論する。動画を視聴して感じたこと、考えたことを自由に話し合
う。相手の意見に対して非難・判断・評価をしないことをグラウンドルールとしておくことは効果的であ る。
・患者のナラティブについて動画素材を用いる場合には、視聴後、どの動画の内容を模倣して、学生が「医
師役」「患者役」「観察者役」となるロールプレイを行うことも効果的である。ロールプレイの後、それ ぞれの役を演じてみてどのように感じたのかについて自身の意見を述べたり、お互いにフィードバックを したりする。
・ロールプレイは、取り扱う動画によっては、学生が演じるには医学知識が不足し、難しいものもある。そ
の場合には、あらかじめおおまかな台本を準備する、教員が患者役をする等、学生のレディネスに応じた

 

29リチャード・クルーズ,他. 日本医学教育学会 倫理・プロフェッショナリズム委員会(監訳),医療プロフェッショナリズム教育【理論と原則】.
日本評論社 2012:p52
30 孫大輔. 4. 患者の語りを用いたプロフェッショナリズム教育. 医学教育. 2019; 50(5): 507–11. https://doi.org/10.11307/mededjapan.50.5_507

ロールプレイの設定を考えるとよい。

②臨床実習の経験の振り返り
・臨床実習における診療経験を指導医とともに振り返る機会を設ける。さまざまな診療経験の中で、特に、 プロフェッショナリズムに関連した経験に焦点を当てる。
・1 対 1 で実施しても良いし、複数の学生からなるグループで実施してもよい。
・振り返りの際のツールとして、SEA を用いると、構造化された振り返りが可能になる。
・できるだけ学生の自己評価を尊重する。

 

31, 32, 33

SEA(Significant Event Analysis) 30F

31F

32F

構造化された振り返りの形式の一つ。感情が揺さぶられた(嬉しかった、怒りを覚えた、困惑した、悲しか った等)経験を取り上げて、以下の 4 つの項目に沿って、学修者の振り返りをファシリテートする。学生に事 前に記載してもらっても良いし、対話形式で口頭で行っても良い(学修者が書くことが得意か話すことが得意 かにもよる)。
①何があったのか?
②①の経験を通じて自分自身はどう感じたのか?(感情を言語化する)。
③なぜ自分自身が①の行動をとるに至ったのか?(社会的背景も含めて言語化する)。
④自分自身は①の経験から何を学んだのか? 学修者の自己開示が求められるため、学生にとって安全な環境を設定するように配慮する。特にグループ
で実施する場合は、個人情報の保護や学修者の心理的負担に配慮する。一対一で実施する場合には、カウン
セリングの手法が参考になる。

 

3)誰が教えるのか?
診療に関わっている教員、倫理の専門家

4)講義・実習等の時間はどのくらいか?
①動画を用いた教育
・その場で映画を一緒に見る場合:2 時間 30 分~3 時間程度
・映画の一部を利用する場合:30 分~1 時間 30 分程度
・患者のナラティブを動画素材で用いる場合:30 分~1 時間 30 分程度
・ロールプレイを行う場合:1 時間 30 分~3 時間程度
②臨床実習の経験の振り返り
・1 対 1 で行う場合:30 分~1 時間程度
・グループで振り返りを行う場合:1 時間~2 時間程度

 

 

 

31 宮田靖志, 他. 地域医療必修実習における“significant event analysis (SEA) を用いた振り返り”の検討. 医学教育. 2008;39(3):153–9. https://doi.org/10.11307/mededjapan1970.39.153
32 臺野巧. 9.2 勤医協中央病院初期研修プログラムにおける SEA (significant event analysis) の実践. 医学教育. 2020;51(5):,600–2. https://doi.org/10.11307/mededjapan.51.5_600
33 野村英樹. 9. 有意事象分析 Significant event analysis 9.1 非行 misconduct が認められた学習者の再教育 remediation ツールとしての
SEA. 医学教育. 2020; 51(5):596–9. https://doi.org/10.11307/mededjapan.51.5_596

5)講義・実習等の場所はどこか?
①医学部内の講義室 できれば、グループワークが 1 か所でできる広い平面教室・椅子が移動できる方が良 い
②病院内のカンファレンスルーム、オンライン会議システム上等。

6)教える学生は誰で何人程度か?
①すべての学年の学生、100 人以上でも可能
②臨床実習の学年の学生、1~6 名程度の学生

7)カリキュラム評価
授業終了後アンケートの自由記載項目(授業のよかった点・改善が望まれる点・具体的な改善案)

8)講義・実習を行う際に必要なヒト(模擬患者含む)・モノ等は何か?
①動画教材、上映機器。オンラインで行う場合はインターネット環境。
②医師役用の白衣

(3)評価
1)概要
授業の到達目標は以下のように示すことができる。
1. 社会から信頼される専門職集団の一員であるためにはどのように行動すべきかを考え、行動できる。
2. グループ討論やロールプレイで、品格と礼儀を持って、他者を適切に理解し、思いやりを持って接する ことができる。また、他者からのフィードバックを適切に受け入れることができる。
3. ①医学・医療の歴史的な流れとその意味の概要、②生と死に関わる倫理的問題の概要、③医師の職業倫 理指針に関する規範の概要、を理解している。

2)どのような形成的評価・総括的評価を実施するのか?
・形成的評価
到達目標 1 に対応させ、不合格者との個人面談で個別のフィードバックを行う。
到達目標 2 に対応させ.グループ討論やロールプレイで学生同士のフィードバックを行う。
到達目標 3 の①~③に対応させ、提出レポートの評点規準として①~③を用い、フィードバックコメントを 沿えて返却する。不合格者に対しては個人面談の際に口頭でもフィードバックを行う。学修者全員へのコメ ントが困難な場合、全員に対して①~③の規準で評点を付けた旨を通知し、提出レポート全体の総評を通知 することでも可とする。

・総括的評価
到達目標 1 に対応させ、不当な理由による欠席、遅刻及び課題提出遅延を不合格基準と定める。また、授業 中に社会から信頼される専門職集団の行動とは逸脱したものが観察された場合も不合格を検討する。 到達目標 2 に対応させ、グループ討論やロールプレイでの学生同士の評価(Peer Assessment)や、SEA を含め た自己省察の内容をレポートとして提出してもらい、ルーブリックを用いて基準を定め、評価する。 到達目標 3 の①~③に対応させ、自己省察レポートを記載する際に、①~③を踏まえた省察記述を促す説明 や設問を示す。また、①~③を評価規準としたルーブリックを作成し、評点する。 事前連絡のあった正当な理由での欠席、遅刻の場合は、該当する課題の動画視聴と個人レポートの期限内の 提出で改めてルーブリックを用いた合否判定を行う。

無断の欠席、遅刻、課題提出遅延、及び逸脱した不適切行動で不合格と判定されたものは、後日、教員との 個人面談を行い、その上で追加課題の動画視聴と個人レポートとを課す。 本授業の総括的評価の目的は、受講生のうち、個人面談を受けるべき学修者を適切に抽出することである。 また、フィードバックと追加課題の目的は、不合格と判定された行為を再発させないためである。追加課題 提出後の合否判定については、その後のカリキュラムの一定期間で不合格と判定される行為が繰り返し観察 されるかで判定する。この結果は進級・卒業判定の一部となる。

事例 2.人体解剖学
(1)関連する主な資質・能力/学修目標

プロフェッショナリズム/ PR-02-03: 品格・礼儀

専門知識に基づいた問題解決能力/ PS-02:人体各器官の正常構造と機能、病態、診断、治療

(2)方略
人体解剖学実習及び脳実習
1)概要
人体解剖学実習及び脳実習では、誰一人教科書通りの構造をもたない「ヒト」を解剖することにより、科 学的探究、専門知識に基づいた問題解決能力、情報・科学技術を活かす能力を身に着ける。それだけではな く、自らの意思で献体して下さった社会の一員である「故人」を解剖する機会を経験することにより、プロ フェッショナリズム、総合的に患者・生活者を見る姿勢を学ぶことができる。また、チームワークを通じて
34
生涯にわたって学ぶ姿勢を学ぶことが可能である 33F 。

2)どのような方法で教えるのか?
①オリエンテーション(講義、振り返り)
人体解剖学実習に先立つオリエンテーションでは、解剖に関係する法律、献体活動がどのように生じ、維 持されているか等、実習が社会によって支えられていることを学ぶ。実習に臨む際に、社会的責任やプロフ ェッショナリズムについて考えることが求められ、社会の期待に応えるためにはどのような姿勢で実習に臨 むか、振り返りを行う。
学生は、実習を行う環境を清潔に保つというような作業環境管理、作業の効率化や手順の意味を考えなが
ら正確に作業を行うといった作業管理の考え方を考え、学ぶための重要な機会となる。
②人体解剖学実習、脳実習(自己学修、実習、グループ討論)
特別な事情がない限りすべての実習に参加することを必須とする。人体解剖学実習では、予習を通じて構 造の名称等の知識を学び、講義によりそれぞれの構造のつながりを学び、実習に臨むことでそれらを確認し て定着させる。単に知識として学んだヒトのからだを、自ら手をうごかしながらの観察を通じて、さまざま な構造が系統的かつ立体的に配置されていることを理解する。さらに、系統解剖学的知識を縦糸とし、局所 解剖学的知識を臓器横断的な横糸として、縦横に結びつけるという視点を得ることができる。基礎医学科目 との水平統合を意識して心臓の構造を学ぶのと近い時期に心臓の生理学を学ぶ等の工夫が有効である。解剖 学の講義のなかで症例を提示し、その疾患の理解や診断と関連付けて解剖学の教育を行うことで、臨床医学 との垂直統合が可能になる。知識導入や知識の確認のためには、e ラーニング教材を活用して効率的に学修
することが可能である。また、発展的な学修として、画像診断の e ラーニング教材も活用することにより、
解剖実習で直接観察することのできない断面構造や立体構造の把握が可能となる。 学生は自ら手を動かし、その感触を確認しながら解剖することを通じて、観察の技術を身に着ける。また
観察したものを図や言葉で表現するという説明の技法を学ぶ。4~5 名でチームとして実習を行うことにより
協同作業を経験する。また、互いに自分が得た所見の説明をし、議論することで、プレゼンテーションやコ ミュニケーションの技術を身に着けることができる。
人体解剖学実習では、開始時、終了時に黙とうをささげる。黙とうの際には、ヒトの生と死について考
え、社会が求める医学生としての態度を取れているか考えることが求められる。

 

34 Swartz WJ. Using gross anatomy to teach and assess professionalism in the first year of medical school. Clinical Anatomy.
2006);19(5):437–41. https://doi.org/10.1002/ca.20331

③追悼式、遺骨返還式等の遺族が参列する式典 追悼式、遺骨返還式等に参列し、実際にご遺族に対面し、医学生として求められる振舞いを考え、実行す
る。一連の実習後には、ご遺族や献体の会の会員に宛て、自らの体験を振り返り、実習を通じて得られた自 らの変化について省察したことを記す感想文を提出する。提出された感想文は匿名化して公表する。

3)誰が教えるのか?
死体解剖資格をもった教員(ならびに、献体して下さった故人、献体を認めてくださったご家族)。

4)講義・実習等の時間はどのくらいか?
①オリエンテーション:1 時間×1 回
②解剖学実習:3 時間×40 回
③追悼式、遺骨返還式:2~3 時間

5)講義・実習等の場所はどこか?
①講義室
②人体解剖学実習室
③追悼式、遺骨返還式等、ご遺族が参加する大学の行事の会場

6)教える学生は誰でその数は何人程度か?
1 学年 100 名程度、4 名に 1 体の解剖体

7)カリキュラム評価
学生からの評価として、実習期間終了後アンケートの自由記載項目(よかった点・改善が望まれる点等) 長期的には、臨床実習の指導教員より臨床実習での振舞い(学生の知識・技能・態度)のフィードバックを求 める。

8)講義・実習を行う際に必要なヒト(模擬患者含む)・モノ等は何か?
・ 献体する故人とそれを認めるご家族
・ 解剖実習体の処置、管理を行う専門的知識を有する技術職員
・ 解剖実習体の処置や保管、人体解剖実習に必要な機材

(3)評価
1)どのような形成的評価・総括的評価を実施するのか?
・形成的評価 実習中には適宜、指導教員との質疑応答の中で形成的評価を行う。正確かつ詳細に剖出できているのか、正 しく観察できるのか、そこから得られた情報をもとに論理的・批判的に考察できるのかを評価する。指導教 員はグループでの学修状況を観察し、班ごとの解剖が予定通りに進んでいるのかの進捗状況、グループとし ての学修ができているのかなどを確認し、必要に応じて口頭でフィードバックする。

・総括的評価 解剖学実習の評価においては、知識のみならず、プロフェッショナリズムや、生涯にわたって共に学ぶ姿 勢、科学的探究に関する評価、さらにこれまでに学修した知識・技能を統合・活用できることへの評価を行 う必要がある。ブループリントにもとづいて筆記試験や口頭試験を作成し、知識・技能の評価と態度評価と を合わせて総括的評価とする。筆記試験では、専門知識に基づいた問題解決能力を評価するために人体解剖

学の記述試験が有効である。系統解剖学的な理解だけではなく、診察をする上で必要となる体表からの位置 関係、画像診断で用いる横断面での位置関係等を問うために、写真や画像を多用した記述式問題とする。 口頭試験では、得た知識を基に論理的に考察できる能力、相手にわかりやすく説明できる能力を(ルーブリ ックを用いて)評価する。態度評価は、遅刻、欠席、提出物の遅延、提出物の不備等、医療人としてふさわ しくない実習態度をチェックして減点方式で評価する。ご遺体やご親族に対して不適切な態度が見られた際 には実習室からの退室を命じて欠席扱いとする。態度評価の中にピア評価を導入し、グループとしての向上 に寄与できたのか、あるいはグループ学修を妨げたのかという観点で評価する。

2)誰が評価するのか
・実習の指導教員(総括的評価、形成的評価)
・実習のグループメンバーによるピア評価(総括的評価、形成的評価)

3)どのような場面・場所で評価するのか
総括的評価は実習終了後、形成的評価は実習中に適宜実施する。

4)どのくらいの時間をかけて評価するのか
・筆記試験 90 分
・口頭試験 10 分×3 名の教員
・実習中の形成的評価は適宜

5)合否判定基準をどのように設定するのか
・筆記試験と口頭試験からなる期末試験と実習中の態度評価の比率については合議の上であらかじめ決定し て学生に周知する。
・合格基準に満たない場合は再試験を 1 回のみ実施する。
・追悼式や遺体返還式への参加も含め、参加が実習全体の時間数の 4/5 に満たない場合は評価の対象としな い。
・追悼式への参加の中には、ご遺族や献体の会の会員の方が読むことを前提に書く解剖実習終了後の感想文 提出も含まれる。

6)誰が試験問題を作成するのか?
解剖学実習担当教員 同時期に人体の正常構造と機能を担当している生理学や生化学の教員や臨床医学の教 員も問題検討(ブラッシュアップ)の段階で参加する。

7)誰が試験の採点をするのか?
担当教員

8)試験時間はどのくらいか?
・筆記試験 90 分
・口頭試験 10 分×3 名の教員(複数の評員が個別に評価)
9)どこで試験を実施するのか?
大学の講堂

事例 3.患者中心の医療の方法
(1)関連する主な資質・能力/学修目標
総合的に患者・生活者をみる姿勢/ GE-01-03: 患者中心の医療、GE-03-01:人生のプロセス

(2)方略
1)概要
医学部 4 年生への総合診療科の系統講義全 7 回の中の 1 回を担当し、医学生 120 人に対して「患者中心の 医療の方法」「家族志向のケア」の講義を行う。

2)カリキュラム開発の戦略の背景
患者中心の医療の方法においては、PCCM(Patient Centered Clinical Method)のフレームワークを用いる
35

34F

。PCCM においては、患者の抱えている健康問題を医学的診断(Disease)だけでなく、患者自身の主観的な

病の体験(Illness)、そして健康観や生きる目標(Health)の 3 つの視点で捉える。そして患者の社会的背景 (経済的・制度的側面等)が「病いに及ぼす影響」として近位コンテクストと遠位コンテクスト(近位コンテ クストには家族、経済的安定、教育、雇用、趣味、社会的サポート等が、遠位コンテクストにはコミュニ
36
ティー、文化、経済、医療制度、社会歴史、地理、エコシステム(自然環境、気候等)などが含まれる 35F )こ

とに目を向けることで、個々の患者が抱えている問題を全人的に理解した上で、医師患者の間で共通の理 解基盤を構築することを目指すフレームワークである。PCCM を用いることで、患者満足度が向上し、患者
37

のアドヒアランスが向上し、健康アウトカムを改善することが示されている 36F

。このような、人を総合的に

みる基盤の一つとなる PCCM のモデルについて、医学生を対象にしてどのように教えたらよいのかについて の報告は少ない。例えば、カナダの医科大学大学の 16 の医学部にあるカリキュラムのうち、PCCM に言及し
38

た文書は 21.2%と少なく、正確に記述したものはさらに少なくなる 37F

。総合診療に馴染みの薄い教員の

方々にとって、この PCCM を用いた卒前医学教育の Good Practice が、モデルと具体例を複数回往復する教 育方法の一つとして理解の助けるになることを期待する。

3)どのような方法で教えるのか?
主にモデルの提示と具体的事例の往復をしながら講義で説明していく(講義で人が密になるようであれ ば、オンラインだけ、あるいは対面とオンラインのハイブリッド形式でも可能)。PCCM のモデルやその背景 について最初に説明する。PCCM のコアとなる Disease・Illness・Health の 3 つの要素とそれに影響する近 位・遠位コンテクスト(上述参照)について解説し、患者と医療者の共通の理解基盤を見出すためのフレー ムワークを紹介する 36。次に、患者の Illness を聞き出すフレームワークとして、「かきかえ(解釈、期 待、感情、影響の頭文字)」を紹介する。具体例として医学部のあなたが、来院当日からの発熱、咽頭痛で 受診したという設定を示し、患者としての思い(熱がつらい、のどが痛くて御飯が食べられない、早く楽に なるように薬を出してほしい等)と医師の思考(若い人の咽頭痛の鑑別は?咽頭に白苔があるので、溶連菌 感染症か?溶連菌迅速検査はするか?など)との乖離を示す。モデルの一要素として Disease としての医学 的プロブレム(Problem list 等)と Illness としての主観的病体験を「かきかえ」(感情:症状に関して心配
な点はありますか?など、期待:治療や検査に関してご希望はありますか?など、解釈:何が原因だと思

 

35 葛西龍樹, 他. 患者中心の医療の方法 原著第 3 版.; 羊土社: 2021.
36 森屋淳子. 総合診療と心療内科の協働. 心身医学. 2019;59(5): 437–42. https://doi.org/10.15064/jjpm.59.5_437
37 Zolnierek KB, et al. Physician communication and patient adherence to treatment: A meta-analysis. Medical Care. 2009;47(8):826–
34. https://doi.org/10.1097/MLR.0b013e31819a5acc
38 Anderson NN, et al. Unclear if future physicians are learning about patient-centred care: Content analysis of curriculum at 16 medical schools. Medical Teacher. 2021;43(9):1085–91. https://doi.org/10.1080/0142159x.2021.1918332

いますか?など、影響:そのせいでできないことはありますか?など)のモデルに当てはめた例を示す。事 例をモデルに当てはめて示すことで医師と患者の頭の中の乖離とモデルの位置付けを再確認する。その 後、医師と患者の問題・役割を共有し、ゴールを共有していくという流れを示す。最後に、PCCM のモデル に戻って、全体の流れを再確認する。このようにモデルと事例の複数の往復で PCCM のモデルの活用方法を
理解していく。
39

家族志向のケアに関しては、「家族志向のプライマリ・ケア」(松下明. 2006)38F

で示されている家族を評

価する手段としての家族図、家族ライフサイクルを紹介する。具体例として 20 歳の女性、喘息の既往があ り、小児病院に通院していたが、大学進学を機に総合診療科に紹介された 9 歳の弟が発達障害である事例を 考えてもらう。この母は義理の母の介護もしている。この事例について、家族図を記載するルール ( https://www.mhlw.go.jp/sisetu/musashino/22/syakai/sodatenote-betu.pdf )を示したうえで、それに 基づき家族図を記載してもらう。さらに家族の関係性、問題点や介入方法を抽出する。また、事例を通じて 家族ライフサイクルの視点で今後起こりうる問題点を予測し、母は子どもの巣立ちと幼児を育てる時期であ り、さらに姑を介護する状態で家族内の役割が重複していることをイメージしてもらう。最後に、医師と家 族との関わりについて説明し、具体的にどのようなときに医師は家族とかかわるのか、どの程度関わるのか について、以下の表を使って紹介する。

医師と家族の関わり方 39

患者個人に対する家族志向の面談 通常の受診での家族面談 家族カンファレンス
状況 急性の医学的問題 自然軽快する問題 小児の健診 産前・産後ケア 慢性疾患のケア アドヒアランス不良 入院 終末期 退院時支援 重大な家族問題
対応する頻度 60~75% 25~40% 2~5%
診療時間 10~15 分 15~20 分 30~40 分
準備 通常の診療の範囲内 家族メンバーに来院を依頼 事前の計画と参加者への調整

4)誰が教えるのか?
総合診療科の教員 1 名

5)講義・実習等の時間はどのくらいか?
系統講義全 7 回(1 回 90 分)の中の 1 回

6)講義・実習等の場所はどこか?
大教室(講義で人が密になるようであれば、オンラインだけ、あるいは対面とオンラインのハイブリッド形 式でも可能)

7)教える学生の数は何人程度か?
臨床実習前の医学生 120 人程度

8)カリキュラム評価

 

39 松下明. 家族志向のプライマリ・ケア; 丸善出版: 2006.

評価のために行った試験の答案の内容から講義による学生の到達度を判定する。また、学生から系統講義終 了後のアンケートを集め、講義内容や形式についての感想や意見を募集する。

9)講義・実習を行う際に必要なヒト(模擬患者含む)・モノ等は何か?
PCCM を理解している教員 1 名、大教室、ウェブ会議システム

(3)評価
1)どのような形成的評価・総括的評価を実施するのか?
・形成的評価
授業中に患者のナラティブを PCCM の枠組みに合わせて解説し、練習問題等を実施してもらい、フィードバ ックを行う。

・総括的評価
期末試験形式で他のコマの内容と合わせて計 60 分の筆記試験を行う。当該授業の分の試験は、試験時間 10 分、配点 20 点とする。試験問題は、医師と患者の対話形式を示し PCCM のフレームワークを示した上で Disease・Illness・Health とコンテクストの関係性を読み取る課題とした。また家族ライフサイクルの観 点から問題の事例に今後起こりうる課題を記載させる。
具体的には、頭痛を主訴に来院した 50 代女性に対する問診を対話形式で示す。義母の介護やコロナ禍で外 出できないこと、同年代の友人の病気等がストレスになり片頭痛が悪化しているというシナリオとする。医 師と患者の会話から読み取れる患者の Illness(解釈、期待、感情、影響)やHealth をフレームワークの図に 自由記載形式で書き込んでもらう。その上で患者のコンテクストが Disease・Illness・Health にどう影響 しているかを記載してもらう。また、家族ライフサイクルの視点で本事例に今後どのような課題が訪れるか 記載してもらう。回答は、ルーブリックに基づき問題作成者が採点を行う。以下に回答欄と採点基準を掲載 する。

事例 4.スポーツ医学

(1)関連する主な資質・能力/学修目標
総合的に患者・生活者をみる姿勢/ GE-01-05: 行動科学、GE-04-01: 医学的・文化的・社会的文脈における健 康

(2)方略
運動・活動の自己評価とそれに基づく運動・活動支援を実践するための実習
1)概要
医学とスポーツ科学と行動科学を基にした運動指導を行う教育は、人々の心身の健康を維持するために国 としても重要な施策であり、医療費削減への期待も大きい。そのため、医学生が個人の身体機能や生活活動 を評価でき、行動科学の知識を活用したうえで対象者の生活や価値観も踏まえた運動の支援を計画できるこ とは重要である。そこで、運動指導を題材とした行動科学の知識を活用した実習の Good Practice を共有す る。最初に、個人の身体機能を評価するために自らの身体をセルフチェックできる動画を用いて、自身とペ アとなる医学生の身体の柔軟性・スタビリティー、筋力等の評価の方法を学ぶ。それを基に、ペアとなる医 学生を対象に行動科学の知識を活用した運動指導の計画を立案し、フィードバックを得る。実習で学んだ内 容を自分自身と家族や友人等の周囲の協力者にも実施する。具体的には、自分自身と対象者の生活や価値観 を踏まえた運動指導の計画を立て、休暇等を利用してそれを実施し、一定の期間評価することで自分自身と 対象者の運動指導と実際の比較を通じた運動指導のプロセスを学ぶことを目的としている。

2)学修目標と学修内容
学修目標は、①個人の身体機能や生活活動を評価できる、②動機付け支援を実施できる、③運動指導対象 者の生活や価値観も踏まえた運動の支援を計画し、評価することができる、④自分自身の活動を省察し、運 動習慣を見直すことができる、とした。
①については、事前課題として個人の身体機能の評価する動画を使って、運動中の筋肉や身体の動き(Movement)の程度について学ぶ。また、講義で筋肉量や関節可動域を超える運動は、身体の痛みや怪我に結びつく可能性があることを学ぶ 。

②③については、個人の生活活動に応じた運動指導の取組の重要性と行動科学の知識を援用した動機づけ支援 の方法を講義で学び、具体的な計画案を立てながら、適宜ペアとなる相手にフィードバックをもら い、実際の運動指導の計画・実施・評価のプロセスについて学ぶ。
④については、自分自身の筋力や関節可動域、生活習慣や価値観の自己評価とそれに続く休暇の自らの運 動習慣の確立と評価等を通じて、他者への指導との比較を通じた学びを意図している。運動指導の注意点と して、一部の関節に機能障害が発症した際に、代償動作により他の関節に過度な負担をかけ、それが痛みの原因となる可能性があることも伝える。

3)どのような方法で教えるのか?
実習前の課題として、自らの身体をセルフチェックできる動画(例えば、スポーツ庁ホームページに掲載 されている身体診断「セルフチェック」動画を事前課題とし、 医学生自身の肩甲骨、足首、胸椎、股関 節、背骨、下半身、首、肩、上肢、体幹部等の筋力と関節の可動性を評価したものをアンケート管理システムにアップする。

ただし、例示した「セルフチェック」動画の内容は、実施する医学生・協力者によっては、パフォーマ ンスレベルが高く実施困難な場合も予想される。実施者の状態に応じて、セルフチェックの一部のみ実施 するなどの配慮が必要である。また、セルフチェック実施のための場所や時間確保といった物理的な環境 設定が困難な場合は、②③に代えて④の実施回数を増やすなど工夫する。
・実習当日は、学生が 2 人ペアとなって、ペアとなった相手のセルフチェック 11 項目と実際に自分がペアとなる相手を評価した内容をアンケート管理システムに記載し、自己評価と他者評価が合致しているかを 確認し、筋力や関節の評価の妥当性を高める。
・2 回目の実習では、ペアとなった相手の生活や価値観を聴取したうえで、どのようにしたらペアとなる相手の運動の動機づけが上がるかを各自が考え、それをグループで共有する。そのうえで、行動科学の知識 や動機づけ支援の方法を学び、ペアとなった相手の運動指導の計画と評価の案を LMS に提出する。
・3 回目の実習では、ペアとなった相手が LMS に提出した運動指導と評価の案のフィードバックを行い、より効果的で具体的な運動指導と評価につなげる。その後、最終課題につながるような実際の運動指導の例 等を見て学ぶ。最終課題として休暇に自分自身と家族あるいは友人等周囲の協力者を対象に、身体機能や 生活活動を評価したうえで、運動指導計画、実施、一定の期間後の評価を行い、全体の振り返りを記載し たレポートを提出する。
・臨床実習中の患者に対する運動指導 臨床実習中に担当した患者に対して以下の検索を実施したうえで、退院後に向けた患者への運動指導を実 施する。
・普段の生活習慣、退院後の環境
・BMI 測定:肥満度を知る(メタボ対策)
・関節可動域評価、バランス評価
・握力計:筋力測定(将来のサルコペニア・フレイル対策)
・(オプションとして)骨密度:骨の健康度を知る(特に女性)(骨粗鬆症・ロコモ・フレイル対策)
・(オプションとして)生体観察:四肢のアライメント(O 脚、X 脚等)(ロコモ対策)

4)誰が教えるのか?
スポーツ医学の知識をもった教員 1 名+行動科学の知識を持った教員 1 名

5)講義・実習等の時間はどのくらいか?
・事前課題
・1 回 60~90 分の実習を 3 回実施
①1 回目の実習:実習の目的や注意点(運動実施や習慣化の重要性が国の施策としても重要であること等)を 講義で説明 (15 分) し、セルフチェック 11 項目とペアの筋力や可動域を評価しアンケート管理システム に入力(30 分)し、ペアとなる相手が自身の筋力や関節可動域を評価する (30 分)。自己評価と他者評価の 違いについて理解し、評価する上での注意点等をフィードバックする(10 分)。
②2 回目の実習:生活や価値観を聴取する方法を講義で学び(20 分)、前回ペアとなった相手の生活や価値観 を聴取したうえで(10 分×2)、どのようにしたらペアとなる相手の運動の動機づけが上がるかを各自が考 え(10 分)、グループで出てきたアイディアを共有する(15 分)。最後に、行動科学の知識や動機づけ支援 について講義(オンライン可)で学び(10 分)、次の実習までにペアとなった相手の運動指導の計画と評価 の案を LMS に提出する。
③3 回目の実習:前回学んだ行動科学の知識や動機づけ支援を確認し(5 分)、LMS に提出した運動指導と評 価案のフィードバックをペアとなった相手が行う(5 分チェック、5 分フィードバック×2=20 分)。その 後、事後課題の説明を行い(10 分)、実際の運動指導における注意点を講義で行う(10 分)。最後に、複数の講師(スポーツ医学と行動科学の視点を交える)から現場の評価と指導例についていくつかポイントを交 えて紹介し、事後課題の参考としてもらう(30 分)。
④臨床実習中の患者に対する運動指導
BMI 測定、関節可動域評価、握力計、 骨密度の測定方法、四肢のアライメント評価の実施方法をシミュ レーション学修等で事前に実施しておく。
・事後課題:休暇に自分と家族あるいは友人等周囲の協力者を対象に、身体機能や生活活動を評価したうえ での、運動指導計画、実施、一定の期間後の評価を行い、自己と他者に実践した内容を比較し、全体の振 り返りを記載したレポートを提出する。

6)講義・実習等の場所はどこか?
身体評価とペアワークができるようなスペースがある実習室あるいはオンライン環境

7)教える学生は誰で数は何人程度か?
1~3 年の 100 名程度の学生を対象にするが、実習室の大きさによってはグループを分けて実施したり、2 つの部屋をカメラでつなげて実施することやウェブ会議システム等を利用した完全オンラインでの授業も可 能である。大部屋の確保が難しい場合には、①の講義部分のみ行い、他はすべて臨床実習期間中に 4~8 名 の小グループで実施してもよい。

8)講義・実習を行う際に必要なヒト(模擬患者含む)・モノ等は何か?
筋力や関節可動域のセルフチェックについて理解している教員 1 名と行動科学の知識を有している教員 1 名 事前に作成したアンケート管理システム等オンラインフォームや LMS 等が使えるよう、各学生が使うパ ソコンあるいはタブレットを準備してもらう。

9)カリキュラム評価
事前課題のアンケート管理システムと実習中に行ったペアの相手の評価の乖離がないか、筋力や関節可動 域の評価ができているかを確認する。2 回目に LMS に提出したペアの相手への運動指導計画書の内容を確認 する。事後課題の到達度を評価し、医学生は事後アンケートを実施し、講義内容や実習形式についての感想 や意見を募集する。

10)講義・実習を行う際に必要なヒト(模擬患者含む)・モノなどは何か?
筋力や関節可動域のセルフチェックについて理解している教員 1 名と行動科学の知識を有している教員 1 名(アンケート管理システムや LMS 等が使えるよう、各学生が使うパソコンあるいはタブレットを準備して もらう。)

(3)評価
1)どのような形成的評価・総括的評価を実施するのか?
・形成的評価 実習中にペアとなる相手や教員から筋力や関節可動域を含めた身体機能評価や運動指導計画のフィードバッ クをもらう機会をつくる。ポジティブフィードバックは教員が全体に対して実施し、ネガティブフィードバ ックを含む場合は、ペア内で行うか、複数の例があったことを前提に全体に説明し、改善ポイントを示す。 臨床実習中の患者に対する運動指導については、指導内容に関するレポートを担当指導医に提出し、個別に フィードバックを行う。

・総括的評価 事後課題で以下の点が妥当に実施されているかを評価する。
1. 対象となる家族や友人等周囲の協力者の身体評価と活動評価(10 点)
2. 対象となる家族や友人等周囲の協力者の生活(運動・スポーツ歴含む)や価値観の評価(10 点)
3. 上記を基にした運動指導の計画の実現可能性と行動科学の知識の適切な活用(20 点)
4. 実施後の評価についての省察:対象となった家族メンバーの感想、実際の変化についての振り返り(20
点)
5.自身と対象者との運動を比較した時の省察:今後の運動・スポーツの継続の観点から、自身の気づき や対象者との比較について気づいたこと、運動指導や行動変容について学んだこと(40 点)

事例 5.共に学ぶ姿勢

(1)関連する主な資質・能力/学修目標
生涯にわたって共に学ぶ姿勢/ LL-02-01: 医療者教育の実践

(2)方略
1)概要
同僚と協働して学びを深める Peer-assisted Learning (PAL)をカリキュラムに取り入れることを目標と し、その達成のために教育方法について学修する機会を設ける。対象は実習中の 5~6 年次の医学生であ り、臨床実習の内科系の 5 つの診療グループローテーション(2 週間×5 ターム、計 10 週間)のうち一人あた り 1 ターム(2 週間)を割り当て、臨床実習前の 4 年次学生向けのオンデマンド教材を作成してもらう。教え る方法については、内科系医師である医学教育センターの兼任教員が成人学習理論、インストラクショナ ルデザイン等についての動画講義を各 20 分程度で行う。資料はオンラインストレージを通じて共有する。
5~6 年生の医学生(各ターム約 10 名)は上記のうちいずれか 1 つのターム中に本プログラムに参加するよ
う、臨床実習開始時にあらかじめ割り当てられている。当該ターム中に、臨床推論の講義を作成するチー ム(各タームあたり 3 症候程度を 3〜4 名ずつで分担する)を作り、各症候の考え方を概説する事前視聴講義 ビデオ(10~15 分程度)、臨床推論を学ぶための症例検討を行うオンデマンド講義(30 分)、事後の確認テス ト(多肢選択式で 2 問程度)を作成する。作成された教材は、臨床実習初年度である 4 年生が臨床推論の授業
期間中に自習し、レポートとして解答を提出する。

2)カリキュラム開発の背景

医学生が医学生を教える Student as Teachers の概念は広がりつつある。米国では、2010 年の調査で、ピアティーチングへの関心も認められ、回答した 130 の医学部のうち 99(76%)が、医学プログラム中にピ アティーチングに医学生を利用したことが示されている。回答した学校の 57(44%)は、彼らを正式な教育者としてのトレーニングプログラムを提供したと報告している。PAL をカリキュラムに取り入れる目的は、プロの教育者ではない学修者と同様の社会集団の人々が、互いに学び合い、教えることによって自分自身の学びが促進されることにある。PAL を進める学年は臨床実習中の学生が最も効果が高く、臨床実習の医学生は教育のスキルを学ぶのに有意義であるが実践できるよう教育を提供する。。この点から、臨床実習中の学生に焦点を当て、PAL

3)どのような方法で教えるのか?
・オンラインでの講義:講義作成に必要とされる基礎的な知識である成人学習理論や効果的な教育を作成するための方法論(インストラクショナルデザインの動画講義を 20 分程度で行う。

・教員とのミーティングとフィードバック:5~6 年生が作成した講義ビデオや確認テストのフィードバック、講義の打ち合わせ
・経験学修:オンライン講義を4 年次前期の医学生に5~6 年生の医学生が実施する(教員はサポートする)。
・振り返り:教員と学生同士で振り返りを行い、総括的評価、形成的評価を行う(詳細は評価の項参照)。

4)誰が教えるのか?
内科系医師である医学教育センターの兼任教員(2 名が分担:動画作成について支援できる教員がいれば なおよい)

5)講義・実習等の時間はどのくらいか?
・オンラインでの講義 30 分~40 分
・教育学修者とのミーティングとフィードバック 30 分×2 回:講義ビデオや確認テストのフィードバッ ク、講義の打ち合わせ -講義 30 分 -振り返り 60 分(20 分×3)

6)講義・実習等の場所はどこか?
ウェブ会議システム、LMS

7)教える学生の数は何人程度か?
PAL を学ぶのは臨床実習中の 5~6 年生 10 名 (教える対象は臨床実習前の 4 年生 110 名)

8)カリキュラム評価
事前視聴ビデオとライブ講義の対象となった医学部 4 年生とこれらを視聴した教員に自由記載アンケート を実施する。これらのフィードバックや全体の取り組みを振り返り、5~6 年生の医学生に、どのような学 びがあったかについて自由記載アンケートを実施する。

9)講義・実習を行う際に必要なヒト(模擬患者含む)・モノ等は何か?
ウェブ会議システム、LMS、講義資料

(3)評価
1)概要
成果物をルーブリック(別表)を用いて評価するとともに、文書によるコメントを返却する。さらに、作成 者にむけ、優れていた点と改善すべき点を具体的に記したコメントを記載する。ルーブリックとコメント は、匿名化した状態で作成者である学修者に渡される。さらに、コメント内容に基づいた改善計画を学修者 に提案して貰い、それも評価対象とする。評価者は教員のほかに同時期にローテーションしていた他チーム の学生と教材を用いて学んだ 4 年生であり、学生からの評価は形成的評価に、教員からの評価は総括的評価 に用いる。

2)どのような形成的評価・総括的評価を実施するのか?
・形成的評価
・誰が評価するのか?
①4 年生
②同時期にローテートしていた同学年学生
・誰を評価するのか?

