ペントースリン酸回路とは
ペントースは五炭糖(炭素5個からなる糖)という意味で、アルデヒドをもつ糖(アルドース)の五炭糖はリボース、ケトン基をもつ糖(ケトース)の五炭糖はリブロースと呼ばれます。ペントースリン酸回路は、解糖系のグルコース6リン酸から「脇道」に入って、リブロース5‐リン酸、リボース5‐リン酸を産生し、C7,C3,C4化合物なども作り、解糖系の中間代謝物であるフルクトース6-リン酸になって解糖系を逆行して回路が閉じます。リブロース5‐リン酸やリボース5‐リン酸といったペントースリン酸をつくる回路というわけです。
ちなみに、https://www.osmosis.org/learn/Pentose_phosphate_pathwayの動画を見ていたら、pentose phospate pathwayの名前の由来は、five carbon sugre (pentose)と、NADPH(nicotinamide adenine dinucleotide phosphate)をつくるからだと説明していましたが、「pentose phospate」は一語でしょう。ペントースリン酸回路の役割を覚えてもらうために、このような説明をしたのかもしれません。
- https://www.khanacademy.org/test-prep/mcat/biomolecules/carbohydrate-metabolism/v/pentose-phosphate-pathway この動画でも、ペントースリン酸回路の役割の覚え方として、ペントース→リボースリン酸合成、リン酸→NADPHのP という説明があります。ただしあくまでも覚え方、思い出す手掛かりというニュアンスでした。
ペントースリン酸回路の役割
この回路では、次の2つの重要な役割が果たされる。役割の1つは、NADPHを産生することである。‥ペントースリン酸回路は、このような反応に必要なNADPHを産生するための最も主要な反応系である。ペントースリン酸回路のもう1つの役割は、核酸および各種ヌクレオチドの合成原料として必要なリボース5‐リン酸ribose 5-phosphateを産生することである。リボース5-リン酸はこの反応系でのみつくらる。(三輪・中『生化学』184~185ページ)
この教科書の説明はメリハリがあってわかりやすいと思います。
3つめの役割として、エリトロース4‐リン酸の産生(芳香環をもつアミノ酸の材料)を挙げている講義動画(↓)もありました。
Pentose Phosphate Pathway | Hexose Monophosphate Shunt Hussain Biology チャンネル登録者数 18.4万人 メンバーになる チャンネル登録 1575 GLYCOLYSIS PATHWAY : • Glycolysis Pathway
酸化反応経路
ペントースリン酸回路の前半部分、すなわちグルコース6-リン酸からペントース5リン酸が作られるところまでが、酸化反応になります。それ以降は酸化反応ではないようです。
ペントースリン酸回路が亢進している臓器・器官
The highest activity was found in lactating mammary gland and adipose tissue. Lung and liver showed to have a moderately high activity. Brain, kidney, skeletal muscle, and intestinal mucosa showed to have also a significant activity although less than other tissues. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10630623/
https://exchange.scholarrx.com/brick/pentose-phosphate-pathway