ATPをなぜ大量につくって保存しておかないのか

激しい運動をするとATPは数秒で消費されるそうです。そのため運動を継続するためにはATPを再生する必要があり、そのためには筋細胞ではクレアチンリン酸がリン酸をADPに供与してATPを再生します。クレアチンリン酸も枯渇すると、グルコースからATPを産生するしかありません。

そんなに不便なら最初からATPを大量につくって貯蔵しておけないのか?という疑問が湧きます。

ATP分子はかさばるので貯蔵に向かないから

Quoraの掲示板の答えを読んで、なるほどと思いました。

ATPの分子量は507.18 g/molですが、それに対して、ATPが加水分解により作り出すエネルギーは7 kcal/molしかなくて、グラムあたりだと7/507.18 = 0.0138 kcalしかありません。糖質やタンパク質のエネルギーは4 kcal/g、脂質は8 kcal/gと言われていますので、重量あたりのエネルギー産生能はATPの場合、非常に小さいということがわかります。つまり、ATPという分子は、かさばるばかりで貯蔵には向かないというわけです。

  1. Why can’t ATP be stored? Quora