5~6 年生
・どのような場面・場所で評価するのか?
①4 年生のビデオ教材受講時(学修者には、評価が出揃った時点で一括して提供する)
②ローテート中に実施する振り返り時(通常は最終日に実施する)
・どのくらいの時間をかけて評価するのか?
①15 分
②20 分

・総括的評価
・誰が評価するのか? 内科系医師である医学教育センターの兼任教員(2 名が分担)
・誰を評価するのか? 学修者(本プログラムに参加した 5~6 年生)
・どのような場面・場所で評価するのか? ローテート中に実施する振り返り時(通常は最終日に実施する)
・どのくらいの時間をかけて評価するのか?
60 分(各チーム 20 分)
・合否判定基準をどのように設定するのか? 本プログラムにおける成果物と他チームへの評価の提出は、内科系ローテーションの修了要件の一つであ る。また、教員からの成果物評価は内科系ローテーションの総括評価のうち 20%を占めており、残りは Workplace-based Assessment である(本項では割愛)。ルーブリックで「1」の評価がなく、かつ総括評価 が合計して 60%以上に達した者を合格とする。
・実施する試験についてどのような外部評価を受けるのか? 学内カリキュラム委員会の臨床実習担当グループが、学生からのアンケート等を参考にして評価を行う。

3)その他
内科系教室の教育連絡会議において、本プログラムの実施状況を適宜意見交換する。

4)参考:評価用のルーブリック

事例 6.研究室配属

(1)関連する主な資質・能力/学修目標

科学的探究/ RE-01: リサーチマインド、RE-02: 既知の知、RE-03: 研究の実施、RE-04: 研究の発信、RE-05:
研究倫理

(2)方略
1)概要
カリキュラムの中で一定期間、各研究室に少人数ずつ学生を配属して、研究者としての生活を体験する。 この期間は通常の講義・試験は実施しない等、学生が研究活動に専念でいるように配慮し、リサーチマイン ドの涵養に努める。一流の研究者の謦咳に接することで、研究者の生き方を知ることができ、また、研究の 楽しさ(と苦しさ)を知る機会になる。また基本的な研究手法を修得することも目標とする。

2)どのような方法で教えるのか?
3 か月間(10〜12 月)の研究室配属のカリキュラム例を以下に記述する。
4 月初旬:各研究室に対して学生向け研究室紹介文を依頼。
5 月:締め切り。
6 月初旬:研究室紹介の冊子を配布する。配属について説明する。
7 月:学生は希望する研究室を自由に見学する。
7 月末:学生の配属希望順位提出締め切り。各研究室に対して研究室に所属している学生がいるかアンケ ートを実施する。
8 月:配属研究室の調整。優先順位のつけ方は、研究室へのアンケートや学生の成績等を参考にする。
9 月:配属先発表。
10 月初旬:基礎講座配属開始(1 月初旬まで)。
初日:研究室教授(Principal Investigator:PI)面談。希望する研究内容等を確認して指導教員(メン ター)を決定する。
1〜2 週目:メンターと一緒に行動し研究を手伝う。研究室のルールを理解し、スタッフや大学院生と 交流する。歓迎会も実施する。
3 週目以後:研究室教授(PI)と指導教員が定期的に面談を実施。
週間スケジュール(例)
月曜午前:抄読会(ジャーナルクラブ)。学生も 2 か月目から担当する。 水曜:ランチミーティング。その週の実験予定、進捗状況等を、学生を交えて、研究室のメンバ
ーが 5 分程度発表する。
金曜午後:リサーチセミナー。学生はその週の進捗状況をまとめて発表する。 学生は原則として実験ノートを毎日夕方指導教員に提出する。指導教員は記載内容を確認し、出席確 認を行うとともに、フィードバックする。
12 月下旬:研究室内で研究のまとめを発表する。指導教員と研究室教授(PI)が最終評価を実施する。
12 月下旬~1 月初め:研究室配属期間の活動報告のための全体発表会のための抄録を作成する(できれば 英文)。
1 月初旬:研究室配属期間の活動報告のための全体発表会を実施する。
2 月:優秀な研究発表を行った学生に対して、表彰を行う。

3)誰が教えるのか?
配属された各研究室の教員。直接的に実験等を指導する教員に加え、教授等、研究室責任者からの俯瞰的 視点からの指導も望まれる。また大学院生、同じ研究室配属の上級生等も参画する。

4)講義・実習等の時間はどのくらいか?
3 か月~6 か月の終日。

5)講義・実習等の場所はどこか?
原則としては大学内の研究室。基礎医学、社会医学だけでなく臨床医学の研究室も含める。学内の教員と 交流のある学外の研究室も選択肢とする。

6)教える学生は誰でその数は何人程度か?
学年は問わない。基礎医学・社会医学・臨床医学の授業の時期との関係性は配慮する。概ね 1 研究室 5 名 以内が妥当と考えられる。

7)カリキュラム評価 短期的には、学生の学会発表数、論文数等で評価する。 長期的には、大学院進学者数(特に基礎医学・社会医学系の大学院)、大学教員になった人数、研究者とな
った人数等で評価を行う。

8)講義・実習を行う際に必要なヒト(模擬患者含む)・モノ等は何か?
学生が利用する消耗品については配属学生数に応じて大学から補助する。

(3)評価
研究室配属については、OJT であるため総括的評価に加えて形成的評価も重要となる。評価は研究室配属 の学修目標として設定した内容をもとに行う(コアカリの学修目標を参照)。学生が研究計画や研究準備の段 階から参画できる場合には、実際の研究者と同様の評価を受けることができる。評価者は、主として研究室 責任者及び指導教員が行うが、総括的評価では学生によるピア評価も行う。日々の出席及び研究活動に加え て、研究室配属期間の活動報告のための全体発表会でのプレゼンテーションも評価対象とする。学内発表会 における優秀発表に対して優秀賞を授与する。研究成果について事後に学会発表や論文発表を行った場合に
は、別途表彰を行う。

1)どのような形成的評価・総括的評価を実施するのか?
・形成的評価
・研究計画書(含倫理委員会関連書類)の作成:指導教員との討議をもとに、研究計画書の作成を行い指導教 員の確認を経て当該部局に提出する。倫理委員会の許可が必要な研究については関連書類を指導教員と共 に作成する。
・研究方法、研究結果に関するフィードバック:指導教員と研究方法、得られた結果について議論を行い、 フィードバックを受ける。
・研究ノートの記載チェック:研究に関する日々の進捗、研究結果について研究ノートを適切に記載し、か つ研究倫理に則った内容であることのチェックを、指導教員から受ける。研究ノートについては e-ポート フォリオ等で代用することもできる。
・研究ミーティングでのプレゼンテーション、議論:自己の研究について適切にプレゼンテーション・議論

を行うこと、他者の研究について適切な議論ができること、について指導教員から評価を受ける。
・抄読会、Journal Club 等で、適切な議論ができることについて指導教員から評価を受ける。

・総括的評価
・出席及び態度評価:欠席が多い場合や積極性が著しく欠如している場合等は不合格とする。
・研究準備の評価:学内規程に沿って、必要な研究倫理講習(APRIN 等)を受講し、テストに合格する。
・研究室配属の学内発表会:学内でのポスター発表・口頭発表を行う。教員及び学生(Peer)による投票を行 い、優秀発表に対して優秀賞を授与する。
・研究室配属の振り返りレポート:学内発表会で指摘された質疑も含めて最終レポートを提出する。
・研究成果の学会発表:研究成果について事後に学会発表を行った場合には、別途表彰を行う。研究成果の 論文発表:研究成果について事後に論文発表を行った場合は、別途表彰を行う。

2)誰が評価するのか
・実習の指導教員(総括的評価、形成的評価)
・他の指導教員(総括的評価)
・学生による相互ピア評価(総括的評価)

3)どのような場面・場所で評価するのか
・総括的評価は実習開始時の e ラーニングのテスト及び実習終了時、実習終了後、形成的評価は実習中に適 宜実施する。

4)どのくらいの時間をかけて評価するのか
・研究プレゼンテーション(ポスター、口頭) 15 分
・実習中の形成的評価は適宜

5)合否判定基準をどのように設定するのか
・総括的評価にて判定する(欠席が多い場合や積極性が著しく欠如している場合等は不合格とする)。

事例 7.臨床微生物学・感染症診療
(1)関連する主な資質・能力/学修目標
専門知識に基づいた問題解決能力/ PS-03-03: 感染症

(2)方略
1)概要
臨床実習前学年:共用試験(CBT)の前の教育においては、細菌学、真菌学、ウイルス学、寄生虫学等の微 生物学、免疫学、薬理学、病理学等の知識が、臨床現場で円滑に想起され、活用されるように促す工夫が必
要である。そのためには、その知識が応用される現場・背景を新しい知識とともに提供する背景学修 (Contexual Learning 又は Situated Learning)が活用できる。また背景学修により、微生物学、免疫学、薬 理学、病理学等の関連領域が統合されて学修できる利点がある。
臨床実習学年:内科系診療科での臨床実習の際に、屋根瓦式の診療グループを形成し、学生が口頭での症 例提示を中心に、診療グループ及び指導教員とディスカッションする指導医回診を行う。学生の担当症例 で、病態生理から、感染症が鑑別診断に挙がる場合に、臓器と原因微生物、治療法を想定し発表してもら う。その臨床的な妥当性について、診療チームで検討し、議論する。その場合、学生、研修医、指導医の間 で、発言の心理的安全性の確保が必要である。発言や質問がしやすい学修環境を整備し、自律的に、臨床判 断等を提示できるように促す。

2)どのような方法で教えるのか?
①講義、Case-based Learning (CBL)、Team-based Learning (TBL) 細菌学、真菌学、ウイルス学、寄生虫学等の微生物学の科目授業の際に、一部分を CBL や TBL を取り入 れ、症例を基盤とした授業とする。例えば、グラム陽性菌の授業では、肺炎球菌が起こす疾患である市中 肺炎について、症例を用い、「66 歳の男性で、主訴は、発熱と咳とし、これは肺炎球菌による感染症で、 市中肺炎という病態である」ということを学修してもらう。TBL については、感染症に関する知識の習得 度に配慮して時期を設定する。感染症科目講義の後半以降とし、さらに関連する事項については事前学修 課題を設定しておくとよい。
②小グループ学修:Problem-based Learning (PBL)
学生を小グループに分け、症例を用いた自主学修を行う。チューターは、症例の情報を順次、提供しなが ら、最終診断を「感染症」とし、臓器と微生物について学ぶ形式を取る。臨床実習学年以降でも、たとえ ば敗血症など重要な疾患・病態については、Off-the-Job Training(Off-JT)として PBL を組み込んでおく とよい。個人防護具の選択・着脱法を習得する機会ともなる。
③教育回診(Teaching Round)
臨床実習において、学生が医療面接、身体診察を行った患者につき、診療現場で、屋根瓦式の診療グルー プ内での業務を進めながらのディスカッションを行う。リアルタイムで、鑑別診断、治療方針を決めて行 きながら、学生が現場で微生物、培養検査、抗菌薬治療等についても、実臨床を通し、学修する。診断の 際にはグラム染色の機会を設けることが望ましい。

3)誰が教えるのか?
①講義、CBL、TBL 微生物学・免疫学・薬理学等関連領域の教員と内科系、総合診療科等で、感染症診療に関わっている教員 が合同で相談し授業を行う。基礎医学系の知識と臨床現場での知識が統合されるように工夫が必要であ る。
②小グループ学修(PBL)

使用する症例は、内科系、感染症科、総合診療科、そのほかの医師で感染症診療を実践している医師が作 成する。学生のグループディスカッションのチューターは、医学部教員全体で対応可能である。
③教育回診(Teaching Round)
感染症科又は総合診療科、その他の内科系での臨床実習の指導医が担当する。

4)講義・実習等の時間はどのくらいか?
①講義、CBL、TBL
臨床前の教育では、代表的な市中感染及び医療関連感染を扱うため、5〜10 回程度が想定される。1 回 60 分(コマ)で完結する形式で行う。髄膜炎、咽頭炎、市中肺炎、腹腔内感染、尿路感染、血流感染・感染性 心内膜炎、皮膚軟部組織感染、真菌感染、寄生虫感染、小児の感染、医療関連感染等
②小グループ学修(PBL) – 上記①の疾患のうちで、最低 2〜3 症例。1 コマ 60 分で 4〜6 コマ行う。
1 日で完結する場合:前半 2〜3 コマで 学生は小グループでチューターの指導のもと症例ディスカッショ ンを行う。同日、後半に 1〜2 コマ 学修結果を発表する教員セッションを行う。
2 日に分ける場合:学修結果を発表する教員セッションを 1 週間のうち、別の日程に組み入れる。 例月曜日と木曜日、火曜日と金曜日、等任意で日程を 2 回確保する。
③教育回診(Teaching Round) 臨床実習で、内科系、感染症科、総合診療科をローテーションする場合、1〜2 週間のローテーションで は、毎日 1 回は教育回診を行う。教育回診は、1 日 2 時間程度のカンファレンスルームでのディスカッシ ョンと病棟回診を含む。

5)講義・実習等の場所はどこか?
①講義、CBL、TBL
大教室で、120〜140 名収容できる教室
②小グループ学修(PBL)
小グループが入る個別の部屋
③教育回診(Teaching Round)
病棟のカンファレンスルームと病室

6)教える学生の数は何人程度か?
①講義、CBL、TBL
臨床前学生 120〜140 名
②小グループ学修(PBL)
臨床前学生 小グループ分で、1 グループ 3〜7 名
③教育回診(Teaching Round)
病棟のカンファレンスルームと病室、臨床実習の学生 1 グループ 2〜7 名

7)講義・実習を行う際に必要なヒト(模擬患者含む)・モノ等は何か?
①講義、CBL、TBL
症例の作成、目標とするコンピテンシーで、基礎医学系と臨床医学系の教員の共同作業を行うこと。
②小グループ学修(PBL) 学生が小グループ学修するための小部屋、事前トレーニングを受けたチューター、シナリオとして、必 要があれば、着脱実習用に個人防護具等の物品。
③教育回診(Teaching Round)

学生の症例提示、教育回診の事前経験があるか、又は事前トレーニングを受けた教員、グラム染色を行う 場合は、プレパラート等の物品、顕微鏡等を備えた検査実施できる検査室

8)カリキュラム評価
①講義、CBL、TBL
学生の定期試験での到達度
②小グループ学修(PBL)
学生の定期試験での到達度
③教育回診(Teaching Round)
臨床実習後 OSCE での患者サマリー及び鑑別診断等での到達度
Entrustable Professional Activities (EPAs)の修得度
④①~③を担当した教員からの振り返り

(3)評価
1)どのような形成的評価・総括的評価を実施するのか?
・形成的評価
①講義、CBL、TBL 講義中に双方向性で行う場合、心理的安全を確保しつつ、「準備確認」として予習知識を確かめるための 多肢選択型の個人テスト(IRAT;Individual Readiness Assurance Test)を実施し、教員が回収・採点す る。さらに同じ問題でチームテスト(GRAT;Group Readiness Assurance Test)を行い、評価する。チーム での共有が必要な事項については適宜、口頭でフィードバックする。
②小グループ学修(PBL)
チューターからディスカッションの途中で口頭でのフィードバックを行う。
③教育回診(Teaching Round)
診療チームで教育回診中に、直接口頭でのフィードバックを行う。

・総括的評価
①講義、CBL、TBL
短いシナリオによる症例問題で Multiple Choice Question (MCQ)により臨床推論を問う。 症例問題で、原因微生物、診断方法、関連した抗菌薬治療等を問う。
②小グループ学修(PBL)
短いシナリオによる症例問題で MCQ により臨床推論を問う。 症例問題で、原因微生物、診断方法、関連した抗菌薬治療等を問う。
③教育回診
mini-CEX 等で患者サマリー及び鑑別診断等で評価する。
Entrustable Professional Activities (EPAs)の修得度で評価する。

事例 8.医学における情報科学技術の活用

(1)関連する主な資質・能力/学修目標
情報・科学技術を活かす能力/ IT-01-01:情報・科学技術に向き合うための準備、IT-01-02: 情報・科学技術 利用にあたっての倫理観とルール、IT-02-01: 情報・科学技術を活用した医療、IT-02-02: 情報・科学技術の 先端知識、IT-03-01: 情報・科学技術を活用したコミュニケーションスキル、IT-03-02: 情報・科学技術を活 用した学習スキル

(2)方略
1)概要
情報科学技術(ICT)は年々発達を続けており、新型コロナウイルス感染症の影響等も相まって、医学・医 療分野における活用も増加している。一方で、ICT の利用に際して関連する法律やガイドライン、適切なツールの使用方法等のリテラシーに関する教育の必要性も高まっている 47F

48F 。

多岐にわたる学修項目を網羅すべく、動画資料の提示による情報伝達とグループ討議を組み合わせた反 転学修で進めつつ、理解を深める事例基盤型学習でグループ討議を取りいれる。また様々な ICT に触れる機 会を含む演習を重ね、最終全体発表と討議を組み合わせるアプローチを取る。そして情報科学技術に関す る知識・技能・態度を形成する。
扱う内容としては以下のものが挙げられる。

・情報科学技術の基本的学修内容

・最先端の医療技術(IoT、AI、ウェアラブルデバイス、アプリ、遠隔医療の事例)

・法規制やガイドライン等の知識

・医療システム開発における医療者の役割

2)どのような方法で教えるのか?
以下のような課題例について、反転学修やプロジェクト基盤型学習等の方略を用いて教育を行う。

・診療現場を見学し、用いられている ICT を探してみよう。その発展形について議論してみよう。

・医療現場で抱える問題のうち情報科学技術で解決できるものはないだろうか?

・疑似科学、フェイクニュース、倫理上不適切な情報科学ツールの使用事例をインターネットから検索し て共有してみよう。そして医療者として SNS をどのように利用するべきか議論してみよう。
・学生や医療者、患者の個人情報に該当するものは何があるだろうか。個人情報保護法等の法律の観点か らみて、取り扱いに注意すべき情報の種類、それらを保護するための方法について考えてみよう。

反転学修(動画による事前学修と同期型での学修)

・動画による事前学修

・討議を行うにあたって必要となる知識をオンデマンド形式で学修する。例えば AI やウェアラブルデ バイスを扱った医療の事例、関連する法律やガイドラインの現状等が含まれる。
・対面又はオンライン同期型での演習・討議(扱うテーマによって適するものを選択する)

・グループでの討議

48 諸井陽子, 他. モラルハザード事例調査に基づく医療系学生と医療人のためのソーシャルメディア利用チェックリストの開発. 医学教育.
2020;51(4): 401–4. https://doi.org/10.11307/mededjapan.51.4_401
49 Machleid F, et al. Perceptions of digital health education among European medical students: Mixed methods survey. Journal of
Medical Internet Research. 2020;22(8):e19827. https://doi.org/10.2196/19827

・倫理的問題等に関する事例検討学修

・演習:シミュレーション(遠隔診療の模擬実践)や各種 ICT ツール(様々な SNS や LMS)の体験

・グループ毎に同期型オンライン(ウェブ会議システム)、非同期型オンライン(LMS、チームコミュニケー ションツール、SNS 等)や 対面討議等の異なる方法でワークをさせたり、クラウド上での共同編集作業 等の方法を活用させたりして、様々なツールの長所短所に関して議論させる。
・プロジェクト基盤型学習

・グループで自分の興味を持ち寄りデータベース作り、ウェブサイト作り、プログラム作成に挑戦させ る。

3)誰が教えるのか?

・情報科学技術を理解する専門家(医療情報部・精通した専門家)

・情報科学技術を医療に応用している医師

・全国で共有できる動画教材が開発できる精通した教員らエキスパート
①講義・実習等の実施環境(時間・場所・学生人数の規模や準備等) 短期集中型授業や通年型とし、講義室での対面授業と同期、非同期オンライン学修のブレンドを想定す る。1 学年(例 100 名)。低学年と高学年の混在、在籍大学を異にする学生の混成もよい。実施にあたって 私物利用(Bring Your Own Device: BYOD)・インターネット環境(通信の利用に習熟させる意図もある)の 準備が必要となる。
②時間
オンデマンドによる学修を含め、合計 20 時間とする。この 20 時間は 1 つの科目として扱うものではな く、教養・基礎科目、臨床実習前の準備教育、臨床実習中と複数の科目に学修内容を分割して教育する。
・教養・基礎科目

・情報科学技術の基本、ICT の適切な活用、情報リテラシー(反転学修における事前学修) 90 分

・大学生として求められる情報リテラシー1(クラウド上での共同編集作業や種々の ICT ツール活用に際し ての利点・課題) 180 分 ※ディスカッション+発表
・大学生として求められる情報リテラシー2(SNS の活用・疑似科学への対応等) 180 分

・臨床実習前

・電子カルテの活用方法、医療情報や個人情報に関する法規制やガイドライン(事前学修) 90 分

・臨床実習や臨床研修等で生じたモラルハザード事例に対する対応、注意すべき点、発生してしまったと きの対応に関する事例学修 180 分
・臨床実習中

・最先端の医療技術(IoT、AI、ウェアラブルデバイス、アプリ、遠隔医療の事例) (事前学修) 90 分

・医療現場における ICT 導入に際し、医師に求められる役割 180 分

・医療者としての情報発信や情報の判断(フェイクニュースへの対応等) 180 分
③カリキュラム評価 授業アンケート・教員振り返り

(3)評価
1)概略

評価は多岐にわたる評価項目を総合評価するため、様々な方法を組み合わせ、複数のタイミングで評価 データを取り、形成評価と総括評価を含め判定材料とし、総合的に合議をもとに判定を出す。

2)どのような総括的評価を実施するのか?
・総括的評価 以下を評価方法として、総合的に評価
・毎回授業後の学修レポート(レポートテーマは教員設定あるいは学修者の自由選択)(全体の 4 割)

・最終授業後の筆記試験(知識の実践的活用を問う内容の MCQ。テキスト参照下での解答可)(全体の 3 割)

・グループごとの発表プロダクト及び同僚評価(全体の 2 割)

・授業態度・自己評価等(全体の 1 割)

3)何を評価するのか?
試験項目全てが含まれるよう、学修目標と評価方法とでブループリントを示す

4)誰が評価するのか?

・授業担当教員

・外部講師(情報科学技術を理解する専門家、情報科学技術を医療に応用している医師)

5)どのような場面・場所で評価するのか?
授業の様々な場面(毎回授業後、グループ発表時、最終授業後等)に、複数の評価を埋め込ませる

6)どのくらいの時間をかけて評価するのか?
評価方法に応じて時間を決める(試験時間による信頼性向上よりも総合的評価による妥当性を重視する)

7)合否判定基準をどのように設定するのか?
まず上記 5 つの評価の比率に基づいて 100 点満点中のスコアを算出する。最終的には総合的に複数の教員 で合議とし、5 段階評価(秀・優・良・可・不可)等大学基準に従い判定する。合格基準に満たない場合は再 試験又は再レポート提出を準備する。

8)誰が試験問題を作成するのか?
担当教員や外部講師

9)誰が試験の採点をするのか?
担当教員

10)試験時間はどのくらいか?
最終授業後の筆記試験:60 分。全体発表の内容評価:90 分。

11)どこで試験を実施するのか?
大学の講義室で行う。オンライン上での試験(CBT)も視野に入れる。

事例 9.医療面接

(1)関連する主な資質・能力/学修目標
コミュニケーション能力/ CM-03-02: 患者・家族の心理・社会的背景に配慮した診療

(2)方略
1)概要
講義やグループワーク、ロールプレイを通して、診療現場において、自分自身と社会的背景の異なる他者 (=患者・家族等)とどのようにコミュニケーションをとればよいかについて学ぶ。傾聴等の基本的なコミュ ニケーションスキルだけでなく、患者のプライバシーや苦痛等に配慮すること、非言語的コミュニケーショ ンのとり方、患者・家族の社会的背景の多様性を理解することなどについて、行動科学・社会科学の概念も 含めて、修得を目指す。コミュニケーションが困難な患者、社会的に特殊な状況にある患者との会話を想定
50, 51

した課題を設定し、適宜動画も用いて講義を行なった後、ロールプレイを行う 。学年に合わせてコミュニケーションをとる際の状況(難易度)を設定する。1〜2 年生の学生には世代の異なる初対面の方との日常会 話等を取りあげる。3〜4 年生を対象とする場合は、他のカリキュラムによる学修状況も加味しながら、医学 的な内容をより多く含める。共用試験の臨床実習前 OSCE の医療面接実習との関連性も考慮する。

2)どのような方法で教えるのか?
①講義 以下の内容等を取り扱う。
・コミュニケーションの基本技能(話の聴き方等)について
・患者・家族の社会的背景の多様性について(高齢者、小児、障害者、LGBTQ、人種・文化・言語・慣習の違 い等)
・他者理解に関する基本的な概念(解釈モデル等)について
②動画視聴とグループ討議 たとえば、医師から病名告知や病状説明を受ける際に、患者・家族が怒りを示した、ひどく取り乱した、な ど医師の予想を超えた特異的な行動を示した場面を動画で視聴し、以下に問いについて 2~6 人程度の小グ ループで討議を行う。
・患者さんや家族はどのような言動をとっていたか?
・患者さんや家族のとった言動の背景には何があるのか?
・自分たち(医学生)にとっての「普通」とは何か?
・相手のことを理解するということはどういうことか?
・病いを抱えて生きることの苦悩を私たちはどこまで想像できるのか?
・身の回りにあるコミュニケーションエラーには具体的にどのようなものあるか?
・どうすれば丁寧に言葉を選ぶことができるようになるのか?
③ロールプレイ
・高齢者、小児、障害者、LGBTQ、他国籍等の多様な背景を持った患者・家族の事例を準備する。
・生活習慣病における食事指導等を想定し、可能であれば模擬患者に協力してもらい、患者さんの話を丁寧 に聞いた上で、わかりやすい言葉を使って説明し、場合によっては行動変容を促しことを目標としたロールプレイを行う。

・健康診断で生活習慣病(高血圧・糖尿病等)が新たに判明した、といった、あまり深刻度の高くない設定等から、悪い知らせを患者に伝えるロールプレイを行う。SPIKES51F、SHARE52F等のモデルも参考にする。

○SPIKES モデル:悪い知らせを伝える際の 6 段階からなるモデル。
第 1 段階 Setting up the Interview(面談の設定)、第 2 段階 Assessing the Patient’s Perception (患者 の病状認識の評価)、第 3 段階 Obtaining the Patient’s Invitation (意思決定に関する患者の希望の確 認)、第 4 段階 Giving Knowledge & Information to the Patient(患者への情報提供)、第 5 段階 Addressing the Patient’s Emotions with Empathic Responses (患者が抱く感情に共感的に対応)、第 6 段階 Strategy
& Summary(今後の方針とまとめ)

3)誰が教えるのか?
臨床系講座の教員、行動科学・社会科学を専門とする教員、看護師や社会福祉士等の他医療職

4)講義・実習等の時間はどのくらいか?
1.講義 10~30 分程度
2.グループワーク 30 分~1 時間程度
3.ロールプレイ 30 分~1 時間程度

5)講義・実習等の場所はどこか?
大講義室(グループワークができる広さ)

6)教える学生は誰で何人程度か?
①臨床実習に入る前の学生(1~4 年生)
②学年全員(約 100 名)を対象としても良いし、数回に分けて 10~20 名程度のグループ学修を行う形でもよ い

7)カリキュラ評価
学生から各講義終了後にアンケートを集め、講義内容や形式についての感想や意見を募る。

8)講義・実習を行う際に必要なヒト(模擬患者含む)・モノ等は何か?
動画、模擬患者、ロールプレイ用のシナリオ

(3)評価
1)どのような形成的評価・総括的評価を実施するのか?
・形成的評価

講義後に講義内容についての MCQ 形式の小テストを実施し、正答及び解説とともに各自の成績をフィード バックする。動画視聴とグループ討議において、グループ討議におけるコミュニケーションや発言内容につ いて、評価者役の同僚がフィードバック用チェックシートにしたがって同僚評価とフィードバックを行う。 ロールプレイのパフォーマンスについて、評価者役の同僚、模擬患者、指導者(医師、医学系教員、看護師 等の医療職)が評価してフィードバックを行う。

・総括的評価 ロールプレイにおける指導者によるパフォーマンスと、ロールプレイ後の振り返りレポートの内容を総括
的評価の対象とする。

2)誰が評価するのか?
形成的評価は同僚や模擬患者、指導者(医師、医学系教員、看護師等の医療職)が行う。総括的評価は指導 者が行う。

3)誰を評価するのか?
講義、動画視聴とグループ討議、ロールプレイにおいて、各学生個人を評価する。

4)どのような場面・場所で評価するのか?
グループ討議やロールプレイを行う講義室で観察による評価を行う。ロールプレイの評価については、模 擬的ではあるが、シナリオで設定された様々な診療ケアの場面にもとづいて評価を行う。

5)どのくらいの時間をかけて評価するのか?
1.講義 10 分程度
2.グループワーク 30 分~1 時間程度
3.ロールプレイ 30 分~1 時間程度

6)合否判定基準をどのように設定するのか?
ロールプレイについての総括的評価においては、ロールプレイのパフォーマンス(観察評価)及び振り返り レポートの内容の両方が合否判定基準を超えていると判定した場合に合格とする。いずれの評価において も、評点をつけたり、秀・優・良・可・不可等の評語をつけることなく、合格か不合格かで判定する。最終 的な不合格の判定は、複数の評価者が複数の評価場面に基づいて判定する。

7)実施する評価についてどのような外部評価を受けるのか?
本科目に合格となった学生が臨床実習で問題なく医療面接を実施できているかについて、臨床実習担当教 員が診療現場での各学生のパフォーマンスを観察して評価する。

事例 10.多職種連携教育

(1)関連する主な資質・能力/学修目標
多職種連携能力/IP-01-01: 患者中心の保健医療福祉、IP-01-02: 職種間コミュニケーション、IP-02-01: 職 種役割、IP-02-02:関係性への働きかけ、IP-02-03:自職種の省察、IP-02-04:他職種の理解

(2)方略
多職種連携教育は 70%を超える医学部で実施されているが、様々な医療分野、カリキュラムの調整の問題、教員の問題等、多職種連携教育の導入に関する問題がある。Good Practice として①大学間・学部間の多職種連携教育の例を挙げるが、②医学部のみで実施する多職種連携教育の方法も紹介する。
1)概要
①A 大学医学科と B 大学看護学科、理学療法学科、作業療法学科、放射線技術科学科の学生が関わり Team- based Learning (TBL)を用いた多職種連携教育実習を 1 日 4 時間程度で実施している。
②C 大学医学部では、初日に各グループで多職種を割り振り、多職種カンファレンス動画を閲覧し、カンフ
ァレンスと割り振られた職種のイメージをつくる。中間に各職種にインタビューを行い、職種の役割の 理解を深める。最終日に各グループ代表が各職種になりきり、多職種カンファレンスを行い、グループ 発表を行い、各自レポートを作成する一連の実習を行っている。

2)カリキュラム開発の背景
①TBL は、医療専門家の学生間で他学部や他職種の文化を育む多職種連携教育に適しており、多職種連携教育の方略として国際的にもよく使われている。大学間での共同プログラムであり、カリキュラム調整が難しいことから、約半日のスケジュールの多職種連携教育実習である。
②早期体験実習(Early Exposure)プログラムとして臨床実習に入る医学部 3 年生を対象に、現場の医療者の 経験を実感し、医療現場への興味・関心をあげるための実習である。

3)どのような方法で教えるのか?
①A・B 各大学での TBL
1.事前課題:脳血管障害の病態について、障害を持つ人のケアについて、片麻痺のリハビリについて、脳 血管障害の CT や MRI 画像検査についてのオンデマンド動画を用意し、当日までに全学生に見てもらうよ う周知している。その知識を実習当日 Individual Readiness Assurance Test(IRAT)と Group Readiness Assurance Test(GRAT)で確認する。
2.講義・実習等の時間はどのくらいか?:学生はグループ間で自己紹介・アイスブレイクを行い、シナリ オに関連する脳血管障害についての IRAT・GRAT を行った後、応用課題(グループワーク、発表)を 2 つ行 い、これらについて、休憩を含めて約 4 時間かけて実施している。グループワークは脳梗塞を発症した患者とその家族に関するシナリオをもとに討論し、ワールドカフェ方式 55F
②C 大学医学部での早期体験実習で共有している。

1.事前課題:オンデマンド講義 に加え、ケース課題について考え、提出する。
2.講義・実習等の時間はどのくらいか? :初日・中間・最終日の 3 部構成からなる。
・初日(コースの位置付けと目標と全体像 + 質問):事前知識の確認(LMS 上で課題テストを行う)と事前課 題のフィードバックに加え、多職種カンファレンス動画 を例として見て、 職種の割り振りの確認と最終課題の説明を行う。医師・看護師・薬剤師・医療ソーシャルワーカー・ケアマネージャー・リハビリ セラピスト役に割り振られた上で各職種のシナリオを読み込む。
・中間(初日から 1~2 週間の間):ウェブ会議システムを利用し、グループ毎に以下のインタビューガイドに沿って割り振られた職種のインタビューに入り、各職種の役割理解を深める。
・最終日(初日から 3~4 週間後): 職種(各グループ)ごとの作成会議、多職種カンファレンス (第 1 回 目)情報共有、職種(各グループ)ごとの作戦会議(休憩含む)、多職種カンファレンス(第 2 回目)解決案の共有、職種(各グループ)ごとの振り返り+発表準備:各職種の立場になって気づいたこと、職種(各グループ)ごとの発表、講評+事後のケース課題の説明を行う。

4)誰が教えるのか?
①両大学の教員約 20 名がカリキュラム開発と評価に関わっている。多職種連携教育実習の当日までに、A・ B 大学の担当教員による合同会議(3 回)、各大学での学内会議(2~3 回程度)に加え、多職種連携教育実習 の目標や事前課題、当日の資料、学生のレポート課題(レポート用紙、評価に用いるルーブリック) 等に 関しては、メールで共有する。事前課題の確認を各学部の実習担当の 1~2 名の教員が行っている。学生 には多職種連携教育実習の 1 週間程前に A・B 各大学でオリエンテーションを行い、実習の目的や当日の 注意事項等を説明している。
②在宅医療の状況を理解している医学教育統轄センターの医師 1 名と学外の地域病院あるいはクリニック等 で勤務している総合診療科の医師 1 名(インタビューに関わってくれる職種の方あるいは医学部以外の教 員あるいは医療現場の他職種の方が最終日にコメントをいただけるとなお良い)

5)講義・実習等の場所はどこか?
①学生全員が集合できる会議場を 1 つ(ないし人数に合わせて 2 つ)借りて、実施する。
②初日・最終日は午前・午後に分けて、さらにそのグループを 2 つの大教室(40 名ほど入れる教室)に分け て実施する(新型コロナウイルス感染防止措置)。

6)教える学生の数は何人程度か?
①A 大学医学生 2 年生(約 130 名)に加え、B 大学の看護学科 2 年生(約 50 名)、理学療法学科(約 40 名)、作 業療法学科(約 40 名)、放射線技術科学科(約 40 名)の合計約 300 名が関わり、学生を小グループ(医学科 の学生 3 名+看護学科の学生 1 名+理学療法学科・作業療法学科・放射線技術科学科のいずれか 2 名の計
6 名/1 グループ)に分けて実施する。
②110 名の学生を 2 つに分け、さらに教室を 2 つに分けて、それぞれの会場 25~30 名ほどにして、各 1 名 の教員が対応する。

7)カリキュラム評価
①オリエンテーション時とプログラム後に多職種連携学習の準備状態を評価する RIPLS(Readiness
57

Interprofessional Learning Scale)の日本語版 56F

で準備状態を評価している。また、どの学生にもグループディスカッションを通して学んだ他学部への理解・関心、患者中心に課題を解決する際の多職種連 携を行う意義についてレポートを記載してもらい、そのレポートをルーブリックで評価を行っている。
また、学生からの学修到達度や満足度の自己評価票や感想・意見を聴取している。それらをもとに、プログラム終了 2 か月後に、A・B 両大学の担当教員による合同会議を行い、プログラムを振り返るととも に、翌年度に向けた改善点を議論している。
②事後課題による学生の到達度を判定する。また、学生からコース終了後にアンケートを集め、講義内容や 形式についての感想や意見を募る。インタビューに入った多職種からも学生の態度について聴取する。

8)講義・実習を行う際に必要なヒト(模擬患者含む)・モノ等は何か?
①事前課題、会場、グループ数の模造紙、ペン、RIPLS 評価票、レポート用紙
②在宅医療の状況を理解している教員 2 名、ウェブ会議システムでのインタビューに協力してくれる多職種
3~4 名、事前講義(オンデマンド)、事前課題、多職種カンファレンス動画、インタビューガイド、事 後課題、事後課題のレポート用ルーブリック、LMS

(3)評価
・形成的評価
①当日の IRAT や GRAT のフィードバックとともに、グループのファシリテーターがメンバーの意見表出を促
し、実習中に行う教員のコメントの時間に、グループディスカッションを聞いていた教員から全体にフィードバックを行っている。さらに、最後に全体の目標を確認し、教員から全体にフィードバックを行っている。実習の最後には各グループでの振り返りの時間を設けており、各自が振り返り用紙に記入し た後、グループメンバーで振り返り内容を共有している。
②事前課題のレポートの達成度を踏まえて、足りない視点についてフィードバックし、学修目標に照らし合わせた学修内容を共有する。小テスト等で基本的知識を確認し、正答率の低い回答についてフィードバ ックする。インタビューに参加した職種からもらった学生たちの態度についての感想等を適宜フィード バックする。多職種カンファレンス・グループ発表については各教員が講評の中でフィードバックす る。事後課題のレポートで誤った知識を記載した学生がいた場合は、評価終了後にフィードバックす る。

・総括的評価
①プログラム終了後は、グループディスカッションを通して学んだ他学部への理解・関心、患者中心に課 題を解決する際の多職種連携を行う意義についてレポートを記載してもらい、そのレポートについてルー ブリックを参考に、担当教員が分担して評価を行っている。
②事前課題のレポート 5 点:LMS に提出された事前レポートは 1 名の教員が概略評価(5 点)で評価する。小テスト 5 点:小テストは LMS 上で作成した 10 分ほどで実施できる多肢選択式問題と短答問題で 5 問(初 日に実施) 。インタビュー態度 10 点:インタビューや多職種カンファレンスを通じて各職種に対する理 解や態度、チーム間でのコミュニケーション等を評価する。多職種カンファレンス 10 点:各職種が職種 の理解を踏まえた行動をとっているかを教員が評価する。グループ発表 10 点:グループ発表は内容・積 極性などを踏まえて 2 名の教員が 10 点満点で評価。患者中心の医療の在り方の理解については、多職種 カンファレンスやグループ 発表で評価する。事後課題のレポート 60 点:一人一人の学生がどの程度、 具体的に高齢者の生活を想起でき、生活上の課題を支援するための計画をたてられるかについて評価す る。LMS に提出された事後レポートは 2 名の教員がルーブリックをもとに評価する。学生にも同様のルー ブリックを提示している。合否基準は 60 点とする。欠席した場合は、録画した授業の記録をもとにした レポート提出で知識を確認する。

事例 11.社会における医療の役割

(1)関連する主な資質・能力/学修目標

社会における医療の役割の理解/SO-01-02: 社会保険、公的扶助、社会福祉、SO-01-03: 地域保健、SO-01-04:
産業保健・環境保健、SO-06-01: 社会科学と医療との関係

(2)方略
1)概要
患者ケースを軸として、診断・治療(のみ)を問うのではなく、遡及的に背景・経緯を探り、健康の社会的 決定要因(Social Determinants of Health:SDH)の視点から、なぜその患者がそのような状況になったのか 考察を行う。また、社会的背景と結び付けて、ここに至るまでの、現在の患者の体験 (Patient Experience、Patient Journey)の理解を深める。多職種と連携し社会的処方も含めた対応策を提案する。さ らに急性期病院を退院した後の施設・在宅ケアへの連携を想定し、地域の医療・介護資源、制度、メディカルソーシャルワーク等の役割の理解を深める 。また疾病(例:急性心筋梗塞)の適切な診断からそのリスク因子(高血圧、脂質異常、喫煙、糖尿病)、さらにその背景にある生活習慣・社会的環境へ視野を広げると共 に、疾患の病理、生物的な機序について基礎医学各科目で学んだ知識を確認する。実際のケーススタディーを通して、臨床・社会医学・基礎医学を繋げて医学の理解を深めることを目指す 58F 。

2)どのような方法で教えるのか?
①「社会における医療の役割の理解」の基本知識となる社会保障(公衆衛生、社会保険、公的扶助、社会福 祉)、地域保健、産業保健、環境保健、健康危機管理についてグループ学修を行い、概要をまとめて全体 で発表する。
・オリエンテーションとなる講義では各課題の背景となる考え方、キーワードを紹介するが、詳細な説明 は行わず、グループワークへの関心を喚起することを主目的とする。
・講義で取り上げる考え方、キーワードの選択は、担当教員の裁量に委ねる(学生の関心を喚起することに留意し、自身の専門領域等、細部に偏らないよう配慮)。
・従来の医学の範囲を越える領域を扱うため、グループワークの情報収集に役立てられるように、インタ ーネットの適切な情報源をまとめて提示しておく。
・グループ構成は学生の希望を取る、又は機械的に行うなど担当教員の裁量で可(前者の場合、グループ分けが偏り、調整が煩雑になる可能性がある)。
・グループワークの効果を高める一法として、各課題を複数グループに割り当て、それぞれの発表を別課 題で担当する他の学生が評価を行なって内容・プレゼンテーションを競う形式を用いることも可能(相 互評価により、評価される側・する側のモチベーションを高める)。
②ケーススタディー:事例に基づき、患者の医学生物学的、文化的、社会的文脈(SDH の視点)について考察を行い、多職種との連携、利用できる社会的処方も含めた対応策を提案する
・提示された患者ケースから、遡及的にその背景・経緯を探り、健康の社会的決定要因(SDH)の視点か ら、その患者がそのような状況に至った原因を考察し、議論を行う。
・患者はこれまで何をどう体験してきたか、それをどのように認識しているか、Patient Experience、Patient Journey の理解に努める。
・医師ができること・できないことを理解し、多職種と連携して社会的処方も含めた対応策を提案する。

58 西岡大輔, 他. 医療機関で用いる患者の生活困窮評価尺度の開発. 日本公衆衛生雑誌. 2020;67(7):461–70. https://doi.org/10.11236/jph.67.7_461
59 小曽根早知子, 他. 2. 筑波大学附属病院総合診療科・地域医療実習への「健康の社会的決定要因 (SDH) 」教育プログラム導入の取り組み. 医 学教育. 2019;50(5):421–8. https://doi.org/10.11307/mededjapan.50.5_421

・大学等の急性期病院を退院した後の施設・在宅ケアへの連携を想定し、地域の医療・介護資源、制度、 メディカルソーシャルワーク等の役割の理解を深める。
・SDH の視点だけではなく、疾患の病理、生物的な機序について基礎医学各科目で学んだ知識を確認する機会とするように努める。
・ケーススタディーの実感を得るために、地域医療実習(地域の医療・福祉関係の施設・資源に接する)と の連携を図る。

3)誰が教えるのか?
1. 社会医学担当教員を中心に、適宜、基本診療科指導医・地域医療指導医も参画する。
2. 地域医療実習の指導者、社会医学担当指導医(臨床系・社会医学系の教員の相互理解を促す機会としても 重要)

4)講義・実習等の時間はどのくらいか?
①オリエンテーション講義 1 時間 30 分×1~2 回。グループ学修 4 時間前後、プレゼンテーション準備
1 時間、発表会(+相互評価)1 グループ 10~15 分、全体で 3 時間。ケーススタディー1 例あたり 60 分、 全体発表・講評 30 分。利用可能なケース数によるが 2~3 回を想定。患者ケーススタディーと地域医療実 習の前後は、それぞれの大学の状況に応じて設定(問題意識を持って実習を行うためには、ケーススタデ ィーで事前の思考トレーニングをしておくことが良いと思われるが、画一的に定める必要は無い。可能で あれば、4 週間、発表会は実習期間最終週に 2 時間。

5)講義・実習等の場所はどこか?
①資料収集・閲覧の場として図書館、グループワークができる場所、全体の発表会を行う講義室(オンライ ン会議ができる環境が望ましい)
②グループワークができる場所、全体の講評、フィードバックを行う講義室(オンライン会議ができる環境
が望ましい)

6)教える学生は誰で何人程度か?
①4 年生全員(例:5 課題×3 グループ(7~8 人))
②4 年生全員(1 グループ 8~9 人×14 グループ)

7)カリキュラム評価
①講義後学生アンケート、各見学施設からのアンケートを実施し、改善点の見直しを行う。SDH 事例発表会 での学生の理解度を確認する。

8)講義・実習を行う際に必要なリソース(ヒト(模擬患者含む)・モノ等)は何か?
①ケーススタディーのための症例シナリオ
②ケーススタディーのためのビデオ教材
③社会医学系の資料、基本診療科からの指導者の確保と事前の目的・内容の情報共有
④各見学施設担当者と事前の目的・内容の情報共有及び事前資料
⑤オンライン会議の環境と社会医学担当指導医

(3)評価
1)どのような形成的評価・総括的評価を実施するのか?

①グループ発表及び②ポートフォリオを総括的評価に用いる。
①グループ発表では、形成的評価として発表後にフィードバックを行う。グループ発表の種類は以下の通 り。
・グループワークの発表内容(学生による相互評価)
・ケーススタディーの発表内容(グループ評価)
②グループ発表のプロダクトに加え、以下の資料をまとめてポートフォリオとする。評価ルーブリックに 沿って評価を行う。
・各回の授業前後での自分自身の考え方の変化について振り返り

・地域の施設見学前に挙げた確認したいポイント・疑問と、見学後にそれらについて確認できたかの記録 と感想(確認したいポイント・疑問は挙げられた項目数が多いと高く評価する)
・ケーススタディー後の省察レポートの内容(レポート作成時の「問い」は以下の通り)
「患者を総合的に見て、より良い対応策を考えていく上で、受診・入院した患者の現状の適切な把握・評 価に加え、この患者がここに至った経緯や背景の理解を深めることも必要とされている。あなたは今回 の実習を通して、その理解を深めることができた(と感じている)か?」
「一人の実際の患者から、臨床的な考え方、社会医学的な視点、基礎となる生物学的を繋げて学ぶこと重 要性を、今回の実習を通して感じることができたか?」

2)誰が評価するのか?
①各発表のグループ評価は各授業の指導者が行う。
・社会医学担当指導医
・社会医学担当指導医、基本診療科指導医・地域医療指導医(オンライン参加)
②ポートフォリオ評価は社会医学担当指導医が分担して行う(実行可能性の観点から、1 学生に対して 1 評 価者)。

3)誰を評価するのか?
①授業における各発表ではグループ全体のパフォーマンスを評価して各グループメンバーに反映させる。
②ポートフォリオ評価は各学生に対して個別に行う。

4)どのような場面・場所で評価するのか?
①グループ発表
②ポートフォリオ共に、講義室、各施設、自習場所等多様な環境における学修を評価する。

5)どのくらいの時間をかけて評価するのか?
①グループ発表の評価は、発表時間である数時間内で評価を行う。
②ポートフォリオ評価は、1 学生あたり数分~10 分程度で評価を行う。

6)合否判定基準をどのように設定するのか?
①グループ発表評価
②ポートフォリオ評価のいずれも合格基準に達していることを単位認定の要件とする。
①グループ発表評価は、1. 2. の 2 回の発表内容の平均をとって代償的に合否判定に用いる。

7)実施する評価についてどのような外部評価を受けるのか?

評価データを IR データとして蓄積し、本科目とその他の科目との相関等を検討する。特に臨床実習担当 教員による観察評価(社会的視点等)と本科目の成績との関係を分析する。

 

診療参加型臨床実習実施ガイドライン

目 次

Ⅰ. 序章 診療参加型臨床実習の趣旨及び実施に伴う体制作りと本ガイドラインの活用方法
1.診療参加型臨床実習の充実を図る意義
2.診療参加型臨床実習の趣旨
3.診療参加型臨床実習の実施に伴う体制作りと本ガイドラインの活用方法 Ⅱ. 実施体制・実施環境
1.実施組織
2.実習統括部門の整備
3.臨床実習実施に必要な実習関係者等
4.学外実習協力病院
5.学生の安全管理 (1)実習時間 (2)健康管理
(3)障害や実習で使用する物品・薬品等にアレルギーを有する学生への対応
(4)放射線被ばく管理
6.医療安全管理・感染対策(医療事故の予防策・事故後の対応策) (1)学生に障害が起こる事故(針刺し・体液曝露を含む)について (2)学生の行為により患者に障害が起こる事故について (3)学生が加入すべき傷害保険・損害賠償責任保険 (4)インシデントや院内暴力発生時の対応
(5)院内暴力対策
7.医学生が臨床実習で行う医業の範囲 (1)学生が診療業務を行うことについての法的位置付け (2)医師養成の観点から医学生が実施する医行為の例示について(門田レポート) (3)各大学の実習統括部門が定める医学生が臨床実習で行う医業の範囲 (4)学生による診療録記載と文書作成について
(5)個人情報の保護について
8.患者の同意 (1)院内掲示 (2)患者同意の必要性 (3)包括同意 (4)個別同意
9.学生の誓約書
10.FD・SD
Ⅲ.目標
1.医師として生涯にわたって研鑽していくことが求められる資質・能力
2.医療面接・身体診察・診療録記載
3.臨床推論
4.基本的臨床手技 Ⅳ. 方略
1.臨床実習の形態

2.臨床実習を行う診療科等 (1)診療科・実習期間 (2)ローテーションの例示
3.実習診療科での学修目標の設定 (1)診療科ごとの学修目標の設定 (2)学習契約 (3)身体診察のマトリックス表(例示) (4)主要症候のマトリックス表(例示) (5)臨床・画像検査のマトリックス表(例示) (6)基本的臨床手技のマトリックス表(例示)
4.診療参加型臨床実習の実際 (1)学生の一日の基本的流れ (2)診療参加型臨床実習の利点
ⅰ. 学生の視点から
ⅱ. 指導する医師の視点から ⅲ. 患者の視点から
(3)学生が受け持ち患者に接するときの注意点 (4)指導医が患者診療から離れた教育プログラムを実施する際の注意点 (5)指導医及び学生が、学生の診療参加について認識しておかねばならない法的側面
5.複数の診療科で共通する学修目標と方略
6.地域医療実習
7.シミュレーション教育
8.実習活動の記録の作成と自己省察 Ⅴ. 評価
1.実習現場での評価
(1)mini-CEX (2)DOPS (3)CbD
(4)アンプロ
2.CC-EPOC
Ⅵ. 参考資料
1. 学修と評価の記録(例示)
2. 学生を信頼し任せられる役割(EPAs)

Ⅰ. 序章

診療参加型臨床実習の意義、趣旨及び実施に伴う体制作りと本ガイドラインの活用方法

1. 診療参加型臨床実習の充実を図る意義
医道審議会医師分科会報告書(令和 2 年 5 月) には、医師の卒前卒後の一貫した養成の必要性について、次の 記載がある。

近年、医学教育、国家試験、臨床研修制度等を議論する場においては、医療の高度化・複雑化によって、医 師が修得すべき知識・技能が増加していることや、高齢化・疾病構造の変化・医師患者関係の変化等に伴 い、患者や他の医療者とのコミュニケーション等を含むプロフェッショナリズム教育の重要性が増している ことなどから、卒前教育においても医学生が診療に参加し、卒前・卒後の医師養成を、医療現場を中心とし て一貫して行う必要性が認識されてきた。(中略)上記のようなシームレスな医師養成のための制度整備を進 める中で、①卒前の臨床実習における診療参加型実習が推進しないこと(中略)が、一貫した医師養成におい
て大きな課題として認識されている。

(図)診療参加型臨床実習への移行による学修面でのメリット

2. 診療参加型臨床実習の趣旨 診療参加型臨床実習は、学生が診療チームに参加し、その一員として診療業務を分担しながら医師の職業的な 知識・思考法・技能・態度の基本的な部分を学ぶことを目的としている。診療参加型臨床実習の実施・改善にあ たっては、その趣旨が、単なる知識・技能の修得や診療の経験にとどまらず、 実際の患者を相手にした診療業務
を通じて、医療現場に立った時に必要とされる診断及び治療等に関する思考・対応力等を養うこと にある点に留 意する必要がある。
教育上の主な特徴としては、以下の項目が挙げられる。

(1)学生は教科書文献的知識だけでなく医療現場で必要となる思考法(臨床推論、臨床判断、診療計画の立案等) や、医療面接、身体診察、基本的臨床手技、診療録やその他の文書作成等の技能、診療上の態度(医師のプロ フェッショナリズム)及び学修上の態度も含めて医師としての能力(コンピテンシー)を総合的に学ぶ。

(2)学生が医師としての基本的な知識・思考法・技能・態度を学ぶ際に、教える側に立つのは、広い意味では患 者及び医師、看護職等の診療スタッフ全員(多職種間教育)である。

(3)具体的には、指導医チーム(大学の教員・医師又は実習協力病院の医師等からなる)は、学生の臨床能力に関 する情報を得て、それに応じた担当患者の診療業務を一部任せる。そして、学生の能力向上に応じてより高度 な業務を任せることにより、学生は、必要な知識・思考法・技能・態度を段階的、継続的に修得していくこと になる。

(4)そのためには、1 診療科あたり 1~2 週間の配属期間で診療科毎に独立した学修評価を受けるのではなく、特 に内科(各専門科を含む)、外科(各専門科を含む)、精神科、総合診療科、産婦人科及び小児科を含む診療科で は、原則として1診療科あたり連続 3 週間以上(ただし、全人的な診療能力・態度を涵養する目的で、4 週間以 上連続して配属する診療科を 1 診療科以上確保することが重要)、救急科では原則 3 週間以上の配属期間の中 で指導にあたる医師から継続的な評価を受ける必要がある。配属期間には地域医療実習を含むことができる。 また、これら以外の診療科で1診療科あたり 1~2 週間の配属期間を設定する場合であっても、診療科間の共 通学修目標と評価基準により診療科を越えて継続性のある学修評価を受ける必要がある。

(5)また、指導医(特に研修医)にも学生から発せられる新たな視点に基づく質問等により、自己学修が促され る。

3. 診療参加型臨床実習の実施に伴う体制作りと本ガイドラインの活用方法 診療参加型臨床実習の実施に当たっては、学生が診療チームに参加し診療業務の補助にあたること、その他、 教育上の特徴、危機管理、その他の法的な課題について、各関係者が新たな認識の下に共通理解を得ておく必要 がある。 診療参加型臨床実習では、学生が患者の診療業務の一部を担当することから、必然的に医行為を実施すること になる。医師法第 17 条は、「医師でなければ、医業をなしてはならない。」と規定しているが、臨床実習の重 要性、その実施上の条件等に照らし、実質的に違法性がなく無免許医業罪に当たらないと解釈し得るとされてき た(「臨床実習検討委員会最終報告(平成 3 年)」(以下、前川レポート)、「臨床実習において実施可能な医行為 の研究報告書(平成 30 年)」(以下、門田レポート))。令和 3 年 5 月 21 日に成立した「良質かつ適切な医療を効 率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律」(令和 3 年法律第 49 号。以下「改 正医療法等」という。)において、医師法(昭和 23 年法律第 201 号)の一部改正が行われ、臨床実習開始前の共用
試験に合格した医学生は、臨床実習において医師の指導監督の下、医業を行うことができることとされた。(令

和 5 年 4 月 1 日施行)この法改正によって臨床実習における医学生の医行為を行う条件は、引き続きこれまでの 考えに沿って行うべきであると考えられるとされているものの、「さらに診療参加型臨床実習の実施を促すため に」従来の「違法性阻却」という考え方から「医学生の行う医業については法的な位置付けをもって」実施され ることになった(「医学生が臨床実習で行う医業の範囲に関する検討会報告書(令和 4 年 3 月)」)。よって臨床実 習の関係者、特に指導に関わる教員には、医学生が実施可能な医行為を今一度確認した上で、今回改正された医 師法のもと、臨床現場で医学生にどのような役割を担ってもらうかについて再度検討し、医学生がより積極的に 診療に関わる形での臨床実習を構築することを求めたい。 本ガイドラインは、各大学及び実習の場となる診療科が、診療参加型臨床実習を実施する際の体制作りのため 有用性が高いと考えられる項目について、モデル・コア・カリキュラムの内容、及び診療参加型臨床実習におけ る学生の医行為が法的に位置付けられたことを踏まえて、その考え方や文例等とともに記載したものである。こ れらの例示を参考に、各大学で独自の診療参加型臨床実習要項を作成していただきたい。
※本文中、地の文は考え方を、枠囲みは別資料からの引用又は文例を示す。
※本ガイドラインに示す文例は、あくまでも各大学の診療参加型臨床実習指針の一部に改変を加えたものに過 ぎず、各大学・学外実習協力病院の実状に合わせた調整を必要とする。
※その他実習要項に含まれるべきものとして、以下がある。

・配属日程表、集合場所、指導体制(医師連絡先等)、学生グループ分け名簿

・各臨床技能の学修要領、指導要領等

・学生に配布する院内モバイル端末(院内スマートフォン等)の使用法等

Ⅱ. 実施体制・実施環境

1. 実施組織 導入した診療参加型臨床実習をより効果的な実習に改善していくために、学生の診療参加に対応できる組織体 制を整備して取り組む必要があり、以下の点が重要である。

(1)組織的に取り組むこと

1)医学部長、教授会、教務委員会、事務部、医学教育センター等の教育組織の役割の強化と、大学病院、実習 協力病院との円滑な連携により、臨床実習全体として一定の水準が保てるように管理する。
2)医学部として統一する事柄と、各臨床科に決定が委ねられる事柄を分ける。

(2)教育機能をもった診療体制を構築すること 教育機能をもった診療体制を整備する。すなわち、学生が診療チ ームの中に組み込まれ、学生の果たす役割と責任の重さが段階的に増加するような制度をつくる。

(3)指導医、診療チーム、病棟職員等の教育能力の向上 診療に参加することに対する学生の自覚を促すととも に、指導医、診療チーム、病院職員等の理解を促し教育能力を向上させる。<ファカルティ・ディベロップメ
ント(以下「FD」という。):教員・指導医・指導者向け研修会、スタッフ・ディベロップメント(以下「SD」
という。):事務職員向け研修会>

また、以下の実習関係者の役割を明確にし、的確に役割を果たせるよう、実習統括部門を整備し、診療参加型 臨床実習を実施する組織全体を統括する必要がある。
① 医学部長と医学部教授会
② 教務委員会、事務部、医学教育センター等
③ 大学病院、実習協力病院
④ 各診療科における実習責任者及び実習統括者
⑤ 各診療チームを指導する医師
⑥ 研修医
⑦ 学生
⑧ 医師以外の医療職

2.実習統括部門の整備
全学的な実習体制の整備をはじめ、今後の診療参加型臨床実習の充実にかかる<実施→評価→改善>の改革サ イクルを実行するシステム構築、課題の解決に大きく寄与することが期待される。実習統括部門に想定される役 割を以下に列挙する。

(1) 診療参加型臨床実習の意義の明確化
(2) 医学部としての学修目標

(3) 診療参加型臨床実習前の準備教育の設計

(4) 学生が配属される時期と期間の設計

(5) 必修制・選択制・希望制の設計

(6) 配属先の決定(全科、主要な科、受け入れを希望する科)

(7) 診療チームへの参加と指導方法の在り方について(各診療科の検討を主導)

(8) 医学部として学生に許容する医行為と業務の範囲

(9) インフォームド・コンセントの取得に関する指針

(10) 学生が当事者となる医療事故や紛争における法的責任について

(11) 学生に起こる事故等の予防策と事故後の対応策

(12) 診療参加型臨床実習中の事故に対する保険への加入手続について

(13) 学修評価方法

(14) 実習が困難な学生への対処指針

(15) プログラム評価方法

(16) 実習指針、ラーニング・ポートフォリオ等の編集

(17) 評価データの集計とフィードバック

(18) 学生向けのオリエンテーション

(19) 実習指導医向けの FD 及び教務職員、病院職員向けの SD の開催

(20) シミュレーション・ラボ、eラーニング、OSCE 等の運営

(引用)診療参加型臨床実習における望ましい教育体制のあり方から抜粋し加筆修正した。

60 山本博道, 他. 診療参加型臨床実習における望ましい教育体制のあり方. 医学教育. 2004;35(1):9–15. https://doi.org/10.11307/mededjapan1970.35.9

診療参加型臨床実習を実施する組織体制(例)

・医学科全体の臨床実習を統括する部門を医学部(科)長の下に置く。
・診療科長を中心とした指導の責任体制を明確にする。
・指導責任者間の調整、臨床実習の管理を行う実習統括者を診療科長の下に置く。
・指導に直接当たる指導責任者を配置する。
・指導医の指示のもとで安全性を確保し、研修医と学生の間及び学生間で先輩が後輩を指導するような体制を構 築する。
・チームの診療体制において、学生、研修医、チームの指導責任者の役割、行動について具体的に明確にする。
※ 大学によって医学教育部門(医学教育センター等)の規模や役割は異なるため、各大学の状況に合わせて実習 統括部門を整備する。

3.臨床実習実施に必要な実習関係者等

(1)実習指導医

診療科等において臨床現場で医学生を指導及び評価する。実習指導に関する FD を受講していることが強く推 奨される。

(2)医師以外の医療職(メディカルスタッフ)

診療参加型臨床実習では、医学生が医療チームの一員として診療に参加することから、看護師、薬剤師、臨床 検査技師等、医師以外の医療職種全てが医学生の指導に関係する。とくに、研修医の真正な評価には、医師以外 の医療職種や患者・家族等からの評価も含めた、「360 度評価」が望ましい。

(3)診療科等における実習統括者 実習統括部門で実習プログラム責任者とともに臨床実習プログラムの企画・立案に関与し、実習診療科責任者
の管理の下、診療科等での実習の実施及び評価の業務を統括する。実習指導に関する FD を受講していることが
強く推奨される。原則 7 年以上の臨床経験を有し、プライマリ・ケアの指導方法等に関する講習会(指導医講習 会)を受講していることが望ましい。

(4)実習診療科責任者 臨床実習が実施される診療科等の責任者として、その診療科等における実習の企画・立案及び実施を管理する
とともに、評価の業務を統括する。

(5)実習プログラム責任者 医学部の臨床実習関連実務を統括し、臨床実習プログラムの企画・立案及び実施の管理、並びに医学生に対す
る助言、指導その他の援助を行う。

(6)管理者 医学部・大学病院・実習協力施設全体で医学生の臨床教育を行う体制を支援し、実習統括部門の業務が円滑に行われるよう配慮しながら、臨床実習全般を統括管理する。

(7)実習施設責任者 大学病院、実習協力施設の施設長として、医学部と連携し、実習プログラム責任者と密に連絡を取りながら、
臨床実習が円滑に実施されるよう支援する。臨床実習指導にあたっての責任は医学部が負い、診療に関する責任は実習施設が負うが、法的な問題が生じた場合には、実習施設の責任者として医学部と協議し処理する。

(8)事務組織 医学部(教務担当、実習統括部門担当等)、病院(研修担当、医療安全管理担当、感染制御担当等)間の連携を円滑に実施できる体制が強く求められる。

(9)患者相談対応窓口 医学生の診療参加型臨床実習を推進するにあたって、既存の患者相談窓口等を活用することも含め、患者からの臨床実習に関する相談にも対応できる窓口を設置するとともに、それを周知するよう努めていく必要がある。

4. 学外実習協力医療機関 モデル・コア・カリキュラムに掲載された、地域の実情に応じた医療・保健・福祉・介護の現状及び課題を理 解し、医療の基本としてのプライマリ・ケアの実践、ヘルスケアシステムの質の向上に貢献するための能力を獲 得する方法として、病診連携・病病連携、地域の救急医療、病院前救護体制・メディカルコントロール、緊急度 判定体系、在宅医療、多職種連携のチーム医療、地域における疾病予防・健康維持増進の活動を体験することが 考えられるため、学外の医療機関に実習協力を依頼し、学生を派遣する必要がある。

また、大学病院は学外施設に比べて癌など特定の患者の割合が高く、高度先進医療機関として、診断や治療が 困難な複雑あるいは稀な病態や、先進的な医療研究の目的のための検査治療方針である患者等、学外施設とは異 なる症例が多く集まる傾向がある。従って、一般に頻度の高い症候・疾患や、初期・二次救急、あるいは一般レ ベルの検査治療等、モデル・コア・カリキュラムにおいて臨床実習で経験すべきとされる病態や疾患を全学生が 経験するためには、臨床実習の全期間を大学病院だけで行うのではなく、積極的に学外の実習協力機関へ配属し た方がよいとの意見がある。
また、臨床推論の学修を実践的に始める環境として、比較的長く複雑な病歴をもつ患者が集まりやすい大学病院よりも、比較的短く単純な病歴の患者が集まりやすい学外の実習協力機関の方が適しているとの意見もある。 一方、実習期間を長くし、かつ大学病院の負担を軽減するため、学外施設に臨床実習を一部委託するなどの工夫 をしている大学の事例が報告されている。 以上から、各大学は、大学病院及び学外実習協力医療機関における経験可能な症例をモデル・コア・カリキュ ラム別表 5「主要症候」を参考に調査し、現状で必修目標とする経験症例が不足する場合には、必要に応じて大 学病院の診療部門の再構成を提案するとともに、密接な教育連携の下、学外実習の協力医療機関への配属も検討 することが望ましい。 学外実習協力医療機関での臨床実習を実施する際は、医学部と学外実習協力医療機関の両機関との間で以下を 協議し、協定書を締結する。指導医の委嘱については、必要に応じて臨床教授制度等を利用することが考えられ る。

(1)必修あるいは共通学修目標、診療参加型臨床実習であることの詳細、評価方法、実習をめぐる危機管理の体 制や対応方針等について取り決める。
(2)学生の交通費や宿泊施設等について個別に検討する必要がある。

5.学生の安全管理

(1)実習時間

労働基準法では、労働時間は 1 週 40 時間、1 日 8 時間、労働時間 6 時間超で少なくとも 45 分の休憩、労働時 間 8 時間超で、少なくとも1時間の休憩を与えることとされている。学生は労働者ではないため各労働法規の適 用を受けないが、学生の安全と健康、実習外の学修時間の確保のため、実習統括部門において実習時間の考え方 を示すことが望ましい。
(例)実習時間は実習病院指導医の裁量によるが、1⽇あたり計 7 時間 30 分(実習 6 時間+昼⾷と休憩 1 時間 30
分)を基本とする。ただし、各診療科の診療スケジュールやプログラムに応じて、開始や終了の時間などを変更 できる。学⽣が実習時間の延⻑を希望する場合は、指導医と相談のもと、⾝体・精神的負担に配慮しながら適宜調整できる。

(2)健康管理

(ア)定期健診 学校保健安全法に基づき、学生には定期健康診断を行わなければならない。
(イ)抗体価検査・ワクチン接種

診療参加型臨床実習では患者との接触が増えるため、実習を運営する医学部と、院内感染対策を徹底する 大学病院との間で、以下の観点について協議の上、学生に対し、麻疹、風疹、水痘、ムンプス、B 型肝炎等 の抗体価検査やワクチン接種等を受けさせる必要がある。
・病院内に持ち込まれる病原体から患者を守る。

・学生及び教職員を院内・院外の感染源から守る。

(3)障害や実習で使用する物品・薬品等にアレルギーを有する学生への対応 障害や実習で使用する物品・薬品等にアレルギーを有する学生については、大学が学生間の公平性の確保に
留意し慎重かつ十分に検討の上、実習を計画し実施する。

(4)放射線被ばく管理 診療参加型臨床実習に参加する学生の電離放射線被ばく管理を行うことは学生の安全確保のために重要であ
る。学生の電離放射線被ばくについて、以下に指針を示す。

・電離放射線被ばくのおそれのある臨床実習は必要最小限に限定すべきである(放射線照射中は操作室等の 可能かつ合理的な範囲で被ばくのおそれの無い場所での見学にとどめる等)。
・学生を放射線診療従事者として取り扱うかどうかは、臨床実習の内容に応じて、大学(大学病院)で判断す る。
・学生を放射線診療従事者として取り扱う場合は、放射線診療従事者として事前の放射線健康診断、放射線 教育と個人モニタリングが必要である。
・学生を放射線診療従事者として取り扱わない場合でも、適切な方法で線量管理・記録等(例えば、電子式

ポケット線量計貸与、管理区域への入退室記録等)を行うべきである。

6.医療安全管理・感染対策(医療事故の予防策・事故後の対応策)

(1)学生に障害が起こる事故(針刺し・血液体液ばく露を含む)について

実習指導医等は、規則的生活を維持し、常時、心身の調子を整えるように適宜学生へ注意を与えるととも に、日頃から学生とのコミュケーションをとり、不調を訴えた際は適切に対処する。
各診療科に共通する血液等を介する感染事故等については、その防止対策及び事故発生時の迅速な対処方法について院内感染対策マニュアルに準じた指針を作成し、関係者に周知しておくことが望ましい。特に、血液 等を介する感染事故を発生しやすい医行為については、感染予防のための指導を充分行うとともに、そのよう な医行為を学生が行うことについては、危険性等を学生に充分説明したうえで学生の同意を文書等で取得して おくことが望ましい。
実習に入る前に、B型肝炎等の抗体価検査とワクチン投与を実施する必要がある。その際、経費の負担と実 施体制について検討する必要がある。 事故が発生した場合は、指針に従って迅速に対応するとともに、事実 経過を実習統括部門等に報告し、また文書として記録保存しておくことも必要である。

(2)学生の行為により患者に障害が起こる事故について
(ア)指導に当たる医師の指示に基づく医行為等
A) 当該病院等において、学生がチームの一員として医療に関わっていく上において、当該学生による直 接的な医行為等(学生による介助中の患者の転倒・転落等を含む)により、患者に障害が起きた場合、 当該医行為等を受けた患者は当該病院と契約関係にあり、かつ指導に当たる医師は当該病院の職員と して業務を遂行しているので病院の経営者が民法上の使用者責任を問われる場合がある。
B) 事故の状況によっては、病院管理者が職員である指導に当たる医師及び学生に対し、応分の責任を問
うことがある。法律上の損害賠償責任をいずれがどの程度負うかは、当事者間の話し合いあるいは民 事訴訟の結果による。
C) 事故の状況やその後の対応によっては、学生に医行為を指示した指導に当たる医師個人の責任を問われる可能性がある。法律上の損害賠償責任が指導に当たる医師個人にどの程度あるかは、最終的には 民事訴訟の結果による。
D) 当事者の話し合いや民事訴訟の結果に従って指導に当たる医師が責任を問われた場合、指導に当たる医師が医師賠償責任保険に加入していれば、補償金が支払われる。調査した範囲では、学生は約款で「補助者」と表現されているものに含まれるとみなされ、事故は加入している医師の直接指揮監督下 にある看護師、放射線技師等による事故として扱われ、補償金が支払われるとされている。しかし、 各保険会社との契約に当たってはその内容について、個別に調査、確認が必要である。
(イ)指導に当たる医師の指導・監督外の行動
民事訴訟の結果当該事故について法律上の賠償責任が学生にあるとされた場合、学生が責任を問われる場 合がある。しかし、学生が賠償責任保険(次々項)に加入していれば、故意に起こした事故でない限り、国内 において、臨床実習中の学生が患者に対して行った行為によって、患者の身体、生命を害し、又は財物を損 壊したことにより負担する法律上の賠償責任の実額が、保険会社より補償される(例えば、病院内を通行中 の患者に偶然衝突して傷害を負わせた場合)。ただし、このような場合でも、実習の場を管理している病院 の経営者も賠償責任を問われる可能性は残る。
(ウ) 学外実習協力医療機関における臨床実習中の医療事故の対応について
事前に協議の上、臨床実習中の医療事故の対応について協定書に明記しておく。

(3)学生が加入すべき傷害保険・損害賠償責任保険 事故補償の対策としては、日本国際教育支援協会が損害保険会社と契約して実施している「学生教育研究災
害傷害保険」及び「医学生教育研究賠償責任保険」に加入することが望ましい。掛金の支払いをどのように負 担するか、また、未加入の学生に、加入学生と同じ範囲の医行為を許容するかどうかについては各大学において検討する必要がある。

(4)インシデントや院内暴力発生時の対応 診療参加型臨床実習では、他の病院職員と同様に、学生も病院の医療安全管理部門の管理下に入るため、病
院職員と同様のマニュアル(院内安全対策マニュアル等)を理解し、常に携帯し、それにしたがって対応するよ
う、医療安全管理部門と協働して指導する必要がある。 また、学生が関係したインシデントの報告方法を整 理し決定しておく必要がある。

(院内暴力対策の例) 院内における暴力・暴言等発生時の対応 適応レベル
レベル 1 暴言・セクシャルハラスメント
 「ばかやろう」、「アホ」、「ふざけんじゃない」等の侮辱、又は名誉を棄損する言動(侮辱罪、名誉棄 損罪)
 性的な関心・欲求に基づく内容の確認

レベル 2 脅迫・暴力行為及び器物の破損
 「脅迫」は言葉による不当な要求、相手を不利な立場に追い込み損害を与えることを示唆する内容(恐喝 罪、脅迫罪)
 「暴力行為」は身体には触れるが、傷害には至らないもの(暴行罪、威力業務妨害罪、偽計業務妨害罪)
 「器物破損」はその名の通り、設備や備品、機械、装置等を壊すもの(器物損壊罪)
 しつこく居座る、何度も電話をかけてくる、ストーカーまがいの行動
 セクシャルハラスメント(身体的接触を伴うもの)
 凶器となりうる物体を所持し、注意に従わず放棄しない行為

レベル 3 治療を要する障害
 叩かれた、殴られた、蹴られたなど。一般に傷害と判断されるもので、精神的な障害を含めて、その後 の業務に支障を来す程度のもの(治癒までに約 1 週間以内程度の休業を要するもの) ただちに警察に通報する(傷害罪、威力業務妨害罪)

レベル 4 重大な傷害事件(死亡事故を含む)(傷害罪、傷害致死罪、殺人罪)
 入院を要するか、治癒までに約 1 週間以上の休業を要するもの。精神的な障害も同様
 傷害を起こすことを意図して、刃物や器物を用いての暴力等
 事件性を有するものは全て含まれる ただちに警察に通報する
※なお現行犯の逮捕(身柄の確保)は一般人でも行うことが出来る(刑事訴訟法)

発生時の対応
レベル 1、2 平日:保安安全対策室長(PHS○○○○○)あるいは医療サービス係(内線△△△△)に連絡。当事 者等が説得に応じない時は 110 番通報する
レベル 3、4 ただちに 110 番通報する

【通報内容】
□発生時刻
□発生場所
□被害を受けるに至った経緯
□関係者及び目撃者の有無

□怪我の状況
□その他
1. 怪我人が出たら、ただちに医師に治療を要請すること。
(原則、当該科医師に連絡。当該科が不明あるいは連絡がつかない場合は救急部に連絡)
2. 第一に患者及び職員の安全確保を優先すること。
3. 相手の話をよく聞き、暴力行為の防止に努力し、暴力の応酬は決して行わないこと。
4. 当事者等の関係者は、レベル 1 の場合は、記憶が鮮明なうちに必要に応じて診療録に記載すること。レベ ル 2 以上の場合は、「暴力(傷害等)発生報告書」を記録し、医療サービス係(内線△△△△)に提出するこ
と。

7.医学生が臨床実習で行う医業の範囲
診療参加型臨床実習において医学生が実施する医行為の考え方について「医学生が臨床実習で行う医業の範囲 に関する検討会 報告書(令和 4 年 3 月 15 日)」の抜粋を以下に示す。 臨床実習における医行為の違法性阻却の条件と今般の法改正との関係について
・臨床実習で医学生が行う医行為に関しては、前川レポートにおいて、「医師法で無免許医業罪がもうけられ ている目的は患者の生命・身体の安全を保護することにあるため、医学生の医行為も、その目的・手段・方 法が、社会通念から見て相当であり、医師の医行為と同程度の安全性が確保される限度であれば基本的に違 法性はないと解釈できる」と整理されている。そのうえで、違法性が阻却される際の条件として「①侵襲性 のそれほど高くない一定のものに限られること、②指導医による指導・監督の下に行われること、③臨床実 習に当たり事前に医学生の評価を行うこと、④患者等の同意を得ること」とされている。
・門田レポートにおいても、前川レポートの違法性阻却の整理について再検討されたが、「現状においてもこ
の考え方は妥当」とされた。また、門田レポートでは指導医によるきめ細やかな指導・監視が必要とされ、 これは「医学生が医行為を実施していることを認識し、かつ、必要があれば直ちに制止・介入できる状況で あり、医師の医行為と同程度の安全性を確保」することとしている。
・これらの整理は、医学生の医業が改正医療法等により医師法に位置付けられて以降も、臨床実習における医学生の医行為を行う条件として、引き続き妥当であり、医学生が臨床実習の中で行う医行為については、引 き続きこれまでの考えに沿って行うべきであると考えられる。

(1)学生が診療業務を行うことについての法的位置付け

令和 5 年 4 月 1 日施行の改正医師法では、臨床実習を開始する前に習得すべき知識及び技能を具有している かどうかを評価するために大学が共用する試験(以下「共用試験」という。)に合格した医学生は、臨床実習に おいて医師の指導監督の下、医業(政令で定めるものを除く。)を行うことができることとされたが、医学生が 臨床実習で行う医業の範囲に関する検討会 報告書(令和 4 年 3 月 15 日)では、
・引き続き、大学における臨床実習を統括する部門の管理の下で、患者の安全性を確保しながら、適切に指導 監督されること
・患者の同意については、当面の間は、院内掲示のみをもって同意とするのではなく、例えば入院患者に対し て包括同意を文書で取得し、さらに侵襲的な行為を行う際には個別同意を取得するなども検討するべきとさ れている。また、医学生が臨床実習で行う行為について、
・医学生が臨床実習の中で医行為を実施するに当たっては、各大学の統括部門が定めた医行為の範囲を遵守すること

・医学生がその定められた医行為を実施するかどうかについては、現場で指導監督を行う医師が、患者の状況 と医学生の習熟度等を勘案して決定すること
・各大学が臨床実習で行う医行為の範囲の決定において、門田レポートを参考とすることも考えられるとされている。なお、医療安全や学生保護等の観点から医師の指導監督の下であるとしても、医学生が行うこ とができない医業として、処方箋の交付が政令に定められている。

(2)医師養成の観点から医学生が実施する医行為の例示について(門田レポート)

医学教育における臨床実習の在り方について、平成 30 年 7 月に厚生労働省より公表された門田レポートに おける医学生に許容される医行為の範囲の例示(「医師養成の観点から臨床実習中に実施が開始されるべき医 行為(必須項目)」と「医師養成の観点から臨床実習中に実施が開始されることが望ましい医行為(推奨項 目)」)を以下に示す。

分類 ① 必須項目 医師養成の観点から臨床実習中に実施が開
始されるべき医行為 ② 推奨項目 医師養成の観点から臨床実習中に実施が開
始されることが望ましい医行為

診察 診療記録記載(診療録作成)※1 患者・家族への病状の説明
医療面接 分娩介助
バイタルサインチェック 直腸鏡・肛門鏡
診察法(全身・各臓器)
耳鏡・鼻鏡
眼底鏡
基本的な婦人科診察
乳房診察
直腸診察
前立腺触診
高齢者の診察(ADL 評価、高齢者総合機能 評価)

一般手技 皮膚消毒 ギプス巻き
外用薬の貼付・塗布 小児からの採血
気道内吸引※2 カニューレ交換
ネブライザー 浣腸
静脈採血
末梢静脈確保※2
胃管挿入※2
尿道カテーテル挿入・抜去※2
注射(皮下・皮内・筋肉・静脈内)
予防接種
外科手技 清潔操作 膿瘍切開、排膿
手指消毒(手術前の手洗い) 嚢胞・膿瘍穿刺(体表)
ガウンテクニック 創傷処置
皮膚縫合 熱傷処置
消毒・ガーゼ交換
抜糸

止血処置

手術助手

検査手技 尿検査 血液塗抹標本の作成と観察 微生物学的検査(Gram 染色含む) 妊娠反応検査 超音波検査(心血管) 超音波検査(腹部)
心電図検査 経皮的酸素飽和度モニタリング 病原体抗原の迅速検査
簡易血糖測定 血液型判定 交差適合試験 アレルギー検査(貼付)
発達テスト、知能テスト、心理テスト
救急※3 一次救命処置 気道確保 胸骨圧迫
バックバルブマスクによる換気
AED※2 電気ショック 気管挿管 固定など整形外科的保存療法
治療※4 処方薬(内服薬、注射、点滴等)のオーダー 食事指示
安静度指示 定型的な術前・術後管理の指示 酸素投与量の調整※5
診療計画の作成 健康教育
※1 診療参加型臨床実習実施ガイドライン「学生による診療録記載と文章作成について」を参考に記載する ※2 特にシミュレーターによる修得ののちに行うべき ※3 実施機会がない場合には、シミュレーターによる修得も 可である ※4 指導医等の確認後に実行される必要がある ※5 酸素投与を実施している患者が対象

(3)各大学の実習統括部門が定める医学生が臨床実習で行う医業の範囲 医学生が臨床実習で行う医業の範囲に関する検討会報告書で示されているように、各大学が臨床実習で行う
医行為の範囲の決定において、上記の門田レポートの「医学生に許容される医行為の範囲の例示」を参考にす ることが考えられる。ただし、必修項目として治療に挙げられている「処方薬(内服薬、注射、点滴等)のオー ダー」については、政令により、処方箋の交付は医学生が実施できる医行為から除かれていることから、処方 薬の計画と処方箋の下書きにとどめる必要がある。
以上を勘案し、各大学の実習統括部門は医学生が臨床実習で行う医業の範囲を定める。医学生が臨床実習の 中で医行為を実施するにあたっては、医師の指導監督の下で定めた医行為の範囲を遵守することが必要であ る。また、医学生がその定められた医行為を実施するかどうかは、現場で指導監督する医師が患者の状況と医 学生の習熟度等を勘案して決定する。

(4)学生による診療録記載と文書作成について

1)学生が診療録へ自ら参加した診療内容を記録する意味

1. 診療参加型臨床実習の教育効果上必要であり、学生が診療に参加した事実を記録する。

2. 看護記録等と同様、医師の補助者による記録として扱われる。

3. 指導医の補助者として指導医による検討結果を記録する。

4. 診療録の記載には責任が伴う。学生が記載に慣れていない場合など、学生による記載が適切でない
状況も考えられる。従って、各大学が必要に応じて、個別に以下のような指針等を整備する必要が ある。
診療録記載の手順(例示) 診療録の記載には責任が伴うため、学生が診療録記載に充分慣れていると指導医が判定するまでは、以 下の手順を参考にすること。
1. 学生は、まず下書きを書き、これを指導に当たる医師に見せる。
2. 指導に当たる医師は、下書きを見ながら適切で正確な表現か、正しい医学用語で記載されているかなど を評価する。
3. 学生は、指導に当たる医師が加筆、訂正した内容に沿って、診療録を記載する。
4. 指導に当たる医師は、学生記入の最後尾に署名する。
5. 訂正部分は二重線を引き、訂正し、訂正印を押す。
6. 学生が診療録の記載に充分慣れていると判定された後も、指導に当たる医師の執筆・署名は必要であ る。

また、学生向けの資料として以下のとおり例示する。 診療録の書き方(例示) 医師が診療をしたときには、診療に関する事項を診療録に記載する義務があり、その記載内容には責任が伴 います。みなさんが臨床実習で診療に関する事項を診療録に記録をするときには、以下を参考にして、わか りやすく間違いのないように診療録の記載を行って下さい。

(1)何のために診療録を書くか
1)より良き診療を行うために
1. 診療の経過を記録として残し、主治医が交代しても、患者個人の医療の継続性が保たれる。
2. 主治医不在時に、他の医師が患者の急変に適切に対応できる。
3. 指導医が主治医の方針を理解し助言ができる。
4. 医療スタッフが医師の方針を理解し、チーム医療がスムーズに行われる。
2)診療が行われた証拠として記録を残す
1. 保険医が診療報酬を請求する医療行為の根拠となる。
2. 患者からその患者の診療録の開示を求められうる。
3. 患者の請求(入院に対する保険金支払い等)に応じて診療経過を証明する際の証拠となる。
4. 医療過誤等の訴訟の対象となったときに、自らの医療が適切に行われていたことを証明する根拠とな る。
(2)何を記載するか
1)「患者が来院した理由、既往歴・生活歴・家族歴等の背景、来院後の病状の変化、主治医の考える診断 の進め方、診断名、治療方針、検査・治療の内容、患者や家族への説明等、患者の診療に必要な全ての事 項」が記載されている必要がある。「既往歴、原因、主要症状、経過等」と「処方・手術・処置等」は医 師として記載が義務付けられている。 治療内容の中には、入院診療計画書や退院療養計画書、検査や手術等の説明内容やそれに対する同意書、 服薬指導依頼箋、栄養指導依頼箋、リハビリテーション依頼箋等が含まれる。
2)診療報酬請求において、診療録に記載すべき事項が、算定要件として定められている診療報酬点数の項
目がある。 例:(令和 4 年度医科点数表) D220 呼吸心拍監視、新生児心拍・呼吸監視、カルジオスコ ープ(ハートスコープ)、カルジオタコスコープ
(3)記載上の注意

1)毎日記載することを原則とする(記載のない場合は、診察していないか、又は医学的な判断をしていな いと判断される恐れがある)。
2)日付は忘れずに、正確に記載する。(年/月/日の順に記載)
3)署名することにより、記載した医師が誰であるか明らかである必要がある。
4)診断書等、医師の氏名欄に押印が必要とされるものについては、訂正箇所にも訂正印を押す。
5)誰が読んでも同じ内容として理解されるように、分かりやすい文字で、分かりやすく記載する必要があ る。
6)一部の医師(医療従事者)の間でしか通用しない略号は使用しない。
(4)診療録の記載の具体的説明
1)病歴
1. 現病歴に記載すること 病歴を聴取することで患者に起きた出来事に関する情報の収集と、聴取の過程の会話を通して、患者 との信頼関係を構築することを目的とする。 主訴:患者の自覚する苦痛、または、受診目的を記載する。 現病歴:上記の目的を達するため、患者の苦痛の種類(困っていることは何か)、と鑑別診断に必要な 情報全てを時間の流れとして記載する。鑑別診断を行う上で必要と判断し聴取した内容(例えば、発 熱を主訴に来院した患者について、呼吸器感染症を疑って聴取した咳の有無、痰の症状等)や、鑑別 診断の鍵となる所見については、陰性所見(例えば、「発熱はなかった」など)であっても記載する。 また、他の医療機関に受診した経過がある場合には、受診日時、他院での診断・治療内容・治療によ る病状の変化、なども記載する。
2. 既往歴に記載すること
過去に罹患した疾患名と罹患時期 (過去の出来事であっても現在の主訴に関連した事項は現病歴に記載) アレルギー歴、輸血歴、アルコール歴や喫煙歴 常用薬、月経及び出産歴
3. 生活・社会歴に記載すること
職業、出身地、旅行歴等
4. 家族歴に記載すること 家系図の記載、罹患疾病や死因・死亡年齢 遺伝性疾患が問題となるときには該当疾患を有する患者の有無
 記入に際し、日本人類遺伝学会が提唱する記号を用いる。
 同居者は同一枠内に囲む。
2)身体所見の書き方
1. 記載の内容 未記載事項が指定されている場合、全ての項目を埋める。 大きく分けて、病歴から疑われる疾患の鑑別に必要な所見 (腎血管性高血圧を疑う患者での腹部動脈 の血管雑音の有無等)と、全ての患者でとるべき基本的身体所見 (血圧、脈拍、黄疸、貧血等)を記載 する。
2. 記載する順番
所見を取る順番は、緊急の場合を除き常に一定の順番で、頭から足方向へ、診察する。所見をとる順 番と同じ順に記載する。
3)入院時のまとめ
1. 入院時の問題点をプロブレムリストとしてまとめ、重要な問題点から#番号を付けて記載する。
2. 入院時点での診断名
3. 主鑑別に挙がる疾患リスト
4. 検査計画
5. 治療計画 以上をまとめた後、入院診療計画(変更)書を記載する。
4)毎日の経過の記録

1. 時間毎に SOAP で毎日記載することが原則(慢性疾患の場合には 1 週 2 回以上)、入院時にまとめたプ ロブレムリストの#番号ごとに SOAP で記載する。
S (Subjective) 自覚症状(本人の訴え、自覚症状)
O (Objective) 他覚的所見(身体所見、検査所見)
A (Assessment) 評価(主治医の考える病態、診断名、重症度や治療の緊急度の判断) P (Plan) 計画(検査や治療方針、コンサルトの予定、指示) このほかに、実施した治療、手術・処置、検査等と、検査結果、結果に対する評価等を記載する。
2. コンサルテーションをした場合やカンファレンス、グループ長や科長の回診時のコメント、指示事項
等も記載する。

2)電子カルテについて

電子カルテが導入されている場合等においては、学生が閲覧できる範囲を臨床実習上必要な患者等に限 定することや、学生による入力が行われる場合、指導医等が確認・修正・加筆を行うことなど、診療情報 の電子化等を踏まえた取り扱いを検討することも必要である。例えば以下のような過程で、医学部と大学 病院との間で体制を構築することが望ましい。
1. 大学病院のカルテ委員会等、医療情報、医療政策、医療安全及び医学教育の専門家によるワーキング グループを設置する。
2. 学生による電子カルテと紙カルテ、及び正規のカルテと模擬カルテの使用に関する意義や課題につい て検討し整理する。
3. 電子カルテの基本仕様と学生が使用する際の遵守事項を策定する(以下例示)。 電子カルテの使い方(例示)

病院情報システムは、患者の個人情報に関するネットワークです。臨床実習で効果的に活用するためには、 下記の使用方法を正しく遵守してください。個人情報保護法が平成 17 年 4 月に全面施行され、違反した場合 は法的にも厳しい処分があります。病院・施設内で得た個人情報は、個人情報保護の観点から、実習・教育 以外の目的で利用したり口外したりしてはいけません。

【注意事項】
1. 学生は自分のユーザーアカウントとパスワードを確認して覚える。(「ユーザーアカウント」とは、利用 者認識のための記号や番号のことです。これらの識別記号は、自己の責任において管理し、メモに書い たり、人に教えたりしてはいけません。)
2. 「ログイン」後、 「ログオフ」するまでは、その場を離れてはいけません。「ログイン」とは、署名・
捺印に等しい行為です。誰がいつログインしたのか記録されています。自分以外のアカウントとパスワ ードでログインすることは禁止されています。また、利用が終了したときは、速やかに自分自身で「ロ グオフ」してください。
3. 自分自身がログインした電子カルテではなく、誰かがログインし、使用中の画面には絶対に触らないよ
うにして下さい。職員の使用環境と学生の使用環境は異なっています。
4. できるだけデスクトップ型の PC を使用するようにしてください。ノート型 PC は職員が緊急で使用する 可能性が高いので、許可を得てから使用するようにしてください。また、許可なく端末の設置場所を移 動させてはいけません。
5. 学生は、受け持ち患者の診療情報のみ閲覧することができます。
6. 受け持ち患者以外の患者の情報は入手しないこと、秘密は絶対に漏らさないことを厳守してください。
7. PC トラブルやわからないことなどはすぐに確認してください。フリーズした場合にも放置してはいけま せん。必ず報告して対処してください。
8. 手術室や集中治療室は、特殊な使用環境にありますので、使用方法を指導教員に確認し、実習中の状況
に応じて使用するようにしてください。

以上の利用上の注意をよく守って、最大限に活用してください。問題行為があった場合には、利用が禁止さ れることがありますので、注意してください。

3)診断書の作成について 診断書については、診察した医師の責任のもと作成されていることから、診断書の作成を医学生が実施
することについて、各大学は、医学生の臨床実習の範囲を明確にし、また、指導医においては、患者の不 利益が生じないよう指導監督する必要がある。

(5)個人情報の保護について 診療参加型臨床実習の実施にあたっては、事前に個人情報の取り扱いに関する学修や指導を徹底することが
必要である。その際、実習開始前に、患者優先の原則に基づく安全確保に努めること、診療情報を適切に取り 扱うこと、指導医の指示に従うこと、診療技能や態度の向上に努めること、病院の諸規定とともに医学生に求 められる倫理的なモラルや規範を遵守することを学生に誓約させ、病院の諸規定等に違反した場合には大学に よる所要の措置が行われることを理解させることも必要である。
さらに、令和5年4月1日施行の改正医師法では、医師法第 17 条の3において、共用試験に合格し臨床実

習に参加する学生は守秘義務が課せられていることを周知する必要がある。個人情報保護に関しては、個人情 報保護法等の法令に基づき、各病院(医療安全管理部門や診療情報管理部門等)で定めたポリシーを、病院職員 と同様に学生にも遵守させる必要がある。

8.患者の同意

(1)院内掲示 大学病院は高度医療を提供する機関・研究機関としての役割がある一方で、医師を育成する教育病院でもあ
り、大学病院を受診する患者から医学教育への理解を得ることが重要である。医学生が病院内で臨床実習を実 施していることを病院の適切な場所に掲示し、来院者に周知することが求められる。同様に、学外実習協力医 療機関においても、来院者に臨床実習への理解と協力を求める院内掲示を行うことが必要である。

(院内掲示の例)

 

(2)患者同意の必要性
令和 2 年の「医道審議会医師分科会報告書」(厚生労働省)において、医学生が行う医行為に関する患者同意 について、将来的に患者の理解が進んだ場合、一般的な処置について、特別な患者同意の必要なく、診療参加 型臨床実習において実施可能となることが望ましいとされた。しかしながら、令和 5 年 4 月 1 日施行の改正医 師法では、共用試験に合格した医学生は、臨床実習において医師の指導監督の下、医業(政令で定めるものを 除く。)を行うことができることとされているが、令和 4 年の「医学生が臨床実習で行う医業の範囲に関する 検討会報告書」(厚生労働省)において、大学病院は教育病院であり医学生等における教育の場であるという認 識が一般の国民に必ずしも十分根付いていない現状においては、当面の間は、院内掲示のみをもって同意とす るのではなく、例えば入院患者に対して包括同意を文書で取得し、さらに侵襲的な行為を行う際には個別同意 を取得するなども検討するべきとされている。門田レポートでは、

1)医学生が当該患者の診療活動に参加するないし見学・介助することについて、臨床実習で医学生が行う医行 為の範囲を示した上で、患者から「包括同意」を文書または口頭で得ること。
2)包括同意の取り方については入院時等の説明文書や、医師、看護師等による口頭での説明等様々な方法が可

能であるが、口頭で同意を得た場合には、その旨を診療録に記載すること。また「包括同意」を得た後で も、患者はこれを撤回する権利がある旨も含めて説明すること。
3)別添の例示(「医学生に許容される医行為の範囲の例示」)にないものについて、別添に例示された医行為と

同等の侵襲度・難易度のものと各大学・実習施設で考えるものを、教育上の必要性を考慮して、臨床実習で 取扱う医行為の範囲に含める場合には、包括同意を取る際に、個別に説明を行う必要があること。
4)意識レベルの低い患者に対する診療時や、救急診療等、事前の同意取得が困難な場合は、事後、速やかに同意を取得することが望ましいこと。 と整理している。
「医学生に許容される医行為の範囲の例示」にあっても、侵襲性が高いものや羞恥的と判断される医行為や、平成 26 年の全国医学部⻑病院長会議「診療参加型臨床実習のための医学生の医行為水準策定」におい て、指導医の実施の介助・見学が推奨される(レベル II)とされた医行為(下記)等については、包括同意ではなく個別に同意をとることも考えられる。

②指導医の実施の介助・見学にとどめることが推奨される医行為 (レベルⅡ)
一般手技 中心静脈カテ挿入、動脈採血・ライン確保、腰椎穿刺、膀胱洗浄、ドレーン挿入・抜去、全身麻 酔、局所麻酔、輸血、眼球に直接触れる治療、各種診断書・検案書・証明書の作成
検査手技 脳波検査(判読)、筋電図、眼球に直接触れる検査、超音波検査(判読)、エックス線検査、
CT/MRI、核医学、内視鏡検査
診察手技 婦人科疾患の診察、妊婦の診察と分娩
救急 救命治療(二次救命処置等)、救急病態の初期治療、外傷処置

(3)包括同意 大学及び学外実習協力医療機関において医学生が当該患者の診療活動に参加することについて、各大学の実
習統括部門が定めた臨床実習で医学生が行う医行為の範囲を示した上で、入院患者等から「包括同意」を文書
で得ることを検討すべきである。なお、口頭で同意を得る場合は、診療録に記載することが望ましい。 以下に、包括同意の説明文を例示する。

包括同意の説明文書(例)
診療参加型臨床実習を行うにあたってのお願い(例示)

□ 診療参加型臨床実習とその必要性 診療参加型臨床実習とは、共用試験に合格した臨床実習医学生(以下「いわゆる Student Doctor とい
う。:医学部 4~6 年生。)が患者さんの診療にあたる診療チームの一員として、患者さんのこれまでの経過
を伺い、基本的な身体診察を行った後に、原因となる病気を考え、更にはそれを確認するための検査を選 び、最終的に治療方針を決めるという、医療の実際を学んでいくものです。この実習を通して、医師として の態度、技能を学んでいきます。また、この実習で得られたことが、国家試験後の医師臨床研修へと受け継 がれ、質の高い医療が提供されることに繋がります。以上のことから、診療参加型臨床実習は我が国での
「良き臨床医」を養成するために必要不可欠となっていますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。

□ いわゆる Student Doctor としての能力と資格 医学生が診療参加型臨床実習を行うに足る能力(知識、技能、態度)が有るか無いかということは、実習が
開始される前に知識・実技試験を含む全国統一の共用試験及び学内独自の試験等を用いて総合的に判定され ます。これらの試験に合格し、いわゆる Student Doctor としての能力と資格がある医学生のみが、診療参加 型臨床実習を行うことができます。 なお、令和 5 年 4 月 1 日施行の改正医師法では、臨床実習を開始する前 に必要な知識及び技能を評価するため厚生労働省令で定める「共用試験」に合格した医学生は、臨床実習に おいて医師の指導監督の下、一定の医療行為が可能とされています。

□ 診療参加型臨床実習で行われる医療行為 診療参加型臨床実習で学生が行う医行為の内容は別表に示してあります。必修項目は医師養成の観点から
臨床実習中に実施が開始されるべき医行為です。推奨項目は医師養成の観点から臨床実習中に実施が開始さ れることが望ましい医行為です。これらの医行為の中でいわゆる Student Doctor が実施することに同意いた

だけないものがありましたらお知らせください。また、上記に含まれない医行為を実施する場合などには、 その学生に限定した個別の同意をお願いする場合があります。その際は、改めて文書(個別同意書)によって ご説明いたします。

□ 医療事故等への補償 患者さんの健康ないしプライバシーを損なうような事象が発生した場合には、医学部長(学長)及び医療施
設責任者(病院長等)の責任で適切に対応いたします。

□ 担当以外のいわゆる Student Doctor ないし共用試験合格前の医学生が見学すること、及び担当のいわゆ る Student Doctor が診療の途中で変更することがあること、回診や上記の医行為が行われる場合、担当以外 のいわゆる Student Doctor だけでなく、他のいわゆる Student Doctor ないし共用試験合格前の医学生が一 緒に見学をさせていただくことがあります。また実習期間中に担当のいわゆる Student Doctor が他のいわゆ る Student Doctor に交代することがあります。

□ 拒否できる権利 この診療参加型臨床実習への協力は拒否できます。また、実習への協力を同意された後でも、その同意を
解消することができます。その際の用紙もお渡ししますので、同意を撤回する際には担当医に提出をお願い致します。いずれの場合においても、診療参加型臨床実習を拒否することによって、その後の診療等を含め 一切、不利益を被ることはありません。

□ 患者相談窓口について 診療参加型臨床実習における医行為や学生に対する疑問・ご意見等について相談する窓口があります。窓
口をご利用になる際には患者さんのプライバシーを遵守します。

診療参加型臨床実習の包括同意書(例)
診療参加型臨床実習の包括同意書(例示)

 

□ 診療参加型臨床実習とその必要性
□臨床実習医学生(以下「いわゆる Student Doctor」)としての能力と資格
□ 診療参加型臨床実習で行われる医療行為
□ 医療事故等への補償
□ 担当以外のいわゆる Student Doctor ないし共用試験合格前の医学生が見学すること及び担当のいわゆる
Student Doctor が診療の途中で変更することがあること
□ 拒否できる権利
(拒否内容: )
_____________________________________
○○医科大学長/○○大学医学部長/病院長 ○○ ○○ 殿
共用試験に合格したいわゆる Student Doctor による診療参加型臨床実習及びその他の医学生も含む見学型臨 床実習についての文書を読み、それに対する十分な質問の機会も与えられ、上記の事項に関して十分理解し ました。
2○○○年○○月○○日
患 者 署 名:____________________ 保護者署名: (未成年の場合)___________________

(4)個別同意 各大学の実習統括部門が定めた医学生が臨床実習で行う医行為の範囲にないものや、範囲にあるが、侵襲性
の高いものや羞恥的と判断される医行為については、包括同意に加えて、個別に説明し同意を得ることが望ま しい。

個別同意の説明文書(例)
診療参加型臨床実習を行うにあたっての追加でのお願い(例示)

診療参加型臨床実習にご協力いただくことに関しては、すでに包括同意をいただいておりますが、医学生が 次に挙げる医療行為を実施ないし介助することについて、追加でご説明しますので、同意をいただければと 存じます。
□ 実習期間
2○○○年○○月○○日〜○○月○○日
□ 診療参加型臨床実習で行われる医療行為
○○○○○○○○○○○○○○○○○○
□ 医療事故等への補償 患者さんの健康ないしプライバシーを損なうような事象が発生した場合には、医学部長(学長)及び医療施
設責任者(病院長等)の責任で適切に対応いたします。
□ 拒否できる権利 上記診療参加型臨床実習への協力は否定できます。また、実習への協力を同意された後でも、その同意を解 消することができます。その際の用紙もお渡ししますので、同意を撤回する際には担当医に提出をお願い致 します。いずれの場合においても、診療参加型臨床実習を拒否することによって、その後の診療等を含め一
切、不利益を被ることはありません。

診療参加型臨床実習を行うにあたっての個別同意書(例)
診療参加型臨床実習を行うにあたっての個別同意書(例示)

□ 実習期間
□診療参加型臨床実習で行われる医療行為
□ 医療事故等への補償
□ 拒否できる権利
(拒否内容: ) 上記のことについて必要な説明を致しました。 指導医署名:__________________
医学生署名:
(学籍番号)___________________
_______________________________________
○○医科大学長/ 医学部長/ 病院長 ○○ ○○ 殿 実習で行われる医療行為についての説明を受け、かつそれに対する十分な質問の機会も与えられました。 上記の事項に関して十分理解し、以下の医行為を臨床実習医学生(いわゆる Student Doctor)が行う実習に協 力します。
・協力いたします( ) ・協力しません( )
該当する医行為:____________________________
2○○○年○○月○○日
患 者 署 名:_________________ 保護者署名:
(未成年の場合)_______________

9.学生の誓約書
臨床実習の当事者である学生から、事前に患者の個人情報守秘等に関する文書(誓約書)を提出させる必要があ る。

診療参加型臨床実習に関する医学生からの誓約書(例示)

○○大学医学部長、医科大学長 殿
○○大学病院病院長 殿
○○○○医療センター病院長 殿 私は診療参加型臨床実習(以下、実習)のオリエンテーションにおいて、以下の内容について指導教員より十 分な説明を受け、理解・同意いたしましたので署名いたします。 これに違反した場合には、学則による懲戒を受けます。

1. 「臨床実習指針」に則って実習を行います。実習の内容は、病院の診療上の必要性や現実的制約によっ て、妥当な範囲で変更することがあることは了解しました。
2. 医行為は臨床実習医学生(以下「いわゆる Student Doctor」という。)として単独の自己判断で行わず、必ず指導医の指導・監督の下に行います。
3. 担当する患者には、指導医の紹介の下にいわゆる Student Doctor であることを告げ、指導医とともに実 習に対する患者の同意を得ます。
4. 患者などの保有する病原体が血液、排泄物、分泌物を介して自らに感染する危険性及びその予防法について、指導医より事前に十分な説明を受けます。
5. 病棟の管理規則及び指導医または病棟職員による指導に従い、感染防止を含めた医療安全の確保のため に、常に十分な注意を払います。
6. 実習中の事故(針刺し事故等)については、病院職員の職務遂行中の事故に準じて取り扱われることを了解しました。
7. 患者の個人情報保護に常に留意し、実習に際して知り得た患者情報を決して他に漏らしません。また自 らの実習内容に関係のない情報を閲覧することも決していたしません。
8. 電子カルテの利用に際し「○○大学病院(○○○○総合医療センターなど)において実習等を行なう学生
の電子カルテ利用に関する規則」を遵守し、原則として診療情報を印刷いたしません。

 

2○○○年○○月○○日
○○大学医学部/医科大学
学籍番号:_______________ 氏名:_______________

10.FD・SD (Faculty Development・Staff Development)
卒前教育における臨床実習で、学生の指導に当たる医師(大学病院の教員、医員、臨床系大学院生、地域医療
実習協力病院の医師、研修医等)については、見学型や模擬診療型から診療参加型に移行する場合、学生自身が 学修目標を立てる際の指導、臨床推論、臨床判断、診療計画の立案等の指導、技能の指導や評価、あるいは医師 のプロフェッショナリズムに関する振り返り等、従来の小グループ講義や見学とは異なる対応が求められる。ま た、実習が行われる大学病院や学外実習協力医療機関等の職員にとっても、360 度評価等の対応が求められる。 従って、実習の質の維持・向上のためには、臨床指導法等の修得を目的とする FD や SD を行うことが重要であ る。これらについては、学内、学外実習協力医療機関等において臨床実習を指導する医師全員や職員を対象に行 う必要がある。なお、厚生労働省が定める開催指針に則ったものであると確認されている「臨床研修指導医講習 会」やその他の指導者講習会等を受講した医師は、FD 等により習得すべき内容と重複するため、各大学固有の内 容(臨床実習の評価等)についての書面配布等で代用することも考えられる。
内容としては、前述の通り、指導医等を対象として、学生自身が学修目標を立てる際の指導、臨床推論、臨床 判断の実践的な指導法、簡易版臨床能力評価法等の評価表の使い方、医師のプロフェッショナリズムに関する振 り返りの進め方、また、病院職員等を対象として、360 度評価の意義と方法等が考えられる。

Ⅲ.目標
1. 医師として生涯にわたって研鑽していくことが求められる資質能力
モデル・コア・カリキュラムに示されている以下の資質能力についての学修目標を達成する。
PR プロフェッショナリズム
GE 総合的に患者・生活者をみる姿勢
LL 生涯にわたって共に学ぶ姿勢
RE 科学的探究
PS 専門知識に基づいた問題解決能力
IT 情報・科学技術を活かす能力
CS 患者ケアのための診療技能
CM コミュニケーション能力
IP 多職種連携能力
SO 社会における医療の役割の理解

臨床実習では、患者ケアのための診療技能(CS)の修得が目標となるが、そのためには専門知識に基づいた問題 解決能力(PS)が必要であるとともに、コミュニケーション能力(CM)や多職種連携能力(IP)の修得が必須である。 さらに、社会のニーズに対応できるよう、実際の診療現場での経験を通じて、社会における医療の役割の理解 (SO)を促進し、総合的に患者・生活者をみる姿勢(GE)を身につけることが求められる。現代においてこれらの診 療活動を安全かつ効率的に進めるためには、情報・科学技術を活かす能力(IT)が必要である。診療現場での診療 改善のための活動は、科学的探求(RE)や生涯にわたって共に学ぶ姿勢(LL)の涵養につながる。このような臨床実 習を通じて、プロフェッショナリズム(PR)が育まれることが期待される。
モデル・コア・カリキュラム第 2 章 学修目標 より

1:臨床実習開始前のレベル
2:臨床実習開始時のレベル
3:臨床実習中間時点で期待されるレベル
4:臨床実習修了時(卒業時)のレベル
5:臨床研修中間時点で期待されるレベル

自己評価 評価 機会

指導者評価 評価 機会

PR プロフェッショナリズム 1 2 3 4 5 なし
信頼:社会から信頼を得る上で必要なことを常に考え行動する。

1 2 3 4 5 なし

誠実さ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
省察 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
思いやり:品格と礼儀を持って、他者を適切に理解し、思いやりを持って接する。
思いやり □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 他者理解と自己理解 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 品格・礼儀 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 教養:医師に相応しい教養を⾝につける。
教養 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
生命倫理:医療における倫理の重要性を学ぶ。
臨床倫理 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □

自己評価 評価 機会

指導者評価 評価 機会

GE 総合的に患者・生活者をみる姿勢 1 2 3 4 5 なし

1 2 3 4 5 なし

全人的な視点とアプローチ:患者の抱える問題を臓器横断的だけでなく心理・社会的視点で捉え、専門領域 にとどまらない姿勢で責任をもって診療に関わり、最善の意思決定や行動科学に基づく臨床実践に関与でき る。

臓器横断的な診療 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
⽣物・心理・社会的な問題への包括的な視点 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
患者中心の医療 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
根拠に基づいた医療(EBM) □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
行動科学 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
緩和ケア □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
地域の視点とアプローチ:地域の実情に応じた医療・介護・保健・福祉の現状及び課題を理解し、医療の基 本としてのプライマリ・ケアの実践、ヘルスケアシステムの質の向上に貢献するための能力を獲得する。
プライマリ・ケアにおける基本概念 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
地域におけるプライマリ・ケア □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
医療資源に応じたプライマリ・ケア □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
在宅におけるプライマリ・ケア □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
人生の視点とアプローチ:患者・⽣活者の成⻑、発達、老化、死のプロセスを踏まえ、経時的に患者・家 族・⽣活者に起こり得る精神・社会・医学的な問題に関与できる。
人⽣のプロセス □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
小児期全般 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
胎児期、新⽣児期、乳幼児期 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
学童期、思春期、青年期、成人期 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
老年期 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
終末期 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
社会の視点とアプローチ:文化的・社会的文脈のなかで⽣成される健康観や人々の言動・関係性を理解し、 文化人類学・社会学(主に医療人類学・医療社会学)の視点から、それを臨床実践に活用できる。

医学的・文化的・社会的文脈における健康 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
社会科学 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □

自己評価 評価 機会

指導者評価 評価 機会

LL 生涯にわたって共に学ぶ姿勢 1 2 3 4 5 なし

1 2 3 4 5 なし

生涯学習:医師・医学⽣に限らず同僚や後輩を含む医療者への教育に貢献する。

⽣涯学習の実践 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
キャリア開発 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
医療者教育:⽣涯学び続ける価値観を形成する。
医療者教育の実践 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □

自己評価 評価 機会

指導者評価 評価 機会

RE 科学的探究 1 2 3 4 5 なし

1 2 3 4 5 なし

リサーチマインド:知的好奇心を満たす喜びとオリジナリティの重要性を知る。

能動的姿勢 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
探究心 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
既知の知:先人の偉業を知り、新たな発想を育む。
医学と医療 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
論文読解 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
研究の実施:自然科学・人文社会科学の研究手法を体験し理解する。
問い □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
研究計画 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
研究手法 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
研究結果 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
研究の発信:研究の意義・内容を他者に説明し討論する。
研究発表 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
研究倫理:法令遵守ならびに人権尊重し、医学⽣として正しく行動する。

適切な研究遂行 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
対象者の保護 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □

自己評価 評価 機会 指導者評価 評価 機会
PS 専門知識に基づいた問題解決能力 1 2 3 4 5 なし 1 2 3 4 5 なし
基礎医学:分子レベルから個体レベルまでの、⽣命現象、細胞から個体の構成と機能、個体の反応を理解 し、その破綻による病因と病態を理解する。
⽣命現象の科学 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
個体の構成と機能 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
個体の反応 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
病因と病態 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
人体各器官の正常構造と機能、病態、診断、治療:人体各器官の構造と機能を理解し、主な疾患の病因、病 態⽣理、症候、診断と治療の知識を臨床的に使用できる。
総論 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
血液・造血器・リンパ系 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
神経系 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
皮膚系 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
運動器(筋骨格)系 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
循環器系 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
呼吸器系 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
消化器系 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
腎・尿路系(体液・電解質バランスを含む) □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
⽣殖器系 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
妊娠と分娩 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
小児 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
乳房 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
内分泌・栄養・代謝系 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
眼・視覚系 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
耳鼻・咽喉・口腔系 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
精神系 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
全身に及ぶ生理的変化、病態、診断、治療 :器官横断的で全⾝に及ぶ⽣理的変化を理解し、主な疾患の病 因、病態⽣理、症候、診断と治療の知識を臨床的に使用できる。
遺伝医療・ゲノム医療 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □

自己評価 評価 機会

指導者評価 評価 機会

IT 情報・科学技術を活かす能力 1 2 3 4 5 なし

1 2 3 4 5 なし

情報・科学技術に向き合うための倫理観とルール:医学研究・医療等の場面で、情報科学技術を取り扱う際 に必要な倫理観・デジタルプロフェッショナリズム及び基本的原則を理解する。

情報・科学技術に向き合うための準備 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
情報・科学技術利用にあたっての倫理観とルール □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
医療とそれを取り巻く社会に必要な情報・科学技術の原理 :安全かつ質の高い医学研究・医療に必要な情 報・科学技術に関する基本理論を理解し、その知識を自⾝の学習や医療へ適応する姿勢を体得する。
情報・科学技術を活用した医療 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
情報・科学技術の先端知識 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
診療現場における情報・科学技術の活用:遠隔医療を含む患者診療、学習の最適化に有効な ICT ツールの実 践スキル及びデジタルコミュニケーションスキルを修得する。
情報・科学技術を活用したコミュニケーションス
キル □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
情報・科学技術を活用した学習スキル □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □

自己評価 評価 機会

指導者評価 評価 機会

CS 患者ケアのための診療技能 1 2 3 4 5 なし

1 2 3 4 5 なし

患者の情報収集:患者本人、家族、医療スタッフ等関係する様々なリソースを活用し、診療に必要な情報を
収集でき る。
医療面接 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
⾝体所見 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
患者情報の統合、分析と評価、診療計画:得られた全ての情報を統合し、様々な観点から分析し、必要な医
療につい て評価 した上 で提 供すべき 医療を 計画で きる 。
診療録記 載 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
臨床推論 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
検査(計 画・分 析評価 ) □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
治療(計 画・経 過の評 価 ) □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
教育計画 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
治療を含む対応の実施:患者の状態の評価に基づいて患者本人、家族、医療スタッフと連携し、必要な医療
を提案ま たは実 施でき る。
検査手技 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
治療手技 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
救急・初 期対応 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
書類の作 成 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
患者ケア に必要 な連携 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
診療計画 カンフ ァレン ス □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
診療経過の振り返りと改善:実施された医療を省察し、言語化して他者に説明し、次回に向けて改善につな
げること ができ る。
振り返り カンフ ァレン ス □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
医療の質と患者安全:医療の質と患者安全の観点で自己の行動を省察し、組織改善と患者中心の視点を獲得
する。
医療の質 向上 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
医療従事 者の健 康管理 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
安全管理 体制 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
感染制御 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
患者安全 の配慮 と促進 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
患者安全 の実践 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □

自己評価 評価 機会

指導者評価 評価 機会

CM コミュニケーション能力 1 2 3 4 5 なし

1 2 3 4 5 なし

患者に接する言葉遣い・態度・身だしなみ・配慮:患者のプライバシー、苦痛等に配慮し、非言語コミュニ ケーションを含めた適切なコミュニケーションスキルにより良好な人間関係を築くことができる。
患者・家族への適切なコミュニケーションスキル
の活用 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
患者の立場の尊重と苦痛への配慮 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
患者の意思決定の支援とそのための情報収集・わかりやすい説明:患者や家族の多様性に配慮し、必要な情
報についてわかりやすく説明を行い、患者の主体的な治療やマネジメントに関する最善の意思決定を支援で
きる。

患者へのわかりやすい言葉の説明 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
患者への行動変容の促し □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
患者の意思決定の支援 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
患者や家族のニーズの把握と配慮:患者や家族の心理的、社会的背景を広い視野で捉える姿勢を持ち、患者 の持つ困難や必要な情報提供に対応できる。

患者・家族の課題の把握と必要な情報の取得 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
患者・家族の心理・社会的背景に配慮した診療 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □

自己評価 評価 機会

指導者評価 評価 機会

IP 多職種連携能力 1 2 3 4 5 なし

1 2 3 4 5 なし

連携の基盤:患者や利用者、家族、地域の重要な課題について、協働する関係者と共通の目標を設定する過 程で、背景が異なることに互いに配慮し、役割、知識、意見、価値を伝え合うことができる。

患者中心の保健医療福祉 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
職種間コミュニケーション □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
医師間の紹介と相談 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
協働実践:自他の役割や思考・行為・感情・価値観を踏まえ、協働する職種で信頼関係を構築し、時に⽣じ
る職種間の葛藤にも適切に対応しながら、 互いの知識・技術を活かし合い、職種としての役割を全うでき
る。

職種役割 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
関係性への働きかけ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
自職種の省察 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
他職種の理解 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □

自己評価 評価 機会

指導者評価 評価 機会

SO 社会における医療の役割の理解 1 2 3 4 5 なし

1 2 3 4 5 なし

社会保障:憲法で定められた「⽣存権」を守る社会保障制度、公衆衛⽣とは何か、地域保健、産業保健、健 康危機管理を理解する。保健統計の意義・利用法を学ぶ。

公衆衛⽣ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
社会保険、公的扶助、社会福祉 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
地域保健 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
産業保健・環境保健 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
健康危機管理 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
疫学・医学統計:人間集団を対象とする研究法である疫学の考え方と意義、主な研究デザインを学ぶ。医 学、⽣物学における統計手法の基本的な考え方を理解する。
保健統計 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
疫学 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
データ解析と統計手法 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
法医学:死の判定や死亡診断と死体検案を理解する。
死と法 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □

社会の構造や変化から捉える医療:患者の抱える健康に関する問題の背景にある社会的な課題を適切に捉 え、その解決のために積極的に行動する。

健康と医療 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
ジェンダーと医療 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
気候変動と医療 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
哲学と医療 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
歴史と医学・医療 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
医療経済 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
社会的公正 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
国内外の視点から捉える医療:国内及び国際社会の中で規定される医療の役割と医療体制について概要を理 解している。

国内の医療職の役割や医療体制 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
グルーバルヘルスの役割や医療体制 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
社会科学の視点から捉える医療:医学的・文化的・社会的文脈のなかで⽣成される健康観や人びとの言動・ 関係性を理解し、社会科学 (主に医療人類学・医療社会学)の視点・理論・方法から、それを臨床実践に活用 することができる。
社会科学と医療との関係 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □

2. 医療面接・身体診察・診療録記載
(モデル・コア・カリキュラム CS-01、表 3、GE-03-05-02、CS-02-01)
1:経験なし 2:見学する 3:実演(シミュレーターで)できる 4:教員等の直接の監督下でできる 5:教員 等がすぐに対応できる状況下でできる
評価 自己評価 評価
機 会 機会

医療面接・身体診察・診療録記載 1 2 3 4 5 なし

1 2 3 4 5 なし

医療面接 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ バイタルサイン(体温、脈拍、血圧、呼吸数、酸素飽和度)の測定 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 頭部(顔貌、頭髪、頭皮、頭蓋)の診察 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 眼(視野、瞳孔、対光反射、眼球運動・突出、結膜)の診察 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 耳(耳介、聴力)の診察 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 耳鏡を用いた外耳道、鼓膜の観察 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 口唇、口腔、咽頭、扁桃の診察 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 副鼻腔の診察 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 鼻鏡を用いた前鼻腔の観察 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 甲状腺、頸部血管、気管、唾液腺の診察 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 頭頸部リンパ節の診察 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 胸部の視診、触診、打診 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 呼吸音と副雑音の聴診 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 心音と心雑音の聴診 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 腹部の視診、聴診(腸雑音、血管雑音)、打診、触診 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 背部の叩打痛 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 直腸(前立腺を含む)指診 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 乳房の診察 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 意識レベルの判定 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 脳神経系の診察 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 眼底検査 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 腱反射の診察 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 小脳機能・運動系の診察 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 感覚系(痛覚、温度覚、触覚、深部感覚)の診察 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 髄膜刺激所見 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 四肢と脊柱(弯曲、疼痛)の診察 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 関節(可動域、腫脹、疼痛、変形)の診察 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 筋骨格系の診察(徒手筋力テスト) □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 婦人科診察(双合診・クスコ診) □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 高齢者総合機能評価 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 診療録記載 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □

3.臨床推論(モデル・コア・カリキュラム表 5)

主要症候について鑑別診断を検討し、診断の要点を説明できる。

主要症候 検討すべき鑑別疾患

  • 発熱 □髄膜炎、□急性副鼻腔炎、□扁桃炎、□上気道炎、□インフルエンザ、□肺炎、□結核、□感染性心内膜炎、□胆嚢炎、□胆管炎、□尿路感染症、□蜂巣炎、□薬剤性
  • 全身倦怠感 □甲状腺機能低下症、□結核、□心不全、□肝炎、□鉄欠乏性貧血、□うつ病
  • 食思(欲)不振 □消化性潰瘍、□急性肝炎、□急性副腎不全、□うつ病
  • 体重減少 □甲状腺機能亢進症、□慢性閉塞性肺疾患 (COPD)、□悪性腫瘍全般、□糖尿病、□神経性食思 (欲) 不振症 (拒食症)、□うつ病
  • 体重増加 □甲状腺機能低下症、□心不全、□ネフローゼ症候群
  • 意識障害 □脳出血、□脳梗塞、□頭蓋内血腫、□脳炎、□てんかん、□くも膜下出血、□髄膜炎、□心筋梗塞、□急性大動脈解離、□急性消化管出血、□敗血症、□薬物中毒、□アルコール性中毒、□CO2 ナルコーシス、□低血糖、□ナトリウム代謝異常、□ショック
  • 失神 □てんかん、□肺塞栓症、□不整脈、□弁膜症 (大動脈弁膜症)
  • けいれん □脳梗塞、□脳出血、□脳炎、□脳症、□熱性けいれん、□てんかん
  • めまい □脳出血、□脳梗塞、□良性発作性頭位めまい症、□Meniere 病、□前庭神経炎
  • 浮腫 □甲状腺機能低下症、□心不全、□肝硬変、□ネフローゼ症候群、□慢性腎臓病、□薬剤性、□深部静脈血栓症、□リンパ浮腫、□血管性浮腫
  • 発疹 □ウイルス性発疹症 (麻疹)、□ウイルス性発疹症 (風疹)、□ウイルス性発疹症 (水痘)、□ウイルス性発疹症 (ヘルペス)、□帯状疱疹、□伝染性紅斑、□薬疹、□蕁麻疹、□皮膚炎 (アトピー性皮膚炎)、□結節性紅斑、□湿疹
  • 咳・痰 □副鼻腔炎、□アレルギー性鼻炎、□上気道炎、□感冒 (かぜ症候群)、□百日咳、□気管支炎、□気管支喘息、□肺炎、□肺結核、□肺癌、□間質性肺疾患、□胃食道逆流症 (GERD)、□薬剤性
  • 血痰・喀血 □気管支拡張症、□肺結核、□肺癌
  • 呼吸困難 □急性喉頭蓋炎、□窒息、□気管支喘息、□肺塞栓症、□急性呼吸促 (窮) 迫症候群 (ARDS)、□慢性閉塞性肺疾患 (COPD)、□肺炎、□間質性肺疾患、□肺結核、□緊張性気胸、□自然気胸、□心不全、□アナフィラキシー
  • 胸痛 □肺塞栓症、□気胸、□胸膜炎、□急性冠症候群、□急性心膜炎、□急性大動脈解離、□大動脈瘤破裂、□帯状疱疹、□パニック障害
  • 動悸 □甲状腺機能亢進症、□不整脈、□鉄欠乏性貧血、□二次性貧血、□パニック障害、□不安障害
  • 嚥下困難 □脳出血、□脳梗塞、□扁桃炎、□食道癌
  • 腹痛 □消化性潰瘍、□機能性ディスペプシア (FD)、□急性胃腸炎、□急性虫垂炎、□憩室炎、□虚血性大腸炎、□腸間膜動脈塞栓症、□便秘症、□過敏性腸症候群、□腸閉塞、□腸重積症、□汎発性腹膜炎、□鼠径ヘルニア、□胆嚢炎、□胆石症、□急性膵炎、□急性冠症候群、□急性大動脈解離、□子宮内膜症、□異所性妊娠、□流・早産、□卵巣嚢腫 (捻転)、□卵巣癌 (捻転)、□尿路結石、□糖尿病性ケトアシドーシス

主要症候 検討すべき鑑別疾患

  • 悪心・嘔吐 □脳出血、□くも膜下出血、□頭蓋内血腫、□髄膜炎、□片頭痛、□急性胃腸炎、
    □急性虫垂炎、□腸閉塞、□食中毒、□急性心筋梗塞、□妊娠、
    □糖尿病性ケトアシドーシス、□カルシウム代謝異常
  • 吐血 □食道静脈瘤、□Mallory-Weiss 症候群、□胃癌、□消化性潰瘍
  • 下血 □消化性潰瘍、□炎症性腸疾患、□虚血性大腸炎、□憩室出血、□大腸癌、□痔核、□ 裂肛
  • 便秘 □Parkinson 病、□甲状腺機能低下症、□便秘症、□過敏性腸症候群、□腸閉塞、
    □大腸癌、□薬剤性
  • 下痢 □甲状腺機能亢進症、□急性胃腸炎、□炎症性腸疾患、□過敏性腸症候群、
    □薬剤性
  • 黄疸 □急性肝炎、□慢性肝炎、□肝硬変、□肝癌、□生理的黄疸、□胆管炎、□胆管癌、
    □膵癌、□溶血性貧血、□薬剤性、□生理的黄疸
  • 腹部膨隆・腫瘤 □肝硬変、□腸閉塞、□鼠径ヘルニア、□妊娠
  • リンパ節腫脹 □扁桃炎、□ウイルス性発疹症 (風疹)、□結核、□伝染性単核{球}症、
    □悪性リンパ腫、□その他の悪性腫瘍全般
  • 尿量・排尿の異常 □尿路感染症、□前立腺肥大症、□過活動膀胱、□神経因性膀胱、□薬剤性、
    □糖尿病
  • 血尿 □糸球体腎炎症候群、□腎細胞癌、□尿路結石、□尿路感染症、□膀胱癌
  • 月経異常 □月経困難症、□子宮内膜症、□子宮体癌、□妊娠、□薬剤性、□更年期障害
  • 不安・抑うつ □認知症、□Parkinson 病、□甲状腺機能亢進症、□甲状腺機能低下症、
    □悪性腫瘍全般、□薬剤性、□うつ病、□双極性障害、□不安障害、□適応障害
  • 認知機能障害 □認知症、□Parkinson 病、□脳梗塞、□正常圧水頭症、□慢性硬膜下血腫、
    □甲状腺機能低下症、□薬剤性、□うつ病
  • 頭痛 □片頭痛、□緊張型頭痛、□群発頭痛、□脳出血、□くも膜下出血、□髄膜炎、
    □緑内障、□急性副鼻腔炎、□巨細胞性動脈炎 (側頭動脈炎)、□薬剤性
  • 運動麻痺・筋力低 下 □脳梗塞、□一過性脳虚血発作、□脳出血、□頭蓋内血腫、□てんかん、
    □脊髄損傷、□椎間板へルニア、□筋萎縮性側索硬化症、□Guillain-Barre 症候群、
    □多発性筋炎、□皮膚筋炎、□カリウム代謝異常
  • 歩行障害 □脳出血、□頭蓋内血腫、□脳梗塞、□Parkinson 病、□変形性脊椎症、
    □脊柱管狭窄症、□椎間板ヘルニア、□変形性関節症、□骨折
  • 感覚障害 □脊柱管狭窄症、□椎間板ヘルニア、□多発神経炎、□糖尿病
  • 腰背部痛 □急性大動脈解離、□急性膵炎、□膵癌、□尿管結石、□椎間板ヘルニア、
    □変形性脊椎症、□脊柱管狭窄症、□脊椎椎体骨折、□急性腰痛症、
    □化膿性脊椎炎
  • 関節痛・関節腫脹 □化膿性関節炎、□変形性関節症、□関節リウマチ、
    □全身性エリテマトーデス (SLE)、□反応性関節炎、□痛風、□偽痛風、□外傷

4. 基本的臨床手技(モデル・コア・カリキュラム表 7、 CS-03-03-02,)

1 :経験なし 2,:見学する 3: 実演(シミュレーターで)できる 4: 教員等の直接の監督下でできる か教員 等がすぐLこ対応できる状況下でできる
※シミュレーション教育を含め、患者の安全Lこ十分配慮して実施すること。他の基本的臨床手技Lこついても、適切な準備・監督下で行っていくことは妨げない。

体位交換、移送 口口口口口 ロ 口口口口口 ロ
皮膚消毒 口口口口口 口口口口口
外用薬の貼付 ・ 塗布
気道内吸引 口口口口口 ロ 口口口口口 ロ
ネプライザー 口口口口口 。 ロ

静脈採血 口口口口口口

一般手技末梢静脈の血管確保 胃管の挿入と銭去 尿道カテー テルの挿入と抜去

皮内注射 口口口口口口
皮下注射 口口口口口口

筋肉注射 口口口口口口口口口口口 口
静脈内注射 口口口口口口 口口口口口 口

尿検査(妊娠反応検査を含む) 微生物学検査 (Gram 染色を含む)

12 誘導心電図の記 録 口口口口口口 口口口口口 口
検査手技 ー
臨床判断のための簡易エコ ー (F AST含む) 口口口口口口 口口口口口 口
病原体抗原の迅速検査 口口口口口口 口口口口口 口

簡易血糖測定 口口口口口口

清潔操作 手術や手技のための手洗い
外科手技 ー

手術室 におけるガウンテクニック 口口口口口口

基本的な縫合と抜糸 一次救命処置 気道確保
救急 胸骨圧迫
パックパルプマスクによる換気

AED 口口口口口口 口口口口口 口

Ⅳ. 方略
1.臨床実習の形態

臨床実習は診療参加型を基本形態とする。診療参加型臨床実習は、「指導医や研修医、さらには看護師や薬剤 師等の他の職種も含めた診療チームの中で、医学生が診療チームの一員として一定の役割・責任を担いながら行 う臨床実習」と定義される。基本的臨床手技に加え、外来で予診をとる役割や、病棟患者の疾患についての知見 (エビデンス)を確認する役割、また患者の検査に同行して不安を和らげる役割等が例として挙げられる。診療現 場では、医学生が担うことのできる役割は、一般的に指導医が想定しているよりも大きい。正統的周辺参加論 61 を参考に、「些細なことでもよいので臨床現場で実際に役割を担うことによって得られるやりがい」を医学生の 学修動機(モチベーション)とできるような臨床実習を構築する。また見学型の臨床実習にならざるを得ない場合 は、学生が臨床現場で観察したことを記録して指導医との振り返りでそれを基に討論するなど、積極的な学びに なるように実習を計画する。

2.臨床実習を行う診療科等
臨床実習においては、いずれの診療科(基本診療科)においても、患者を担当し、その診療に可能な限り参加す ることで、「必要な診察ができる」、「主訴からの診断推論を組み立てられる」、「疾患の病態や疫学を理解し ている」、「基本的な治療計画を立案できる」、「どのようにコンサルテーションすればよいかを理解してい る」という学修目標を達成することが望まれる。
診療参加型臨床実習として、医学生が診療チームの一員として一定の役割・責任を担いながら実習を行うに は、特に、内科(各専門科を含む)、外科(各専門科を含む)、小児科、産婦人科、精神科、総合診療科では、原則
1診療科あたり連続 3 週間以上の配属期間の中で、指導に当たる医師から継続的な評価を受ける必要がある。な
お、全人的な診療能力・態度を涵養する目的で、4 週間以上連続して配属する診療科を 1 診療科以上確保するこ とが重要である。災害リスクの高まりや世界情勢等を踏まえ、総合的に患者・生活者をみる医師を養成する観点 から、救急科も原則 3 週間以上(またはそれに相当する期間)の実習が求められる。
なお、臨床実習を行う診療科等として、基本診療科の他、歯科口腔外科、中央診療部門等での実習も考えられ る。また、研究マインドの涵養を目的とした臨床実習の期間における研究活動も考えられる。
臨床実習を行う場については、一般的な診療において頻繁に関わる負傷又は疾病を経験することの重要性等の
理由で、大学病院だけでなく、指導医の質・量が十分に保証された学外実習協力医療機関で行うことも推奨され る。また病棟だけでなく、外来も積極的に活用し、十分に経験できない診療内容についてはシミュレーション教 育も活用する。総じて全学年を通して、臨床現場を活用した臨床教育を推進することが望まれる。各大学におか れては、必要な学修内容が十分担保できるよう、十分な実習時間の確保に配慮いただきたい。そして、医師とし
て求められる基本的な資質・能力の将来的な獲得に向けて学生が継続的に歩み続けられるようサポートする。

61 西城卓也. 正統的周辺参加論と認知的徒弟制. 医学教育. 2012; 43(4): 292–3. https://doi.org/10.11307/mededjapan.43.292

3.実習診療科での学修目標の設定
「基本診療科において必要な診察ができる」、「基本診療科で主訴からの診断推論を組み立てられる」、「基 本診療科における疾患の病態や疫学を理解している」、「基本診療科の基本的な治療計画を立案できる」、「基 本診療科にどのようにコンサルテーションすればよいかを理解している」等の学修目標を達成するため、診療科 毎に学修目標を設定する必要がある。このとき、将来、該当診療科の医師にならない場合にも必要な該当診療科 領域の診療能力という観点から学修目標を設定することが望ましい。
臨床実習において学生がより主体的に学ぶことができるよう、実習の初日のオリエンテーションの際に、学生
と教員の間で学修目標を共有する(「学修契約」)。シラバス等で教員側があらかじめ設定している学修目標を基 に、学生と教員とで話し合いながら協同して個別の学修目標を設定する。このことによって、その科に興味・関 心のある学生はより積極的に学ぶことができ、またあまり興味・関心のない学生も、最低限必要な内容を学ぶこ とができるようになり、個別性を重視した臨床実習が可能になる。
診療科毎に学修目標を設定するにあたって、実習診療科等をマトリックスを用いて整理しておくことが考えら れる。以下にその例を示す。

身体診察のマトリックス表(例)

主要症候のマトリックス表(例)

臨床・画像検査のマトリックス表(例)

基本的臨床手技のマトリックス表(例)

4.診療参加型臨床実習の実際
(1)診療参加型臨床実習の基本的流れ

【入院患者での例】
1. 毎朝受け持ち患者を診察し、診療録や看護記録等の診療記録・経過表を必ずチェックし、前日や夜起こ ったことについて把握する。
2. 毎日、患者の状態・検査結果・検査治療計画について指導に当たる医師に口頭で提示し、検討する。
3. 前項について毎日診療録の形式で学生記録を記載する。記載した記録は指導に当たる医師に必ず読んで もらい、指導を受けて署名をもらう。
4. 回診やカンファレンスの時には受け持ち患者を口頭で提示する。
5. ベッドサイドで行われる採血や静脈注射等の基本手技を指導医の指導監督の下で実施する、もしくは見 学し指導を受ける。
6. 医療チームと患者、患者家族とで持たれる病状説明や検査治療計画の策定等に参加する。
7. 指導に当たる医師の下で実際に指示箋や処方箋、他科受診依頼等の下書きを作成する。作成した文書を 発行する際は、指導に当たった医師が署名を行う。

【外来患者での例】
1. 割り当てられた初診患者の医療面接と、可能であれば診断仮説に基づいた集約的身体診察を行い、得ら れた所見から適切な臨床推論を行う。
2. 問題点に則した初期計画(検査計画)を立てる。
3. 指導に当たる医師に口頭で提示し、指導を受ける。
4. 担当した患者について診療録形式の学生記録を記載する。

(2)診療参加型臨床実習の利点

1)学生の視点から

(ア)知識やその使い方(臨床推論、臨床判断、診療計画の立案等)について 講義や机上の自己学修で臨床推論能力を身に付けるには、双方向の講義や症例を準備するなどかなりの工
夫が必要となる。しかし、臨床実習では、担当患者のデータや診療方針、その根拠等について自分で教科書 や文献を調べたり、指導医とディスカッションしたりすることにより、自然と身につく。
(イ)技能について

コミュニケーションや身体診察の技能、基本的臨床手技等については、診療参加型臨床実習の中で、自分 で体験することで「できる」ようになる。
(ウ)態度について

医師のプロフェッショナリズム、すなわち、担当患者やその家族及び他の医療職への接し方、自己の職業 的能力とその限界に即した行動、助力と助言の受け入れ、自己学修への意欲、医療における倫理的な考え方 や行動、社会人としての責任ある行動等は、一定の責任を持たされた上で、指導医や看護師等とともに診療 に従事し、特に病状説明や回復困難な疾患の説明に同席するなどの実地体験をすることで、身に付けること ができる。

2) 指導する医師の視点から 指導に当たる医師は、担当中あるいはその他の患者のデータや診療方針、その根拠等について学生に尋ね、
知らなければ自己学修を促す(1分間指導法 One Minute Preceptor Model*)。必ずしも小グループの講義等

を実施しなくてもよい。また、“Teaching is learning twice (To teach is to learn twice)”(教うるは学 ぶの半ば)と言われており、学生から尋ねられることや学生に教えること等により指導に当たる医師自身が学ぶことにつながる。

*1分間指導法 One Minute Preceptor Model

臨床現場での指導ノウハウの 1 つ。以下の 6 つのマイクロスキルからなる。

① 評価・計画を述べさせる
② 根拠を確認する
③ 一般的な原則を教える
④ 良かった点を誉める
⑤ 誤りを訂正する
⑥ 更なる学修を勧める

3)患者の視点から 充分な時間をとってベッドサイドに来てくれる学生は、話し相手として歓迎されるだけでなく、医療者との
情報伝達役としても役立つことがある。また、医学生の教育に協力することによって、自己効力感も生じると 言われており、患者参加型医療の推進につながることが期待される。

(1)学生が受け持ち患者に接するときの注意点
1)医療面接と身体診察は、患者の心身状態に配慮し時間をとりすぎない。時間がかかるのであれば、何回か に分けて行う。
2)大部屋の患者の場合、他者に聞かれて困る可能性が少しでもあれば、面談用の個室を使う。
3)診察にあたっては患者の心身状態に配慮することが必要だが、過剰に遠慮しないこと。主治医のつもりで 行う。
4)訪室の予定はあらかじめ患者と相談して時間を決め、その時間を守る。その際、患者の日々の経過を把握するため、朝訪れることが望ましい。
5)実習の開始、終了時及び廊下で会ったときの挨拶など礼を失さない。
6)最低1日1回はベッドサイドでゆっくりと患者とのコミュニケーションをもつこと。その際、できるだけ 聞き役になるように努める。
7)他科受診、リハビリテーション、検査等の予定を把握し積極的に付き添う。
8)最初に訪ねたときに「私には何でも尋ねて下さい。学生なのですぐお答えできないことはあると思います が、主治医の先生や他の先生にお伝えして、できるだけお答えするようにします。」などと述べておく。
9)まだ決定していない診断や治療方針については決して伝えてはならない。例えば「癌ではないでしょうか」と尋ねられたときには、「癌ではないかとご心配なのですね。しかし、私にはよくわからないので、○○さんが、ご自分が癌ではないかと心配されていることを主治医の先生に伝えます。」などと答えるよ うにする。

(2)指導医が患者診療から離れた教育プログラムを実施する際の注意点
1)診療に必要な知識の学修については、最小限の講義は必要な場合もあるが、学修効果を高めるタイミング としては、診療に必要な知識をまず尋ね、本人が知らない(つまり診療ができない)ことを自覚した後に、 自己学修を促すのがよいとされている。
2)担当患者の診療以外で症例学修を行う場合は、臨場感を持たせたシミュレーション形式の問題基盤型学習
(Problem-based learning)の実施を考慮する。
3)侵襲的医行為、羞恥的医行為を学生が患者に実施する場合、自大学で事前に決定した学生に許容される医 行為であること、また、学生には事前にシミュレーターなどで練習させ、当該技能について一定の水準が 満たされていることを確認しておく。(例:清潔操作、採血、静脈注射、心肺蘇生、縫合、導尿、泌尿・生 殖器の診察等)

(3)指導医及び学生が、学生の診療参加について認識しておかねばならない法的側面
1)学生は診療への参加が始まる前に大学が定める評価基準(共用試験を含む)を合格している。
2)医療安全や院内感染対策については、研修や抗体検査・ワクチン接種等、実習が行われる病院の職員と同 等の対策が実施されている。
3)学生による診療録形式の記録や医療文書の下書きは、指導に当たる医師が最終的に執筆・署名する。
4)学生による医行為は指導に当たる医師の指導・監督の下で行う。
5)学生に許容される医行為水準は、実習統括部門等により定められており、実習指針に記載されている。
6)患者あるいはご家族に対し実習の趣旨を説明し、学生を共用試験に合格した「学生」として明確に紹介 し、学生が担当し医行為を行うことについて同意を得る。また、同意の取り方についても実習指針に記載
されている。

5.複数の診療科で共通する学修目標と方略
学修目標のうち複数の診療科で共通するものについては、学生が継続的に学ぶことができるよう、例えば以下 のように指導法やローテーション、評価方法等を工夫する。

(1)症例呈示や診療録記載等、ほぼ全科に共通する学修目標については「臨床実習全体の学修目標」として設 定し、指導に当たる医師の指導法や教材、学修評価・指導体制評価の方法を共通化する。診療科の特性上、 学修目標を共通化できない診療科では、その差異を学生に明示しておく。
(2)一般的に、学生が担当患者や医療スタッフとの良好なコミュニケーションを形成し、診療参加型臨床実習
が実質化するには、一定期間以上の配属が必要とされている。責任感や良好なコミュニケーションに基づく 診療態度の形成など医師のプロフェッショナリズムの教育をねらいとするためにも、必修の学修目標を学ぶ ことができる診療科では、学生ができるだけ一か所で継続的に学べ、評価を受けることができるような配属 スケジュールが望ましい。また、同じフロアの診療科を続けてローテートできるようにするなど、可能な限 り学生の学修環境が継続するような工夫が望ましい。
(3)ほぼ全科で共通する学修目標以外に、複数の診療科で共通の学修目標を設定できる場合は、診療科間で共
通の学修目標を設定し、指導に当たる医師の指導法や教材、学修評価・指導体制評価の方法を共通化し、継 続的な指導、評価ができるように工夫する。(例:内科系、外科系、小児科・小児外科、地域医療等)
(4)医療安全管理や感染対策に関する学修機会として、病院職員向けに実施されている医療安全管理・感染対
策研修会を学生に受講させることが考えられる。

6.地域医療実習
地域の実情に応じた医療・保健・福祉・介護の現状及び課題を理解し、医療の基本としてのプライマリ・ケア の実践、ヘルスケアシステムの質の向上に貢献するための能力を獲得するための方略として、以下が考えられ る。
・学外の臨床研修病院等の地域病院や診療所、さらに保健所や社会福祉施設等の協力を得る。

・早期臨床体験実習を拡充し、低学年から継続的に地域医療の現場に接する機会を設ける。

・衛生学・公衆衛生学実習等と連携し、社会医学的(主に量的)な視点から地域を診る学修機会を作る。

・人類学・社会学・心理学・哲学・教育学等と連携し、行動科学・社会科学的(主に質的)な視点から地域にお ける生活の中での医療を知り体験する学修機会を作る。
・具体的経験をもとに、学年に応じた知識の積み重ねと統合を繰り返し、臨床実習においてはその知識の具体 的活用を練習する機会が望まれる。そのため、複数学年でのらせん型カリキュラム等が考えられる。

7.シミュレーション教育
臨床現場を想定した環境でシミュレーションによるトレーニングを積むことで、実際の臨床現場で対処できる 一助となる。診療参加型臨床実習において、学生が侵襲的医行為(相当の侵襲性を伴うと考えられる医行為)及び 羞恥的医行為(患者に羞恥心を惹起させるような医行為)を患者に実施すると想定される場合、患者安全の観点か ら、事前にこれらの教材や施設を活用し、十分教育することが重要である。
・シミュレーターを用いて反復練習をすることで、臨床技能を磨く。

・模擬患者の協力を得て、臨床技能(コミュニケーションスキルを含む)や医療者に求められる態度を身に付け る。
・シナリオを用いたトレーニングを通して、状況判断、意思決定能力を獲得する。

・チームトレーニングによって、チーム医療の実践能力を高める。

・振り返りによって自己省察能力を高める。

・仮想現実(Virtual Reality)や拡張現実(Augmented Reality)、複合現実(Mixed Reality)の技術の応用もシ ミュレーション教育に有効である。
また、従来の心肺蘇生や基本的臨床手技以外にも、緊急性が高く専門医への転送が必要な病態・疾患への初期 対応、災害、患者安全、多重課題、比較的対応が難しいコミュニケーション等、実体験による学修が困難な医療 場面の教育方略として、シミュレーション教育プログラムの開発と普及が望まれる。特に、緊急性が高く専門医 への転送が必要な病態・疾患への初期対応は、どの診療科の医師にも必須の臨床推論・初期対応の技能として、 臨床実習中にシミュレーション教育で学び、評価されることが期待される。

8.実習活動の記録の作成と自己省察
全国の医学部の臨床実習要綱及び臨床実習手帳等の内容を参考に、海外における臨床実習評価の方法等も参考 にしながら、学生の学修履歴の記録・学修のサポート及び臨床実習における学生の評価を目的に、以下の報告を 踏まえ、「学修と評価の記録」を作成した。
この記録は、Kolb の経験学修論に基づき、実践経験と振り返りをサイクル化させることを目的としており、学
生は主体的にこの記録を蓄積していくことが求められる。具体的には、学生は主体的に学修目標を設定し、担当
した症例のサマリーをまとめ、指導医や他の職種に多面的に評価をしてもらい、自己省察を行う。Significant
Event Analysis を用いた振り返りを行うことも考えられる。 記録は臨床実習の全期間を通して記録する部分、各診療科で実習中に記録する部分から構成される。また、こ
の記録は、学生の臨床実習における学修の記録となるのみならず、一部は学生の臨床実習の評価に用いることも 可能である。
実際の使い方としては、これまでのシラバスや臨床実習手帳等に追加するなど、各大学の理念と創意工夫によ
り充実した内容になることを期待する。また、この実習活動の記録は実習中に蓄積されて行くものであるので、 小型で携帯できるものにしたり、電子版にしたりすること等が奨励される。一般社団法人 国立大学病院長会議 が供用している卒前学生医用オンライン臨床教育評価システム(Clinical Clerkship E-POrtfolio of Clinical training)の利用も考えられる。

Ⅴ. 評価
1. 実習現場での評価
臨床実習の学修目標には、知識や臨床推論、臨床判断等だけではなく、診察や基本的臨床手技等の技能、医師 のプロフェッショナリズム等の態度も含まれる。評価方法として、医学知識に関する口頭試問やレポート、ペー パーテストのみでは不十分であるばかりでなく、これらの方法では評価できない技能領域への学修意欲や、態度 領域への気づきが臨床実習前より減退していくことすら懸念される。
診療参加型臨床実習の充実のためには、評価方法として、簡易版臨床能力評価(mini-Clinical Evaluation
eXercise、mini-CEX)や直接観察による臨床手技の評価(Direct Observation of Procedural Skills、DOPS)、症 例の担当に関する評価(Case-based Discussion、CbD)、指導医以外の他の医療スタッフ等からの評価(360 度評 価)等の実習現場での観察評価や、実習活動の記録に基づいた評価を採用することが求められる。また、これら の学修と評価については、臨床実習前から始まっていることを学生が認識しておく必要があり、実習前の準備も 含めて学生へのオリエンテーションを行うことが必須である。
評価は、学生の成績、単位認定、修了判定に用いられる総括的評価と、学生への指導、フィードバックに用い られる形成的評価がある。臨床実習で学生を指導する時、指導者は実習中に実習の現場で学生の学修レベルを評 価しながら、そのレベルにあった指導をすることが必要であり、それが形成的評価である。上記の観察評価や活 動記録は、実習中の学生の指導(フィードバック)に活用される。また総括的評価の根拠となる情報としても活用 されることが考えられる。
評価尺度として、医学生として望まれる能力を満たす場合に 4(臨床実習修了時(卒業時)のレベル)を、それ以
上の場合に 5(臨床研修の中間時点で期待されるレベル)、6(臨床研修の終了時点で期待されるレベル)を、ボーダ ーラインで 3(臨床実習の中間時点で期待されるレベル)を、能力が明らかに劣る場合に 2(臨床実習開始時のレベ ル)、1(臨床実習開始前のレベル)を付けることが考えられるが、評点を付けることよりも、適切なフィードバッ クを行うことが重要である。

(1)簡易版臨床能力評価 mini-CEX
学生が医療面接(病歴聴取)や身体診察を行う際に、指導医が直接観察して、下記に挙げた観点から学生の その臨床能力を評価し、フィードバックする。
①病歴聴取
②身体診察
③コミュニケーション能力
④臨床判断
⑤プロフェッショナリズム
⑥マネジメント
⑦総合

mini-CEX 評価者向けの説明例
mini-CEX(簡易版臨床能力評価)は、学生の診察技能評価のため臨床的な設定(入院病棟、外来、当直、救急 等)において、学生が患者と関わる様子を 15~20 分程度観察します。
【評価者】 原則として、教員が分担して評価して下さい。ただし指導体制上実施が困難な場合は、直接観察した医師(医 員、専攻医、大学院生等)も可とします。
【目的】
①学生が実習中に自分の到達度や、どのような事が不足して何を学修しなければいけないのかを定期的に把 握するため行います。②各診療科が総括的評価の参考とします。

【評価の基準例】

1)病歴:①初診外来の場合は現病歴で聞くべきこと(症状の部位・性状・程度・経過・状況・増悪寛解因子・ 随伴症状・患者の対応)を聞いたか。最低限聞くべき他の項目(既往歴・アレルギー・内服薬・女性の月経と 妊娠)を聞いたか。状況が許せば聞くべき他の項目(生活状況・家族状況・嗜好等)を聞いたか。正確で十分な 情報を得たか。②入院中の患者の場合はでその時点で把握しておくべき情報をしっかり聞けたか。
2)身体診察:その時点で取ることが望ましい項目をチェックしたか。鑑別診断を立てるために取るべき項目 をチェックしたか。患者に何をするかを説明し、不快感や遠慮に配慮したか。
3)コミュニケーション:患者が話しやすいように話を聞いたか。視線や表情や姿勢等の非言語コミュニケー ションで不快感を与えなかったか。患者の解釈モデルや心理社会面についても情報を引き出したか。患者の 理解度を確認したか。
4)臨床判断:診断的検査を適切に選択し、指示・実施したか。患者にとっての利益とコスト・リスクを考慮 したか。可能性の高い疾患、見落としてはいけない疾患を考えたか。
5)プロフェッショナリズム:患者に対して敬意、思いやり、共感を示し、信頼関係を形成したか。患者の不 快感、遠慮、守秘義務、個人情報につき注意を払ったか。
6)マネジメント:適切な治療方法を選んだか。アセスメントとプランを患者が納得いくように説明したか。 患者が何に注意したらいいか、次にどういう行動をとったらいいかを説明したか。
7)総合:優先順序を適切につけたか。タイミングがよかったか。無駄が少なく迅速だったか。患者も評価者 も納得でき、有効な判断をしたか。観察者がいなくてもこの患者を一人で診察できたか。
※4)、6)、7)については、患者診察の後、学生の考えを述べてもらい評価しても構いません。
【評価・フィードバックの方法】

1)学生と患者のやりとりを直接観察してください。診察室に同席するか、カーテンの影に隠れているかは自 由です。できるだけ学生と患者の両方の表情を観察してください。学生から質問されたとき、または学生が 自分の判断で患者に説明したことに重大な誤りがあるときを除いて、基本的には評価者は学生の診察に口を 挟みません。
2)mini-CEX を記入して下さい。1 から 6 まで点(3 点以下は学生が標準に達するような改善が必要であること を意味します)をつけますが、点を付けることよりも、適切な指導(フィードバック)をすることが重要です。
3)できるだけ間を置かずに、印象が残っているうちに、診察について学生に直接フィードバックをしてくだ さい。“ダメ出し”だけではなく、良かった点も挙げてください。
4)評価表に評価者と学生のサインを記入してください。

5)学生に「コピーして原本を診療科の mini-CEX 統括者に提出すること」と指示してください。

 

(2)直接観察による臨床手技の評価 DOPS

学生が臨床手技を行う際に、指導医が直接観察して、下記に挙げた観点から学生のその臨床能力を評価 し、フィードバックする。
①適応、解剖、手技の理解
②インフォームド・コンセントの取得
③事前の準備
④技能
⑤清潔操作
⑥安全への配慮・援助の要請
⑦手技後の管理
⑧コミュニケーション
⑨プロフェッショナリズム
⑩総合(概略評価)
注)すべての観点を評価することは必須ではない。

(3)症例の担当に関する評価 CbD
学生の患者への関わりに関して、診療録記載や症例記録に基づき学生と議論をして、下記に挙げた観点か ら学生のその臨床能力を評価し、フィードバックする。(症例カンファランス、病棟回診、カルテ回診等)
①診療録記載
②臨床診断(アセスメント)
③診療計画
④プロフェッショナリズム

⑤総合(概略評価)
注)すべての観点を評価することは必須ではない。

(4)360 度評価 実習中の評価者については、指導医として、教員以外に行動をともにすることが多い同じチームの研修医、ま
た、特に態度の評価については、医療スタッフや学生の担当患者等医師以外の評価者を設定する(360 度評価)こ
とも検討されるべきである。また、これらの評価表等、学修過程で作成・入手した成果物を蓄積した「学修と評 価の記録」を指導医とともに振り返ることも、学修を促す重要な形成的評価となる。さらに、学生が臨床実習を 振り返る機会を定期的に設定し、各人の学修目標の達成度や具体的体験の機会等を相互に共有し、評価すること により、技能領域への学修意欲及び態度領域への気づきの維持・向上を図ることも考えられる。

(5) 臨床実習におけるアンプロフェッショナルな行動について 61F62,62F63,63F64,64F65,65F66

医師として生涯にわたって研鑽していくことが求められる資質・能力としてプロフェッショナリズムが挙げら れているが、特に臨床実習におけるアンプロフェッショナル(以下、「アンプロ」という。)な行動が問題となる ことがある。アンプロな行動とは医師として望ましい行動に反するだけでなく、患者安全のアウトカムへの影響 しうることが示されており、またその後の研修以降のキャリアでも同じような問題を起こす可能性も指摘されて いる。
プロフェッショナリズムについて低学年から学び身につけていく必要があるが、特に臨床実習では対患者、対 多職種スタッフのみならず、教員や学生間も含めた観察可能な発言や行動について評価すべきである。以下に、 一例を示す。

第 1 段階 教員、学生間でのアンプロな行動について具体的な発言、行動を定義・共有する。大学によってはホームペー
ジで公表している。これらは、観察、評価可能な発言や行動であり、価値観や性格等ではないことに注意する。
(例:京都大学 http://cme.med.kyoto-u.ac.jp/sd/unprofessional.pdf)
軽微か重大かという線引きは各大学で行うべきだが、患者安全や医療現場のスタッフ等に直接与える影響等を 考慮する必要があると考える。
第 2 段階
臨床実習を担当する教員、職員は第 1 段階で共有された定義に基づき、観察・評価をおこなう。アンプロと思 われる行動については、その都度適切にフィードバックを行う。その際に一方的なフィードバックにせず、状況 などを確認する必要がある。また精神疾患や発達障害、メンタルの不調、またその背景としての人間関係や家族 の問題等がないか面談等で評価を行う。特に繰り返し報告された場合や重大な案件では保護者との情報共有も必 要である。
第 3 段階
①フィードバックを行った当該学生について、アンプロな言動が改善するか引き続き観察・評価を行う。すぐ

 

62 木村武司, 他. アンプロフェッショナルな行動―学修者評価と対応―. 医学教育. 2022;53(2): 163–9.
63 Papadakis MA, et al. Disciplinary action by medical boards and prior behavior in medical school. The New England Journal of
Medicine. 2005;353(25):2673–82. https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMsa052596
64 Nishigori H, et al. Bushido and medical professionalism in japan. Academic Medicine : Journal of the Association of American
Medical Colleges. 2014; 89(4):560–63. https://doi.org/10.1097/ACM.0000000000000176
65 Martinez W, et al. Speaking up about traditional and professionalism-related patient safety threats: A national survey of interns and residents. BMJ Quality & Safety. 2017;26(11):869–80. https://doi.org/10.1136/bmjqs-2016-006284
66 Braatvedt C, et al. Fitness to practice of medical graduates: One programme’s approach. The New Zealand Medical Journal.
2014;127(1405);70–7.

に次の診療科へ移るようであれば情報共有・引継ぎを行う。
②アンプロな行動が繰り返される場合や重大なアンプロ行動が見られた場合は、学部全体で共有し再教育・指 導について検討する。大学によってはアンプロな行動の定義やアンプロ行動を起こした学生についての協議 は該当委員会や教授会で行われる。より個別の指導や対応が必要である。 再教育・指導の際には該当学生について精神疾患や発達障害、メンタルの不調、またその背景としての人間 関係や家族の問題等についても配慮が必要で、適切に専門的なサポートが得られるようにすべきである。
第 4 段階
臨床実習を継続させるのか、再履修とするべきかについて検討する。再教育・指導による改善状況やメンタリ ングやカウンセリング、追実習についての評価が必要であるが、透明性のある評価が求められる。

学年 学生氏名

医学生のアンプロフェッショナルな行動の報告書(例)

実習病院と診療科 実習期間 医学生のアンプロフェッショナルな行動について記載してください。 その際に指導した内容、またその際 の聞き取り内容(その行動に至った事由)、その後 の改善状況などについてもわかる範囲で記載をお願いい たします。
報告者 ○○病院 ○○科 氏名 診療科長署名
宛先 住所 ○○ メールアドレス ○○ (メール送付の場合は PW をつけるなど個人情報管
理にご注意ください。)
※一人の指導医が提出する 1 枚の評価表で学生の留年が決定することはありませんので、学生の態度・行動 で気になる点があり、指摘しても変わらないようであれば、積極的に記入、提出いただくようお願いいたし
ます。

2.CC-EPOC
これらの評価の結果を、学生が実習中に学んだ資料とともに、実習活動の記録(ラーニング・ポートフォリオ) として蓄積していくことについて、方略の項で述べた。このポートフォリオを評価の対象として再構築すること で、臨床実習の評価により真正性(authenticity)が向上し、学生の望ましい学修を促進することに加えて、臨床 実習から臨床研修までの継続的な評価が可能となることが期待できる。
評価及び実習活動の記録を電子的に行うツールとして、CC-EPOC(卒前学生医用オンライン臨床教育評価システ
ム)の利用も有用と考えられる。

(CC-EPOC のシステム構成図)

 

Ⅵ. 参考資料
(例示)学修と評価の記録
「学修と評価の記録」の使い方

<全科共通>

・私が目標とする医師像

・大学・附属病院の教育理念・目標

・医師として求められる基本的な資質・能力

・臨床実習の到達目標(医学教育モデル・コア・カリキュラム「学修目標」より)

・臨床実習前の確認事項

・臨床実習開始までの学修履歴
・研究活動の記録

<各診療科>
・個別の学修目標設定(学修契約)

・実習日誌

・担当入院症例病歴要約

・担当外来症例一覧

・簡易版臨床能力評価に関する評価表(mini-CEX)

・臨床手技の評価に関する評価表(DOPS)

・症例の担当に関する評価表(CbD)

・多職種による学生評価(360 度評価)

・患者さん(含模擬患者)からの感想

・診療科終了時の振り返り

・診療科終了時の指導による評価

・学生による臨床実習の評価

・学生を信頼し任せられる役割(EPA)

「学修と評価の記録」の使い方

 

臨床現場へようこそ。 いよいよ、実際に患者さんのいる病院での、皆さんの臨床実習が始まります。これまでの講義や試験で多くの
医学知識・技能を身に付けてきたと思いますが、これからはそれらを「知っている」だけではなく「できる」こ
とが求められるようになります。臨床現場で色々と経験して学ぶことを期待します。 この「学修と評価の記録」ですが、これはみなさんの「学び」をサポートするためのツールです。臨床実習等 の現場でみなさんがどのようなことを学びたいのか、教員の先生たちは皆さんの行動をどのように感じているの か、などについて記録していきます。教員の先生たちとみなさんとのコミュニケーションの助けにもなります し、またみなさんの「学修の記録」にもなります。積極的に書きこみ、また色々な教員から評価ももらって、自 分のオリジナルの記録を作って下さい。
この「学修と評価の記録」の使い方ですが、大まかには以下の通りです。また各ページの最初に、内容につい ての説明も書かれてあります。詳細については担当科の教員の先生とも相談して下さい。

1)臨床実習が始まるまでに「臨床実習前の確認事項」「臨床実習開始までの学修履歴」を記入しておく

2)臨床実習が始まったら、初日のオリエンテーションの際に、該当科の「個別の学修目標」のところに教員と協 同して自分の学修目標を決める
3)実習日誌を使って、毎日、実習が始まる前にその日の目標、実習が終わった後にその日の振り返りを書く

4)一日単位で、担当の教員から出席のサインをもらう

5)担当した入院症例・外来症例のサマリーをまとめる

6)簡易版臨床能力評価表を各科あたり 2~4 回、指導医に記入してもらう

7)担当した症例を一緒に診ている指導医に、症例の担当に関する評価表を記入してもらう

8)指定された医師以外の医療スタッフに 360 度評価を記入してもらって、該当科の担当教員に提出してもらう

9)担当した患者さんやお世話になった模擬患者さんに感想を書いてもらう

10)一つの科で臨床実習が終わる日(教授諮問や教員とのまとめの日)までに、「ローテート終了時の振り返り」 を書きこんでおく
11)一つの科で臨床実習が終わる日(教授諮問や教員とのまとめの日)までに、指導医に「ローテート終了時の指 導医による評価」を記入してもらう
12)一つの科で臨床実習が終わったら、その科の評価を記入して教務係に提出する

私が目標とする医師像

臨床実習が始まるにあたり、自分がどのような医師になりたいと思っているのかを明文化しておきましょう。今 後色々な経験があると思いますが、そのたびに、原点に立ち戻るために役立ちます。
年 月 日

私は将来こんな医師になりたい

目指す医師になるため、臨床実習でこんなことを目標にします。
1.
2.
3.
4.
5.

学籍番号 氏名 PHS

○○大学医学部の教育理念

○○大学医学部の目的は生命科学、医学、医療の分野の発展に寄与し、国際的指導者になる人材を育成すること にある。すなわち、これらの分野における問題の的確な把握と解決のために創造的研究を遂行し、臨床において は、その成果に基づいた全人的医療を実践しうる能力の涵養を目指す。

○○大学医学部附属病院の理念 理念:本院は臨床医学の発展と医療人の育成に努め、個々の患者に最適な医療を提供する。 目標
● 患者の意思を尊重する医療の実践
● 安全な医療の提供
● 高度先進医療の開発
● 優れた医療人の育成

医師として研鑽していくことが求められる資質・能力

PR: プロフェッショナリズム(Professionalism) 人の命に深く関わり健康を守るという医師の職責を十分に自覚し、多様性・人間性を尊重し、利他的な態度で 診療にあたりながら、医師としての道を究めていく。
GE: 総合的に患者・生活者をみる姿勢 (Generalism)
患者の抱える問題を臓器横断的に捉えた上で、心理社会的背景も踏まえ、ニーズに応じて柔軟に自身の専門領 域にとどまらずに診療を行い、個人と社会のウェルビーイングを実現する。
LL: 生涯にわたって共に学ぶ姿勢 (Lifelong Learning)
安全で質の高い医療を実践するために絶えず省察し、他の医師・医療者と共に研鑽しながら、生涯にわたって 自律的に学び続け、積極的に教育に携わっていく。
RE: 科学的探究 (Research)
医学・医療の発展のための医学研究の重要性を理解し、科学的思考を身に付けながら、学術・研究活動に関与 して医学を創造する。
PS: 専門知識に基づいた問題解決能力 (Problem Solving)
医学・医療の発展のための研究の重要性を理解し、科学的思考を身につけ、学術・研究活動に関与し、学問を 創造する。
IT: 情報・科学技術を活かす能力 (Information Technology)
発展し続ける情報化社会を理解し、人工知能等の情報・科学技術を活用しながら、医療・医学研究を実践す る。
CS: 患者ケアのための診療技能 (Clinical Skills)
患者の苦痛や不安感に配慮し、確実で信頼される診療技能を磨き、患者中心の診療を実践する。
CM: コミュニケーション能力 (Communication) 患者及び患者に関わる人たちと、相手の状況を考慮した上で良好な関係性を築き、患者の意思決定を支援し て、安全で質の高い医療を実践する。
IP: 多職種連携能力 (Interprofessional Collaboration)
医療・保健・福祉・介護など患者・家族に関わる全ての人々の役割を理解し、お互いに良好な関係を築きなが ら、患者・家族・地域の課題を共有し、関わる人々と協働することができる。
SO: 社会における医療の役割の理解 (Medicine in Society)
医療は社会の一部であるという認識を持ち、経済的な観点・地域性の視点・国際的な視野等も持ちながら、公 正な医療を提供し、健康の代弁者として公衆衛生の向上に努める。

医学教育モデル・コア・カリキュラム(令和 4 年度改訂版)より

臨床実習の到達目標

1 学修目標
この学修目標は、「医学教育モデル・コア・カリキュラム(令和 4 年度改訂版) 第 2 章 学修目標」に記載され、 全国の医学部で共通に使用しているものです。本学の診療科ごとに到達目標も設定されていますので、この学修 目標と照らし合わせて、自分の学んだ、経験した内容を確認するために使用して下さい。また適宜、教員の先生 にコメントをもらってください。

1:臨床実習開始前のレベル 2:臨床実習開始時のレベル 3:臨床実習中間時点で期待されるレベル 4:臨床 実習修了時(卒業時)のレベル 5:臨床研修中間時点で期待されるレベル

自己評価 評価 機会

指導者評価 評価 機会

PR プロフェッショナリズム 1 2 3 4 5 なし
信頼:社会から信頼を得る上で必要なことを常に考え行動する。

1 2 3 4 5 なし

誠実さ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
省察 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
思いやり:品格と礼儀を持って、他者を適切に理解し、思いやりを持って接する。
思いやり □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
他者理解と自己理解 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
品格・礼儀 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
教養:医師に相応しい教養を⾝につける。
教養 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
生命倫理:医療における倫理の重要性を学ぶ。
臨床倫理 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □

指導医のコメント

指導医のサイン

自己評価 評価 機会

指導者評価 評価 機会

GE 総合的に患者・生活者をみる姿勢 1 2 3 4 5 なし

1 2 3 4 5 なし

全人的な視点とアプローチ:患者の抱える問題を臓器横断的だけでなく心理・社会的視点で捉え、専門領域 にとどまらない姿勢で責任をもって診療に関わり、最善の意思決定や行動科学に基づく臨床実践に関与でき る。

臓器横断的な診療 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
⽣物・心理・社会的な問題への包括的な視点 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
患者中心の医療 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
根拠に基づいた医療(EBM) □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
行動科学 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
緩和ケア □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
地域の視点とアプローチ:地域の実情に応じた医療・介護・保健・福祉の現状及び課題を理解し、医療の基 本としてのプライマリ・ケアの実践、ヘルスケアシステムの質の向上に貢献するための能力を獲得する。
プライマリ・ケアにおける基本概念 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
地域におけるプライマリ・ケア □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
医療資源に応じたプライマリ・ケア □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
在宅におけるプライマリ・ケア □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
人生の視点とアプローチ:患者・⽣活者の成⻑、発達、老化、死のプロセスを踏まえ、経時的に患者・家 族・⽣活者に起こり得る精神・社会・医学的な問題に関与できる。
人⽣のプロセス □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
小児期全般 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
胎児期、新⽣児期、乳幼児期 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
学童期、思春期、青年期、成人期 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
老年期 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
終末期 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
社会の視点とアプローチ:文化的・社会的文脈のなかで⽣成される健康観や人々の言動・関係性を理解し、 文化人類学・社会学(主に医療人類学・医療社会学)の視点から、それを臨床実践に活用できる。

医学的・文化的・社会的文脈における健康 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
社会科学 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □

指導医のコメント

 

指導医のサイン

自己評価 評価 機会

指導者評価 評価 機会

LL 生涯にわたって共に学ぶ姿勢 1 2 3 4 5 なし

1 2 3 4 5 なし

生涯学習:医師・医学⽣に限らず同僚や後輩を含む医療者への教育に貢献する。

⽣涯学習の実践 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
キャリア開発 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
医療者教育:⽣涯学び続ける価値観を形成する。
医療者教育の実践 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □

指導医のコメント

 

指導医のサイン

自己評価 評価 機会

指導者評価 評価 機会

RE 科学的探究 1 2 3 4 5 なし

1 2 3 4 5 なし

リサーチマインド:知的好奇心を満たす喜びとオリジナリティの重要性を知る。

能動的姿勢 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
探究心 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
既知の知:先人の偉業を知り、新たな発想を育む。
医学と医療 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
論文読解 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
研究の実施:自然科学・人文社会科学の研究手法を体験し理解する。
問い □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
研究計画 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
研究手法 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
研究結果 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
研究の発信:研究の意義・内容を他者に説明し討論する。
研究発表 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
研究倫理:法令遵守ならびに人権尊重し、医学⽣として正しく行動する。

適切な研究遂行 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
対象者の保護 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □

指導医のコメント

 

指導医のサイン

自己評価 評価 指導者評価 評価

PS
専門知識に基づいた問題解決能力
1
2 3 4 機会
5 なし
1
2 3 4 機会
5 なし
基礎医学:分子レベルから個体レベルまでの、⽣命現象、細胞から個体の構成と機能、個体の反応を理解
し、その 破綻に よる病 因と 病態を理 解する 。

⽣命現象の科学 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
個体の構成と機能 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
個体の反応 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
病因と病態 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
人体各器官の正常構造と機能、病態、診断、治療:人体各器官の構造と機能を理解し、主な疾患の病因、病
態⽣理、 症候、 診断と 治療 の知識を 臨床的 に使用 でき る。
総論 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
血液・造血器・リンパ系 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
神経系 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
皮膚系 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
運動器(筋骨格)系 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
循環器系 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
呼吸器系 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
消化器系 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
腎・尿路系(体液・電解質バランスを含む) □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
⽣殖器系 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
妊娠と分娩 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
小児 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
乳房 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
内分泌・栄養・代謝系 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
眼・視覚系 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
耳鼻・咽喉・口腔系 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
精神系 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
全身に及ぶ生理的変化、病態、診断、治療 :器官横断的で全⾝に及ぶ⽣理的変化を理解し、主な疾患の病
因、病態 ⽣理、 症候、 診断 と治療の 知識を 臨床的 に使 用できる 。
遺伝医療・ゲノム医療 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
免疫・アレルギー □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
感染症 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
腫瘍 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
救急・集中治療 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
放射線の⽣体影響と適切な利用、放射線障害 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □

指導医のコメント

 

指導医のサイン

自己評価 評価 機会

指導者評価 評価 機会

IT 情報・科学技術を活かす能力 1 2 3 4 5 なし

1 2 3 4 5 なし

情報・科学技術に向き合うための倫理観とルール:医学研究・医療等の場面で、情報科学技術を取り扱う際 に必要な倫理観・デジタルプロフェッショナリズム及び基本的原則を理解する。

情報・科学技術に向き合うための準備 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
情報・科学技術利用にあたっての倫理観とルール □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
医療とそれを取り巻く社会に必要な情報・科学技術の原理 :安全かつ質の高い医学研究・医療に必要な情 報・科学技術に関する基本理論を理解し、その知識を自⾝の学習や医療へ適応する姿勢を体得する。
情報・科学技術を活用した医療 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
情報・科学技術の先端知識 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
診療現場における情報・科学技術の活用:遠隔医療を含む患者診療、学習の最適化に有効な ICT ツールの実 践スキル及びデジタルコミュニケーションスキルを修得する。
情報・科学技術を活用したコミュニケーションス
キル □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
情報・科学技術を活用した学習スキル □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □

指導医のコメント

 

指導医のサイン

自己評価 評価 機会

指導者評価 評価 機会

CS 患者ケアのための診療技能 1 2 3 4 5 なし

1 2 3 4 5 なし

患者の情報収集:患者本人、家族、医療スタッフ等関係する様々なリソースを活用し、診療に必要な情報を
収集でき る。
医療面接 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
⾝体所見 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
患者情報の統合、分析と評価、診療計画:得られた全ての情報を統合し、様々な観点から分析し、必要な医
療につい て評価 した上 で提 供すべき 医療を 計画で きる 。
診療録記 載 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
臨床推論 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
検査(計 画・分 析評価 ) □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
治療(計 画・経 過の評 価 ) □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
教育計画 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
治療を含む対応の実施:患者の状態の評価に基づいて患者本人、家族、医療スタッフと連携し、必要な医療
を提案ま たは実 施でき る。
検査手技 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
治療手技 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
救急・初 期対応 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
書類の作 成 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
患者ケア に必要 な連携 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
診療計画 カンフ ァレン ス □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
診療経過の振り返りと改善:実施された医療を省察し、言語化して他者に説明し、次回に向けて改善につな
げること ができ る。
振り返り カンフ ァレン ス □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
医療の質と患者安全:医療の質と患者安全の観点で自己の行動を省察し、組織改善と患者中心の視点を獲得
する。
医療の質 向上 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
医療従事 者の健 康管理 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
安全管理 体制 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
感染制御 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
患者安全 の配慮 と促進 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
患者安全 の実践 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □

指導医のコメント

 

指導医のサイン

自己評価 評価 機会

指導者評価 評価 機会

CM コミュニケーション能力 1 2 3 4 5 なし

1 2 3 4 5 なし

患者に接する言葉遣い・態度・身だしなみ・配慮:患者のプライバシー、苦痛等に配慮し、非言語コミュニ ケーションを含めた適切なコミュニケーションスキルにより良好な人間関係を築くことができる。
患者・家族への適切なコミュニケーションスキル
の活用 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
患者の立場の尊重と苦痛への配慮 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
患者の意思決定の支援とそのための情報収集・わかりやすい説明:患者や家族の多様性に配慮し、必要な情
報についてわかりやすく説明を行い、患者の主体的な治療やマネジメントに関する最善の意思決定を支援で
きる。

患者へのわかりやすい言葉の説明 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
患者への行動変容の促し □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
患者の意思決定の支援 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
患者や家族のニーズの把握と配慮:患者や家族の心理的、社会的背景を広い視野で捉える姿勢を持ち、患者 の持つ困難や必要な情報提供に対応できる。

患者・家族の課題の把握と必要な情報の取得 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
患者・家族の心理・社会的背景に配慮した診療 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □

指導医のコメント

 

指導医のサイン

自己評価 評価 機会

指導者評価 評価 機会

IP 多職種連携能力 1 2 3 4 5 なし

1 2 3 4 5 なし

連携の基盤:患者や利用者、家族、地域の重要な課題について、協働する関係者と共通の目標を設定する過 程で、背景が異なることに互いに配慮し、役割、知識、意見、価値を伝え合うことができる。

患者中心の保健医療福祉 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
職種間コミュニケーション □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
医師間の紹介と相談 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
協働実践:自他の役割や思考・行為・感情・価値観を踏まえ、協働する職種で信頼関係を構築し、時に⽣じ
る職種間の葛藤にも適切に対応しながら、 互いの知識・技術を活かし合い、職種としての役割を全うでき
る。

職種役割 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
関係性への働きかけ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
自職種の省察 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
他職種の理解 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □

指導医のコメント

 

指導医のサイン

自己評価 評価 機会

指導者評価 評価 機会

SO 社会における医療の役割の理解 1 2 3 4 5 なし

1 2 3 4 5 なし

社会保障:憲法で定められた「⽣存権」を守る社会保障制度、公衆衛⽣とは何か、地域保健、産業保健、健 康危機管理を理解する。保健統計の意義・利用法を学ぶ。

公衆衛⽣ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
社会保険、公的扶助、社会福祉 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
地域保健 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
産業保健・環境保健 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
健康危機管理 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
疫学・医学統計:人間集団を対象とする研究法である疫学の考え方と意義、主な研究デザインを学ぶ。医 学、⽣物学における統計手法の基本的な考え方を理解する。
保健統計 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
疫学 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
データ解析と統計手法 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
法医学:死の判定や死亡診断と死体検案を理解する。
死と法 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
社会の構造や変化から捉える医療:患者の抱える健康に関する問題の背景にある社会的な課題を適切に捉 え、その解決のために積極的に行動する。

健康と医療 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
ジェンダーと医療 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
気候変動と医療 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
哲学と医療 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
歴史と医学・医療 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
医療経済 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
社会的公正 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
国内外の視点から捉える医療:国内及び国際社会の中で規定される医療の役割と医療体制について概要を理 解している。

国内の医療職の役割や医療体制 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
グルーバルヘルスの役割や医療体制 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
社会科学の視点から捉える医療:医学的・文化的・社会的文脈のなかで⽣成される健康観や人びとの言動・ 関係性を理解し、社会科学 (主に医療人類学・医療社会学)の視点・理論・方法から、それを臨床実践に活用 することができる。
社会科学と医療との関係 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □

指導医のコメント

 

指導医のサイン

2 医療面接・身体診察・診療録記載

実習を振り返って「1:経験なし 2:見学する 3:実演(シミュレーターで)できる 4:教員等の直接の監督 下でできる 5:教員等がすぐに対応できる状況下でできる」のうち、どの段階であったかを記録します。

評価 自己評価 評価
機 会 機会

医療面接・身体診察・診療録記載 1 2 3 4 5 なし

1 2 3 4 5 なし

医療面接 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ バイタルサイン(体温、脈拍、血圧、呼吸数、酸素飽和度)の測定 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 頭部(顔貌、頭髪、頭皮、頭蓋)の診察 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 眼(視野、瞳孔、対光反射、眼球運動・突出、結膜)の診察 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 耳(耳介、聴力)の診察 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 耳鏡を用いた外耳道、鼓膜の観察 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 口唇、口腔、咽頭、扁桃の診察 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 副鼻腔の診察 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 鼻鏡を用いた前鼻腔の観察 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 甲状腺、頸部血管、気管、唾液腺の診察 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 頭頸部リンパ節の診察 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 胸部の視診、触診、打診 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 呼吸音と副雑音の聴診 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 心音と心雑音の聴診 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 腹部の視診、聴診(腸雑音、血管雑音)、打診、触診 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 背部の叩打痛 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 直腸(前立腺を含む)指診 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 乳房の診察 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 意識レベルの判定 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 脳神経系の診察 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 眼底検査 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 腱反射の診察 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 小脳機能・運動系の診察 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 感覚系(痛覚、温度覚、触覚、深部感覚)の診察 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 髄膜刺激所見 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 四肢と脊柱(弯曲、疼痛)の診察 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 関節(可動域、腫脹、疼痛、変形)の診察 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 筋骨格系の診察(徒手筋力テスト) □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 婦人科診察(双合診・クスコ診) □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 高齢者総合機能評価 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 診療録記載 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □

指導医のコメント

 

指導医のサイン

3 臨床推論 診療参加型臨床実習では、診療チームLこ参加し、その一員として診療業務を分担しながら医師の職業的な知
識・思考法・技能・態度の基本的な部分を学びます。以下Lこ挙げた症候・病態と疾患名の組合せのうち、実習で 臨床推論を学んだ疾患名を記録してください。
主要症候Lこついて鑑別診断を検討し、診断の要点を説明できる。

主主斗i
発熱

 

指導医の コメン卜

検討すべき鑑別疾患
口鎚膜炎、口急性寄l 鼻腔炎、 白馬桃炎、口上気道炎、ロインフ ルエ ンザ、口肺炎、 口結核、口感染性心内膜炎、口胆嚢炎、口胆管炎、口尿路感染症、口蜂巣炎、 口薬剤j性
口(その他)

指導医のサイン

症候 (2)
全身倦怠感

指導医の コメン卜

検討すべき鑑別疾患 口甲状腺機能低下症、口結核、口心 不全、口肝炎、ロ鉄欠乏性貧血、口うつ病 口(その他)

指導医のサイン

症候 (3)
食恩(欲)不娠

指導医の コメン卜

検討すべき鑑別疾患
口消化性漬第、口急性肝炎、口急性111腎不全、口うつ病
口(その他)

指導医のサイン

症候 (4)
体量減少

指導医の コメン卜

検討すべき鑑別疾患
口甲状腺機能充進症、口慢性閉塞性 肺疾患 (COPD)、口悪性騒療全般、口糖尿病、 白神経性食恩(欲) 不振症(拒食症)、口うつ病
口(その他)

指導医のサイン

症候 (5)
体量増加

指導医の コメン卜

検討すべき鑑別疾患 口甲状腺機能低下症、ロ心不全、ロネフローゼ症候群 口(その他)

指導医のサイン

症候 (6)
意識障害

 

指導医の コメン卜

検討すべき鑑別疾患 口脳出血、口脳梗塞、口頭蓋内血題 、口脳炎、口てんかん、口 くも膜下出血、 口鎚膜炎、ロ心筋梗塞、口急性大動脈解離、 口急性消化管出血、口敗血症、 口薬物中毒、口アルコ ー ル性中毒、口C02ナルコ ー シス、口低血糖、 口ナトリウム代謝異常、ロショック
ロ(その他)

指導医のサイン

 

 

指導医の コメン卜

検討すべき銭男IJ疾患 口てんかん、口肺塞栓症、口不遜脈 、口弁膜症(大動脈弁膜症) 口(その他)

指導医のサイン

症候 (8)
けいれん

指導医の コ メン卜

検討すべき鑑別疾患 口脳穫塞、ロ脳出血、口脳炎、口脳症、白熱性けいれん、口てんかん 口(その他)

指導医のサイン

症候 (9)
めまい

指導医の コ メン卜

検討すべき鑑別疾患 口脳出血、口脳梗塞、口良性 発作性頭位めまい症、ロMeniere 病、口前庭神経炎 口(その他)

指導医のサイン

症候 (10)
浮踊

指導医の コ メン卜

検討すべき鑑別疾患 口甲状線機能低下症、口心不全、口肝硬変、ロネフローゼ症候群、口慢性腎臓病、 口薬剤性、口深部静脈血栓症、口 リンパ浮腫、白血管性浮極
口(その他)

指導医のサイン

症候 (11)
発疹

 

指導医の コ メン卜

検討すべき鑑別疾患
ロウイルス性発疹症(麻疹)、口 ウイ ルス性発疹症(風疹)、
ロウイルス性発疹症(水痘)、口 ウイ ルス性発疹症(へルベス )、口帯状癒疹、
口伝染性紅斑、口薬疹、口毒事麻疹、口皮虜炎(アトピー性皮虜炎上 口結節性紅斑、
口湿疹
ロ(その他)

指導医のサイン

症候 (12)
咳・疲

 

指導医の コ メント

検討すべき鑑別疾患
口副鼻腔炎、ロアレ ルギ 一位鼻炎、口上気道炎、口感冨(かぜ症候群)、口百日咳、
口 気管支炎、口気管支暢J息、 口肺炎、口肺結核、口肺癒、口間質性肺疾患、
口胃食道逆流症 (GERD)、口薬剤j性
ロ(その他)

指導医のサイン

症候 (13)
血疲・111血

指導医の コ メン卜

検討すべき鑑別疾患 口 気管支拡張症、口肺結核、口肺癌 口(その他)

 

指導医のサイン

症候 (14)
呼吸困厳

 

指導医の コ メン卜

検討すべき鑑別疾患 口急性喉頭蓋炎、口窒J息、 口 気管支哨息、口肺塞栓症、 口急性呼吸促(窮)迫症候群 (ARDS)、口慢性閉塞 性 肺疾患 (COPD)、口肺炎、 口間質性肺疾患、ロ肺結核、口緊張性気胸、口自 然気胸、口心不全、
ロアナフ ィ ラキシー
口(その他)

指導医のサイン

症候 (15)
胸痛

指導医の コ メン卜

検討すべき鑑別疾患 口腕塞詮症、口気胸、口絢膜炎、口急性冠症候群、口急性心膜炎 、 口急性大動脈解離、口 大 動脈癒破裂、口帯状癒疹、ロパニ ック陣容 口(その他)

指導医のサイン

症候 (16)
動惇

指導医の コ メン卜

検討すべき鑑別疾患 口甲状腺機能充進症、口不遜脈、口鉄欠乏性貧血、口二次性貧血 、口パニ ック 障害、 口不安障審
口(その他)

指導医のサイン

症候(17)
嚇下困厳

指導医の コ メン卜

検討すべき鑑別疾患
口脳出血、口脳梗塞、白馬桃炎、口食道窓
口(その他)

指導医のサイン

症候 (18)
腹痛

 

 

 

指導医の コ メン卜

検討すべき鑑別疾患
口消化性潰第、口機能性ディ ス ベ プシア (FD)、口急性胃腸炎、口急性虫垂炎、
口憩室炎、口虚血性大腸炎、口腸間膜動脈塞詮症、ロ便秘症、口過敏性賜症候群、
口腸閉塞、ロ腸震積症 、口汎発性腹膜炎、口鼠径ヘルニ ア、口胆嚢炎、口胆石症、
口急性豚炎、口急性冠症候群、口急性大動脈解灘、ロ子宮内膜症 、口異所性妊娠、 口流・早産、ロ卵巣嚢臆(捻転)、 口卵巣窟(捻転)、口尿路結石、 口穏尿病性ケ卜 アシ ド ー シ ス
口(その他)

指導医のサイン

症候(19)
懇心・111吐

 

指導医の コ メン卜

検討すべき鑑別疾患 口脳出血、口 くも膜下 出血、口頭蓋内血陵、口髄膜炎、ロ片頭痛 、口急性胃腸炎、 口急性虫垂炎、ロ腸閉塞、口食中毒、口急性心筋梗塞、口妊娠、 口穏尿病性ケ卜 アシ ド ー シス 、ロカルシウム代謝異常
ロ(その他)

指導医のサイン

症候 (20)
吐血

指導医の コ メン卜

検討すべき鑑別疾患
口食道静脈癒、口Mallory-Weiss 症候群、ロ胃癒、口消化性潰湯
口(その他)

指導医のサイン

症候 (21)
下血

指導医の コ メン卜

検討すべき鑑別疾患 口消化性演湯、口炎症性賜疾患、口虚血性大腸炎、口憩室出血、 口大腸癒、口痔核、 口裂虹
口(その他)

指導医のサイン

症候 (22)
便秘

指導医のコ メン ト

検討すべき鑑別疾患
口Parkinson 病、口甲状腺機能低下症、口便秘症、口過敏性腸症候群、ロ腸閉塞、 口大腸癒、口薬剤j性
口(その他)

指導医のサ イン

症候 (23)
下痢

指導医のコ メン ト

検討すべき鑑別疾患 口甲状線機能充進症、口急性胃腸炎、口炎症性腸疾患、口過敏性腸症候群、 口薬剤性
ロ(その他)

指導医のサ イン

症候 (2 4)
貧痘

指導医のコ メン ト

検討すべき鑑別疾患 口急性肝炎、口慢性肝炎、口肝硬変、口肝癒、口生理的貧痘、口胆管炎、口胆管癒、 口勝癒、口溶血性貧血、口薬剤性、ロ生理的黄痘
口(その他)

指導医のサ イン

症候 (25) 検討すべき鑑別疾患
腹部膨陵・腫簿 口肝硬変、口腸閉塞、口鼠径ヘル ニ ア、口妊娠
口(その他)

指導医のコ メン ト

症候 (26)
リンパ節腫脹

指導医のコ メン ト

指導医のサ イン

検討すべき鑑別疾患
白馬桃炎、口 ウ イルス性発疹症(風疹)、口結核、口伝染性単核{球)症、
口悪性リ ンパ焼、口その他の慈性臆毒事全般
ロ(その他)

指導医のサ イン

症候 (27) 検討すべき鑑別疾患
尿畳・排尿の異常 口尿路感染症、口前立腺肥大症、口過活動勝目光、白神経因性勝目光、 口薬剤性、
ロ糖尿病
口(その他)

指導医のコ メン ト

症候 (28)
血尿

指導医のコ メン ト

指導医のサ イン

検討すべき鑑別疾患 白糸球体腎炎症候群、口腎細胞癒、口尿路結石、口尿路感染症、口勝銑癒 口(その他)

指導医のサ イン

症候 (29)
月経異常

指導医のコ メン ト

検討すべき鑑別疾患 ロ月経困難症、口子宮内膜症、ロ子宮体癒、口妊娠、口薬剤性、口更年期障寄 口(その他)

指導医のサ イン

症候 (30)
不安・抑うつ

指導医の コメン卜

検討すべき鑑別疾患
口認知症、口 Parkinson 病、 口甲 状線機能冗進症、ロ甲状 腺機能低下症、
口悪性臆療全般、口薬剤l 性、口うつ病、口双極性障審、ロ不安障害、口適応障害
口(その他)

指導医のサイン

症候 (31)
認知障害

指導医の コメン卜

検討すべき銭男IJ疾患
口認知症、口 Parkinson 病、 口脳梗塞、口正 常圧水頭症、口慢性硬膜下血輝、
口甲状線機能低下症、口薬剤l 性、口うつ 病
口(その他)

指導医のサイン

症候 (32)
頭痛

指導医の コ メン卜

検討すべき鑑別疾患 口片頭痛、口緊張裂頭痛、口群発頭痛、口脳出血、口 くも膜下出血、口髄膜炎、 口緑内障、口急性J 鼻腔炎、 口巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)、口薬剤性 口(その他)

指導医のサイン

症候 (33) 検討すべき鑑別疾患
運動麻痩・筋力低下 口脳便塞、 口一過性脳虚血発作、口脳出血、口頭蓋内血艦、口てんかん 、
口脊髄損傷、口 椎間板へルニア、口筋萎縮性側索硬化症、口Guillain -Ba rre 症候群、
口多発性筋炎、口 皮膚筋炎、口カリウム代謝異常
口(その他)

指導医の コ メン卜

症候 (34)
歩行障害

指導医の コ メン卜

指導医のサイン 検討すべき鑑別疾患
口脳出血、口頭 蓋内血艦、口脳梗塞、口Pa r kinson 病、ロ変形性脊維症、 口脊柱管狭窄症、ロ椎間板ヘルニア、口変形性関節症、白骨折
口(その他)

指導医のサイン

症候 (35)
感覚障害

指導医の コ メン卜

検討すべき鑑別疾患 口脊柱管狭窄症、口椎間板ヘルニア、口多発神経炎、口糖尿病 口(その他)

指導医のサイン

症候 (36)
腹背部痛

 

指導医の コ メン卜

検討すべき鑑別疾患 口急性大動脈解灘、口急性勝炎、口勝露、口尿管結石、ロ椎間板ヘルニア、 口変形性脊椎症、ロ脊柱管狭窄症、口脊椎維体骨折、口急性腰痛症、 口化膿性脊椎炎
口(その他)

指導医のサイン

症候 (37) 検討すべき 鑑別疾患
関節痛・関節目置脹 口化膿性関節炎、口変形性関節症、口関節リウマ チ、
口全身性エ リテ マ卜 ーデス (SLE)、ロ反応性関節炎、口痛風、口偽痛風、口外傷
口(その他)

指導医の コメン卜

指導医のサイン

4 基般本的臨床手技

実習を技振り返って íl :経験なし 2: 見学する 3: 実演(シミュレーターで)できる 4: 教員等の直接の監督
下でできるネ静体…基皮末外。気 5: 教員等がすぐに対応できる状況下でできる」のうち、どの段階であったかを記録します。
-脈…ブ位本晶。刷梢用進
内採白静ラ交的…。消薬

脈白換血臨…。毒の吸
の床引ザ白、。貼
分類 -血手移付一・白
-送管銭・今。
塗確
布保

自己評価 評価 機会
1 2 3 4 5 なし
口口口口口口 口口口口口口 口口口口口口 口口口口口口 口口口口口口 口口口口口口
口口口口口口

指導者評価 評価 機会
1 2 3 4 5 なし
口口口口口 口 口口口口口 口 口口口口口 口 口口口口口 口 口口口口口 口 口口口口口 口
口口口口口 口

 

 

 

 

 

 

 

検査手技

胃管の婦人と抜去 尿道カテー テルの挿入と抜去 皮内注射
皮下注射 筋肉注射 静脈内注射
尿検査(妊娠反応検査を含む) 微生物学検査 (Gram 染色を含む)
12誘導心電図の 記録

口口口口口口 口口口口口口 口口口口口口 口口口口口口 口口口口口口 口口口口口口 口口口口口口 口口口口口口 口口口口口口

口口口口口 口 口口口口口 口 口口口口口 口 口口口口口 口 口口口口口 口 口口口口口 口 口口口口口 口 口口口口口 口 口口口口口 口

臨床判断のための簡易エ コ ー (F AST含む) 口口口口口 口
病原体抗原の迅速検資 口口口口口口 簡易血務測定 口口口口口口 清潔操作 口口口口口口
手術や手技のための手洗い 口口口口口口

口口口口口 口
口口口口口 口 口口口口口 口 口口口口口 口
口口口口口 口

外科手技 ー
手術室 におけるガウンテクニック
基本的な縫合と抜糸 一次救命処置 気道確保
救急 胸骨圧迫 パックパルプマスクによる換気

AED

口口口口口口 口口口口口口 口口口口口口 口口口口口口 口口口口口口 口口口口口口
口口口口口口

口口口口口 口 口口口口口 口 口口口口口 口 口口口口口 口 口口口口口 口 口口口口口 口
口口口口口 口

指導医のコメント

指導医のサイン

臨床実習前の確認事項

賠償責任保険 について 医療事故(自分自身の針刺し事故、院内感染等を補償する傷害保険、及び実習施設や患者さんの損害を補償する 損害賠償責任保険)までカバーする保険に入っていますか? (例:学研災付帯学生生活総合保険、医学生教育研 究賠償責任保険等)
保険名称: 連絡先:

ウイルス 抗体価について

抗体価(日付) ワクチン接種(日付)
麻疹
風疹
水痘
ムンプス
B 型肝炎

実習では医療機関に来る不特定多数の人々と接する機会があり、もし感染すると自身の健康を害するだけでな く、仲間や患者さんへ感染を拡大させる危険性がある。空気感染を起こす疾患の場合、サークル活動や講義室で の同席を通じて他学年や他学部へ拡大する懸念もある。 したがってこれらの感染症は予防することが大切で、 ワクチン接種が第一の予防策である。

臨床実習開始までの学修履歴

ここでは、これまでに学んできた内容について、その内容をファイルします。医学部の必修カリキュラムに加 えて、課外活動等についてもまとめておきます。なお、基礎医学研究室等での研究活動の記録については、次項 の「研究活動記録」に記載して下さい。
○プロフェッショナリズムに関する学修内容

 

○総合的に患者・生活者をみる姿勢に関する学修内容

 

○コミュニケーションと多職種連携に関する学修内容

 

○臨床実習導入教育 Introduction to clinical medicine 等の臨床実習開始前の実習内容

 

○その他(基礎医学科目の成績、共用試験の成績、部活動の優秀な成績の記録、ボランティア活動記録、これま でに読んだ本のリスト、他大学や他学部で聴講した講義の記録等)

研究活動の記録

ここには、医学部在学中の研究活動(基礎研究・臨床研究)について記録します。

 

研究室 指導教員
研究活動期間( )年( )月( )日~( )年( )月( )日

研究テーマ 研究活動の概要

 

成果

 

教員のサイン

各診療科

個別の学修目標設定
-学修契約-

このシートは臨床実習の最初に、教員の先生と行うオリエンテーションで使用するものです。最初に教員の先 生から該当科の学修目標について説明がありますので、それを参考にしながら、「自分自身の(独自の)学修目 標」を初日に書いて、教員の先生にコピーを提出してください。この学修目標を基に実習を進めていきます。
※教員の先生方へ:このシートは学生と協同して学修目標を設定する際にご使用ください。先生方が期待する学 修目標と、学生が期待する学修目標との擦り合わせというイメージです。またこの設定のために、必ず臨床実習 の最初にオリエンテーションを行って頂きますよう、お願いいたします。

 

診療科 科

臨床実習における学修目標(学生が教員と共に記入)

1.

2.

3.

シラバスに記載されている臨床実習での教育目標

1.

2.

3.

4.

<記入例:循環器内科> この科の臨床実習の学修目標(学生が教員と共に記入)
1. 心電図の基本的な所見を読めるようになる
2. どのような場合に循環器内科にコンサルトしたらよいかがわかるようになる
3. 心不全の急性期の管理を手伝えるようになる
4. 自分が循環器科に向いているかがわかるようになる

<記入例:精神科> この科の臨床実習の学修目標(学生が教員と共に記入)
1. どのような場合に精神科にコンサルトしたらよいかがわかるようになる
2. 精神科病棟での患者さんの管理を体験する

臨床実習で観察して学んだこと

臨床現場には様々な社会背景をもつ患者さんに対して、たくさんの医療職が様々な業務を行っています。その 様子を観察する中で、気づいたことを記録しておきます。医師と患者の関係性等、様々な視点で観察したことを 観察記録(フィールドノーツ)の形で記録しておくことは、自分自身の医療に対する視点を知ることに役立ちま す。以下の問いはフィールドノーツをつける際の問いの一例ですが、これ以外にも自由に観察したことを記録し ていきましょう。また必要に応じて、指導医や同級生との振り返りにも使用すると学びが深まります。

 

診療科 科

1)今回の臨床実習で得た診療科のイメージはどのようなものですか?

 

2)今回の臨床実習で特に印象に残った診療場面を記述します

 

3)なぜその場面が印象に残ったのでしょうか?

 

4)その他、臨床現場を観察して気づいたことを自由に記述しておきましょう

○○科 実習日誌

 


(月) 日
(火) 日
(水) 日
(木) 日
(金) 休日・当直等 日
教員サイン
(出席確認)
今日の目標
実習内容
今日の振り返り
(学べたこと・反省点等)

※各大学で実習内容を記入したものを学生に配布して下さい

担当入院症例病歴要約

 

提出 No. 診療科名 病院名

患者年齢 歳代、 性別 男性・女性 入院日 年 月 日

退院日 年 月 日

受持期間 自 年 月 日

至 年 月 日

転帰:□治癒 □軽快 □転科(手術 有・無) □不変 □死亡(剖検 有・無)

フォローアップ:□外来で □他医へ依頼 □転院

確定診断名(主病名及び副病名)

【主訴】

【現病歴】

【既往歴】

【生活社会歴】

【家族歴】

【主な入院時現症】

【主要な検査所見】

プロブレムリスト

#1.

#2.

#3.

【入院後経過と考察】

#1.

#2.

#3.

【退院時処方】

【総合考察】

【本症例を通して自身が感じたこと】

記載者: 氏名

担当教員: 氏名

担当外来症例一覧

No.

 

 

1 診察日 年 月 日
病院または施設名 診断 名

年齢 歳代 性別
初診日 転帰
サマリー

No.

 

 

2 診察日 年 月 日
病院または施設名 診断 名

年齢 歳代 性別
初診日 転帰
サマリー

No.

 

 

3 診察日 年 月 日
病院または施設名 診断 名

年齢 歳代 性別
初診日 転帰
サマリー

No.

 

 

4 診察日 年 月 日
病院または施設名 診断 名

年齢 歳代 性別
初診日 転帰
サマリー

No.

 

 

5 診察日 年 月 日
病院または施設名 診断 名

年齢 歳代 性別
初診日 転帰
サマリー

No.

 

 

6 診察日 年 月 日
病院または施設名 診断 名

年齢 歳代 性別
初診日 転帰
サマリー

簡易版臨床能力評価に関する評価表
(mini-CEX mini-Clinical Evaluation eXercise)

学生番号 学生氏名
診療科 科 外来・入院・救急・当直・往診・ その他( )
症状または疾患名
日 時 年 月 日 時 間 : ~ :
症例の 複雑さ 易 ・ 普通 ・ 難
理由: mini-CEX の経験 今回が 初めて・2 回目・3 回目・
( )回目

1 2 3 4 5 6 評価不能
1.病歴(病状の把握)
2.身体診察
3.コミュニケーション能力
4.臨床判断
5.プロフェッショナリズム
6.マネジメント
7.総合臨床能力 □

医学生として望まれる能力を満たす場合に 4(臨床実習修了時(卒業時)のレベル)を、それ以上の場合に 5(臨床研 修の中間時点で期待されるレベル)、6(臨床研修の終了時点で期待されるレベル)を、ボーダーラインで 3(臨床 実習の中間時点で期待されるレベル)を、能力が明らかに劣る場合に 2(臨床実習開始時のレベル)、1(臨床実習 開始前のレベル)を付ける。

「評価不能」は、観察していなくてコメントできない時に付ける。

特に良かった点(観察者記入) 改善すべき点(観察者記入)

観察者と合意した学修課題(学生記入)

観察時間: 分 フィードバックの時間: 分

評価者サイン: 学生サイン:

臨床手技の評価に関する評価表

(DOPS Direct Observation of Procedural Skills)

臨床手技を実施するところを教員の先生に観察してもらい評価してもらうための評価表です。各科で教員に依 頼して、実施した手技について評価してもらって下さい。 ※学生が担当した患者さんの担当医をされている教 員の先生方へ:指導監督の下で学生が実施した臨床手技を、以下の評価基準・評価方法を参考に評価ください。

場面:救急外来・入院患者・一般外来・当直・往診・その他( )
科別: 日時: 年 月 日 手技名:

症例の難易度; 易 普通 難 1 2 3 4 5 6 評価不能
1. 適応、解剖、手技の理解 □ □ □ □ □ □ □
2. インフォームド・コンセントの取得 □ □ □ □ □ □ □
3. 事前の準備 □ □ □ □ □ □ □
4. 技能 □ □ □ □ □ □ □
5. 清潔操作 □ □ □ □ □ □ □
6. 安全への配慮・援助の要請 □ □ □ □ □ □ □
7. 手技後の管理 □ □ □ □ □ □ □
8. コミュニケーション □ □ □ □ □ □ □
9. プロフェッショナリズム □ □ □ □ □ □ □
10. 総合(概略評価) □ □ □ □ □ □ □

望まれる能力のある段階を 4(臨床実習修了時(卒業時)のレベル)として、ボーダーラインが 3(臨床実習の中間 時点で期待されるレベル)、能力が明らかにそれ以下のとき 2(臨床実習開始時のレベル)、1(臨床実習開始前のレ ベル)、それ以上あるとき5(臨床研修の中間時点で期待されるレベル)、6(臨床研修の終了時点で期待されるレベ ル)をつける。「評価不能」は観察していなくてコメントできないときに付ける。

良かった点 改善すべき点

評価者と合意した学修課題

評価者所属 氏名

学生サイン

症例の担当に関する評価表
(CbD Case-based Discussion)

担当患者さんへの関わりについて、診療録(カルテ)や担当した症例の記録に基づいて教員の先生に評価しても らうための評価表です。各科で教員に依頼して、自分の診療活動について評価してもらって下さい。 ※学生が 担当した患者さんの担当医をされている教員の先生方へ:学生の患者への関わりに関して、診療録(カルテ)記載 や症例記録に基づき学生と議論をし、以下の評価基準・評価方法を参考に評価ください。

場面:救急外来・入院患者・一般外来・当直・往診・その他( )

科別: 日時: 年 月 日

症例の複雑さ; 易 普通 難 1 2 3 4 5 6 評価不能
1. 診療録(カルテ)記載 □ □ □ □ □ □ □
2. 臨床診断(アセスメント) □ □ □ □ □ □ □
3. 診療計画 □ □ □ □ □ □ □
4. プロフェッショナリズム □ □ □ □ □ □ □
5. 総合(概略評価) □ □ □ □ □ □ □

望まれる能力のある段階を 4(臨床実習修了時(卒業時)のレベル)として、ボーダーラインが 3(臨床実習の中間 時点で期待されるレベル)、能力が明らかにそれ以下のとき 2(臨床実習開始時のレベル)、1(臨床実習開始前のレ ベル)、それ以上あるとき5(臨床研修の中間時点で期待されるレベル)、6(臨床研修の終了時点で期待されるレベ ル)をつける。評価不能は観察していなくてコメントできないときに付ける。

良かった点 改善すべき点

評価者と合意した学修課題

評価者所属 氏名

学生サイン

多職種による学生評価(360 度評価)

医師以外の医療スタッフに評価をしてもらってください。 ※評価者の方へ:近年、医学生の臨床実習が診療 に参加する形になってきています。学生の評価を皆様の視点からもお願いできればと思います。ご協力をよろし くお願いいたします。

診療科______________

1)臨床実習期間中のこの学生の行動について、よかった点をあげてください。

 

 

 

2)臨床実習期間中のこの学生の行動について、改善したほうがよいと感じた点をあげてください。

3)その他、気づいたことがあれば自由に記載してください。

学生氏名____________

所属_________ 職種_________ 評価者氏名____________

患者さん(含模擬患者)からの感想

担当した患者さん(又は模擬患者さん)に以下のフォーマットに従って感想を書いてもらいます。 ※このシー トを受け取った患者(又は模擬患者)の方へ:学生教育にご協力いただきありがとうございます。担当させていた だいた学生についてコメントを頂けますと幸いです。

診療科

○臨床実習期間中のこの学生の行動について、自由に感想をお聞かせください。

学生の名前

記入者

ローテート終了時の振り返り

 

このシートは、臨床実習の最後で教員の先生とのまとめに使用するものです。最初に立てた学修目標を基に、 自身の臨床実習を振り返ります。

※教員の先生方へ:このシートは臨床実習のローテート終了時の学生評価を行う際にご使用ください。

診療科 科

個別の学修目標設定(学修契約)で記入した臨床実習における学修目標

1.

2.

3.

 

a) 今回の実習で学んだ知識・技能について書いてください

b) 医師としての姿勢について自分が気づいたことを書いてください

c) 当初立てた学修目標(上記)の達成度はどのくらいですか?

d) この臨床実習で気づいた自分自身の課題及びその克服に向けた自己学修計画を書いてみましょう

 

指導医のサイン 月 日

診療科終了時の指導医による評価

 

診療科終了時、教員の先生方に実習の評価をしてもらいます。 ※教員の先生方へ:学修契約で学生が自ら立 てた学修目標を参考に、学生の評価をお願いいたします。この学生が将来立派な医師になり、一人で患者を診察 するようになることをイメージしていただき、是非建設的なご意見をお願いいたします。

診療科 科

個別の学修目標設定(学修契約)で記入した臨床実習における学修目標

(学生が記入)

1.

2.

3.

1)臨床実習期間中のこの学生の行動について、上記の学修目標を基に、よかった点をあげてください。

 

2)臨床実習期間中のこの学生の行動について、上記の学修目標を基に、改善したほうがよいと感じた点をあ げてください。

3)その他、気づいたことがあれば自由に記載してください。

日時 指導医のサイン

学生による臨床実習の評価

本学の臨床実習の改善のため、実際に実習を受けた皆さんの意見を聞かせて下さい。本評価は無記名式で行わ れ、皆さんの学業成績に影響することはありません。ネガティブな部分については建設的な意見を書き加えるこ とを期待します。

1)この科の臨床実習でよかった点を書いて下さい

2)この科の臨床実習で改善したほうがよいと感じる点を書いて下さい

3)この科の臨床実習で学べたことを最初に立てた学修目標を参考に書いて下さい

4)この科の臨床実習での Best Teacher を一人あげて下さい

5)点数をつけるとしたら、この科の臨床実習は 100 点満点中何点ですか?

( 点/100 点)

6)最後に、臨床実習を担当してくれた先生に一言お願いします

ご協力をありがとうございました

○○大学医学部教務委員会

学生を信頼し任せられる役割(EPAs)

1.EPA とは?
資質・能力や学修目標は時に抽象的であるため、臨床現場で学生や研修医を評価する際にイメージしにくいこ とがしばしばある。そのため、学修者に業務をどの程度任せられるかということを通して臨床現場での学修者の 資質・能力を評価する「任せられる業務(EPAs: Entrustable professional activities)」という考え方があ る 。臨床現場での実践と学修目標をつなぐ概念として様々な国で導入されている 。以下では臨床実習において 第 2 章 学修目標を EPA を通して評価する考え方を紹介する。

2.EPA と資質・能力の対応
1 つの EPA に複数の資質・能力が必要となることが多いため、EPA と資質・能力の対応は以下のような表とし て表わされる。

資質・能力 PR GE LL RE PS IT CS CM IP SO

EPA(例)
プ ロ フ ェ ッ シ ョ ナ リ ズ ム
総 合 的 に 患 者
・ 生 活 者 を み る 姿 勢
生 涯 に わ た っ て 共 に 学 ぶ 姿 勢
科 学 的 探 究
専 門 知 識 に 基 づ い た 問 題 解 決 能 力
情 報
・ 科 学 技 術 を 活 か す 能 力
患 者 ケ ア の た め の 診 療 技 能
コ ミ
ュ ニ ケ ー シ
ョ ン


多 職 種 連 携 能 力
社 会 に お け る 医 療 の 役 割 の 理 解
主治医意見書の下書き記載をする。 ● ● ● ●
救急外来でトリアージを行う。 ● ● ●
術前カンファでプレゼンを行う。 ● ●
褥瘡の有無を確認する。 ● ● ● ●

3.EPA のレベル
EPA は以下の 5 段階のレベルで評価する 66F

67。知識・技能・態度などの面で十分に準備ができていると考えた学

修者にその業務を任せてみて観察し、今後もその業務を任せられると考えられるかどうかを評価する。
1)観察のみ
2)同室で直接監視下で実施
3)指導医が数分以内に来られる場で実施
4)指導監視なしで実施

5)他者を指導する

67 Ten Cate O. AM last page: What entrustable professional activities add to a competency-based curriculum. Academic Medicine : Journal of the Association of American Medical Colleges. 2014;89(4):691. https://doi.org/10.1097/ACM.0000000000000161

4.EPA フォーマット作成例

項目名 内容
業務名 救急外来でトリアージを行う。
説明 救急外来来院患者に簡単な情報聴取の上、所見をとって緊急度を判断し、記録・報告する。
主に必要とな る資質・能力 PR,CS,CM プロフェッショナリズム,患者ケアのための診療技能,コミュニケーション能力 上記資質・能力の内でも特に重要となるもの
PR
□ 患者を含めた他者に思いやりをもって接する。
□ 礼儀正しく振る舞う。
CS
□ 全身の外観(体型、栄養、姿勢、歩行、顔貌、皮膚、発声)を評価できる。
□ バイタルサイン(体温、脈拍、血圧、呼吸数、酸素飽和度)の測定ができる。
□ バイタルサインや身体徴候から緊急性の高い状態にある患者を認識できる。
□ 標準予防策(スタンダード・プリコーション)の必要性を説明し、実践できる。
CM
□ 言語的コミュニケーション技能を発揮して、良好な人間関係を築くことができる。
□ 非言語的コミュニケーション(身だしなみ、視線、表情、ジェスチャー等)を意識でき る。
□ 患者や家族に敬意を持った言葉遣いや態度で接することができる。
□ 対人関係に関わる心理的要因(陽性感情・陰性感情等)を認識しながらコミュニケーショ ンをとることができる。
評価を行うロ ーテート(例) 救急外来(大学病院), 救急外来(A 病院)
評価に用いる ツール(例) 指導医評価票, 看護師からの評価票, 患者さんからの評価票, 学生ポートフォリオ
指導監視なし で実施のため に必要とされ る条件 患者さんに適切なコミュニケーションを取り、妥当な緊急性の判断ができる。緊急の際には すぐに助けを呼ぶことができる。
上記に至るま でのトレーニ ング トリアージに関する動画学習とプレテスト, 指導者のトリアージを見学し記録をする, 指導 下にトリアージを行いフィードバックを受ける

5.EPA と EPA では表さない目標
EPA は有用であるものの、研修や実習におけるすべての目標を EPA のみで評価することは難しい 。EPA では表さない目標は、業務として任せられるようになることは目指さないものの、卒業までに習得しておくべきものが 挙げられる。乳房の診察や直腸診等実演できることを目指す項目の習得をシミュレーションで評価する場合など
が該当する。施設や診療科に合わせた EPA を定義して用いることが望ましい。

学修・評価項目を含め、共用試験に関する最新の資料は以下から入手できる。
公益社団法人 医療系大学間共用試験実施評価機構ホームページ(https://www.cato.or.jp/ )

68 Tanaka A, et al. Development of entrustable professional activities for residents rotating nephrology department in a japanese university hospital: A delphi study. BMJ Open. 2021;11(8):e047923. https://doi.org/10.1136/bmjopen-2020-047923

参考資料 2 医学教育モデル・コア・カリキュラム及び歯学教育モデル・コア・カリキュラム改訂 に関する恒常的な組織の設置について

平成19年5月30日 設 置 平 成 2 2 年 6 月 9 日 一 部 改 正 令 和 3 年 5 月 2 1 日 一 部 改 正 高 等 教 育 局 長

1.目 的 医学教育モデル・コア・カリキュラム及び歯学教育モデル・コア・カリキュラム(以下「モデル・コア・カリキュラム」という。)の改訂に関する恒常的な組織を設置する。

2.役 割
(1)医師国家試験出題基準及び歯科医師国家試験出題基準の改正や法制度・名称等の変更に対応した、モデル・ コア・カリキュラムの改訂
(2)学生への教育効果の検証等、モデル・コア・カリキュラムの検証・評価
(3)モデル・コア・カリキュラムの改訂に必要な調査研究
(4)モデル・コア・カリキュラムの関係機関への周知徹底、各大学の取組状況の検証等、モデル・コア・カリキ ュラムの活用に必要な事項
(5)その他モデル・コア・カリキュラムの改訂に必要な事項

3.設置組織の構成等
(1)モデル・コア・カリキュラムの改訂等を決定する組織(モデル・コア・カリキュラム改訂に関する連絡調整委 員会)を設置し、文部科学省が主催する。
(2)(1)の委員会の構成は別紙のとおりとする。 (3)必要に応じ、調査研究等を分担させるため必要な組織を置くことができるものとする。 (4)必要に応じ、関係者からの意見等を聴くことができるものとする。

4.委 員
(1)委員については、医学教育又は歯学教育のカリキュラム、医師又は歯科医師の国家試験等について優れた識 見を有する者、その他関係者のうちから委嘱する。
(2)委員の任期は、委嘱した日の属する会計年度の翌会計年度末までとする。
(3)必要に応じ委員を追加することができる。
(4)委員は再任されることができる。

5.その他
3の組織に関する庶務は、高等教育局医学教育課が処理する。

参考資料 3 医師・歯科医師・薬剤師が関わる法令一覧

「未来の社会や地域を見据え、多様な場や人をつなぎ活躍できる医療人の養成」を達成するためには、医 師・歯科医師・薬剤師が医学的・社会的に求められる責任だけでなく、法的な責務も知る必要がある。医師・ 歯科医師・薬剤師には、多くの義務(届出を含む)、努力義務、権限が法的に規定されているほか、医療の提供 には数多くの法的手続きが含まれている。医学生・歯学生・薬学生にとって、その内容を詳細に知っておく必 要がある法令については、モデル・コア・カリキュラムに組み込まれているものの、その他の法令についても 必要に応じて参照できる能力が求められる。
更にこの一覧は、医学生・歯学生・薬学生にとって医師・歯科医師・薬剤師が貢献を求められる場を知る一 助となることから、多様なキャリアパスの形成を実践するための活用も期待される。
この一覧では、Ⅰ.医学・歯学・薬学教育に関わる法令、Ⅱ.条文に医師、歯科医師、薬剤師及びそれに相 当する語が含まれる法令の名称を列挙する。

Ⅰ. 大学教育(医学・歯学・薬学教育)について定める法令

{文部科学省}
1 医学及び歯学の教育のための献体に関する法律
2 学校教育法
3 教育基本法

{内閣官房}
4 健康・医療戦略推進法

Ⅱ. 条文に医師、歯科医師、薬剤師、学校医、学校歯科医、産業医、矯正医官、医業を営む個人、医療職、 医療に係る人材、医療を提供する者、医療従事者、医療に従事する者、医療を担当する者、医療関係 者、医薬関係者、医学、歯学、薬学に関する専門的知識を有する者、医学、歯学、薬学の課程を修めて 卒業した(者)の語が含まれる法律({ }内に主管省庁部局を示した。共管の場合はそのうちの1つを 示した。)

{厚生労働省}
1 アレルギー疾患対策基本法
2 安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律
3 あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律
4 医師法
5 移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律
6 石綿による健康被害の救済に関する法律
7 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
8 医療法
9 栄養士法
10 外国医師等が行う臨床修練等に係る医師法第十七条等の特例等に関する法律
11 介護保険法
12 覚醒剤取締法
13 確定給付企業年金法

14 確定拠出年金法
15 過労死等防止対策推進法
16 肝炎対策基本法
17 看護師等の人材確保の促進に関する法律
18 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
19 がん対策基本法
20 義肢装具士法
21 救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の確保に関する特別措置法
22 救急救命士法
23 旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する法律
24 検疫法
25 健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法
26 健康増進法
27 健康保険法
28 言語聴覚士法
29 原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律
30 公衆衛生修学資金貸与法
31 厚生年金保険法
32 厚生労働省設置法
33 高度専門医療に関する研究等を行う国立研究開発法人に関する法律
34 公認心理師法
35 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律
36 高齢者の医療の確保に関する法律
37 国民が受ける医療の質の向上のための医療機器の研究開発及び普及の促進に関する法律
38 国民健康保険法施行法
39 国民健康保険法
40 国民年金法
41 子ども・子育て支援法
42 雇用保険法
43 再生医療等の安全性の確保等に関する法律
44 再生医療を国民が迅速かつ安全に受けられるようにするための施策の総合的な推進に関する法律
45 死因究明等推進基本法
46 歯科医師法
47 歯科衛生士法
48 歯科技工士法
49 歯科口腔保健の推進に関する法律
50 死体解剖保存法
51 児童虐待の防止等に関する法律
52 児童福祉法
53 児童扶養手当法
54 視能訓練士法
55 社会福祉法
56 社会福祉士及び介護福祉士法

57 社会保険医療協議会法
58 社会保険診療報酬支払基金法
59 社会保障協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律
60 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律
61 柔道整復師法
62 障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律
63 障害者の雇用の促進等に関する法律
64 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律
65 食品衛生法
66 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律
67 身体障害者福祉法
68 身体障害者補助犬法
69 じん肺法
70 診療放射線技師法
71 水道法
72 成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施
策の総合的な推進に関する法律
73 生活保護法
74 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律
75 精神保健福祉士法
76 船員保険法
77 戦傷病者戦没者遺族等援護法
78 戦傷病者特別援護法
79 臓器の移植に関する法律
80 大麻取締法
81 炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法
82 地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律
83 地域保健法
84 知的障害者福祉法
85 特定石綿被害建設業務労働者等に対する給付金等の支給に関する法律
86 特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律
87 特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法
88 特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第IX因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するた
めの給付金の支給に関する特別措置法
89 毒物及び劇物取締法
90 特別児童扶養手当等の支給に関する法律
91 独立行政法人医薬品医療機器総合機構法
92 独立行政法人国立病院機構法
93 難病の患者に対する医療等に関する法律
94 日本赤十字社法
95 発達障害者支援法
96 ハンセン病問題の解決の促進に関する法律
97 保健師助産師看護師法

98 母子保健法
99 母体保護法
100 麻薬及び向精神薬取締法
101 薬剤師法
102 予防接種法
103 理学療法士及び作業療法士法
104 臨床研究法
105 臨床工学技士法
106 臨床検査技師等に関する法律
107 老人福祉法
108 労働安全衛生法
109 労働基準法
110 労働保険審査官及び労働保険審査会法
111 労働者災害補償保険法
112 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律

{内閣官房}
112 国家公務員災害補償法
113 国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律
114 国家公務員法
115 国家公務員倫理法
116 持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律
117 社会保障制度改革推進法
118 新型インフルエンザ等対策特別措置法
119 武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律

{内閣府}
120 アルコール健康障害対策基本法
121 沖縄振興特別措置法
122 沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律
123 国家戦略特別区域法
124 災害救助法
125 自殺対策基本法
126 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律

{金融庁}
127 保険業法

{国家公安委員会・警察庁}
128 オウム真理教犯罪被害者等を救済するための給付金の支給に関する法律
129 警察等が取り扱う死体の死因又は身元の調査等に関する法律
130 警備業法
131 国外犯罪被害弔慰金等の支給に関する法律
132 酒に酔つて公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律

133 銃砲刀剣類所持等取締法
134 道路交通法
135 犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律
136 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律

{復興庁}
137 東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被 災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律

{総務省}
138 一般職の職員の給与に関する法律
139 過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法
140 消防法
141 地方公務員災害補償法
142 地方公務員等共済組合法
143 地方税法
144 民間事業者による信書の送達に関する法律
145 郵便法

{法務省}
146 家事事件手続法
147 矯正医官修学資金貸与法
148 矯正医官の兼業の特例等に関する法律
149 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律
150 刑事訴訟法
151 刑法
152 更生保護法
153 国際捜査共助等に関する法律
154 国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律
155 戸籍法
156 少年院法
157 少年鑑別所法
158 生殖補助医療の提供等及びこれにより出生した子の親子関係に関する民法の特例に関する法律
159 性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律
160 犯罪捜査のための通信傍受に関する法律
161 婦人補導院法
162 民法
163 民事訴訟法 家事事件手続法
{財務省}
164 国家公務員共済組合法
165 所得税法
166 租税特別措置法

{文部科学省}
167 学校保健安全法
168 教育公務員特例法
169 公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する法律
170 私立学校教職員共済法
171 スポーツ基本法
172 スポーツにおけるドーピングの防止活動の推進に関する法律
173 令和三年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法

{農林水産省}
174 遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律
175 食育基本法
176 独立行政法人農業者年金基金法
177 農業協同組合法

{経済産業省}
178 特許法

{国土交通省}
179 奄美群島振興開発特別措置法
180 小笠原諸島振興開発特別措置法
181 航空法
182 船員法
183 放射性同位元素等の規制に関する法律
184 離島振興法

{環境省}
185 公害健康被害の補償等に関する法律
186 水俣病の認定業務の促進に関する臨時措置法

{原子力規制委員会}
187 放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律

{防衛省}
188 自衛隊員倫理法
189 自衛隊法
190 武力攻撃事態及び存立危機事態における捕虜等の取扱いに関する法律
191 防衛省設置法
192 防衛省の職員の給与等に関する法律

{その他}
193 議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律
194 国会職員法

参考資料 4 略語集

略語 名称/用語 和訳
A
A-aDO2 Alveolar-arterial oxygen difference 肺胞気-動脈血酸素分圧較差
ABPA Allergic bronchopulmonary aspergillosis アレルギー性気管支肺アスペルギルス症
ACP Advance care planning アドバンス・ケア・プランニング
ADHD Attention deficit hyperactivity disorder 注意欠如・多動症
ADL Activities of daily living 日常生活動作
AFP Alpha-fetoprotein アルファフェトプロテイン
AI Artificial intelligence 人工知能
AIDS Acquired immunodeficiency syndrome 後天性免疫不全症候群
AKI Acute kidney injury 急性腎障害
AR Augmented reality 拡張現実
ARDS Acute respiratory distress syndrome 急性呼吸促迫症候群
ASD Autism spectrum disorder 自閉症スペクトラム症
AYA Adolescent and young adult 思春期・若年成人
B
BPRS Brief psychiatric rating scale 簡易精神症状評価尺度
BYOD Bring your own device 私物利用
CA19-9 Carbohydrate antigen 19-9
C
CbD Case-based discussion 事例を基にした学修
CBT Computer based testing コンピューターを用いた客観試験
CC-EPOC Clinical clerkship e-portfolio of clinical training オンライン臨床教育評価システム
CEA Carcinoembryonic antigen 癌胎児性抗原
CKD Chronic kidney disease 慢性腎臓病

CMS Course management system コース管理システム
COPD Chronic obstructive pulmonary disease 慢性閉塞性肺疾患
CPC Clinico-pathological conference 臨床病理検討会
CT Computed tomography コンピューター断層撮影
D
DIC Disseminated intravascular coagulation 播種性血管内凝固
DIHS Drug-induced hypersensitivity syndrome 薬剤性過敏症症候群
DNA Deoxyribonucleic acid デオキシリボ核酸
DOPS Direct observation of procedural skills 直接観察による臨床手技の評価
E
EBM Evidence-based medicine 根拠に基づく医療
F
FD Faculty development ファカルティ・ディベロップメント
FD Functional dyspepsia 機能性ディスペプシア
FSH Follicle-stimulating hormone 卵胞刺激ホルモン
G
G-CSF Granulocyte colony stimulating factor 顆粒球コロニー刺激因子
GERD Gastroesophageal reflux disease 胃食道逆流症
GVHD Graft versus host disease 移植片対宿主病
H
hCG Human chorionic gonadotropin ヒト絨毛性ゴナドトロピン
HIV Human immunodeficiency virus ヒト免疫不全ウイルス
HSG Hysterosalpingography 子宮卵管造影
HTLV-1 Human T-lymphotropic virus type 1 ヒト T 細胞白血病ウイルス
HUS Hemolytic uremic syndrome 溶血性尿毒症症候群
I
ICD International statistical classification of diseases and related health problems 疾病及び関連保健問題の国際統計分類

ICF International classification of functioning, disability and health 国際生活機能分類
ICT Information and communication technology 情報科学技術
IoT Internet of things
IRDS Infantile respiratory distress syndrome 新生児呼吸窮迫症候群
ITP Immune thrombocytopenia 免疫性血小板減少性症
IVF-ET In vitro fertilization embryo transfer 体外受精胚移植
J
JIA Juvenile idiopathic arthritis 若年性特発性関節炎
L
LAM Lymphangioleiomyomatosis 肺リンパ脈管筋腫症
LGBTQ Lesbian, gay, bisexual, transgender, questioning
LH Luteinizing hormone 黄体形成ホルモン
LMS Learning management system 学習管理システム
M
M&M Mortality & morbidity
MCQ Multiple choice question 多肢選択式問題
mini-CEX Mini-clinical evaluation exercise 簡易版臨床能力評価
MMSE Mini-mental state examination 精神状態短時間検査
MR Mixed reality 複合現実
MRI Magnetic resonance imaging 磁気共鳴画像
O
Off-JT Off-the-job training 実務と離れて行う学修
OJT On-the-job training 実務経験を通じた学修
OSCE Objective structured clinical examination 客観的臨床能力試験
P
PAL Peer-assisted learning 同僚支援学習

PARDS Pediatric acute respiratory distress syndrome 小児急性呼吸窮迫症候群
PBC Primary biliary cholangitis 原発性胆汁性胆管炎
PBL Problem-based learning 問題基盤型学習
PCCM Patient centered clinical method 患者中心の医療の方法
PECO Patient, population, problem, exposure, comparison, outcome
PET Positron emission tomography ポジトロン断層撮影法
PI Principal investigator 研究主宰者
PICO Patient, population, problem, intervention, comparison, outcome
PIVKA-Ⅱ Protein induced by vitamin K absence or antagonist Ⅱ
PUVA
therapy Psoralen with ultraviolet A therapy ソラレン紫外線療法
Q
QOL Quality of life クオリティ・オブ・ライフ
R
RNA Ribonucleic acid リボ核酸
ROC Receiver operating characteristic 受信者操作特性
S
SD Staff development スタッフ・ディベロップメント
SDH Social determinants of health 健康の社会的決定要因
SEA Significant event analysis 有意事象分析
SIADH Syndrome of inappropriate ADH secretion 抗利尿ホルモン不適切分泌症候群
SIDS Sudden infant death syndrome 乳児突然死症候群
SLE Systemic lupus erythematosus 全身性エリテマトーデス
SNS Social networking service ソーシャル・ネットワーキング・サービス
SOAP Subjective, objective, assessment, plan 主観的所見・客観的所見・評価・計画
SSSS Staphylococcal scalded skin syndrome ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群

STAI State-trait anxiety inventory 状態特性不安検査
T
TBL Team-based learning チーム基盤型学習
TEN Toxic epidermal necrolysis 中毒性表皮壊死症
Th cell Helper T cell ヘルパーT 細胞
TORCH Toxoplasma gondii, others, treponema pallidum, rubella virus, cytomegalovirus, and herpes simplex virus 周産期領域における先天性感染症
U
UHC Universal health coverage ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ
V
VLE Virtual learning environment 仮想学修環境
VR Virtual reality 仮想現実
W
WPW
syndrome Wolff-Parkinson-White syndrome ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群

索引

 

 

A-aDO2, 74
ACP, 25
ADHD, 63, 65
AFP, 75
AIDS, 32, 56, 62, 66, 67
ARDS, 91, 192
ASD, 63 authenticity, 209

BPRS, 84

CC-EPOC, 12, 153, 209
CEA, 75
closing volume, 74
COPD, 58, 91, 192
CPC, 45
CT, 37, 70, 72, 74, 75, 76, 77, 84, 93,
144, 175

DIC, 39, 54, 62
DIHS, 55
DNA, 29, 31
DOPS, 12, 153, 205, 207, 211, 244

EBM, 18, 22, 29
EPA, 137, 251, 253

G-CSF, 69
GERD, 59, 91, 192
Guillain-Barré 症候群, 55
GVHD, 54

hCG, 77
Helicobacter pylori 感染症, 59
HIV, 62, 67
HSG, 77

ICD, 51

IRDS, 59, 63


Li-Fraumeni 症候群, 68
LMS, 100, 102, 125, 126, 129, 139, 144,
146


M&M カンファレンス, 45
Mallory-Weiss 症候群, 59, 91
MCQ, 108, 113, 137, 140, 143
mini-CEX, 137, 153, 205, 206, 211, 243
MMSE, 84
MRI, 37, 70, 72, 73, 74, 75, 76, 77, 80,
84, 93, 144, 175


Nikolsky 現象, 71

OJT, 99, 133

PBL, 96, 98, 100, 103, 135, 136, 137
PECO, 22
PET, 37, 74
PICO, 22


Ramsay Hunt 症候群, 55
RNA, 29, 31

SEA, 104, 115, 116
SLE, 92, 193
SNS, 40, 41, 138, 139
SOAP, 172
SSSS, 55, 62
STAI, 84
Stevens-Johnson 症候群, 55

TBL, 103, 135, 136, 137, 144
TEN, 55
torsades de pointes, 57
TTP, 54

Tzanck 試験, 71

UHC, 25

Workplace-based Assessment, 7, 106,
109, 130


悪心, 75, 78, 79, 82, 86, 88, 91, 193
悪性関節リウマチ, 65
悪性黒色腫, 67
悪性腫瘍, 32, 91, 92, 192, 193
悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症, 64
悪性リンパ腫, 62, 67, 92, 193
アクチンフィラメント, 29
顎関節症, 65
アシドーシス, 38, 60, 91, 192, 193
アシドーシス(代謝性・呼吸性), 60
アセチルコリン, 70
アセトン血性嘔吐症, 63
アテトーシス, 70
アドヒアランス, 43, 121, 122
アトピー性皮膚炎, 55, 91, 192
アナフィラキシー, 38, 65, 91, 192
アナフィラキシーショック, 45
アポトーシス, 32
アミノ酸, 29, 30
アミノ酸代謝異常, 32
アミロイド腎症, 61
アルカローシス, 60
アルコール性肝障害, 60
アルドステロン, 76
アルドステロン過剰症, 64
アレルギー, 32, 58, 64, 65, 164, 169, 206
アレルギー性気管支肺アスペルギルス
症(ABPA), 58
アレルギー性疾患, 36
アレルギー性鼻炎, 64, 91, 192
アレルギー歴, 42, 171
アンギオテンシン II, 76
アンチ・ドーピング, 43
アンプロフェッショナル, 208, 209
安楽死, 25

胃アニサキス症, 59 胃液, 75 イオンチャネル, 29

異化, 30 異型性, 32 胃管, 94, 168
胃癌, 67, 91, 193
憩室炎, 91, 192
憩室出血, 91, 193
異形成, 32
意識障害, 70, 73, 79, 84, 86, 88, 91, 192
意識レベル, 89, 174
医師像, 213
医師法, 45, 52, 110, 111, 155, 167, 173,
174, 175
異常産褥, 62
異状死, 51
異常乳汁分泌, 80
異常妊娠, 61
異常分娩, 61
移植, 44, 77
胃食道逆流症, 59, 91, 192
移植片対宿主病, 44, 54
石綿肺, 58
胃切除後症候群, 59
移送, 94
依存症, 65
一次救命処置, 45, 169
一過性脳虚血発作, 54, 92, 193
一酸化炭素中毒, 38
遺伝医療, 36
遺伝カウンセリング, 36
遺伝学的検査, 36
遺伝子, 28, 29, 31, 32, 37, 39, 69, 93
遺伝子再構成, 31
遺伝情報, 29, 36
遺伝性疾患, 171
遺伝性乳癌卵巣癌症候群, 68
遺伝性ニューロパチー, 55
遺伝性非ポリポーシス性大腸癌(Lynch
症候群), 68
遺伝様式, 32
異物, 65
胃ポリープ, 59
医療安全, 45, 111, 152, 160, 164, 166,
168, 172, 173, 178, 203
医療過誤, 45, 46, 170
医療関連感染, 36, 45, 66, 136
医療関連肺炎, 66
医療計画, 52
医療経済, 52
医療系大学間共用試験実施評価機構,
110, 111, 253
医療サービス, 166, 167
医療資源, 23, 52
医療社会学, 25, 53
医療人類学, 25, 53
医療チーム, 160, 201
医療の質, 42, 45
医療費, 124
医療法, 52, 155, 167

医療保険, 50
医療面接, 22, 36, 37, 42, 103, 110, 135,
141, 143, 144, 147, 152, 155, 168,
191, 201, 202, 205, 226
陰茎, 77
インシデント, 46, 166
飲酒, 25
インターベンショナルラジオロジー, 38,
43
咽頭, 30, 65, 83, 89, 121
咽頭炎, 64, 66, 136
咽頭癌, 68
咽頭痛, 83, 86, 121
院内感染, 45, 164, 165, 203, 233
院内暴力, 152, 166
陰嚢内腫瘤, 61
インフォームド・コンセント, 43, 158, 207,
244
インプリンティング, 29
インフルエンザ, 67
インフルエンザ菌, 67


ウイルス, 31, 32, 91, 92, 135, 192, 193,
233
ウイルス感染, 31
ウイルス粒子, 31
植え込み型除細動器, 73
う蝕, 65
右心不全, 57
うっ血, 32
うっ血乳頭, 64
うつ病, 65, 84, 91, 92, 192, 193
運動, 24, 25, 30, 33, 56, 67, 72, 73, 89,
96, 108, 124, 125, 126, 127
運動器の障害, 57
運動器慢性疼痛, 57
運動野, 70
運動負荷心電図, 73
運動麻痺, 70, 72, 88, 92, 193


栄養, 24, 25, 30, 35, 39, 42, 50, 63, 68,
81, 170, 252
栄養アセスメント, 44
栄養ケア・マネジメント, 44
栄養サポートチーム, 44
栄養障害, 24
栄養障害性ニューロパチー, 54
栄養マネジメント, 24
栄養療法, 44
疫学, 31, 33, 34, 35, 36, 42, 51, 74, 135,
195, 196
壊死性筋膜炎, 55
エストロゲン, 77
壊疽, 71

壊疽性膿皮症, 56
エックス線撮影, 72, 74, 75, 76, 93
エネルギー消費量, 30
エピゲノム, 29, 37
エリスロポエチン, 69, 76
嚥下, 75
嚥下困難, 79, 83, 91, 192
嚥下障害, 24
遠視, 64
炎症, 31, 32, 54, 92, 193
炎症性腸疾患, 91, 92, 193
エンド・オブ・ライフ・ケア, 23, 25
延命治療, 25

横隔神経麻痺, 59 横隔膜ヘルニア, 59 黄体形成ホルモン, 77
黄疸, 69, 75, 79, 86, 92, 171, 193
横断研究, 51
嘔吐, 75, 78, 79, 82, 86, 88, 91, 193
オピオイド, 43
温度覚, 70, 89


ガーゼ交換, 168
臥位, 42
介護, 5, 23, 24, 49, 99, 122, 123, 147,
148, 215
開口障害, 83
介護保険, 50
外耳, 83
外耳炎, 64
外耳道, 65, 89
外傷, 38, 39, 45, 56, 61, 65, 92, 175, 193
疥癬, 56
回旋異常, 61
改訂長谷川式簡易知能評価スケール,
84
介入研究, 51
外反膝, 57
外反母趾, 57
外部被ばく, 39
潰瘍, 71
潰瘍性大腸炎, 59
外用薬の貼付・塗布, 94, 168
外用療法, 71
解離性障害, 65
ガウンテクニック, 94, 168
化学損傷(アルカリ・酸), 64
科学的探究, 18, 27, 99, 112, 118, 119,
132, 180, 215, 251
過換気症候群, 59, 65
核医学, 37, 74, 93, 175
角化症, 55
学修契約, 196, 211, 236, 248, 249

学修と評価の記録, 153, 204, 208, 211,
212
学修目標, 19, 96, 99, 106, 111, 112, 153,
155, 157, 161, 162, 179, 180, 195,
196, 203, 204, 205, 208, 211, 236,
248, 249, 250
学生教育研究災害傷害保険, 165
喀痰, 74
喀痰検査, 74
確定診断, 239
角膜反射, 82
家系図, 36, 171
下肢静脈瘤, 58
過食, 30
下垂体腫瘍, 63, 68
下垂体ホルモン, 81
ガス交換, 74
かぜ症候群, 58, 91, 192
家族性大腸腺腫症, 68
家族歴, 42, 170, 171, 239
肩関節周囲炎, 57
肩こり, 57
喀血, 74, 86, 91, 192
学校保健, 50, 164
褐色細胞腫, 68
活性酸素, 30
活動性低下, 79
活動電位, 29
合併症妊娠, 62
カテーテルアブレーション, 73
可動域検査, 72
化膿性関節炎, 56, 92, 193
化膿性脊椎炎, 56, 92, 193
痂皮, 71
過敏性腸症候群, 59, 91, 92, 192, 193
過敏性肺炎, 58
貨幣状湿疹, 55
顆粒球コロニー刺激因子, 69
カルシウム代謝異常, 91, 193
カルテ, 152, 172, 178, 207, 245
加齢黄斑変性, 64
川崎病, 63, 66
簡易血糖測定, 94, 169
簡易精神症状評価尺度, 84
簡易版臨床能力評価法, 179
肝炎ウイルス, 75
感覚障害, 70, 72, 92, 193
感覚野, 70
肝芽腫, 68
肝癌, 60, 68, 92, 193
換気血流比, 74
眼球, 82, 175
眼球運動, 82, 83, 89
眼球運動障害, 82
換気力学, 74
眼瞼の異常, 64
肝硬変, 60, 91, 92, 192, 193

看護師, 142, 143, 145, 160, 162, 165,
174, 195, 201, 252
観察研究, 51
鉗子・吸引分娩, 78
患者確認, 42, 46
患者情報, 42, 163, 178
患者の安全, 167, 194
患者の自己決定, 47
患者のプライバシー, 47, 141, 163
患者満足度, 121
環状紅斑, 55
汗疹, 56
関節, 57, 72, 89, 124, 125
関節液検査, 72
関節炎, 57, 66
関節拘縮, 57
関節可動域, 124, 125, 126
関節痛・関節腫脹, 72, 85, 86, 92, 193
関節リウマチ, 65, 92, 193
乾癬, 55
感染経路, 31, 36
感染経路別予防策, 37
感染宿主, 31
感染症, 24, 31, 36, 37, 42, 50, 54, 56, 62,
66, 86, 91, 92, 100, 135, 138, 192,
193
乾癬性関節炎, 66
感染性心内膜炎, 57, 66, 91, 136, 192
感染性腸炎, 59
感染対策マニュアル, 46
肝臓病, 67
眼底検査, 82, 89
眼底変化, 64
冠動脈, 73
冠動脈 CT, 73
冠動脈造影, 73
冠動脈バイパス術, 73
嵌入爪, 56
肝膿瘍, 60
鑑別診断, 42, 135, 137, 171, 192, 206,
227
漢方医学, 43
漢方薬, 43
がん免疫, 38
顔面神経麻痺, 55
冠攣縮性狭心症, 57
緩和ケア, 23, 38


既往歴, 42, 170, 171, 206, 239
飢餓, 30
期外収縮, 57
気管支炎, 58, 91, 192
気管支拡張症, 59, 91, 192
気管支喘息, 58, 62, 91, 192
気管支内視鏡, 74
気管切開, 83

気管挿管, 44, 169 気胸, 59, 91, 192 気胸(自然・緊張性・外傷性), 59 奇形腫を含む胚細胞腫瘍, 68 危険因子, 43
義肢, 44 義手, 44 気腫性嚢胞(ブレブ・ブラ), 58 記述研究, 51
寄生虫, 31, 32, 135, 136
基礎医学, 27, 29, 99, 118, 133, 135, 136,
147, 148, 234
義足, 44
基礎体温測定, 77
喫煙, 25, 147, 171
拮抗薬, 32, 38
基底細胞癌, 67
気道, 38, 74, 91, 169, 192
気道異物, 63
気道確保法, 44
気道狭窄, 83
気道内吸引, 94, 168
機能性月経困難症, 61
機能性消化管障害, 59
機能性ディスペプシア, 59, 91, 192
基本診療科, 90
肝腫大, 75
肝性脳症, 60
逆流性食道炎, 59
嗅覚, 70, 83
嗅覚障害, 83
救急・集中治療, 23, 38, 63, 88
救急医療, 38, 161
丘疹, 71
急性胃腸炎, 60, 91, 92, 192, 193
急性胃粘膜病変, 59
急性影響, 39
急性肝炎, 60, 91, 92, 192, 193
急性肝不全, 60
急性冠症候群, 91, 192
急性喉頭蓋炎, 65, 91, 192
急性硬膜外血腫, 55
急性呼吸促(窮)迫症候群(ARDS), 59
急性糸球体腎炎, 60
急性出血性直腸潰瘍, 59
急性上気道感染症, 58
急性腎盂腎炎, 61
急性腎炎症候群, 76
急性心筋炎, 57
急性心筋梗塞, 38, 57, 91, 147, 193
急性腎障害, 60
急性腎障害(AKI), 60
急性心不全, 57
急性心膜炎, 57, 91, 192
急性膵炎, 60, 91, 92, 192, 193
急性ストレス障害, 65
急性大動脈解離, 38, 58, 91, 92, 192,
193

急性虫垂炎, 59, 91, 192, 193
急性脳症, 62
急性白血病, 62, 67
急性副腎不全, 91, 192
急速進行性腎炎症候群, 76
吸入麻酔, 44
胸郭出口症候群, 56
胸郭変形(漏斗胸), 59
共感, 47, 142, 206
凝固, 69, 75, 93
凝固・線溶・血小板機能検査, 69, 93
胸腔内圧, 74
胸水, 73, 74, 86
胸水検査, 74, 93
行政解剖, 51
胸腺, 67, 69
強直性脊椎炎, 66
胸痛, 73, 74, 86, 88, 91, 192
強迫性障害, 65
胸部圧迫感, 74
胸部単純エックス線撮影, 73
胸膜炎, 59, 91, 192
胸膜腔, 74
胸膜生検, 74
胸膜中皮腫, 67
共用試験, 107, 109, 110, 111, 112, 113,
135, 141, 155, 162, 167, 173, 174,
175, 176, 203, 234, 253
局在関連てんかん, 55
局所麻酔, 43, 175
虚血性心疾患, 57, 73
虚血性大腸炎, 59, 91, 192, 193
巨細胞性動脈炎, 66, 92, 193
拒絶反応, 44
起立性低血圧, 58
筋萎縮性側索硬化症, 54, 92, 193
禁忌, 38, 43, 44, 76
緊急性, 44, 45, 111, 204, 252
筋骨格系, 72, 89
近視, 64, 112
筋弛緩薬, 44
筋損傷, 56
緊張型頭痛, 55, 92, 193
緊張性気胸, 38, 91, 192
筋電図, 175
筋肉注射, 94
筋力低下, 70, 72, 88, 92, 193

空気感染予防策, 37 クエン酸回路, 30 クスコ診, 89 屈折異常, 64
くも膜下出血, 38, 54, 91, 92, 192, 193
クラミジア, 31
グリーフケア, 25
グリコーゲン, 30

クループ症候群, 58, 62
くる病, 56
黒質, 70
クロストリディオイデス・ディフィシル感
染, 66

経皮的冠動脈形成術, 73 経皮的酸素飽和度, 169 経管・経腸栄養, 44, 75 経静脈栄養, 44
形成的評価, 107, 113, 205, 208
珪肺, 58
頸部血管, 89
頸部痛, 72
頸部膿瘍, 65
頸部リンパ節炎, 65
けいれん, 70, 79, 86, 88, 91, 192
外科手技, 94
下血, 75, 79, 86, 91, 193
血圧, 32, 42, 61, 64, 73, 142, 147, 171,
252
血液型, 93
血液型判定, 169
血液疾患, 62, 67
血液腫瘍, 68
血液製剤, 44
血液透析, 76
血液脳関門, 70
結核, 37, 45, 91, 92, 192, 193
血管, 30, 38, 61, 70, 73, 75, 76, 89, 91,
144, 169, 171, 192
血管炎, 36, 61, 63, 66
血管炎症候群, 61, 66
血管作動性物質, 76
血管内治療, 75
血管内留置カテーテル関連感染, 66
血球貪食症候群, 54
血胸, 59
月経異常, 77, 78, 81, 92, 193
血行障害, 32
血行動態, 73
血算, 93
血漿タンパク質, 69
血小板, 69
結晶誘発性関節炎, 66
結節, 71
結節性紅斑, 55, 91, 192
結節性多発動脈炎, 66
血栓, 32, 58
血栓傾向, 54, 69
血栓性血小板減少性紫斑病, 54
血痰, 74, 86, 91, 192
血尿, 76, 85, 86, 92, 193
血便, 86
結膜, 89
結膜炎・角膜炎, 64

血友病, 54
ゲノム, 29, 32, 37
ゲノム医療, 36
ゲノム解析, 29
下痢, 75, 79, 86, 92, 193
ケロイド, 56
腱・靱帯・半月板損傷, 56
検案, 45, 51, 175
幻覚・妄想, 84
見学型臨床実習, 176
原核細胞, 29
研究活動, 18, 27, 132, 133, 195, 211,
215, 234, 235
研究室配属, 27, 132, 133, 134, 135, 138,
141, 144, 147
研究デザイン, 51
研究マインド, 195
限局性学習症, 63
健康管理, 24, 45, 152, 164
健康寿命, 25, 51, 52
健康診断, 142, 164
言語野, 70
腱鞘炎, 57
減数分裂, 29
原発性アルドステロン症, 64
原発性硬化性胆管炎, 60
原発性胆汁性胆管炎(PBC), 60
原発性免疫不全症, 32, 66
腱反射, 89
顕微鏡的多発血管炎, 66
現病歴, 42, 171, 206, 239

高・低カリウム血症, 60 高・低カルシウム血症, 60 高・低ナトリウム血症, 60 高・低マグネシウム血症, 60 高・低リン血症, 60
構音障害, 70
口蓋扁桃肥大症, 65
口角炎, 65
膠芽腫, 67
交感神経系, 70
抗菌薬適正使用, 36
高血圧緊急症, 58
高血圧症, 58
高血糖高浸透圧症候群, 64
抗原提示, 31, 32
膠原病, 36
膠原病血管炎関連性間質性肺炎, 58
口腔, 30, 35, 64, 65, 68, 83, 89
口腔機能管理, 65
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症, 66
好酸球性肺炎, 58
抗酸菌, 31
抗糸球体基底膜病(抗 GBM 病), 61, 66
恒常性, 30

甲状腺, 81, 89 甲状腺炎, 63 甲状腺癌, 68
甲状腺機能亢進症, 63, 91, 92, 192, 193
甲状腺機能低下症, 63, 91, 92, 192, 193
甲状腺疾患, 62, 63
甲状腺腫, 81
口唇, 89
光線テスト, 71
酵素, 30
梗塞, 32
叩打痛, 89
好中球減少, 67
後天性免疫不全症候群(AIDS), 32, 56,
62, 66, 67
喉頭, 64, 65, 83
喉頭炎, 65
喉頭蓋炎, 65
行動科学, 22, 27, 124, 125, 126, 127,
141, 142, 203
喉頭癌, 68
喉頭鏡, 83
行動変容, 47, 127, 141
口内炎, 65
高尿酸血症, 64
更年期障害, 61, 92, 193
紅斑, 55, 71
紅皮症, 55
高プロラクチン血症, 63
興奮収縮連関, 73
硬膜外麻酔, 43
硬膜下血腫, 55
交絡, 51
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群
(SIADH), 63
抗リン脂質抗体症候群, 54, 66
高齢者総合機能評価, 24, 168
誤嚥性肺炎, 58
呼気 NO 検査, 74
呼吸, 24, 30, 34, 37, 38, 39, 58, 59, 60,
62, 67, 74, 91, 170, 171, 192
呼吸運動, 74
呼吸音, 89
呼吸器感染症, 58
呼吸機能検査, 74, 93
呼吸器理学療法・リハビリテーション, 74
呼吸筋, 74
呼吸困難, 73, 74, 79, 85, 86, 88, 91, 192
呼吸数, 42, 74, 252
呼吸中枢, 74
呼吸調節, 74
呼吸不全, 58
国際生活機能分類, 24
心周期, 73
心停止, 38
心内圧, 73
腰背部痛, 72, 73, 86, 92, 193

個人情報, 40, 115, 138, 139, 152, 172,
173, 178, 206, 209
個人防護具, 37, 135, 136
五炭糖リン酸回路, 30
骨塩定量, 72
骨格筋, 30, 70
骨形成, 72
骨髄, 69
骨髄異形成症候群, 54, 67
骨髄炎, 56
骨髄検査(骨髄穿刺、骨髄生検), 69
骨髄生検, 69
骨髄線維症, 67
骨髄穿刺, 69
骨折, 56, 72, 92, 193
骨粗鬆症, 56, 125
骨軟化症, 56
骨肉腫, 67
骨盤, 72, 77
固定姿勢保持困難, 70
固定薬疹, 55
異所性妊娠, 61, 91, 192
個別同意, 152, 167, 174, 176, 177
コホート研究, 51
鼓膜, 89
鼓膜損傷等, 65
ゴルジ体, 29
根拠に基づいた医療(EBM), 18, 22, 29
混合性結合組織病, 66
コンサルテーション, 45, 84, 172, 195,
196
コンパートメント症候群, 56

座位, 42 災害拠点病院, 51 細気管支炎, 58, 62 鰓弓, 30
細菌, 31, 32, 93, 135
細菌学検査, 93
細菌叢, 31
細隙灯顕微鏡検査, 82
再生不良性貧血, 54
砕石位, 42
在宅医療, 23, 145, 146, 161
サイトカイン, 39
鰓嚢, 30
細胞, 29, 30, 31, 32, 38, 39, 71, 80, 92,
193
細胞間質, 30
細胞骨格, 29
細胞死, 32, 39
細胞傷害, 32
細胞傷害性 T 細胞, 31
細胞内液, 29
細胞内シグナル伝達, 29
細胞内膜系, 29

細胞内輸送システム, 30
細胞膜, 29, 30
細胞診, 37, 75, 93
作業療法, 44, 144, 145
鎖肛, 59, 62
坐骨神経痛, 55
匙状爪, 56
左心不全, 57
嗄声, 83
挫滅症候群, 56
サルコイドーシス, 58
サルコペニア, 24, 57, 125
酸・塩基平衡, 60, 76
酸化ストレス, 30
酸化的リン酸化, 30
産業保健, 50, 147
三叉神経痛, 55
産褥, 78
産褥熱, 62
三尖弁閉鎖不全, 57
酸素, 32, 42, 74, 169, 252
酸素療法, 74
三大栄養素, 81


死因・身元調査法解剖, 51
歯科, 65, 195, 255
耳介, 89
自家感作性皮膚炎, 55
視覚, 30, 35, 64, 68, 70, 82, 96
痔核, 59, 91, 193
弛緩出血, 62
色素斑, 71
子宮筋腫, 61
子宮頸癌, 68
子宮腺筋症, 61
糸球体, 60, 76, 92, 193
子宮体癌, 68, 92, 193
糸球体濾過量, 76
子宮卵管造影, 77
子宮内膜癌, 68
子宮内膜症, 61, 91, 92, 192, 193
子宮復古不全, 62
耳鏡, 83, 89, 168
軸索, 30
止血, 69, 75, 169
嗜好, 42, 206
自己炎症性疾患, 66
自己学習, 41, 155, 201, 202, 248
自己抗体, 85
自己省察能力, 204
自己血輸血, 44
自己評価, 98, 115, 124, 125, 140, 145
自己免疫疾患, 32, 36
自己免疫性肝炎, 60
自己免疫性膵炎, 60
自己免疫性溶血性貧血, 54

脂質, 30, 31, 81, 147
資質・能力, 18, 105, 106, 107, 109, 111,
112, 152, 195, 208, 211, 215, 251,
252
脂質異常症, 64
脂質代謝異常, 32, 64
歯周病, 65
思春期, 24
視床下部, 70
視床下部下垂体炎, 63
視床下部ホルモン, 81
視診, 89
視神経, 64
視神経炎, 64
システムレビュー, 42
ジストニア, 70
事前確率, 22
自然気胸, 91, 192
事前指示書, 25
自然毒, 38
自然免疫, 31, 32
持続性血尿症候群, 76
死体検案書, 51
市中感染症, 36, 66
失語症, 70
失神, 73, 88, 91, 192
湿疹, 55
湿疹, 192
湿疹三角, 55
湿疹反応, 55
質問紙法, 84
児童虐待, 50
シナプス, 29
紫斑, 71
紫斑病性腎炎, 63
自閉スペクトラム症(ASD), 65
司法解剖, 51
脂肪肝, 60
死亡診断書, 51
視野, 18, 48, 50, 89, 140, 147, 215
視野異常, 82
社会医学, 27, 99, 133, 147, 148, 149,
203
社会保障制度, 50
社会歴, 42, 121, 171, 239
若年性特発性関節炎(JIA), 66
視野検査, 82
射精, 77
射精障害, 77
縦隔, 59, 74
縦隔炎, 59
縦隔気腫, 59
縦隔腫瘍, 67
周期性四肢麻痺, 55
充血, 32, 82
収縮性心膜炎, 57
周術期, 43
重症筋無力症, 55

羞恥心, 204 羞恥的医行為, 202, 204 集中治療室, 39, 172 絨毛癌, 68
宿主, 30, 36
手根管症候群, 56
酒皶様皮膚炎, 56
手指消毒, 168
手術, 38, 39, 43, 168, 169, 170, 172, 239
手術部位感染, 66
主訴, 22, 42, 123, 135, 171, 195, 196,
239
出血傾向, 54, 69
出血性貧血, 54
術後合併症, 43
出生前遺伝学的検査, 78
術前評価, 44
術中迅速診断, 93
受動輸送, 29
守秘義務, 206
腫瘍, 32, 37, 38, 43, 67, 68, 77, 87, 99
受容体, 29, 32
腫瘍による脊髄圧迫, 68
腫瘍による代謝障害, 68
腫瘍崩壊, 38, 68
腫瘍マーカー, 37, 75
循環器疾患, 62
循環血液量減少性ショック, 38
循環調節, 73
循環反応, 73
準備教育, 104, 139
常位胎盤早期剥離, 62
生涯学習, 26, 98
障害者総合支援法, 50
障害者福祉, 50, 84
消化管異物, 63
消化管運動, 75
消化管ポリポーシス, 60
消化管ホルモン, 75
消化性潰瘍(胃潰瘍・十二指腸潰瘍),
59, 91, 192, 193
常在菌, 30
症状性精神病, 65
上皮小体, 81
掌蹠膿疱症, 55, 66
上大静脈症候群, 38, 58, 68
状態特性不安検査(State-Trait Anxiety
Inventory (STAI)), 84
小腸, 59, 75
上腸間膜動脈閉塞症, 59
消毒, 168
小児, 24, 25, 34, 35, 37, 47, 62, 64, 68,
76, 79, 122, 136, 141, 168
小児急性呼吸窮迫症候群(PARDS), 63
小脳, 70, 89
小脳性・前庭性・感覚性運動失調障害,
70
上皮, 30

上皮内癌, 32
小胞体, 29
静脈, 58, 73, 168, 175, 201, 202
静脈採血, 94, 168
静脈内注射, 94
静脈麻酔, 44
症例対照研究, 51
初期対応, 38, 43, 44, 45, 111, 204
職業歴, 42
触診, 89
褥瘡, 45, 56, 251
食中毒, 38, 91, 193
食道, 59, 65, 75
食道・胃静脈瘤, 59
食道アカラシア, 59
食道癌, 67, 91, 192
食道静脈瘤, 91, 193
植物状態, 51
食物アレルギー, 65
女性化乳房, 80
女性生殖器, 61, 77
女性ホルモン, 81
触覚, 70, 89
処方箋, 43, 168, 169, 201
自律神経, 30, 55, 75
視力検査, 82
視力障害, 82
痔瘻, 59
脂漏性皮膚炎, 55
腎移植, 76
腎盂腎炎, 66
腎盂尿管癌・膀胱癌, 68
心音, 89, 98
腎外傷, 61
腎芽腫, 68
新型コロナウイルス, 67, 100, 138
心カテーテル検査, 73
腎癌, 68
心気症, 65, 84
心機能曲線, 73
心筋, 30, 38, 57
真菌, 31
心筋・心膜疾患, 57
心筋梗塞, 91, 192
心筋細胞, 73
神経, 30, 33, 38, 54, 56, 65, 67, 70, 72,
73, 76, 83, 91, 92, 110, 192, 193
神経因性膀胱, 61, 92, 193
神経芽腫, 68
神経管, 30
神経筋接合部, 29
神経根症, 57
神経疾患, 62
神経鞘腫, 67
神経性過食症, 65
神経性食思不振症, 65
神経叢, 70
神経叢ブロック, 43

神経調節性失神, 58 神経痛, 55 神経伝達物質, 70 神経病性関節症, 57 腎血管性高血圧症, 61 心原性ショック, 38 腎硬化症, 61
人工換気, 74
新興感染症, 36, 52
人工呼吸器関連肺炎, 66
進行性筋ジストロフィー, 55
人工臓器, 44
人工妊娠中絶, 78
心雑音, 89
心室細動, 57
心室中隔欠損症, 58, 62
心室頻拍, 57
尋常性乾癬, 55
尋常性痤瘡, 56
尋常性白斑, 56
尋常性疣贅, 56
心身医学的疾患, 63
心身症, 63, 65
心神喪失者等医療観察法, 84
腎生検, 76
新生児, 24, 59, 63, 170, 269
新生児一過性多呼吸, 63
新生児黄疸, 63
新生児仮死, 63
新生児呼吸窮(促)迫症候群(IRDS), 63
新生児聴覚スクリーニング, 79
新生児マススクリーニング, 79
真性赤血球増加症, 67
人生の最終段階における医療, 23, 25
腎性貧血, 54
振戦, 70
心臓, 73, 118
心臓死, 51
心臓シンチグラフィ-, 73
心臓超音波検査, 73
腎臓病, 66
心臓リハビリテーション, 73
靱帯, 72
身体活動, 25, 50
身体症状症, 65
身体所見, 36, 42, 171, 172
身体診察, 22, 37, 42, 89, 103, 110, 111,
135, 152, 153, 155, 175, 191, 197,
201, 202, 205, 206, 226, 243
腎代替療法, 76
身体徴候, 44, 252
診断仮説, 42, 201
診断書, 45, 171, 173, 175
診断推論, 42, 195, 196
心タンポナーデ, 38, 57
伸張反射, 70
心的外傷後ストレス障害, 65
心電図, 73, 93, 94, 169

浸透圧, 29, 76 心拍出量, 73 深部感覚, 70, 89
深部静脈血栓症, 58, 91, 192
心不全, 57, 91, 192, 236
心房細動, 57
心房粗動, 57
心房中隔欠損症, 58, 62
蕁麻疹, 55, 91, 192
信頼区間, 51
診療ガイドライン, 22
診療参加型臨床実習, 97, 104, 110, 151,
152, 153, 154, 155, 156, 157, 158,
159, 160, 161, 164, 166, 167, 169,
170, 173, 174, 175, 176, 177, 178,
195, 201, 203, 204, 205, 227
診療報酬, 170
診療録, 42, 46, 111, 152, 155, 167, 168,
169, 170, 171, 174, 175, 191, 201,
203, 207, 226, 245
死腔, 74


膵・胆管合流異常症, 60
随意運動, 70
膵液, 75
膵外分泌系, 75
膵癌, 68, 92, 193
膵神経内分泌腫瘍, 68
錐体路, 70
推定エネルギー必要量, 30
水痘, 56, 62, 67, 91, 164, 192, 233
膵島, 81
水頭症, 62, 92, 193
水疱, 71
髄膜炎, 54, 91, 92, 136, 192, 193
髄膜刺激所見, 89
髄膜腫, 67
髄膜脳炎, 66
睡眠時無呼吸症候群, 59
頭痛, 55, 70, 82, 86, 92, 123, 193
ストレス, 65
スパイロメトリー, 74
すべり症, 57
スポーツ医学, 124, 125, 126, 128, 132,
135, 138, 141, 144, 147
スポーツ外傷, 56


生化学検査, 93
生活習慣, 24, 37, 42, 45, 124, 125, 147
生活習慣病, 141, 142
生活歴, 170
性感染症, 31, 51
性器出血, 78
制御性 T 細胞, 31

清潔操作, 94, 168, 202, 207, 244
生検, 37, 75
性交痛, 77
精子, 77
性周期, 77
正常細菌叢, 75
正常妊娠, 78
正常分娩, 78
生殖器, 30, 34, 37, 61, 68, 77, 202
生殖細胞系列変異, 36
生殖腺, 77
成人 Still 病, 66
成人 T 細胞白血病, 67
精神運動発達, 24
精神保健, 50, 84
精神薬物療法, 84
精神療法, 84
精巣, 77
精巣機能障害, 77
精巣腫瘍, 68
精巣捻転症, 61
生体反応, 39
声帯ポリープ, 65
性徴, 24
成長, 24
成長ホルモン分泌不全型低身長, 63, 64
性分化, 77
成分輸血, 44
生命倫理, 20
生理的変動, 43
咳, 58, 62, 73, 74, 79, 85, 86, 91, 132,
135, 171, 192
脊髄, 30, 38, 57, 70
脊髄くも膜下麻酔, 43
脊髄症, 57
脊髄神経, 70
脊髄損傷, 56, 92, 193
脊髄反射, 70
脊柱, 72, 89, 110
脊柱管狭窄症, 57, 92, 193
脊柱靭帯骨化症, 57
脊椎カリエス, 56
脊椎症, 57, 92, 193
脊椎椎間板ヘルニア, 57
脊椎分離, 57
舌, 75
せつ・癰, 55
舌炎, 65
舌癌, 68
赤血球, 69
接触感染予防策, 37
摂食障害, 65
接触皮膚炎, 55
切迫早産, 61
線維筋痛症, 66
線維腺腫, 68
遷延分娩, 61
前期破水、早期破水, 61

腺腫様甲状腺腫, 68
線条体, 70
染色体, 29
染色体異常, 32, 63
染色体検査, 69, 93
全身倦怠感, 69, 85, 86, 87, 91, 192
全身性アミロイドーシス, 64
全身性アレルギー性疾患, 65
全身性エリテマトーデス(SLE), 66, 92,
193
全身性強皮症, 66
全身麻酔, 175
先端巨大症, 63
前置胎盤, 62
前庭神経炎, 64, 91, 192
先天異常, 61
先天性疾患, 56
先天性心疾患, 58
先天性腎尿路奇形, 63
先天性胆道拡張症, 60
先天性副腎皮質過形成, 63, 64
セントラルドグマ, 29
全般てんかん, 55
前鼻腔, 89
喘鳴, 74
前立腺, 77, 89, 168
前立腺炎, 61
前立腺癌, 68
前立腺肥大症, 61, 92, 193

そう痒, 55, 71 相関, 51, 150 臓器移植, 44, 67 臓器不全, 39
双極性障害(躁うつ病), 65, 92, 193
早期臨床体験実習, 104, 203
装具, 44
造血因子, 69
造血幹細胞, 69
造血幹細胞移植, 38, 44, 69
双合診, 89
相互評価, 147, 148, 149
早産, 61, 91, 192
早産低出生体重児, 63
巣状分節性糸球体硬化症, 60
相反神経支配, 70
僧帽弁疾患, 57
測定誤差, 43
足病変, 64
側弯症, 56
鼠径ヘルニア, 63, 91, 92, 192, 193
咀しゃく, 75
卒前教育, 154, 179
外陰・腟と骨盤内感染症, 61
尊厳死, 25

ダーモスコピー, 71 体位, 42, 73 体位交換, 94
体液, 34, 37, 38, 46, 76, 152, 164
体温, 38, 39, 42, 86, 252
帯下, 77
対光反射, 82, 89
体細胞分裂, 29
体細胞変異, 36
胎児, 24, 39, 73, 78
胎児機能不全, 61
胎児心拍数陣痛図, 78
代謝性骨疾患, 56
体重減少, 81, 87, 91, 192
体重増加, 73, 81, 91, 192
体循環, 73, 74
帯状疱疹, 56, 91, 192
大静脈系, 73
体節, 30
苔癬化, 71
大腸, 59, 75
大腸憩室炎, 59
大腸憩室出血, 59
大腸癌, 67, 91, 193
大腸ポリープ, 67
耐糖能異常, 62
大動脈, 73, 91, 192
大動脈炎症候群, 58
大動脈弁疾患, 57
大動脈瘤, 58
大動脈瘤(胸部・腹部), 58
大動脈瘤破裂, 38, 91, 192
大脳, 70
大脳基底核, 70
大脳皮質, 70
胎盤, 78
胎盤循環, 73
胎便吸引症候群, 63
多因子遺伝, 29
多因子疾患, 32
唾液腺, 75, 89
唾液分泌異常, 83
高安動脈炎(大動脈炎症候群), 58, 66
多汗症, 56
タキフィラキシー, 43
多形滲出性紅斑, 55
多系統萎縮症, 54
多源性心室頻拍, 57
多職種間教育, 155
多職種連携, 18, 49, 144, 145, 146, 161,
180, 215, 234, 251
打診, 89
唾石症, 65
多臓器不全, 39
多胎妊娠, 61
脱臼, 56, 72

脱水, 76, 86 脱毛, 71 多発血管炎性肉芽腫症, 66 多発性筋炎, 92, 193 多発性硬化症, 54 多発性骨髄腫, 67 多発性内分泌腫瘍症, 68 多発性嚢胞腎, 61
痰, 73, 74, 79, 85, 86, 91, 171, 192
単一遺伝子疾患, 32
胆管炎, 60, 91, 92, 192, 193
胆管癌, 68, 92, 193
胆汁, 75
単純ヘルペス, 56
男性生殖器, 61, 77
男性不妊症, 61
男性ホルモン, 81
胆石, 60
胆石症, 60, 91, 192
淡蒼球, 70
胆道閉鎖症, 63
丹毒, 55
胆嚢, 68, 75
胆嚢炎, 60, 91, 192
胆嚢ポリープ, 60
タンパク質, 29, 30, 31, 32
タンパク質合成, 29
タンパク尿, 76, 86
タンパク分画、免疫電気泳動, 69

地域医療, 52, 148, 149, 155, 203 地域医療実習, 148, 153, 179, 203 地域保健, 50, 147
治験, 28
チック, 63, 70
腟分泌物(帯下), 77
注意欠如・多動症 (ADHD), 63, 65
中耳, 83
中耳炎(急性・慢性・滲出性・真珠腫性),
64
中枢神経系, 70
中枢神経ループス, 66
中枢性尿崩症, 63
中毒, 38, 50, 91, 192
中毒性ニューロパチー, 54
中毒性表皮壊死症, 55
肘内障, 57
肘部管症候群等, 56
超音波, 37, 43, 77, 78
超音波検査, 72, 75, 77, 78, 80, 93, 169,
175
聴覚, 44, 70, 83, 96
腸雑音, 89
腸重積症, 59, 63, 91, 192
聴診, 89, 98
腸内細菌, 30

腸内細菌叢, 75
腸閉塞, 59, 91, 92, 192, 193
聴力, 89
聴力検査, 83
直腸, 89, 168, 253
血流感染, 66, 136
血流分布異常性ショック, 38


椎間板炎, 56
痛覚, 70, 89
痛風, 64, 92, 193
突き指, 56
爪, 56, 91

手足口病, 56, 62 手洗い, 168 帝王切開術, 78 低血圧, 32, 58 低血糖症, 64 低酸素血症, 38, 58 低身長, 81 停留精巣, 61
鉄欠乏性貧血, 54, 91, 192 デルマトーム, 70 電解質異常, 60
てんかん, 91, 92, 192, 193
電気生理学的検査, 70
電気的除細動, 73
電撃傷, 56
電子カルテ, 40, 139, 172, 178
電子伝達系, 30
電磁波, 39
転写, 29
伝染性紅斑, 56, 62, 91, 192
伝染性軟属腫, 56, 62
伝染性膿痂疹, 55, 62
転倒, 24, 46, 165
伝導路, 70, 82, 83

頭蓋骨骨折, 55 頭蓋内圧亢進, 70 頭蓋内血腫, 91, 92, 192, 193 動悸, 73, 91, 192
動機付け, 96, 124
統計手法, 51
頭頸部, 37, 65, 68, 72, 73, 89, 110
凍結療法, 71
瞳孔, 89
統合失調症, 65
糖質, 30, 31, 81
頭重感, 86
凍傷, 56

糖新生, 30 糖代謝異常, 32, 64 疼痛, 43, 65, 89
糖尿病, 61, 64, 66, 91, 92, 142, 147, 192,
193
糖尿病ケトアシドーシス, 64
糖尿病性神経障害, 64
糖尿病性腎症, 64
糖尿病性網膜症, 64
頭髪, 89
頭皮, 89
頭部外傷, 55
頭部外傷後の高次機能障害, 55
洞不全症候群, 57
動脈, 64, 75, 91, 92, 175, 192, 193
動脈管開存, 58, 62
動脈血ガス, 74, 93
動脈硬化, 32, 58
動脈疾患, 58
動揺病, 64
特発性間質性肺炎, 58
特発性心筋症(肥大型・拡張型・拘束
型), 57
特発性大腿骨頭壊死症, 56
毒物, 32
吐血, 75, 86, 88, 91, 193
徒手筋力テスト, 89
徒手検査, 72
ドパミン, 70
トリアージ, 251, 252
トロンボポエチン, 69


内外生殖器の先天異常, 61
内耳, 83
内視鏡, 43
内視鏡検査, 37, 75, 93, 175
内視鏡治療, 75
内反足, 56
内反膝, 57
内部被ばく, 39
内分泌, 29, 35, 37, 63, 68, 70, 81
内分泌・代謝機能検査, 93
滑液包炎, 57
滑膜炎、関節炎, 57
軟骨, 56, 72
軟骨肉腫, 67
難治性ヘルペス, 56
難聴, 64, 83

肉離れ, 56 二酸化炭素, 58, 74 二次救命処置, 38, 45, 175 二次性心筋疾患, 57 二次性貧血, 54, 91, 192

二次性免疫不全症候群(悪性腫瘍・医 原性・自己免疫疾患による), 66
日常生活動作(ADL), 24, 44
日常生活動作(ADL), 168
日内変動, 81
入院診療計画書, 170
乳癌, 68
乳酸アシドーシス, 64
乳児下痢症, 59, 63
乳汁分泌, 80
乳汁漏出症, 77
乳腺炎, 62
乳腺症, 68
乳房, 35, 63, 68, 80, 89, 168, 253
乳房腫瘤, 80
乳房の腫脹・疼痛・変形, 80
乳幼児, 24
乳幼児健康診査, 79
乳幼児突然死症候群(SIDS), 63
乳幼児の難聴, 64
尿検査, 37, 93, 94, 169
尿細管, 61, 76
尿細管間質性腎炎(急性・慢性), 61
尿細管性アシドーシス, 61
尿素, 30
尿道炎, 61
尿道カテーテル, 94, 168
尿流動態検査, 76
尿路カテーテル感染, 66
尿路結石, 61, 91, 92, 192, 193
尿路造影, 76, 77
妊娠, 34, 61, 78, 91, 92, 193, 206
妊娠悪阻, 61
妊娠高血圧症候群, 61
妊娠時の薬物療法, 78
妊娠反応, 78, 93, 94, 169
認知機能障害, 24, 70, 84, 92, 193
認知行動療法, 22
認知症, 54, 65, 92, 193


ヌクレオチド, 30
ヌクレオチド代謝異常, 32

ネクローシス, 32 熱傷, 38, 39, 168 熱性けいれん, 62, 91, 192 熱中症, 38
ネブライザー, 94, 168
ネフローゼ症候群, 63, 76, 91, 192
ネフロン, 76
粘液腫, 67
粘膜疹, 71


脳, 30, 35, 70, 73, 84, 118, 144
脳炎, 54, 91, 192
脳幹, 70
膿胸, 58
脳血管障害, 54, 71, 144
脳血管性認知症, 54
脳梗塞, 54, 91, 92, 144, 192, 193
脳挫傷, 55
脳死, 51
脳室系, 70
脳死判定, 51
嚢腫, 71
脳出血, 54, 91, 92, 192, 193
脳腫瘍, 37, 67, 68
脳症, 54, 91, 192
脳神経, 70, 89
脳振盪, 55
脳性麻痺, 62
脳脊髄液, 70, 93
脳動静脈奇形, 54
脳動脈瘤, 54
脳膿瘍, 54
脳波, 70, 84, 93, 175
脳ヘルニア, 70
膿疱, 71
膿疱症, 55
嚢胞性膵腫瘍, 68
ノルアドレナリン, 70
ノンストレステスト, 78


パーソナリティ障害, 65
バイアス, 51
肺炎(定型・非定型), 58, 66, 91, 135,
136, 192
肺炎球菌, 67, 135
肺拡散能力, 74
肺化膿症, 58
肺癌, 67, 91, 192
肺気量分画, 74
肺区域, 74
配偶子, 30
胚形成, 30
肺結核, 58, 91, 192
敗血症, 36, 38, 63, 91, 135, 192
肺高血圧症(原発性・二次性), 58
肺コンプライアンス, 74
肺循環, 73, 74
肺循環障害, 58
賠償責任保険, 152, 165, 233
肺真菌症, 58
肺性心, 58
排泄障害, 24
配属期間, 133, 155, 195
バイタルサイン, 42, 44, 110, 168, 252

梅毒, 56 胚内体腔, 30 排便, 75
肺胞, 74
肺胞気-動脈血酸素分圧較差(A-aDO2),
74
肺胞タンパク症, 59
肺門, 74
肺葉, 74
排卵, 77
ハイリスク妊娠, 61
肺リンパ脈管筋腫症(LAM), 59
白内障, 64
麦粒腫・霰粒腫, 64
麻疹, 56, 62, 67, 91, 164, 192, 233
播種性血管内凝固(DIC), 39, 54, 62
破傷風ジフテリア, 67
白血球, 69
抜糸, 168
発疹, 79, 86, 91, 92, 192, 193
発達障害, 65, 208, 209
パッチテスト, 71
発熱, 37, 39, 69, 79, 85, 86, 87, 91, 121,
135, 171, 192
パニック障害, 91, 192
針筋電図検査, 70
針刺し事故, 178, 233
パルボウイルス B19 感染症, 62
反回神経麻痺, 55, 83
瘢痕, 71
半座位, 42
反射, 30, 70
反射性失神, 58
反張膝, 57
反応性関節炎, 66, 92, 193
晩発影響, 39

ピークフローメトリー, 74 鼻咽腔・喉頭内視鏡, 83 鼻炎, 64
皮下注射, 94
脾機能亢進症, 54
被虐待児症候群, 63
鼻鏡, 83, 89, 168
鼻腔, 65, 83
非結核性抗酸菌症, 58
肥厚性幽門狭窄症, 59, 62
鼻骨骨折, 65
皮脂欠乏性湿疹, 55
微弱陣痛, 61
鼻出血, 64, 83
微小管, 30
微小変化群, 60
皮疹, 71, 85
微生物学検査, 94
脾臓, 69

ビタミン, 30, 32, 64, 81 ビタミン B12 欠乏性貧血, 54 ビタミン D, 76
ビタミン K 欠乏症, 54, 62
ビタミン欠乏症, 64
人獣共通感染症, 31
ヒトパピローマウイルス, 67
皮内注射, 94
皮内テスト, 71
被ばく, 45, 164
批判的吟味, 22, 111
皮膚, 55, 56, 62, 67
皮膚アレルギー検査, 71
皮膚炎, 55, 91, 192
皮膚感染症, 55
皮膚筋炎, 66, 92, 193
皮膚筋炎・多発性筋炎, 66
皮膚検査法, 71
皮膚抗酸菌症, 56
皮膚消毒, 94, 168
皮膚真菌症, 56
皮膚そう痒症, 55
皮膚軟部組織感染, 66, 136
皮膚描記法(Darier 徴候), 71
飛蚊症, 82
鼻閉, 83
飛沫感染予防策, 37
肥満症, 64
びまん性汎細気管支炎, 58
表現型, 29
病原体, 31, 94, 164, 169, 178
標準予防策, 37, 46, 252
病診連携, 161
病理, 37, 135, 147, 148
病理解剖, 51
病理診断, 32
病理組織検査, 93
病歴, 38, 42, 109, 161, 171, 205, 206,
211, 239, 243
びらん, 71
微量元素, 30, 32, 81
鼻漏, 83
貧血, 54, 62, 69, 171


不安・抑うつ, 84, 92, 193
不安障害(パニック障害・社交不安障
害), 65, 91, 92, 192, 193
不安定狭心症, 57
風疹, 56, 62, 67, 91, 92, 164, 192, 193,
233
フールプルーフ, 46
フェイルセイフ, 46
負荷試験, 81
不規則抗体検査, 93
吹き抜け骨折, 65
腹腔内感染, 66, 136

副交感神経系, 70 副甲状腺, 63, 81 副甲状腺機能亢進症, 63 副甲状腺機能低下症, 63 副作用, 46
福祉, 23, 40, 49, 50, 99, 142, 147, 148,
161, 203
副腎, 64, 81
副腎不全(急性・慢性(Addison 病)), 64
腹水検査, 93
輻輳反射, 82
腹痛, 75, 77, 78, 79, 86, 88, 91, 192
副鼻腔, 89
副鼻腔炎(急性・慢性), 64, 91, 92, 192,
193
腹部膨隆, 75, 77, 78, 79, 92, 193
腹膜, 60, 75
腹膜炎, 60, 91, 192
腹膜透析, 76
浮腫, 73, 76, 79, 85, 86, 91, 192
不随意運動, 70
不正性器出血, 77
不整脈, 38, 57, 73, 91, 192
付属器疾患, 56
不適合輸血, 44
舞踏運動, 70
ブドウ球菌, 36
ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群, 55, 62
ぶどう膜, 64
ぶどう膜炎, 64
不妊症, 61
不眠, 84
プライマリ・ケア, 23, 99, 122, 160, 161,
203
フリーラジカル, 30
プリックテスト, 71
フレイル, 24, 125
プレゼンテーション, 28, 45, 118, 133,
134, 147, 148
プロゲステロン, 77
プロテイン C・プロテイン S・アンチトロン
ビン欠乏症, 54
プロブレムリスト, 171, 172, 239
プロラクチン, 77
分化, 30, 69
分子系統樹, 29
分子標的薬, 43
分泌, 29, 30, 75, 76, 80, 81, 178
分泌物検査, 78
分娩, 34, 78, 168, 175
分娩外傷, 62
粉瘤, 56

平滑筋, 30 平均寿命, 51 閉経, 77

平衡感覚, 83 平衡機能検査, 83 平衡聴覚器, 30 閉塞性ショック, 38 閉塞性動脈硬化症, 58 ペースメーカー, 73 ヘモグロビン, 69 ヘルニア, 60, 92, 193 ヘルパーT 細胞, 31 辺縁系, 70
変形性関節症, 57, 66, 92, 193
便検査, 93
片頭痛, 55, 91, 92, 123, 193
扁桃, 69, 89
扁桃炎, 58, 65, 91, 92, 192, 193
扁桃周囲炎, 65
扁桃周囲膿瘍, 65
便秘, 59, 63, 75, 79, 86, 91, 192, 193
扁平苔癬, 55
弁膜症, 57, 91, 192

法医解剖, 51 法医学, 51 蜂窩織炎, 55
包括同意, 167, 174, 175, 176, 177
縫合, 94, 202
膀胱炎, 61, 66
膀胱癌, 92, 193
膀胱尿管逆流, 61, 63
房室ブロック, 57
放射線, 38, 39, 50, 144, 145, 164, 165
放射線治療, 39, 43
放射線肺炎, 58
放射能, 39
胞状奇胎, 68
ポートフォリオ, 102, 105, 106, 109, 112,
133, 149, 209, 252
保健, 23, 49, 50, 51, 53, 147
保健所, 50, 203
歩行障害, 24, 70, 72, 92, 193
歩行補助具, 44
母子感染, 62
ポジトロン断層法(PET), 74
母子保健, 50, 78
母体, 50, 78
補聴器・人工聴覚器, 83
勃起, 77
勃起不全, 77
発作性上室頻拍症, 57
発作性夜間ヘモグロビン尿症, 54
哺乳力低下, 79
母斑, 56
ポリソムノグラフィー, 74
ポリファーマシー, 22
ポルフィリン, 30
ホルモン, 76, 77, 80, 81

本態性血小板血症, 67

マイコプラズマ, 31 膜性腎症, 60 膜性増殖性糸球体腎炎, 61 麻酔, 44
麻酔管理, 44
麻酔薬, 44
末梢静脈の血管確保, 94
末梢神経系, 70
末梢神経伝導検査, 70
末梢神経ブロック, 43
間脳・下垂体疾患, 63
慢性胃炎, 59
慢性肝炎, 60, 92, 193
慢性硬膜下血腫, 92, 193
慢性骨髄性白血病, 67
慢性疾患, 122, 172
慢性腎炎症候群, 76
慢性腎臓病(CKD), 60, 91, 192
慢性心不全, 57
慢性腎不全, 60
慢性膵炎(アルコール性・特発性), 60
慢性疼痛, 23
慢性閉塞性肺疾患, 58, 91, 192
マンモグラフィー, 80

ミオクローヌス, 70 味覚, 70, 83 味覚検査, 83 味覚障害, 83 ミトコンドリア, 29 ミトコンドリア遺伝, 29
ミトコンドリア遺伝子, 32
看取り, 23
耳鳴, 83
脈拍, 42, 171, 252

無顆粒球症, 54 無汗症, 56 無気肺, 59
胸管, 73
胸やけ, 75
ムンプス, 67, 164, 233

眼脂, 82 眼組織の異常, 64 眼痛, 82
めまい, 70, 82, 83, 91, 192

免疫, 24, 31, 32, 33, 36, 44, 58, 63, 65,
71, 74, 85, 135
免疫・アレルギー, 36, 63, 85
免疫応答, 32, 44
免疫寛容, 32
免疫グロブリン, 31
免疫血清学検査, 36, 93
免疫性血小板減少症(ITP), 54, 62
免疫反応, 31
免疫不全, 36, 66
免疫抑制薬, 67, 85
メンタルヘルス, 24
眼圧検査, 82

毛細血管, 73 毛細血管拡張, 71 毛嚢炎, 55 網膜芽細胞腫, 68 網膜静脈閉塞症, 64
模擬患者, 98, 103, 106, 110, 116, 119,
123, 126, 129, 133, 136, 141, 142,
143, 146, 204, 211, 212, 247
モニタリング, 44, 164
もやもや病, 54
問題志向型医療記録, 42
門脈圧亢進症, 60
門脈系, 73

夜驚症, 62 薬害, 46 薬剤感受性試験, 93 薬剤師, 145, 160, 195
薬剤性過敏症症候群, 55
薬剤性肺炎, 58
薬剤耐性菌, 36
薬疹, 55, 91, 192
薬物アレルギー, 43
薬物使用, 43, 65
薬物障害, 55
薬物性肝障害, 60
薬物性消化管障害, 60
薬物動態, 43
薬物動態的相互作用, 43
薬理作用, 32, 43
やせ, 65
夜尿症, 62
病病連携, 161


有害事象, 38, 43, 68
有棘細胞癌, 67
輸液, 43
輸血, 43, 44, 69, 171, 175
輸血使用記録保管義務, 44
輸血副反応, 44
癒着胎盤, 62

溶血性尿毒症症候群(HUS), 54, 63 溶血性貧血, 92, 193 葉酸欠乏性貧血, 54
痒疹, 55
羊水検査, 78
羊水塞栓症, 62
腰椎穿刺, 175
腰痛, 92, 193
用量反応曲線, 32
葉緑体, 29
予防医療, 22
予防接種, 37, 45, 79, 168

ラーニング・ポートフォリオ, 158, 209 ライフサイクル, 24, 122, 123 ライフステージ, 24
乱視, 64
卵巣癌, 91, 192
卵巣機能障害, 61
卵巣腫瘍, 68
卵巣嚢腫, 91, 192
ランダム化比較試験, 51
卵胞刺激ホルモン, 77


リウマチ性多発筋痛症, 66
リウマチ熱, 66
理学療法, 44, 144, 145
罹患率, 23, 51
リケッチア, 31
リサーチマインド, 27, 132
リスクコミュニケーション, 50
リスク比, 51
リスクマネージャー, 45
リソソーム, 29
離断性骨軟骨炎, 56

立位, 42
リハビリテーション, 44, 71, 72, 85, 170,
202
リボソーム, 29
流産, 61
流産・切迫流産, 61
良性腫瘍, 32
良性乳腺疾患(乳腺炎・乳腺症), 63
良性発作性頭位めまい症, 64, 91, 192
緑内障, 64, 92, 193
臨床教授制度, 161
臨床研究, 28, 235
臨床検査, 160
臨床実習後 OSCE, 112, 113, 137
臨床実習の到達目標, 216
臨床倫理, 21
鱗屑, 71
リンパ管, 30, 58
リンパ節, 69
リンパ節腫脹, 69, 79, 85, 86, 87, 92, 193
リンパ浮腫, 58, 91, 192
倫理, 20, 21, 28, 36, 40, 114, 115, 116,
133, 134, 138, 139, 173, 201
倫理観, 3, 40


ループス腎炎, 61, 66

レーザー治療, 82 裂孔原性網膜剥離, 64 レニン, 76
連鎖球菌, 62

老化, 24, 32 労作性狭心症, 57 老年症候群, 24
ロコモティブシンドローム, 24, 57


和漢薬, 43
ワクチン, 31, 37, 45, 164, 165, 203, 233
ワクチン予防可能な疾患, 67